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社会調査の基礎 第5回講義レジュメ フォーカスグループインタビュー、KJ法川喜田二郎とは

社会調査の基礎 第5回 講義 レジュメ 2011/05/27 3時限
日本福祉教育専門学校 ソーシャルケア学科 にて講義

3章 質的調査法・続き
D.グループインタビューの理論と技法 テキストP99

*「グループインタビュー」⇒テキスト参照

*フォーカス・グループ・インタビュー
<概要

 あるテーマ・事柄について、調査対象の集団に質問する手法であり、グループ対話形式で行なう。社会福祉調査、社会調査、市場調査等で用いられている。
 小集団の対象者に対して、司会者が座談会形式でインタビューを行い、その回答(発言)から質的データを採取するための調査手法である。対象者の発言の交互作用の活用と、対象者の生の声を直接に確認することが可能である等の利点がある。

*一般的な面接調査と異なる点は、座談会形式で行なうため、
・対象者同士の意見交換から広く、多くの情報が取得可能
・対象者同士の相互作用・連鎖反応により、関連情報が取得可能
・想定外の新しい意見やアイデアが生まれる可能性。

*解説:フォーカス・グループ・インタビュー
①集団

 調査したいと思っている問題や話題にかかわる集団の規範や、その内部ではたらく集団のダイナミクスを探求できる。
 グループ・インタビューよりも、フォーカス・インタビューでは、参加者が互いに会話するように、はっきりうながされる

②実施
 一般的に、12人までの参加者=調査条件に適合する対象者を一同に集め、グループ・インタビュアー=司会者(モデレーター)の進行のもと、1つあるいは複数の話題について、1時間半から2時間半ほど意見交換・議論する。
 座談会形式の議論に参加できない人がでないように参加者の規模を設定する

③個別インタビューとの比
 個別でもグループでも、インタビューのデータに、ある程度の一貫性が見られる。
 集団内での相互作用は、全員の行為や意見に影響する。
 グループで回答する場合は、他者の面前であることに気をつかう傾向がある。
 グループの場合のほうが、不満を述べる傾向がある

・グループ・インタビューと個別インタビューが、同じ論点に対して、異なった視角を生み出すことに注意を要する。

4.質的調査データの分析と信頼性・妥当性
A データの記録と文書化
①質的データとは


②インタビュー記録
1)インタビューメモ

 録音に並行し、インタビューの経過を速記する。

2)トランスクリプション
 音声記録を文字に起こす。

③フィールドノーツ
1)調査メモ

 現場におけるメモ。

2)フィールドノーツ
 フィールド-ノート、野帳とも称する。フィールドワーク・現地調査において、観察・聞き取りなどの事項を記録するノートのこと。

④音声データと映像データ

⑤ノーツの整理

⑥エスノグラフィー

⑦図表化

■データ分析 テキストP191~
*コーディング

 文章をデータとする質的調査法(非構造化インタビュー、参与観察、ドキュメント分析)の分析は、基本的には、コーディングによるテクストの編集作業である。
 コーディングとは、「データを分割・概念化し、新しい見地から再統合する一連の操作である。それはデータから理論を構築する、まさにその中心的なプロセスである」(Strauss)
・インタビューの記録から、コードを付けることによって、同様の内容をもつ部分を探し出し、その部分を比較することによって、概念化する

*分析と総合のプロセス
 データを分割・概念化し(=分析)、名前を名付け、新しい見地から再統合する(=総合)

*コーディングの5段階
第1段階:オープン・コーディングによるテーマのあぶり出

フィールド・ノーツやインタビューの記録を何度も繰り返して読み返しながら、その記録の余白などに、思いついた「コード」(=小見出し)を記入していく
・オープン・コーディングとは、分析の比較的初期の、日常語によるコーディングである。

第2段階:焦点をしぼったコーディングによるコードの体系化と階層
コーディングの作業が進むと、次第に抽象度の高いコードが使われるようになり、複数のコードの間の関係が明確になっていく
・焦点をしぼったコーディングとは、抽象度の高い言葉を使っておこなわれるコーディングのことで、コード間の階層構造を作る。

第3段階:コンピュータ・ソフトを用いて、階層化したコードにもとづくフィールド・ノーツやインタビュー記録の編
・コーディングのための専用ソフトウェア
コンピュータ上で、コードを付けたフィールド・ノーツやインタビューの記録を、コードごとに分割し、分類・整理するソフトウェア
「The Ethnograph」など
・コンピュータでコーディングと編集の作業が便利になったとはいえ、フィールド・ノーツやインタビューの記録を何度も読みこんで、内容を頭に入れ、データに精通している必要がある。

第4段階:コーディングの最中に思いついた理論的覚書・統合的覚書にもとづくコーディングや編集作業の見直
・コーディングの作業によって、さまざまなアイデアを思いつく
*理論的覚書
オープン・コーディングの際に、フィールド・ノーツやインタビュー記録の特定部分に触発されて浮かんできたアイデアを文章化したもの
*統合的覚書
焦点をしぼったコーディングの際に、コード間の階層構造や複数の記載事項の関係を整理する最中に浮かんだアイデアを文章化したもの

第5段階:調査報告書の完

*単純に、各段階が進んでいくわけではなく、各段階を行きつ戻りつ試行錯誤を繰り返す

<分析のポイント
(1)意味(meanings)
文化規範、状況の定義、社会的場面でルールが適用される範囲、など

(2)慣習的行為(practices)
繰り返しあらわれる語りや行為、など
定義上、その社会のメンバーは、そうした語りや行為などの活動を、生活のなかで注目もせず、あたり前でありふれたものとみなす
・例:学生が自分自身に対して用いる勉強しないことへの言い訳

(3)エピソード(episodes)
群集の暴動や急病のような劇的な出来事、など
その社会のメンバーにとっても、分析者にとっても、注目に値する劇的なもの
・例:犯罪、社会的・自然的災害、暴動

(4)出会い(encounters)
対面する2人以上の人びとが、互いの関心の焦点を1つに合わせて、維持しようとする短期的なやりとり
・例:歩きながらの言葉のやりとり、会合

(5)役割(roles)
人びとや組織が自分の活動や行為を整理してまとめたり、他者の活動を説明したりするのにもちいるラベル
・例:生得的役割(性、民族)
公式役割(地位、官職、職業)
非公式な組織役割と職業役割(宴会部長)
社会的類型(負け犬、大物、やり手、気取り屋)
社会心理的類型(嫌われ者、人気者)

(6)関係(relationships)
比較的長期にわたり、定期的なやりとりをおこない、相互に結びつけられていると見なされる二人の当事者
・関係は、時間の経過とともに、変化しうる
・例:友人関係、取引関係、婚姻関係、敵対関係

(7)集団(groups)
自分たちが1つの社会的実体として、すなわち「われわれ」意識をもっている小規模な人びとの集まり
・集団には、ヒエラルキー、派閥が含まれるほか、互いを支え合い、集団に適応することで、状況に対処でき
る手段を提供する
・例:非公式の余暇集団、職業集団、派閥、ネットワーク、家族

(8)組織(organizations)
ある目的意識のもとで形成された人間の集まりで、計画を立てて追求すべきフォーマルな目標をもつ
・例:全制施設(total institution、精神病院、刑務所、結核病院、修道院など)

(9)居住地(settlement)
ある境界で囲われた領域。その中に、出会い、役割、集団、組織を含んでいる
・例:都市、村落、町、ゲットー、住宅地域、街区

C KJ法 テキストP106
 文化人類学者の川喜田二郎が、フィールドワークで収集したデータをまとめるために考案した手法である。データをカードに記述し、カードをグループごとにまとめて、図解や文章化し、解釈する方法論である。KJとは、考案者のイニシャルに因んでいる。ミーティング等での共同の作業にもよく用いられ、「創造性開発」(または創造的問題解決)に効果があるとされる。
①カードの作成
 1つのデータを1枚のカードに要約して記述する。
②グループ編成
 数多くのカードの中から似通ったものをいくつかのグループにまとめ、それぞれのグループに見出しをつける。
*図解化(KJ法A型)
*叙述化(KJ法B型)

D ナラティブ分析
・ナラティブによる現実の理

<社会調査の基礎 第4回講義 ソーシャルケア学科にて
社会福祉士受験支援講座・教員日記 : 社会調査の基礎 第4回講義レジュメ<前半>5/20 質的調査・観察法とは ソーシャルケア学科
 3章 質的調査法・続き 2 観察法の実施と記録法 <柔軟性の活用>など
社会福祉士受験支援講座・教員日記 : 社会調査の基礎 第4回講義レジュメ<後半>5/20 面接・インタビュー調査法とは ソーシャルケア学科
 3章 質的調査法・続き 3.面接法(インタビュー法)の実施と記録法など

日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成学科・養成科
*日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成学科は、4年制大学卒業(見込)等の方々が対象の、1年制の社会福祉士の養成コースの昼間部です
 社会福祉士養成科は、4年制大学卒業(見込)等の方々が対象の、1年制の社会福祉士の養成コースの夜間部(2コース)です

社会福祉士及び介護福祉士法
by yrx04167 | 2011-05-30 17:15 | Comments(0)