人気ブログランキング |

相談援助の理論と方法 前期第18回講義レジュメ3 ソーシャルワークの概念と定義とは 社会福祉士養成科

相談援助の理論と方法 第18回講義レジュメ3 2011/08/18 6・7時限
社会福祉士養成科(夜間部トワイライトコース)

<テキストⅡ>
1章 社会福祉援助活動の概念と定義 テキストⅡ
*事例:地域包括支援センターにおけるソーシャルワーク テキストⅡ P2

・相談援助の対象をどのようにとらえ、援助・介入の視点をどこにおくかを検討する。

1 制度としての社会福祉と実践としての社会福祉援助活動の相補性
<補足

 社会福祉は、「社会福祉制度」(ハード面)と、「ソーシャルワーク(社会福祉援助活動、実践)」(ソフト面)の二つの実体からなる。この両面は車の両輪である。
・ソーシャルワークとは、社会福祉の価値、理念を実現する方法であり、社会福祉制度の活用と人々との生きた相互の関係を結びながら社会福祉問題の解決を目指して、変化を生みだしていく支援活動であるといえる。
・社会福祉制度のみが存在しても、また逆も、社会福祉の目的を達成することは不可能である。

<テキスト解説>
*制度としての社会福

 人々の社会生活上の諸困難に対する援助を目的とした施策の総称であり、社会的な援助を必要とする人々に対する援護等を困るための制度、施策の体系である。
 社会全体の生活水準に照らし、一定の基準からの乖離があり、改善等を行なう必要が社会的に認められることによって、ニーズが明らかにされ、制度として機能する。

*制度としての社会福祉を展開するために必要な要
①現代社会における社会福祉の水準を具体化する
②社会福祉の思想や理念、目的を具体化する
③社会問題としての援護の必要性を具体化する
④援助の範囲や内容、方法を具体化する

・制度の基準・要件→柔軟な対応が困難、社会の変化に対して制度の硬直性により、要援護者の現実との乖離もあり得る。

*実践としての社会福祉援助活
・「さまざまな生活の諸困難やその当事者および家族、地域住民自らが個別的あるいは組織的に解決するように援助する社会福祉の専門技術である」とされている。
 専門技術を用い、制度としての社会福祉諸サービスの活用のみならず、諸条件の改善・向上を目標としている。

・社会福祉の制度・施策は、社会福祉援助活動を通して、その改善・向上が図られ、制度の充実が社会福祉援助活動を活性化させることにもなる。
 両者は相補的かつ相乗的な関係にあり、社会福祉において車の両輪である。

<補足
・社会福祉制度は、制度そのものが目標にかなうコントロールや操作を行ない、対象者にサービスを提供し、支援する力を持っているわけではない。
 そこには「社会福祉援助活動(ソーシャルワーク)」という専門的な行為が必要である。
「社会福祉制度」は目的を反映した専門的な「社会福祉援助活動」という行為を通じて、初めて本来的に機能する。
・日本における制度としての社会福祉は、誰もが尊厳をもって生きる権利を保障するため、憲法第25条で「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」として規定し、このことを具体化するため、「福祉六法」や精神保健福祉法などによって、さまざまな支援策を講じている。これらを制度としての社会福祉という。
・制度としての社会福祉は広義のとらえ方と狭義のとらえ方がある。広義のとらえ方は、所得保障、保健・医療、住宅、雇用、教育などの施策がめざす目的や目標を指す概念として用いられる。また、狭義のとらえ方は社会保障の一貫として「身体障害者、児童、その他援護育成を要する者が、自立してその能力を発揮できるよう、必要な生活指導、更生補導、その他の援護育成を行うこと」(昭和25年、社会保障制度審議会答申)と規定されるもので、社会福祉事業そのものである。
・一方、実践としての社会福祉援助活動は、先に示した広義の社会福祉、あるいは狭義の社会福祉によって制度化されている福祉サービスや諸々の社会資源を活用し、サービスを必要としている人々に対し、ニーズの充足を図り、自己実現を達成する役割を担う活動で、社会福祉援助活動あるいはソーシャルワーク実践等と表現される。

2 国際ソーシャルワーカー連盟のソーシャルワークの定義(2000) テキストⅡP4
 「ソーシャルワーク専門職は、人間の福利(ウェルビーイング)の増進を目指して、社会の変革を進め人間関係における問題解決を図り、人びとのエンパワメントと解放を促していく。ソーシャルワークは、人間の行動と社会のシステムに関する理論を利用して、人びとがその環境と相互に影響し合う接点に介入する。人権と社会正義の原理は、ソーシャルワークの拠り所とする基盤である」

・人間の尊厳を中核とした対象理解である。
・ウェルビーイングとは人間として良好・快適な状態(身体・精神・社会・行動)が続いていることを指し、人権の尊重と自己実現、最大限の可能性の追求が主題となる。
・「社会の変革」とは、人間が社会的存在であり、社会的要素に規定された生活の向上のためには、社会そのものを変えていくことに目標をおく。

<補足
・利用者個人の問題を社会構造との関わりで考える視点が必要である。また、個々の問題を解決するため、原因となっている社会構造・問題の変革や、社会的不正義(差別・不平等など)挑戦する姿勢が必要である。

・「人間関係における問題解決」とは、人間関係上の問題に限定せず、社会的環境との相互作用のなかで生じる問題の解決を通して、人々のエンパワメントを促進し、社会的な抑圧から解放していくことを謳っている。

・この定義からは、社会福祉援助の対象を、個人の問題から社会そのものの問題まで、幅広い対象と状況の理解を前提としていることが読み取れる。

・「人権と社会正義の原理は、ソーシャルワークの拠り所とする基盤である」、人権を擁護し、社会正義の実現を図ることは、社会福祉の対象理解において重要な視点である。
 ソーシャルワーカーの専門職としての基盤は、人権と社会正義の原理である。人間の尊厳、生命の価値を守り、正義と公正、人々の最大限の幸福を追求する活動なのである。

*同定義の解説:「価値
 「ソーシャルワークは、人道主義と民主主義の理想から生まれ育ってきたのであって、その職場上の価値は、すべての人間が平等であること、価値ある存在であること、そして、尊厳を有していることを認めて、これを尊重することに基盤を置いている。ソーシャルワーク実践は、一世紀余り前のその起源以来、人間のニーズを充足し、人間の潜在能力を開発することに焦点を置いてきた。人権と社会正義は、ソーシャルワークの活動に対し、これを動機づけ、正当化する根拠を与える。ソーシャルワーク専門職は、不利益を破っている人びとと連帯して、貧困を軽減することに努め、また、傷つきやすく抑圧されている人びとを解放して社会的包含(ソーシャル・インクルージョン)を促進するよう努力する。ソーシャルワークの諸価値は、この専門職の、各国別並びに国際的な倫理網領として具体的に表現されている」

・社会におけるさまざまな不平等、差別、抑圧に対して立ち向かい、すべての人間が価値ある存在として尊厳が認められる社会を実現することを目指すことに、ソーシャルワークの価値をおいている。
・個人のニーズの充足、潜在能力の開発、抑圧状況にある人々との連帯、抑圧からの解放により、ソーシャル・インクルージョンを目指す。

<補足
 様ざまな形態をもって行われるソーシャルワークは、人びととその環境の間の多様で複雑な相互作用に働きかける。その使命は、すべての人びとが、彼らのもつ可能性を十分に発展させ、その生活を豊かなものにし、かつ、機能不全を防ぐことができるようにすることである。
専門職としてのソーシャルワークが、焦点を置くのは、問題解決と変革である。従ってこの意味で、ソーシャルワーカーは、社会においての、かつ、ソーシャルワーカーが支援する個人、家族、コミュニティの人びとの生活にとっての、変革をもたらす仲介者である。
 ソーシャルワークとは、価値、理論、および実践が相互に関連しあうシステムなのである。

*レジュメ4に続


社会福祉士受験支援講座・教員日記 : 相談援助の理論と方法 前期第16回講義レジュメ3 ソーシャルワーク・多職種チームワーク 社会福祉士養成
2節 交渉の方法と留意点 1 交渉という技術
社会福祉士受験支援講座・教員日記 : 相談援助の理論と方法 前期第16回講義レジュメ4 交渉の方法、エンパワーメントとは 社会福祉士養成科
3 他機関との交渉

社会福祉士受験支援講座・教員日記 : 相談援助の理論と方法 前期第17回講義レジュメ1 人・環境・交互作用、環境アセスメント 社会福祉士養成
 実践における人と環境  補足:人・環境・交互作用の視点
社会福祉士受験支援講座・教員日記 : 相談援助の理論と方法 前期第17回講義レジュメ2 環世界、ニッチ、ハビタットとは 社会福祉士養成科
 人にとっての環境の意味  一般的な環境の定義

日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成学科・養成科
社会福祉士及び介護福祉士法

by yrx04167 | 2011-08-23 22:04 | Comments(0)