児童・家庭福祉、高齢者支援と介護保険 練習問題 母子生活支援施設、助産施設、成年後見制度事例問題とは

児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度 練習問題
 第26回社会福祉士国家試験受験対策講座 専門科目

問題1 次の施設のうち,児童福祉法第27条第1項第3号に基づく措置の対象となる施設として該当するものを一つ選びなさい。

1 母子生活支援施設
2 助産施設
3 保育所
4 児童養護施設
5 児童家庭支援センター



高齢者に対する支援と介護保険制度
 練習問題

<社会福祉士国家試験受験対策web講座 専門科目>

事例問題 権利擁護に関する次の事例を読んで,問題88から問題90までについて答えなさい。
〔事 例

 X市に一人で暮らすE女(67歳)は,日常生活上の意思決定にはあまり問題はないが,加齢とともに,初対面の人とは緊張のあまり「頭が真っ白」になって,判断力が極度に落ちるときがある。また,50代初めから股(こ)関節に著しい変形を伴う変形性関節症のために日常生活に支障をきたしており,身体障害者手帳も所持している。介護保険サービスは,65歳になってから,訪問介護や訪問看護などを利用している。
 心身の障害のためもあってか,E女は以前から食料品や日用品を買い溜める傾向にあったが,3年前の夏に,今は既に亡くなっている父親が入院中,一人で自宅にいた際に布団販売の悪徳業者に勧誘され,2度にわたって150万円ずつ,計300万円をだましとられた。さらに昨年の夏にはその仲間と思われる男が自宅を訪問してきて,「以前にだまされた布団を引き取ってあげる。そのためには会社に31万円の手数料を払わなければならない」といわれて,その場で現金31万円を渡してしまった。300万円については業者の領収書は残されていたが,31万円の方は領収書もなく,どこの誰に持っていかれてしまったのかはまったく不明である。介護保険サービス開始当初より訪問介護を担当してきたG訪問介護員は,昨年の暮れに,E女からその被害について聞かされた(問題88)。
 今年の夏になって他県に住むE女の弟・F男は,こうした一連の経緯をE女のG訪問介護員から知らされた。F男は連絡を受けた1週間後にE女の自宅に行き,「頭が真っ白になってしまった」という話をE女から聞いた。そして,G訪問介護員の助言によってE女の地元の地域包括支援センターに出向き,社会福祉士と成年後見制度の適用の可能性について相談した(問題89)。
 しかしその後,成年後見を申し立てるためにかかりつけの精神科医の診断をE女が受けたところ,「意思能力のレベルは徐々に落ちてきてはいるが,日常生活が営めないほどではない」という趣旨の診断が出され,F男は成年後見制度の活用については見送らざるをえなくなった(問題90)。

問題88 この時点で,G訪問介護員が早めに行うことが望ましいと考えられる対応に関する次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい

A サービス提供責任者へE女の状況について相談し,対応策について助言を受ける。
B 悪質商法の被害についてF男へ連絡する。
C 地域包括支援センターが行う消費者被害の防止についての情報をF男へ提供する。
D こうした状態で一人暮らしを続けていると,さらに消費者被害の対象となることもありえるので,施設入所を検討する。
(組み合わせ)
  A  B  C  D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ×
3 ○ × × ○
4 × ○ ○ ○
5 × × ○ ×

問題89 F男の相談を受けた地域包括支援センターの社会福祉士の対応に関する次の記述のうち,適切なものの組み合わせを一つ選びなさい

A F男が遠く離れた他県に暮らしていて,成年後見人となるのは事実上無理なので,成年後見の申立ては市長がすることになると説明した。
B 被害金を取り戻すとともに,さらに被害が拡大することのないように,消費者センターにも届け出て相談するよう,F男に促した。
C E女が被害にあった状況を知っているのはG訪問介護員であるので,E女,F男の話と併せてG訪問介護員からも状況を聞くことにした。
D 成年後見の申立ては,裁判所で認められるまでには一定の時間がかかるので,その間に再び被害に遭うことのないよう,E女を引き取るべきだとF男を説得した。
(組み合わせ)
1 A B
2 A C
3 A D
4 B C
5 C D

問題90 地域包括支援センターの社会福祉士の対応に関する次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい

A E女が住む地域の町内会役員や民生委員,E女が利用している訪問介護事業所の専門職などで,見守りのチームを作ることにした。
B E女のこれ以上の消費者被害を防ぐために,法定後見制度を活用することはできないので,自己破産制度を活用するようF男に情報提供をした。
C 福祉サービス利用援助事業を活用すれば,E女の生活支援も可能であることをF男に伝え,F男と共に市の社会福祉協議会に相談することとした。
D 地域包括支援センター内にとどまらず,行政や消費者センターと連携して消費者被害の事例や情報を収集し,提供することにした。
(組み合わせ)
 A  B  C  D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ × ○ ○
3 ○ × × ○
4 × ○ ○ ×
5 × ○ × ○

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*続き 解答・解説:母子生活支援施設、児童養護施設、助産施設、成年後見制度、権利擁護とは
 小規模住居型児童養育事業とは 下記をクリック




*解答
問題1 答4
解説
児童福祉法第27条第1項第3号
「三  児童を小規模住居型児童養育事業を行う者若しくは里親に委託し、又は乳児院、児童養護施設、障害児入所施設、情緒障害児短期治療施設若しくは児童自立支援施設に入所させること。」

*児童養護施設
 児童福祉法に定められた児童福祉施設の一つ。保護者のない児童,虐待されている児童その他環境上養護を要する児童を入所させて,これを養護し,あわせてその自立を支援することを目的とする施設である。1997年の児童福祉法改正では,養護施設から児童養護施設と改称され,その機能もたんに養護するだけでなく,退所後の児童の自立を支援することが機能として付け加えられた。施設形態には大舎制,中舎制,小舎制,グループホームなどの形態がある。運営主体は,社会福祉法人または都道府県,市町村,財団法人など。

*母子生活支援施設
 児童福祉法に規定されている児童福祉施設の一つ。夫の死亡,離婚,夫の暴力からの避難,未婚での出産などの状況にあり,自立して生活していくことが困難な母子を保護し,母子の自立促進のために生活を支援することを目的としている。1997年の児童福祉法改正以前は,母子寮とよばれていた。

*助産施設
 児童福祉法に規定された第二種社会福祉事業の児童福祉施設。「保健上必要があるにもかかわらず,経済的理由により,入院助産を受けることができない妊産婦を入所させて,助産を受けさせること」を目的としている。医療法の病院である助産施設(第一種助産施設)と医療法の助産所である助産施設(第二種助産施設)の2種類に分けられる。一般的には,通常の産科病棟の一部のベッドがそれに指定される場合が多い。2000年の児童福祉法改正で,措置制度が廃止となった。

問題88  解答1

問題89  解答4

問題90  解答2


<解説>
*成年後見制度
 契約における判断能力が不十分な者について,その能力を補充するために代理人等を定め,その者が取引社会の犠牲にされることを防ぐための制度。成年後見制度には,本人があらかじめ契約をして後見人になるべき人とその職務内容を定めておく任意後見と,家庭裁判所が後見人等を選任する法定後見がある。法定後見は,補助,保佐,および後見の3段階に分かれており,後見ではすべての法律行為について後見人が代理権を有するもの(全面後見)とし,補助は民法12条所定の事項のなかで必要な項目について補助人に同意権・取消権を付与し,保佐は民法12条所定の事項について一括して同意権・取消権を保佐人に付与することを原則(部分後見)としている。任意後見では,本人が必要な事柄を想定して後見人の職務(委任)内容を定めることができ,後見人を選ぶこともできる点でより自己決定に適ったシステムになっている。任意後見は公正証書で契約する必要があり,本人の能力が補助相当になった段階で家庭裁判所に任意後見監督人の選任を申し立て,その選任により開始される。

*権利擁護
 アドボカシー。近時,一人暮らし,寝たきり,痴呆性の高齢者が増加し,また障害者が地域において自立した生活を志向するなかで,高齢者・障害者に対する財産侵害,不公正な取引,経済的な搾取,高齢・障害を理由とする差別,身体的・精神的・性的虐待など権利侵害の事例が多く見受けられるようになっている。また,児童虐待やドメスティック・バイオレンスが頻繁に起きていることに関しても社会の関心は高まっている。そこで最近は,現実に生じている,高齢者・障害者・児童・女性に対する権利侵害の実態を明らかにしつつ,社会保障の権利ばかりでなく,財産権,身体的自由,精神的自由などの市民権利をも含む諸権利の擁護の問題について検討し,権利擁護のシステムを構築することが課題となっている。
 社会福祉における近時の論説のなかで,「権利擁護」という用語が使われるのも,じつは,市民としての当たり前の権利が守られていないという現状認識があるからである。市民であれば当然守られるべき法的利益さえ侵害されている当事者の立場を擁護し,侵害されるおそれのある当事者の生活を支える手立てを講じようとするのが,「権利擁護」である。
 2000年4月に実施された介護保険制度は,介護サービスの提供を措置制度から,事業者と当事者の間の直接的な契約を軸とするものへと転換させた。また,2000年6月に成立した「社会福祉基礎構造改革」関連立法もまた,措置から利用契約へと当事者の関係を変化させる。
 これらの改革は,関連立法の提案理由にもあるように,たしかに「個人が尊厳を持ってその人らしい自立した生活が送れるよう,①個人の選択を尊重した制度の確立,②質の高い福祉サービスの拡充,③個人の自立した生活を総合的に支援するための地域福祉の充実を図るための改正」であり,それ自体,自己決定,選択の自由といった権利を確保する方向性をもつものではある。しかし,他方で当事者に契約締結能力が不十分な場合に生ずる多くの問題,契約の実行過程で生ずるさまざまなトラブルの処理,サービス提供が民間事業者によって行われることに伴う質の低下の問題など,構造改革は必然的に新しい課題を次から次へと生み出すこととなった。
 最近実施されている権利擁護のメニューのうち,成年後見制度と地域福祉権利擁護事業は,契約締結能力が不十分な人に対応する方法であり,苦情解決システムは,サービス契約上のトラブルに対応する方法の一つである。さらに,サービス評価(特に第三者評価)と事業者情報の開示は,サービスの質を向上させるとともに,利用者の選択の自由を確保するための方法である。

*社会福祉士・精神保健福祉士受験対策
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受験対策:社会保障 重要ポイント 1  社会保障の歴史、福祉国家

社会保障 重要ポイント 2  ナショナル・ミニマム論、社会的排除、インクルージョン

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社会保障 重要ポイント4  社会保障制度の国際比較

社会保障 重要ポイント5  年金制度の沿革と体系

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社会保障 重要ポイント8  医療保険制度の現状と課題

社会保障 重要ポイント9  介護保険制度の概要・制度の枠組み

社会保障 重要ポイント10  介護保険制度の概要・費用負担

社会保障 重要ポイント11  労災保険

社会保障 重要ポイント 12  雇用保険

社会保障 重要ポイント13 ―民間保険と社会保険

社会保障 重要ポイント14―社会保険の管理運営


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by yrx04167 | 2013-11-21 12:25 | Comments(0)