講義 相談援助の基盤と専門職 前期第1回 レジュメ(前編)4月9日 ソーシャルワーク概要、役割、意義とは

相談援助の基盤と専門職 前期第1回 講義レジュメ(前編) 
4月9日(金)、社会福祉士養成学科)にて講義。


1章 1節 社会福祉士の役割と意義
*はじめに:ソーシャルワークの概要
・ソーシャルワークは、生存・生活・人権の保障、「苦境の軽減」、QOLの向上等のために、人間の内面と周囲の環境、その接点に働きかける、マクロからミクロに至る支援の技術と考えられる。

 「ソーシャルケースワークは、人間と社会環境との間を個別に,意識的に調整することを通して人格(パーソナリティ)を発達させる諸過程である」
 M.リッチモンド 1922年『What Is Social Case Work ?(ソーシャルケースワークとは何か)』 より

*ソーシャルワークを構成する要素
①ソーシャルワークの価値・倫理
②ソーシャルワークの専門知識
③ソーシャルワークの方法・技能・技術
(+目的、権限の委任)

*用語解説:地域包括支援センター
 地域包括支援センターは、介護保険法で定められた、地域住民の保健・福祉・医療の向上、虐待防止、介護予防マネジメントなどを総合的に行う機関である。各区市町村に設置される。2005年の介護保険法改正で制定された。
 センターには、保健師、主任ケアマネジャー、社会福祉士が置かれ、専門性を生かして相互連携しながら業務にあたる。


1 社会福祉士及び介護福祉士法における位置づけ
<ポイント>
・ソーシャルワーカーとは、 各種の社会福祉施設・団体・相談機関,福祉行政、あるいは医療機関などにおいて,専門的知識と技術,価値観をもって,社会福祉サービス利用者の相談等の援助や社会資源の活用,地域やグループへの援助を行う社会福祉専門職である。
 わが国におけるソーシャルワーカーの国家資格としては,1987(昭和62)年「社会福祉士及び介護福祉士法」によって社会福祉士が創設された。また、97年には精神保健福祉士が創設されている。

<解説>
・社会福祉士及び介護福祉士法では「日常生活を営むのに支障のある者」を対象として杜会福祉専門職は援助を行うものとされている。
 介護が身体的機能に主に焦点をあてるのに対し、ソーシャルワークは心理社会的問題に焦点をあてる。

*心理社会的問題とは
・社会生活上の困難の要因が、人・パーソナリティに問題がある場合、環境に問題がある場合、その双方、相互作用に問題がある場合などが挙げられる。
・ソーシャルワーカーは、利用者の主体性を重視しながら,人と環境の相互作用に着目し,両者の適合、利用者のエンパワーメントと環境の改善を図っていくことを役割としている。

・ソーシャルワーカーとは、生活問題・心理社会的問題に対応する、トータルな生活支援を目指した社会福祉サービスを提供する専門職である。

<社会福祉士の資格特性>
*社会福祉士及び介護福祉士法より
(目的)
第1条 この法律は、社会福祉士及び介護福祉士の資格を定めて、その業務の適正を図り、もって社会福祉の増進に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条 この法律において「社会福祉士」とは、第28条の登録を受け、社会福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもって、身体上若しくは精神上の障害があること又は環境上の理由により日常生活を営むのに支障がある者の福祉に関する相談に応じ、助言、指導、福祉サービスを提供する者又は医師その他の保健医療サービスを提供する者その他の関係者(第47条において「福祉サービス関係者等」という。)との連絡及び調整その他の援助を行うこと(第7条及び第47条の2において「相談援助」という。)を業とする者をいう。

・杜会福祉士及び介護福祉士は名称独占資格ではあるが、業務独占資格ではない。
・また、杜会福祉土及び介護福祉土法では両福祉士の業務の概念を規定するとともに、 秘密保持義務(守秘義務)や、信用失墜行為の禁止などの義務及び医療などの関連職種との連携規定が定められている。

*「相談」の一般的な意味
 問題の解決のために話し合ったり、他人の意見を聞いたりすること。また、その話し合い。(『大辞泉』より)

*社会福祉における「相談」
 社会福祉の援助を行う際には,的確なニーズ把握を行い,問題解決のプロセスを支援し,必要に応じて適切な社会資源を活用することが重要となる。利用者自身の問題解決能力を高め,相談員がこうしたサポート機能を発揮していくことが,社会福祉における相談活動である。(有斐閣『現代社会福祉辞典』より)

*解説:社会福祉士及び介護福祉士法
 社会福祉士・介護福祉士の資格を定め,業務の適正と福祉の増進への寄与を目的に1987年・昭和62年に制定された法律(昭和62年法律30号)。



<用語解説は下記をクリック>



*解説:M.リッチモンド Richmond, Mary Ellen (1861-1928)
・ケースワークを初めて体系化し、ソーシャルワークの専門職としての基礎を築いたことから「ケースワークの母」と呼ばれている。ボルチモアやフィラデルフィアの慈善組織協会(COS)における活動を通して,貧困者への対応の仕方,従事者の教育・訓練の必要性を提唱した。1917年の『社会診断』(Social Diagnosis)等を著した。

*用語解説:パーソナリティ personality
・個人間の差異を説明する概念であり,一貫性と統合性をもつ科学的に観察可能な行動特性をいう。
語源はラテン語の「ペルソナ」に由来し,演劇で役者のつける仮面をさす。そこから,見かけ上のある特徴,人が演じる役割,さらには人がもつ内的性質という意味が生まれた。オルポート(Allport, G. W.)は「精神身体的体系をもった個人内の力動体制であって,その特徴を表す行動と志向を決定するもの」であるとした。

*用語解説:QOL  quality of life
クオリティ・オブ・ライフ(QOL)は,「生活の質」「生命の質」「生の質」などと訳されている。生活者の評価意識である満足感,安定感,幸福感を規定している諸要因の複合を意味するとされている。


*用語解説:エンパワーメント(エンパワメント)
個人,家族,集団あるいはコミュニティが,その個人的,対人関係的,社会経済的および政治的な影響力(パワー)を回復し強め,それによってその取り巻く環境の改善を実現させていくこと,あるいはそれらが実現された状態を意味している。


<後編に続く>



*予習に活用して下さい。 下記をクリック
社会福祉の制度 

社会福祉制度の概要の解説のリンクがページの下方にあります。
 全国社会福祉協議会のHPです。
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by yrx04167 | 2010-04-05 16:57 | Comments(0)