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相談援助講座第12回 児童福祉概要1 子ども虐待とメンタルヘルス摂食障害とは うつ病自殺、ストレス休職教員

相談援助入門web講座 第12回
<4月から社会福祉士を目指す方などを対象としたweb予習・参考資料。プレ学習として活用して下さい。 詳細は4月からの講義にて解説>

社会福祉 各領域の概要・児童福祉1
<児童福祉とは>
 子どもの生活と権利を護り、児童福祉の理念を実現することを目的として,国,地方自治体、民間福祉、社会全体が子供とその家庭を援助するために行なう、各種の事業や福祉活動のことである。
 児童福祉は,社会福祉法,児童福祉法,「児童虐待の防止等に関する法律」等のに基づいて制度化されている。児童相談所,福祉事務所,保健所等の行政機関や,保育所,児童館,児童養護施設などの公私の児童福祉施設等で,社会福祉や心理、保育等の専門職が援助を行っている。
 専門職の援助だけでなく,児童委員・主任児童委員や子ども会,子育てサークル、PTA等の住民参加の地域福祉活動やNPO,企業等,多様な組織が児童福祉を支えている。

*社会的養護とは
 社会福祉士による児童福祉分野の実践は、この社会的養護を専門職として担うことが中心となる。
・社会的養護とは、保護者・家庭のない児童や、保護者が養護することが適当でない児童を、児童福祉施設や里親等によって社会的に養育するとともに、養育に大きな困難を抱える家庭への支援を行うことである。
・社会的養護は、「子どもの最善の利益のために」という考え方と、「社会全体で子どもを育む」という考え方を理念とし、保護者の適切な養育を受けられない子どもを、社会の責任で養育し、子どもが心身ともに健康に育つことを保障する。

・社会的養護は、次の三つの機能を持つ。
①「養育機能」は、家庭での適切な養育を受けられない子どもを養育する機能であり、社会的養護を必要とするすべての子どもに保障されるべきもの。
②「心理的ケア等の機能」は、虐待等の様々な背景の下で、適切な養育が受けられなかったこと等により生じる発達の課題や心の傷(心の成長の阻害と心理的不調等)を癒し、回復させ、適切な発達を図る機能。
③「地域支援等の機能」は、親子関係の再構築等の家庭環境の調整、地域における子どもの養育と保護者への支援、自立支援、施設退所後の相談支援(アフターケア)などの機能
 つまり、社会的養護の役割は、子どもの権利擁護を基本とし、子どもの安全・安心な生活を確保するにとどまらず、必要な心身のケアや治療を行い、その子どもの社会的自立までを支援することにある。
 家族の再統合や家族や地域の養育機能の再生・強化といった親も含めた家族や地域に対する支援も、社会的養護本来の役割として取り組むことが必要である。

*歴史的経緯、現状と課題
 児童福祉の基本である「児童福祉法」は、戦後、困窮する児童を保護、救済する必要性と、さらに、次代を担う児童の健全な育成を図るため、昭和22(1947)年に制定された。
 児童福祉法のもと、昭和26(1951)年に制定された「児童憲章」や、平成6(1994)年の国連「児童の権利に関する条約」の批准といった「児童の権利保障」という理念の定着化とあいまって、児童福祉の諸制度は広く児童の最善の利益を保障する観点から充実が図られてきた。
 現在では、児童福祉法に基づいていろいろな問題から家庭で暮らすことのできない児童等への施設サービス(児童養護施設、乳児院、母子生活支援施設等)や、保育所における保育サービス、障害児に対する在宅・施設サービス等が実施されている他、少子化の一層の進行や、児童虐待といった新たな課題に対応すべく、「次世代育成支援対策推進法」や「児童虐待防止法」による施策も進みつつある。
 児童福祉は、要保護児童の保護、救済といった限定的な制度から、すべての児童の健全な発達保障へとその対象について変遷をたどってきたが、これからは、社会・経済状況の変化や価値観の多様化等を背景として子育てを社会全体で支える視点からの制度の充実が必要であり、労働施策等との連携を含めた施策の推進が一層求められている。

<児童福祉の今日的な課題>
*児童虐待 child abuse 概要
 児童虐待は,
 ①身体的虐待(殴る,蹴るなどの身体的暴力),
 ②心理的虐待(子どもの情緒的発達を阻害する無視やことば),
 ③性的虐待,
 ④ネグレクト(養育の放棄・怠慢)に分類される。 略

・児童虐待の最も深刻な結末は、被害児童の死である。迅速かつ専門的な社会福祉専門職等の介入が必要不可欠である。
 また、虐待を生き延びる子どもたちも、身体的なケガ治癒した後にも、心の傷、メンタルヘルスの問題が残る可能性がある。
 虐待を受けた人々は、成長に伴い、人間関係の問題を起こしやすい傾向がある-後述。
 また自尊感情の問題、リストカット等の自傷等の問題を持っている可能性も高くなる。


*子ども虐待の定
 児童虐待防止法第2条ー次回

*具体的には、以下のものが児童虐待に該当する
ア.身体的虐待(第1号
・外傷とは打撲傷、あざ(内出血)、骨折、頭蓋内出血などの頭部外傷、たばこによる火傷など。
・生命に危険のある暴行とは首を絞める、殴る、蹴る、投げ落とす、激しく揺さぶる、熱湯をかける、溺れさせる、逆さ吊りにする、異物をのませる、冬戸外にしめだす、一室に拘束するなど。
・意図的に子どもを病気にさせる。 など

イ.性的虐待(第2号)

ウ.ネグレクト(第3号

・子どもの健康・安全への配慮を怠っているなど。例えば、(1)家に閉じこめる(子どもの意思に反して学校等に登校させない)、(2)重大な病気になっても病院に連れて行かない、(3)乳幼児を家に残したまま度々外出する、(4)乳幼児を車の中に放置するなど。
・食事、衣服、住居などが極端に不適切で、健康状態を損なうほどの無関心・怠慢など。
 例えば、(1)適切な食事を与えない、(2)下着など長期間ひどく不潔なままにする、(3)極端に不潔な環境の中で生活をさせるなど。
・親がパチンコに熱中している間、乳幼児を自動車の中に放置し、熱中症で子どもが死亡したり、誘拐されたり、乳幼児だけを家に残して火災で子どもが焼死したりする事件も、ネグレクトという虐待の結果であることに留意すべきである。
・祖父母、きょうだい、保護者の恋人などの同居人がア、イ又はエに掲げる行為と同様の行為を行っているにもかかわらず、それを放置する。 など

エ. 心理的虐待(第4号
・ことばによる脅かし、脅迫など。 子どもを無視したり、拒否的な態度を示す。
・子どもの心を傷つけることを繰り返し言う。 子どもの自尊心を傷つけるような言動など。
・他のきょうだいとは著しく差別的な扱いをする。
・子どもの面前で配偶者やその他の家族などに対し暴力をふるう。

*児童虐待防止対
  従来は 、児童相談所のみで対応する仕組みであったが、平成16年の児童虐待防止法等の改正により、
「市町村」も虐待の通告先となり、「市町村」と「児童相談所」が二層構造で対応する仕組みとなっている
○市町村虐待相談対応件数 平成17年度 40,222件 → 平成21年度 57,299件
○各市町村単位で、子どもを守る地域ネットワーク(要保護児童対策地域協議会)の設置が進んでいる。
(平成22年4月1日現在、95.6%の市町村で設置(任意設置の虐待防止ネットワークを含むと98.7%))。
○平成20年の児童福祉法改正法により、21年4月より、協議会の支援対象について、これまでの要保護児童に加え、乳児家庭全戸訪問事業等で把握した養育支援を必要とする児童や出産前から支援を行うことが特に必要である妊婦も追加された。

*児童虐待の発生予防における取り組み
 可能な限り、虐待の発生を未然に防止することが極めて重要である。専門職による専門的な支援については、これまでの「支援を望む人に幅広く」から「支援を必要とする人によりきめ細かく」という考え方に転換し、支援の重点化を図っていくことが必要である。

*児童虐待と多問題家族
 多くの生活問題を抱えながら、虐待の悪影響、加害行為であり、許されないことだと分かっていても繰り返してしまう親。
 虐待する親、加害者への働きかけ、ケアのあり方が問われている。
 多問題家族への援助の課題。  
 多くの問題を抱える家族への福祉的支援のあり方という課題がある。
 様々な形態の家族、望ましい家族関係のあり方とは。
 根底には、人間は家族と尊重し合い、支え合って生きることも出来る、誰でも人間は変わりうるという、価値がある。

*早期発見・早期対応 虐待防止ネットワ-ク、児童自立生活援助事業(自立援助ホ-ム)
 虐待対応の中心的機関である児童相談所の現行の体制には限界もあるとの認識の下、業務の市町村との役割分担、より幅広い専門職種との連携強化、市町村における虐待防止ネットワ-クの設置の一層の推進を図ることが必要である。

*保護・自立支援における取り組み 虐待保護者の治療・指導プログラム

 虐待を受けた子どものみならず、虐待を行った親など「家族」への支援という視点に立ち、保護者に対する治療・指導プログラムの充実・普及、家族再統合に向けたプログラム開発の研究を進め、家族再統合・家族の養育機能の再生・強化を図ることが必要である。
 また、親子の分離(保護)を行った場合であっても、可能な限り家庭的な生活環境を保障し、子どもの個々の状況に応じてきめ細やかなケアを行えるよう、里親制度の充実や施設におけるケア形態の小規模化、児童自立生活援助事業(自立援助ホ-ム)の充実など自立を促していくための支援を充実していくことが必要である。

 総じて、虐待を受けた子どもの保護・自立に向けた支援など子ども虐待対応の各段階に応じた切れ目のない総合的な対策が求められている。

・虐待等による子ども時代の痛みとメンタルヘルス
 虐待等によって子ども時代に感じた恐れや痛み、苦しさ、屈辱は、成長に伴って再び現れることがある。その痛みに記憶とは、子どもであった自分がひどい扱いを受けたこと、虐待、不当に拒絶された時のものである。また、周囲で起きた暴力、衝突を目撃した時の痛みでもあって、自分のせいでそうなったと思い込んでしまう。
 子どもは子どもであるがために、恐怖感等の感情、家族や自分自身に対する嫌悪感を表現することが難しく、心の奥に隠してしまう。しかし、無くなったわけではなく、身体や心、記憶に隠されているだけである。やがて成長に伴って、自分自身を責め、罪悪感を感じさせることがある。自分を痛めつけてしまう。人間関係等で生きづらさを生じる。
 メンタルヘルスの問題として、アルコール依存症や摂食障害、うつ病、自傷、引きこもり等として顕在化する傾向がある。
 子どもの頃から生き延びるため、痛みの記憶を隠しながらここまで生き続けてきたのだ。
 これらは世代間連鎖とも繋がる課題である。
 子どもの頃、暴力や心的外傷を経験した一方、成長に伴い、医療、社会福祉、教育等の専門職になることを目指す人々もいる。
 痛み、苦しみの記憶とどのように向き合いながら生きていくのか。
 ソーシャルワークにおいては、ナラティブアプローチの支援の課題でもある。


*不登校
 略
 詳細は4月からの講義にて。本校入学式は4月7日です。

相談入門講座11 孤立死予防共助の促進 大阪子ども貧困保育園小中学校調査、高校生通学補助拡大と医療無料


日本福祉教育専門学校入学 新入生の皆様へメッセージ 社会福祉士受験支援講座筆者 社会福祉士養成学科教員



<進路検討中の皆様 お知らせ>
大学生の皆様 社会福祉士入門講座
2016年4/14(木)18時開始 日本福祉教育専門学校高田校舎

 社会福祉士の就職先や、資格取得の勉強方法などについて当ブログ筆者(本校専任教員)が、福祉がはじめての方にも分かり易く解説します。お気軽にご参加下さい。
 ご相談も歓迎。参加無料

<お問い合わせ先> 
 学校法人敬心学園 日本福祉教育専門学校
 電話:0120-166-255


日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成学科・養成科
*日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成学科は、4年制大学卒業(見込)等の方々が対象の、1年制の社会福祉士の養成コースの昼間部です
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*社会福祉士とは
  「社会福祉士及び介護福祉士法」により定められた、相談援助、運営管理、グループワーク等、ソーシャルワークに携わる専門職の国家資格です。
 各種の相談機関、福祉行政機関、福祉施設・団体、医療機関などにおいて,専門的知識と技術をもって,福祉サービス利用者の相談援助や,グループワーク、施設の運営管理、地域福祉活動等を行なう社会福祉専門職です。
 社会福祉士は、子ども、コミュニティ、障害者、貧困、女性、高齢者、更生保護等、多岐にわたる領域で、相談援助、社会貢献等の実務を担っています。
社会福祉士及び介護福祉士法

卒業生、新入生、一般の皆様 お知らせ
ソーシャルワーク実践研究会 社会福祉士現場報告2016年4月16日(土)14時半 

 ソーシャルワーク実践研究会は、子ども家庭福祉、コミュニティ福祉、生活困窮者支援、医療ソーシャルワーク、障害者福祉、高齢者福祉等、毎回さまざまなテーマで、本校社会福祉士養成学科の卒業生等の社会福祉士からの実践報告、現場レポートなどを行なっています。
 また、それぞれの実践の経験からの知識を共有するディスカッションを行い、卒業生と在校生、教員、福祉職員、参加者とのネットワークの場ともなっています。
 この研究会は、社会福祉士養成学科等の本校卒業生の支援と、継続した学習の場、学生や参加者との交流のオープンな集まりです。
 卒業生、新入生、福祉施設職員、一般の皆様、ご参加下さい。参加無料、一般公開。


社会福祉士国家試験合格報告会 合格者が語る受験勉強法 社会福祉士養成学科合格率84.9% 入学前講義

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参考
自殺者数98年以降最少の1037人 うつ病やブラック企業 兵庫県
2016/03/17 21:12 【神戸新聞】より引用

引用「2015年の兵庫県内の自殺者数が、1998年以降最少の1037人(前年比110人減)だったことが、県などの調べで分かった。年齢別では未成年で微増したが、ほかの年代は減少。今月は自殺対策強化月間で、相談業務や啓発などを強化し、2016年中は千人以下を目指している。
 県によると、15年の全国の自殺者数は、2万4025人。1998年以降、3万人台で推移していたが、2012年に3万人を切り、減少が続く。県内も5年連続で減っている。
 県内の原因別でみると、うつ病や体の病気などの健康問題が46・8%で最多。借金などの経済生活問題(13・6%)、離婚などの家庭問題(13・5%)、長時間労働などの勤務問題(9%)と続く。県の担当者は「勤務問題による自殺が増えており、『ブラック企業』が背景にあるのではないか」としている。
 若年層の自殺も増加傾向にある。県は高校や大学での自殺予防の取り組みに助成金を出す。
 相談専用ダイヤルTEL0570・064・556 」引用ここまで

うつ病休職教員 心にストレス 2014年度の県内教職員、休職は99人
2016/03/24 00:00 【山口新聞】より引用

引用「うつ病など精神的な疾患で休職する教員の数が年間約5千人前後と高い水準が続いている。
 仕事量が増え、心にストレスを感じる教員が多くなっていることが主な理由。
 発症していなくても追い詰められている人が多くいるとみられ、専門家や教育現場から「学校教育の質が低下しかねない」と懸念の声 略 」引用ここまで

こども発達支援センターが完成 障害児学童保育、障害者が働く地域交流レストランも併設 発達支援施設
2016/03/31 05:00 【下野新聞】より引用

引用「社会福祉法人恵友会(高根沢町)が氏家に建設していた「こども発達支援センターぴーち」が完成し、30日、竣工式が行われた。
 ぴーちは発達上の課題を抱える0歳から18歳の子どもを対象に専門的な保育や療育を行う。放課後などの学童保育も行う。4月1日に開所する。
 障害児の学童保育は人見健次市長の公約 略
 障害者が働く「地域交流レストラン ハッピークローバー」が併設」引用ここまで



by yrx04167 | 2016-04-03 13:32 | Comments(0)