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地域福祉の理論と方法 練習問題・基礎編―コミュニティケア*社会福祉士 精神保健福祉士受験対策

地域福祉の理論と方法 練習問題・基礎編

*社会福祉士 精神保健福祉士受験対策<共通科目>

問題13 次の記述の中から、誤っているものを一つ選びなさい

1 コミュニティケアは1950年代イギリスにおける精神障害者の医療・福祉施策の転換を示す言葉として登場した。それは従来の社会復帰志向から、施設への隔離収容政策への転換であった。

2 日本でのコミュニティケアは、1960年代の高度経済成長や社会保険の整備に伴い,貧困対策から生活援助へと社会福祉の対象・内容の変化・拡大と,施設偏重に対する内部からの疑問などを背景とし,1960年代後半から議論・研究が行われるようになった。

3 ノーマライゼーションは,1950年代デンマークの行政官であったバンク・ミケルセンにより提唱された。

4 日本での社会サービスは、1986(昭和61)年版の厚生白書においてこの用語が用いられてから,頻繁に使われるようになった。厚生白書では,保健・医療・福祉をその範囲としていたが,欧米の社会サービスは対象範囲にばらつきがある。

5 ケアマネジメントは,地域に点在する社会資源を利用者の必要に応じて組み合わせ,継続しての提供が可能となるよう調整していく技術である。




*解答は下記をクリック



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<解答>

問題13 正答1

1 × コミュニティケアは1950年代イギリスにおける精神障害者の医療・福祉施策の転換を示す言葉として登場した。それは、従来の収容政策から、社会復帰志向への転換であった。

2 ○ 日本でのコミュニティケアは、1960年代の高度経済成長や社会保険の整備に伴い,貧困対策から生活援助へと社会福祉の対象・内容の変化・拡大と,施設偏重に対する内部からの疑問などを背景とし,1960年代後半から議論・研究が行われるようになった。

3 ○ ノーマライゼーションは,1950年代デンマークのバンク・ミケルセンにより提唱。

4 ○ 日本で社会サービスは、1986(昭和61)年版の厚生白書においてこの用語が用いられてから,頻繁に使われるようになった。厚生白書では,保健・医療・福祉をその範囲としていたが,欧米の社会サービスは対象範囲にばらつきがある。

5 ○ ケアマネジメントは,地域に点在する社会資源を利用者の必要に応じて組み合わせ,継続しての提供が可能となるよう調整していく技術である。


<解説>
*ケアマネジメント
 利用者を中心とするインフォーマルな支援と在宅サービスのネットワークを形成し,運営する方法。
 アメリカにおいて,1960年代に起こった精神障害者や知的障害者の脱施設化運動に端を発し,施設ケアから在宅・地域ケアへ生活支援サービスの提供の場が移行するなかで,地域で暮らすために必要なサービスを統合し,継続的な援助を行うための手法として,1970年代なかばにケースマネジメントとして確立された。1980年代には,病院や施設での長期ケアにかかる社会的費用を抑制するため,在宅・地域ケアを効率的に行う方法として,メディケアやメディケイドの枠内でもケースマネジメントが行われるようになった。イギリスでは,1980年代末に,地域ケアサービスを統合することを強調する意味から,ケアマネジメントとよばれるようになった。
 わが国でも,介護保険制度導入により,要介護高齢者に総合的な介護支援サービスを提供するため,居宅介護支援事業の領域で実践されている。
 ケアマネジメントは,複数のニーズをもった利用者およびその家族を中心としたサービス提供のアプローチであり,地域に散在し,連携・調整機能を基本的にもたない縦割り的な社会資源を,ネットワーク化することによりケアの統合と継続性を達成する方法である。また,社会資源として,行政機関などによるフォーマルなサービスだけでなく,家族,親戚,友人,同僚,近隣,ボランティアなどのインフォーマルな資源も積極的に取り入れる。さらに,ケアマネジメントでは,利用者の自立支援および自己決定という理念のもと,利用者自身がもつ能力や資産などの内的資源を最大限に活用することが求められる。社会資源を活用し,ケアサービス利用者が適切なケアを必要なときに必要なだけ受けられることにより,安定した状態で生活することが可能となると同時に,サービスの効率的提供が可能となる。サービスを実施する保健・医療・福祉などの専門職者およびインフォーマルな支援者の集団がチームとして機能するために,その連絡・調整の中心にケアマネジャーがおかれる。利用者および家族は,サービス提供組織と個別に交渉する必要がなく,ケアマネジャーという窓口を活用することで必要なサービスを適切に受けることが可能となる。生活支援チームを誰がまとめるかはチームの構成や状況により異なり,介護保険制度のケアマネジメントでは,多様な関連専門職従事者に介護支援専門員(ケアマネジャー)の受験資格を与えている。
 ケアマネジメントを展開していく援助過程は,①多面的,包括的に利用者の状況,ニーズ,問題,自己ケア能力などを把握するアセスメント,②利用者・家族の意向などをもとにニーズの優先づけを行い,援助目標をたて手段を組み合わせるケアプラン策定,③計画に基づいた援助サービスを実施するケアプランの実行,④実施されたサービスがケアプランどおりに行われているか,利用者の変化に対応できているか,などの状況を見守るモニタリング,⑤ケアプランの目標達成の度合,援助効果,利用者の満足度などを見定める評価,の各段階から構成される。




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by yrx04167 | 2009-10-13 06:27 | Comments(0)