社会福祉士 相談講座第15回 アスペルガー症候群、大人のADHDとは ニートのコミュニケーション能力と就労

社会福祉士 相談援助入門講座 第15回
<4月から社会福祉士を目指す方などを対象としたweb予習・参考資料。プレ学習として活用して下さい。 詳細は4月からの講義にて解説>

<障害者(障がい者)福祉の概要・前編>
*障害者 person with disability

 障害をもつ人を示す呼称。障害は、その人の持つ特徴の一側面にすぎない。
 なお、障害者基本法では,「『障害者』とは,身体障害,知的障害又は精神障害があるため,長期にわたり日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける者をいう」(2条)と定義している(後述)。

・発達障害は、脳機能の発達が関係する生まれつきの障害である。発達障害がある人は、コミュニケーションや対人関係をつくることに障害がある。
 自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害などが、主な発達障害である。
 発達障害は、複数の障害が重なって現われることもあり、障害の程度や年齢(発達段階)、生活環境などによっても障害は異なる。

*障害の例:アスペルガー症候
 アスペルガー症候群は、広い意味での「自閉症」の1つのタイプである。最初に症例を報告したハンス・アスペルガーというオーストリアの小児科医の名前にちなんでつけられた。
 アスペルガー症候群は、自閉症の3つの特徴のうち、対人関係の障害と、パターン化した興味や活動、の2つの特徴を有し、コミュニケーションの目立った障害がないとされている障害である。言葉の発達の遅れがないというところが自閉症と違う。知的発達に遅れのある人はほとんどいない。

*アスペルガー症候群の特
 アスペルガー症候群の人々には、「表情や身振り、声の抑揚、姿勢などが独特」、「親しい友人関係を築けない」、「慣習的な暗黙のルールが分からない」、「会話で、冗談や比喩、皮肉が分からない」、「興味の対象が独特で変わっている(特殊な物の収集癖があるなど)」、といった特徴がある。このほかに、身体の使い方がぎこちなく「不器用」な場合が多い。

*注意欠陥多動性障害(AD/HD:Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder)
 「集中できない(不注意)」「じっとしていられない(多動・多弁)」「考えるよりも先に動く(衝動的な行動)」などを特徴する発達障害である。
 注意欠陥多動性障害の特徴は、通常7歳以前に現われる。多動や不注意といった様子が目立つのは小・中学生ごろである。

*学習障害(LD:Learning DisordersまたはLearning Disabilities)
 全般的な知的発達に遅れはないのに、聞く、話す、読む、書く、計算する、推論するなどの特定の能力を学んだり、行ったりすることに著しい困難を示すさまざまな状態を指す。


*トゥレット症候群(TS:Tourette's Syndrome)
 多種類の運動チック(突然に起こる素早い運動の繰り返し)と1つ以上の音声チック(運動チックと同様の特徴を持つ発声)が1年以上にわたり続く重症なチック障害で、このような運動や発声を、本人はそうするつもりがないのに行ってしまうのが特徴である。通常は幼児・児童・思春期に発症し、多くの場合は徐々に軽快する方向に向かうと言われているが、青年・成人期も持続する場合がある。

<当ブログ関連記事バックナンバー>
日刊 社会福祉ニュース 大人のADHDとアスペルガー症候群と就職、ニート支援・雇用、高齢ニート : 社会福祉士受験支援講座・教員日記



*障害者福祉のソーシャルワーク
・障害者の自立支援と福祉社会の課題
 ノーマライゼーションの思想等を踏まえると、障害者の人々を、社会に合わせて自立させる、もしくは社会に適応させるという方向で、支援が行われるのではない。むしろ糸賀一雄が言うように、障害者の人々の個性、才能を、「世の光」として示すことであり、社会やコミュニティの側が問われていると言えよう。福祉社会の課題の一つである。

・障害者と福祉コミュニティ
 障害者の人々と、支援する集まり(施設やグループといったコミュニティ)は、過度の競争や効率のみを追い求め、お互いへの配慮、寛容、相互扶助を忘れがちな社会に対して、オルタナティブな方向性を示している。施設等における、ハンディキャップを持つ人々を中心とした人間的な交流は、そもそも人間はお互いに繋がることを、支え合うコミュニティを希求しているのだということを社会に思い出させる、灯台のような存在でもある。
 本来、人間は支え合うために生まれてきた。隣人とは誰か、真の意味のある生き方をしているのかということが、社会の一人一人が問われているとも言えよう。自分だけが良ければ、自分だけ得をすればという旧い生き方から解放され、お互いに尊重し合い、豊かさも痛みも分かち合い、深く交流する新たな生き方へのシフトである。生きることの真の意味が、ここにある。
 福祉コミュニティづくりの中心的な課題と言えるだろう。

・障害者のストレングスと促進機能
 ハンディキャップを持つ一人一人に合った自立、個別支援、リハビリテーションは必要である。しかし、不可欠なのは、支え合う繋がりであり、コミュニケーションと安全が備わった居場所、それぞれのストレングス、潜在能力に気付かせ、成長を励ます集まり(施設やグループ)、ある意味のコミュニティである。
 ハンディキャップを持つ人を含む全ての人は、可能性、潜在能力の宝庫である。本人が自覚していないことも多い。また劣等感、無力感に妨げられている人もいる。自分を縛るものから解放される自由な表現を、ソーシャルワークは促進する。

・福祉施設の課題と成長する援助者
 社会福祉サービスの人間的側面が、ますます求められている。福祉施設とは、関わる全ての人を、肯定し、承認する場であり、それぞれの人生にとって意味のある活動を促進する場である。その源は、人を全人的に活かすために、危機、困難のなかでも寄り添い、共に歩くことにあるのではないか。援助者(職員やボランティア)は、その職務、活動によって磨かれて成長し、自己実現という豊な実を結ぶ。実践における人との関わり、とりわけ実践の困難のなかで内省し、学ぶことができる。
 このような集まり、コミュニティは、現代社会において、障害者も周囲の人々(職員や家族)も、より人間らしく生きる希望がある。


・利用者への全人的、総合的な視点、理解。
 障害者の身体的、心理的、社会的、根源的な理解の重要性。

・生活全体を捉える視点。
 生活者としての障害者。生の過程を支える。

・多様な「自立」を支援すること。
 生の拡充。全ての人を活かすソーシャルワーク。

・ライフステージごとの問題や課題を共有できる援助者として姿勢(先天性障害、中途障害)
 喪失という人生の大きな課題から学ぶということ。

・関連する医療・教育・福祉の制度と実践との関連。
 ミクロ・メゾ・マクロのソーシャルワーク実践の課題。

・利用者本人とその家族全体を捉える視点、働き掛け(家族への支援、配慮)
 家族問題は、ソーシャルワークの中心的課題。家族のなかの支え合いを促進し、家族の繋がりを支援する。

・危機状況の予防

・専門職とインフォーマル・サポートの連携、協力
 ボランティア・コーディネート。住民主体の地域福祉活動の促進。

・コミュニティ・ケア
 コミュニティとの協働。 

・リハビリテーション



<国家試験受験対策 重要ワード 障害者に対する支援と障害者自立支援>
 脱施設化
 ノーマライゼーション
 バンク- ミケルセン「知的障害者の生活を可能な限り通常の生活状態に近づけるようにすること」

 ニーリエ Nirje, Bengt 1969年『ノーマライゼーションの原理』
 「日常生活の様式や条件を社会の普通の環境や生活方法にできるだけ近づけること」。
 1日・1週間・1年のノーマルなリズム,ライフサイクルにおけるノーマルな経験,ノーマルな要求や自己決定の尊重,男女両性のいる暮らし,ノーマルな経済的水準,ノーマルな住環境水準

 ヴォルフェンスベルガー Wolfensberger, Wolf
 ソーシャルロール・バロリゼーション「価値のある社会的な役割の獲得」
 
<統合教育、インクルージョン>
 障害児教育
 インテグレーション
 障害児の統合教育
 メインストリーミング
 インクルージョン
 すべての子どもが包み込まれる教育
 特別なニーズ教育に関する世界会議(World Conference on Special Needs Education)」
 「全ての者の教育(Education for All)」 サラマンカ声明
 特別支援学校

 障害者に関する世界行動計画

 言語性学習障害
 読字障害


<関連参考資料 映像>
アスペルガー症候群  活躍の場を求めて 
2010年4月21日(水)放送 - NHK クローズアップ現代

<引用・抜粋>
 引きこもり、うつ病など20~40代の間で深刻化する問題の背後の多くに、実はアスペルガー症候群が潜んでいることがわかってきた。
 アスペルガー症候群は脳の機能障害で、知的障害はないが他人の気持ちを推し量ったり、暗黙のルールを理解できないため、職場では「変わった人」と見られ、孤立を深めて社会からドロップアウトしていく人が少なくない。一方でIT技術など特定の分野において秀でた能力を持っている人も多く、周囲が障害を理解し、対応を工夫すれば、目覚しい活躍をすることも分かってきた。
 企業でも今、アスペルガー症候群の人を積極的に採用し、その力を活かそうという取り組みが始まっている。“アスペルガー症候群の人”たちが社会で活躍するためには何が必要なのか、当事者と雇用する側双方の取材を通して考える。

<詳細は4月からの講義にて。日本福祉教育専門学校の入学式は4月2日です(夜間部開講式は4月1日)>
日本福祉教育専門学校 新入生の皆様へ 4月2日入学式 社会福祉士受験支援講座筆者 社会福祉士養成学科教員

<ブログ閲覧中の皆様へ>
ソーシャルワーク実践研究会 卒業生社会福祉士の現場報告 一般公開 卒業生、4月入学の学生、ブログ閲覧中の皆様
日時 2015年4月18日(土) 14:30から16:30(研究会の終了予定時刻)

会場:日本福祉教育専門学校 高田校舎(旧高田馬場校舎)
 毎回さまざまなテーマで、本校卒業生の社会福祉士からの実践報告や、それぞれの経験からの知識を共有するディスカッションを行っています。当ブログ筆者(本校専任講師)等の教員も参加予定です。2015年3月の卒業生の方々や、この4月に入学の学生の皆さん、もちろん他の年次の卒業生、福祉職員の皆様も、是非ご参加ください。参加申し込みは不要です。

日刊 社会福祉ニュース 情報クリップ
ニート就労依然厳しく、支援へ職場体験 松山で「愛媛若者サポート会議」
2015年03月21日(土) 【愛媛新聞】

引用「若年無業者(ニート)の支援策を考える2014年度愛媛若者サポート会議が20日、愛媛県松山市持田町3丁目の県総合社会福祉会館であった。雇用情勢は改善傾向だが、県内ニートで就職が決まった人のうち、正社員採用は1割程度にとどまることが報告された。
 ニートの自立を支えるえひめ若者サポートステーション(松山市)によると、2月末までの14年度の新規登録は224人。製造や販売などへ103人の就職が決まっており、このうち正社員採用は11人だった。
 同ステーションの当川所長が「中途採用市場では即戦力やコミュニケーション能力の高さが求められる。就職状況はまだ厳しい」と説明。県内企業で1カ月間の職場体験などを行い、就労支援につなげるとした」。引用ここまで

避難行動要支援者を対象に特別養護老人ホームを福祉避難所に 諫早市「福祉避難所」協定
2015/03/21 00:00 【長崎新聞】

引用「諫早市と県老人福祉施設協議会県央ブロック施設代表者会は20日、災害が起きた際に、介護が必要な高齢者などを支える「福祉避難所」の設置と運営について協力する協定を結んだ。
 市内には介護を要する高齢者や、障害者、妊婦、乳幼児などの「避難行動要支援者」が約3300人いる。協定は、こうした人たちが一般の避難所での生活に支障をきたす場合、市が同代表者会に入る特別養護老人ホームなど10施設を対象に福祉避難所の開設を要請できる内容。施設は受け入れに努め、避難してきた高齢者らの生活支援や体調変化への対応で協力する」。引用ここまで

貧困問題と相談援助:当ブログ筆者講演の音声記録の一部を公開中

日本福祉教育専門学校 公式チャンネル - YouTube

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<当ブログ筆者 最新>
『職業訓練生たち-1年目職員が感じた介護&ストレス』
「介護人材Q&A 2015年2月号」,産労総合研究所


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by yrx04167 | 2015-03-28 10:14 | Comments(0)