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相談援助の理論と方法 第2回講義レジュメ1 ソーシャルワーク価値、倫理、構成要素とは 社会福祉士養成科

相談援助の理論と方法 第2回講義レジュメ1 4月16日5・6時限(16:30-19:40)
社会福祉士養成科(夜間部トワイライトコース) 担当:当ブログ筆者


3節 ソーシャルワークを構成する要素
1 ソーシャルワークの構成要素
ソーシャルワークの基本的枠組み・構成要素(NASW 1958

「目的」、「価値」、「知識」、「方法・技能」、「権限の委任」。
・ソーシャルワーカーが行なう援助活動は、①価値=専門職の価値と倫理、②知識=専門的な知識、③技術=専門的な技術・技能に根差している。
 この三つの調和が保たれなければならない。

ソーシャルワークの目
 ソーシャルワークの目的とは利用者の社会生活機能や主体性の強化であり、目標はQOL(生活・人生の質)の向上や、自己実現を高めることである。
 人々の自己実現を支える-誰もが、自分らしく、ありのままで、自分のスピードで生きていくことを目指して。
 QOL人生の質-目に見える豊かさだけではない、心や根源的なものも含めた全人的な豊かさを求められている。
 見えないもの、意味付けの重要性。

・国際ソーシャルワーカー連盟:人間の福利(ウエルビーング)の増進を目指し社会の変革を進め、人間関係における問題解決、人びとのエンパワーメントと解放を促す。
・全米ソーシャルワーカー協会(1981年の定義)
 1.問題の解決・緩和、2.問題の予防、3.エンパワーメント
・社会生活の機能の強化を図る(ベーム 1958年)

ソーシャルワークの価値 テキストP10
・価値とは,一定の社会・文化・グループ・個人によって、望ましいとみなされる行為や思考の特性である。
 社会福祉専門職の価値とは,専門職としての人間観・社会観のことであり実践の基礎となる実践思想・哲学である。
・ソーシャルワークにおける判断を方向付けるのが、価値である。それは、他者を援助し支える価値意識であり、また援助専門職としての行動を動機づけ、態度や姿勢に反映される価値観である。
 価値を見失った援助は、立派な外見であろうと、虚しい。

・ソーシャルワークの価値・抜
 人間の平等。全ての人の尊厳の尊重など。
・ソーシャルワーク専門職としての価値の優先(⇒個人的・社会的・所属組織の価値等の影響を受けるが)。
・ソーシャルワークは、価値を実践の基盤とする。
 価値は、実践の視点や行動の方向、「何が善であるかの評価」等を示す。
・価値は、サービス対象の選定・優先度、援助方法の選択、支援の方向性、時間・社会資源の配分等の判断の拠りどころとしても重要である。
 社会福祉専門職が、対応に迷うときに、常に立ち戻るべき土台、実践の根が価値である。その重要性は変わることがない。

◎参考:ソーシャルワークの基本的価値前提 (ブトゥリム
 ①人間尊重:人間は,その人の能力や行動に関係なく人間であること自体で価値がある。
 ②人間の社会性:人間はそれぞれ独自性をもった生きものであるが,その独自性を貫徹 
  するのに,他者に依存する存在である。
 ③変化の可能性:人間は,変化,成長,向上する可能性をもっている。
 ゾフィア・ブトゥリム:『ソーシャルワークとは何か一その本質と機能一』川島書店
・ブトウリムによれば,これらはソーシャルワークに固有の価値とはいえないが,ソーシャルワークに不可欠な価値である。

 苦境のなかにある人々への相談援助や訪問、グループワーク等のミクロレベルの援助と、困窮する人々への理解と配慮を求め社会との媒介、働きかけを行なう社会福祉調査やソーシャルアクション等のマクロレベルの援助が、ソーシャルワークの使命である。
 ミクロもマクロも、苦境のなかにある人々と寄り添い、共にある専門職の姿勢、あり方が基盤となる。

*補足:価値・倫理の必要
・専門職は、クライエントがもたない高度な知識や技術をもっていることや、クライエントの個人情報を知り得る立場にあることなどから、クライエントより有利な立場に立ちやすい。
立場を利用した権利侵害を自己規制することが、専門職団体の倫理綱領の存在理由の一つである。また倫理綱領は、福祉専門職としての行動について、クライエントに対してはもちろん、他の専門職や一般社会に対しても誓約したものである。
・人間の尊厳、自由や平等などの価値を重んじないワーカーは,利用者の劣悪な状況をみたとしてもそれを問題と感じることができない。逆に,利用者の人権の実現を大切にするソーシャルワーカーは,そのためにどのような手だてが必要かを学び,技術を身につけていくことができる。

*国際ソーシャルワーカー連盟(IFSW)ソーシャルワークの定義:価
価値
ソーシャルワークは、人道主義と民主主義の理想から生まれ育ってきたのであって、その職業上の価値は、すべての人間が平等であること、価値ある存在であること、そして、尊厳を有していることを認めて、これを尊重することに基盤を置いている。ソーシャルワーク実践は、1世紀余り前のその起源以来、人間のニーズを充足し、人間の潜在能力を開発することに焦点を置いてきた。人権と社会正義は、ソーシャルワークの活動に対し、これを動機づけ、正当化する根拠を与える。ソーシャルワーク専門職は、不利益を被っている人びとと連帯して、貧困を軽減することに努め、また、傷つきやすく抑圧されている人びとを解放して社会的包含(ソーシャル・インクルージョン)を促進するよう努力する。ソーシャルワークの諸価値は、この専門職の、各国別並びに国際的な倫理綱領として具体的に表現されている

*倫理綱
・ソーシャルワーカーの倫理綱領の存在理由には、すべてのソーシャルワーカーが自らの行動を律することによって、ソーシャルワーカー全体の専門職としての社会的地位や評価を保持することも含まれる。
◎日本においては「ソーシャルワーカーの倫理綱領」が1986年に日本ソーシャルワーカー協会が宣言した。段階的な改訂の後、2005年に最終案が取りまとめられ、国内の各専門職団体が承認し採択している。
ソーシャルワーカーの,専門職として望ましい価値態度,実践における倫理的行動規範、義務の指針を明文化したものである。なお、倫理綱領は行動の指針であるが、個別的・具体的場面でとるべき行動を詳細に規定した「マニュアル」ではない。その基準は,平和擁護,個人の尊厳,民主主義にあり,ソーシャルワーカーの行動が基準から逸脱しないよう,倫理上の諸問題に対し,専門職団体が定めた行動の規範・指針である。

*社会福祉士の倫理綱領 日本社会福祉士
<前文>
 われわれ社会福祉士は、すべての人が人間としての尊厳を有し、価値ある存在であり、平等であることを深く認識する。われわれは平和を擁護し、人権と社会正義の原理に則り、サービス利用者本位の質の高い福祉サービスの開発と提供に努めることによって、社会福祉の推進とサービス利用者の自己実現をめざす専門職であることを言明する。
われわれは、社会の進展に伴う社会変動が、ともすれば環境破壊及び人間疎外をもたらすことに着目する時、この専門職がこれからの福祉社会にとって不可欠の制度であることを自覚するとともに、専門職社会福祉士の職責についての一般社会及び市民の理解を深め、その啓発に努める。
(略)国際ソーシャルワーカー連盟が採択した、次の「ソーシャルワークの定義」(2000年7月)を、ソーシャルワーク実践に適用され得るものとして認識し、その実践の拠り所とする。(略)
*価値と原則
Ⅰ(人間の尊厳)
 社会福祉士は、すべての人間を、出自、人種、性別、年齢、身体的精神的状況、宗教的文化的背景、社会的地位、経済状況等の違いにかかわらず、かけがえのない存在として尊重する。
Ⅱ(社会正義)
 社会福祉士は、差別、貧困、抑圧、排除、暴力、環境破壊などの無い、自由、平等、共生に基づく社会正義の実現を目指す。
Ⅲ(貢献)
  社会福祉士は、人間の尊厳の尊重と社会正義の実現に貢献する。
Ⅳ(誠実)、Ⅴ(専門的力量)(略)

*NASW(全米ソーシャルワーカー協会)倫理綱領(1997年) テキストP11
・他者への奉仕、
・社会正義
・人間に対する尊厳と自尊心の確保
・人間関係の重要性
・誠実であること
・専門的能力や力量を有すること

<レジュメ2に続く>


当ブログ筆者の論文 最新 「福祉施設職員のストレスケア サポーティブ研修プログラムの開発」
日本福祉教育専門学校 研究紀要第23巻1号 37頁から55頁 平成27年4月



日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成学科・養成科

社会福祉士及び介護福祉士法
by yrx04167 | 2012-04-15 15:07 | Comments(0)