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社会調査の基礎 第4回講義レジュメ前半 質的調査、観察法、主観の適合性とは

社会調査の基礎 第4回講義レジュメ<前半> 2011/05/20 3時限
3章 質的調査法・続き
2 観察法の実施と記録法・前半からの続き テキストP83~
<柔軟性の活用

 柔軟性は、参与観察の長所の一つである。
 分析の展開に応じて、観察の焦点を自ら省みたり、変えたりする継続的な過程である。
動機、信念、行為に関して無数の問いをいつも自問する。
ただし、逆に言えば、「試行錯誤」の連続でもある。

*方法的な柔軟
 非構造化インタビューを併用することもある。
 インタビューは、観察だけではなかなか手に入らない情報を得ることができ、調査者の理解を助ける。
 改まってインタビューをしなくても、調査対象者との一般の会話において、調査者が疑問に感じている点について質問するのもよい。

*理論的な柔軟
 方向付けの理論(orientating theory)。
 分析の時点で、どのようなデータが必要になりそうかを示す、般的な言葉で表された理論。
 非構造化インタビューのときに用意される大ざっぱな質問の見出しのようなもの。
 データ収集で迷子になりかけたら、この「方向付けの理論」に立ち戻って、データ収集のやり方を修正する。
 データの収集がすすみ、考察もすすんでくれば、この「方向付けの理論」は、より明確な「仮説」に変わっていく。
・理論とデータの対話によって、理論を洗練させていくことが重要である。
・理論が洗練されてくると、収集すべきデータも焦点がしぼられてくる。

*理論的サンプリング
 量的調査のように調査対象をランダムにサンプリングするのではなく、理論の発展に役立つという基準から、「有意」にサンプリングをおこなう。

<データの作成とフィールドワークから引き上げる時期>
*理論的飽

 観察を続けても、それまでの観察から得られた理論を問い直したり修正したりできなくなる状態。
 ここに至れば、観察を終え、フィールドから引き上げる。そして、本格的な分析に着手する。

<主観の適合性
 主観の適合性とは、参与観察の妥当性を高める指標。
 調査者の理解が、どのくらい調査対象の実態を反映したものかを判定する基準。
・参与観察は、ある意味で、調査者が、調査対象の社会によって「社会化」される過程。
 社会化とは、その社会に求められる社会規範を身につけて、社会の成員として適切に振る舞えるようになること。
 社会規範とは、ある状況において適切とされる行為を定めるルール。
 調査者の社会化がうまくいっているほど、主観の適合性が増すと思われる。

*主観の適合性を判定する6指
(1)時間
調査者が、集団と過ごす時間が増えるほど、適合性が増す。
(2)場所=物理的環境
さまざまな場所で観察するほど、人びとの行為に対する理解が増す。
(3)社会的状況=人間を中心とする一時的な環境
さまざまな社会的状況で観察するほど、人びとの行為に対する理解が増す。
(4)言語
調査者がその社会的場でつかわれている言葉をよく知るほど、その場についての解釈は正確になる。
(5)親密性
調査者は、集団やその成員と、個人としてのかかわりが増すにつれて、集団内の人びとがとっている意味づけや行為をよく理解できるようになる
(6)社会的合意
ある文化で人びとに共有されている意味やルールを、調査者が第3者に示せるほど、適合性は高い
・社会調査における「理解」が達成されるのは、調査者が自分でその社会的場面のルールを知り、それを他の人に伝え、それを聞いた人が、その集団の一員として振る舞えることができたときと考えられる。

*「自ら省みること」についての注意
 特に、参与観察では、調査者、調査者の経験、観察が、データを引き出す手段なので、自らを省みることによって、データと、調査者、調査者の経験、観察との関係を、常に問い続ける手順が必要
・自ら省みることによって調査者に求められているのは、批判的に、観察された相互作用の具体的状況と特質を理解することであり、観察と解釈の関係を理解することである。


<社会調査の基礎 第3回講義 ソーシャルケア学科にて
社会福祉士受験支援講座・教員日記 : 社会調査の基礎 第3回講義レジュメ<前半>5/13 質的調査1 特徴 ソーシャルケア学科
 質的調査の特徴と種類、その概要など
社会福祉士受験支援講座・教員日記 : 社会調査の基礎 第3回講義レジュメ<後半>5/13 質的調査1 観察者・事例研究とは ソーシャルケア学科
 内容:質的調査の種類、質的調査の分類など


日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成学科・養成科
*日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成学科は、4年制大学卒業(見込)等の方々が対象の、1年制の社会福祉士の養成コースの昼間部です
 社会福祉士養成科は、4年制大学卒業(見込)等の方々が対象の、1年制の社会福祉士の養成コースの夜間部(2コース)です

社会福祉士及び介護福祉士法
by yrx04167 | 2011-05-23 16:29 | Comments(0)