人気ブログランキング |

講義レジュメ ソーシャルワーク定義、家族問題 自己覚知、職場のメンタルヘルス不調 相談援助の基盤第6回

相談援助の基盤と専門職 前期第6回 講義レジュメ概要 前半
 当ブログ筆者が、5月18日(金)に講義            
<レジュメ完全版は講義にて配布。解説の詳細は講義にて>

・相談援助の概念及び技術の必要性と活用のあり方とは

*ソーシャルワークの諸定義 その他の主要なもの テキストP34
 苦境のなかにある人々への相談援助、グループワーク等のミクロレベルの援助と、その人々への理解と配慮を求め社会との媒介、働きかけを行なう社会福祉調査やソーシャルアクション等のマクロレベルの援助が、ソーシャルワークの使命である。
 ミクロもマクロも、苦境のなかにある人々と寄り添い、共にある専門職の姿勢が基盤となる。
 苦境とは、例えば、生老病死とも言えるだろうか。つまり、人間として避けることのできない、意のままにはならない、4種の苦悩、痛みである。生まれること、老いること、病気をすること、死ぬこと。これらの痛みに共感し、思いを分かち合うところから、支援の働きは出発する。
 一人の人間としての優しさ、種類と程度は異なっても自らの痛みの経験等が、その原動力の一つではないか。


・ソーシャルワークの定義も、社会情勢の影響から変遷がみられる。
 ソーシャルワークとは何か、社会福祉の事業は何をすべきかを、現場から常に問い直し続けていく必要がある。
 社会福祉サービスやソーシャルワークが、当事者にとって、真に役立つものか?このような問いかけである。
 フィードバックや、当事者からの投げかけが、組織と援助者個人を成長させる原動力の一つである。双方向の関わりの力、相互作用が基盤となる。
 支援とは何か、そのあり方への絶えざる問い直しが、援助者の姿勢と想い、援助者と利用者のコミュニティを成長させる。当事者からも学ぶという開かれた援助者の姿勢が求められている。
 あくまでも、社会福祉はクライエント中心、利用者主体のあり方が追求されている。施設や組織、制度が主体ではない。


*全米ソーシャルワーカー協会の1958年の定義(要旨)
・ソーシャルワークは、価値、目的、サンクション、知識、方法の諸要素から構成される。その全体がソーシャルワーク実践である。

*全米ソーシャルワーカー協会の1973年の定義(要旨)
・個人・グループ・コミュニティーの社会的機能の強化、回復のための、好ましい条件の創造を援助する専門職の活動である。
 具体的には、①社会資源を獲得、②相談(カウンセリング)、③コミュニティワーク、④政策立案への参加

*全米ソーシャルワーカー協会の「ソーシャルワーク辞典」(要旨)

 人々の心理社会的機能の向上と、福利の増進のための社会改革に寄与する応用科学である。

<用語解説>
*解説:全米ソーシャルワーカー協会 NASW  National Association of Social Workers

 協会は,「ソーシャルワーク専門職の基準の創造と維持」,「堅実な社会的政策の提言」等を目標に掲げている。
 略

*日本学術会議、社会福祉・社会保障研究連絡委員会報告の定義(要旨)

 生活問題の解決・緩和し、QOLを支援、ウェルビーイングの増進を目指す社会福祉援助である。

・総じて、ソーシャルワークとは、個人と社会の双方に働きかけ、個人と社会を改善するための実践、活動である。

*国際ソーシャルワーカー連盟の「ソーシャルワークの定義」

 「ソーシャルワーク専門職は、人間の福利(ウェルビーイング)の増進を目指して、社会の変革を進め人間関係における問題解決を図り、人びとのエンパワメントと解放を促していく。ソーシャルワークは、人間の行動と社会のシステムに関する理論を利用して、人びとがその環境と相互に影響し合う接点に介入する。人権と社会正義の原理は、ソーシャルワークの拠り所とする基盤である」。

・解説
 人間の福利(ウェルビーイング)と社会の変革を進め,人びとのエンパワメントと解放を促していくことが,国際ソーシャルワーカー連盟の「ソーシャルワークの定義」(2000年)で唱えられている。 
 ソーシャルワーク専門職の使命は、すべての人びとが、彼らのもつ可能性を十分に発展させ、その生活を豊かなものにし、かつ、機能不全を防ぐことができるようにすることである。
 専門職としてのソーシャルワークが、焦点を置くのは、問題解決と変革である。従ってこの意味で、ソーシャルワーカーは、社会においての、かつ、ソーシャルワーカーが支援する個人、家族、コニュニティの人びとの生活にとっての、変革をもたらす仲介者である。
 ソーシャルワークとは、価値、理論、および実践が相互に関連しあうシステムなのである。

<補足>
・特徴:人間関係における問題解決を図る
・人間関係上の問題解決(家族と社会)と、そのためのエンパワメントの視点の必要性。
・社会的孤立(人間関係の貧困)。脆弱性。
 昨今、社会の各領域、様々な職業でコミュニケーション能力が求められている-トラブル回避型の表層的コミュニケーション「コミュ力があれば上手くいく」が求められる社会。一般の雑誌等でも、特集記事として頻回に取り組まれ、社会のなかで関心を集めている。

・事例:人間関係の困難の解決に向けて-具体的には、面接の継続や、グループワークで、新たな経験等を提供する。
 人間にとって、関係の重要性-孤立しているからコミュニケーションが必要というような、表層的のみのものではない。
 ソーシャルワークの相談援助においては、クライエントに感情の表現を促し、感情を隠したり、見せかけで逃げるのではない、真の関わり、密接で直接的な関係を構築する。関わりの力が、変化をもたらす。
 ソーシャルワークは、クライエントにとって、その専門的援助関係によって、コミュニケーション能力や社会的スキルを身につける新たな経験、全人的な成長の機会となる。援助者にとっても、それは同様であり、成長の双方向性と言えよう。
 ソーシャルワークのもたらすものは、真の人間関係、クライエントとのコミュニケーション、人格的交流である。

・例:家族における人間関係の問題解決を図る
 家族の多様な問題(ルール、役割、コミュニケーション、虐待、貧困、過去、未来等)の解決・緩和を図る。
 家族問題は、昔も今もソーシャルワークの重要なテーマである。
 児童虐待、DV、高齢者虐待等の顕在化した問題もある。

*家族システム理論  
 家族システムの理論は,症状や問題を持った人に対処する場合,家族成員は相互に関連しあっていて切り離しては理解できないという視点に立つ。したがって,家族は単に問題解決の協力者ではなく,問題を持っていないと思われる家族成員も含めて対象となる。
 円環的因果関係 略
 事例

*家族関係の自己覚知
 家族での経験-良いもの、そうではないもの。
 事例の家族を捉えるとき、誰の立場に共感、感情移入しているのか?専門職としての共感。
 児童福祉、特に虐待への対応において、的確な家族の分離、被害児童の保護、新たな生活の場、場合によっては家族の再統合と再生、家族関係の調整が求められる場合もある。
 援助者は、自己の過去の感情に振り回されてはいけない。
転移
逆転移


*例:利用している機関における人間関係の問題解決を図る
 関係者と対象者との相互理解を、集団の相互扶助を促進する。
 調整の必要性。
 施設、病院にもいじめはある。援助者による介入。
 施設症、ホスピタリズムとは。

*地域における人間関係の問題解決を図る
 排除、葛藤・摩擦(コンフリクト)の仲介(媒介)者となり、調和を図る。
・地域への働きかけー共生、ノーマライゼーション、相互扶助、共同等の価値を伝えていく。
 手を差し伸べ合う共同体としての共に生きるコミュニティを目指して、違いを超えて多様性を認め合う。

*総括
・総じて、ソーシャルワークとは、個人と社会の双方に働きかけ、個人と社会を改善するための実践、活動である。


<レジュメ続く>

日刊 社会福祉施設ニュース 関連情報クリップ
メンタル不調による退職者、県内企業の約半数で 職場のコミュニケーション機会減少、メンタルヘルス対策スタッフ不在等が課題
2015/04/26 11:26 【沖縄タイムス】

 うつ病などのメンタルヘルス不調者が出たり、それが原因で退職した人がいた企業がそれぞれ半数近くに上ったことが分かった沖縄労働局のメンタルヘルス対策アンケート(3月28日付社会面)。背景にある職場環境として「職場に人を育てる余裕がなくなっている」「職場でのコミュニケーション機会が減少している」などの意見が上がった。専門家は、多様な働き方に合った評価システムや、労働者同士が互いの価値観を認め合う環境づくりが必要だと指摘する。
 アンケートは沖縄労働局が10人以上の事業所を対象に昨年末に実施し、ことし集計したもので、メンタル不調者の有無や復職状況、対策や職場環境について調べた。メンタル不調者がいる(いた)と答えた事業所が47%、最終的に退職したケースが43%に上ったことが分かった。
 職場環境の調査では「職場に人を育てる余裕がなくなってきている」(35%)、「職場でのコミュニケーション機会の減少」(29%)、「管理職の目が一人一人に届きにくくなっている」(28%)などの回答が上位を占めた。
 また、メンタルヘルス対策に取り組む上で困っていることとして、「対応できるスタッフがいない」(37%)、「本人のケア(自身の気づきや対処法)の進め方が分からない」(29%)、「事業所としてどうしたらよいか分からない」(27%)など情報・知識、マンパワー不足を感じている傾向がみられた」。引用ここまで

沖縄の職場5割でメンタル不調者 4割が退職 メンタルヘルス対策に取り組む事業所57%、教育研修等
2015年3月28日【沖縄タイムス】

引用「メンタル不調者のうち、31%が休職をへて復職していたが、休職せず退職したり、復職したものの結果的に退職したりしたケースが43%に上った。
 休職できる上限が「3カ月未満」と短い事業所では退職したケースが58%と多く、「6カ月~1年未満」では33%と少なかった。
 メンタル不調者の50%が「役職なし」で、次いで中間管理職の「係長クラス」(19%)だった。メンタル不調者を最初に把握したのは「上司など管理職」が45%で半数を占めた。
 メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所は57%。管理職や労働者への教育研修や情報提供が主だった。対策に取り組むきっかけは「不調者が出た」「不調者が出るリスクを感じる」と必要に迫られたケースが6割超に上った」。引用ここまで

フードバンク普及へPR 福祉施設に食品・日用品無償提供、企業の社会貢献、協力100社目標 コープ東北
2015/05/12 11:28 【河北新報】

引用「コープ東北サンネット事業連合(仙台市)は、宮城県を中心に福祉施設などに食品や日用品を無償提供する「コープフードバンク」事業の普及拡大に取り組んでいる。提供先は増えたものの、物資を寄贈する企業数は目標に届いていない。食品の無駄を減らし、社会貢献や処分費用の削減につながる利点を訴え、協力企業を増やしたい考えだ。
 宮城県富谷町にあるフードバンク専用の倉庫には、菓子や缶詰、カップ麺など日持ちがする食品、トイレットペーパーなどの生活雑貨が並ぶ。商品を入れる段ボール箱がつぶれて販売ルートに乗らないものや、賞味期限が近づいて販売が難しくなった商品など、事業者から無償で譲り受けたものばかりだ。
 仙台市内のある福祉関係法人は月1回、菓子、トイレットペーパーなどの提供を受ける。法人担当者は「毎日使う物もあり、本当に助かる」と話す。その代わり、利用者が倉庫で仕分け作業を手伝う。
 フードバンクの提供先は社会福祉協議会、生活困窮者の支援団体、児童養護施設など。活動が始まった12年度の提供先数は99だったが、14年度は143に増えた。このうち福島は21、山形は2で、コープふくしま(福島市)、生協共立社(鶴岡市)と協力している。食品などを寄贈する協力企業も33から59に増えたが、目標の100社に達していない」。引用ここまで

<関連資料 バックナンバー>
貧困・低所得・生活保護 : 社会福祉士受験支援講座・教員日記


新刊 当ブログ筆者が試験問題解説を執筆 
「2016社会福祉士国家試験過去問解説集 第25回─第27回全問完全解説」日本社会福祉士養成校協会編集 ISBN 978-4-8058-5161-6
 中央法規出版 2015年5月10日発行

 450問を選択肢ごとに詳しく解説し、科目別ポイントを収載。第27回を含む過去3年分の国家試験全問題を掲載した問題集。過去2年分も最新の制度や数値にアップデートし、次回試験に完全対応。基本の理解、実力試し、傾向対策、総復習で着実に学習効果を発揮。 中央法規出版


社会福祉士 相談講座第15回 アスペルガー症候群、大人のADHDとは ニートのコミュニケーション能力と就労

地域福祉の理論と方法 練習問題 企業の社会貢献、マッチングギフトとは 30代女性の自殺、自立援助ホーム

相談援助の理論第3回講義レジュメ 貧困とMSW、倫理的ジレンマとは 生活困窮相談支援員研修、社会的起業支援


相談援助の理論第4回講義レジュメ前半 ソーシャルワーク面接 実践知、権限の委任とは 自立援助ホーム開設



福祉施設職員 ストレスケア サポーティブ研修、生活困窮者グループワーク講座 当ブログ筆者の研修 講師派遣
 当ブログ筆者が講師を務める、福祉施設職員を支援する研修プログラムです。東京都の「事業所に対する育成支援事業 登録講師派遣事業」の一つとして実施しています。講師謝金・講師派遣 無料。研修申込受付締切は2015年5月20日 



by yrx04167 | 2015-05-15 08:21 | Comments(0)