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相談援助 第2回講義 福祉施設職員ストレスマネジメントとは、発達障害 生活困窮者支援事例、多問題家族

相談援助 第2回講義レジュメ1
 当ブログ筆者が講義
 相談援助におけるニーズ

・相談援助とは、利用者のニーズ主体のアプローチである。
 つまり人間中心、利用者第一、利用者主体である。
 あくまでも、社会福祉は利用者主体の理念に基づく。
 施設や組織、制度主体ではない。施設や制度の都合で「サービスメニューに無いから」と、相談員は逃げてはいけない。
 出来ないことは出来ないが、逃げずに利用者と向き合う。人間と正面から向き合う率直な人格的交流、関わり、寄り添う姿勢の支援が求められている。
 人間と人間としての対等な関わりが、そこにあるか。
・人々の福祉ニーズは多様化し、ニーズは脆弱な生活基盤の上に存在し,健康や生活、家族などの人間関係のリスクを抱えている。

*相談援助で扱われる中心的な課題の一つは、生き方である。私たちがどのようなに生き方をするのかは、私たち自身に掛かっている。社会に周囲にただ流されゆくのか、他者からの評価ばかり気にするのか、それとも自分の希望に、選択によって進むのか。
 自分をより深く理解しようという課題は、相談の双方の永続的なテーマである。

・補足:ニーズを巡って:専門職の価値、視点と、スタッフにとって「望ましい」ニーズとは。その事例。
 真の「自己決定」とは何か。

1.ソーシャルワークがとらえるニーズとは
・個別のクライエントのニーズが、環境(人間関係、社会資源)との関わりの中で、充足されていない。
 ⇒ ニーズ充足のために、支援を要する。
・クライエントのニーズと、その充足のための社会資源の活用が、ソーシャルワークの重要な課題の一つである。具体的には、調整を図る。
・クライエントの、社会資源を創る能力を高めるよう支援する。

* ニーズneeds (ニード)
 必要もしくは要援護性、要援護状態と訳される。ニーズの定義については,多様な見解があるが,三浦文夫による次の定義が代表的なものである。
「何らかの基準に基づいて把握された状態が,社会的に改善・解決を必要とすると社会的に認められた場合に,その状態をニード(要援護状態)とすることができる」。

◎ニードを充足するサービスについての情報が,利用対象者に十分に提供されないと,ニードが潜在化し,そのサービスの利用が進まないことがある。

*マズロー Maslow, Abraham Harold (1908-70)
 アメリカの心理学者,欲求段階説の提唱者。人間の欲求・動機を階層構造として捉えて,生理的欲求,安全欲求,社会的欲求,尊敬欲求,そしてその頂点に自己実現があるとし,低次元の欲求が満たされてはじめてより高次元の欲求の満足が求められるという考え方を提示した。人間の動機づけに関する経営論にも大きな影響を及ぼした。

*C.トールのニーズに関する考察
・情緒的成長と精神的ニーズ等。
・人々は所得の高低、疾病の有無、障害の有無、さらには老若男女を問わず、「人間のもつ基本的欲求は変わらない=Common Human Needs」ことを示した。

*解説:C.トール
 アメリカの社会福祉研究者。利用者が人間として共通の欲求を持っているという観点から、クライエントの理解と援助の原則、ケースワークの理論と実際を考察した。ケースワークと公的扶助行政の関係を論じた。

 コモンヒューマンニーズ 成長・教育のニーズを充足するためには他の三種類のニーズの充足が不可欠である

・ニーズ・基本的欲求のうち、疾病や障害そのものか、あるいは傷病や障害によって生じる社会的制約・障壁の中で、自力では解決困難な課題を有する状況にある人たちがソーシャルワークの対象となる。
 こうした人たちを対象として、ノーマライゼーションの理念等を実現するために、ソーシャルワークを展開する必要がある。

 ニーズとは:専門職の視点と望ましい・望ましくないニーズ

*感情を扱う相談面接
 面接における、クライエントの感情というポイント。
 来談者の抱えている不安感、不信感、怒り、悲しみ等の表現を促す。
 真正面から向き合い、率直な感情の交流を図る。
 その感情に共感する。寄り添う姿勢の支援のはじまりである。

 相談援助は、具体的な生活や家族の問題を扱う。
 話の要点をまとめる、優先順位をつける。

 ありのままの相手を認めるということ。理解し受容する。
 アイコンタクト。

<続く>

当ブログ筆者の論文
当ブログ筆者の論文 関屋光泰「福祉施設職員のストレスケア サポーティブ研修プログラムの開発」
日本福祉教育専門学校 研究紀要第23巻1号 37頁から55頁 平成27年4月

抜粋「それぞれの福祉施設と個々の職員の困難やストレスは異なり、組織として実施している対策や、これからの課題、改善策も異なる。
 対策の一つである職員の相互支援の具体的な方法にとは、語り合いを促進する多様な硬軟の機会をつくることである。チームリーダー、主任による、職員がストレスを表現できる雰囲気や、疲労が蓄積している職員への個別ケアの促進等が求められている。つまり、職場における協同の深化の促進によるサポーティブな職場づくりが重要な課題である。
 福祉施設において、有効な離職予防策を打ち出せないまま職員の人員不足を招くことや、燃えつき等によって充分に能力を発揮出来ない職員を生じることは、現場に更なる負担をかけ、過失や事故等に繋がる可能性に直結する。施設と個々の職員のストレス・マネジメントは、リスク・マネジメントでもあり、施設の運営管理にも大きく関わる課題である。
 良い福祉施設、良いサービスは、職員の心身の健康の維持と、実践と生活の拡充によって実を結ぶ。福祉施設においては、事業の根幹は人にある。だからこそ、着手が可能なところから、現場職員の支援策と、サポーティブな職場づくりを開始する必要がある。
 これらは単なるストレス対策のみならず、施設と職員の成長も目指すものである」

福祉施設職員のメンタルヘルスの支援 職員のストレスマネジメントと施設のリスクマネジメント
当ブログ筆者の論文 関連業績一覧



<参考 関連情報>
相模原障害者殺傷事件から1年
障害がある人もない人も住みやすい社会を目指して シンポジウム

引用「津久井やまゆり園事件(相模原障害者殺傷事件)から1年が経過したことを受け、7月22日(土)に「障害がある人もない人も住みやすい社会を目指して」をテーマに名古屋で集会が開催されます。是非、ご参加ください。
日時:2017年7月22日(土)13:00~16:30
会場:朝日新聞名古屋本社15階【朝日ホール】
定員:250名
参加費(資料代):500円(介助者の方で資料が不要な方は無料です)※要約筆記・手話通訳・ヒアリングループ・点字資料有
13:10~14:10
〇第1部 基調講演
「津久井やまゆり園事件を通して優生思想・障害者差別を考える」
講師:熊谷晋一郎氏(東京大学先端科学研究センター准教授)

14:25~16:20
〇第2部 シンポジウム「障害がある人もない人も住みやすい社会を目指していま私たちにできること」
シンポジスト:熊谷晋一郎氏( 東京大学先端科学研究センター 准教授)
永田尚子氏(社福)名古屋手をつなぐ育成会 権利擁護委員会 委員)
辻直哉氏(愛知障害フォーラム事務局長)
コーディネーター:崔栄繁(DPI日本会議議長補佐)」引用ここまで

障害者の生存権を守るシンポジウム
7月14日 17時46分NHKニュース

引用「相模原市の障害者施設で入所者19人が殺害された事件から今月で1年になるのにあわせてシンポジウムが開かれ、専門家は障害の有無に関係なく、憲法で保障された生存権はひとしく守られるべきだと訴えました。このシンポジウムは、憲法施行70年と障害者施設殺傷事件から1年となるのにあわせて日本障害者協議会が開いたもので、東京・千代田区の会場には、およそ400人が集まりました」引用ここまで

やまゆり園 入所者受け入れ協力 横浜市内の障害者施設団体が表明
2017年7月22日 東京新聞

引用「横浜市内の障害者施設団体「横浜市グループホーム連絡会」など四団体は二十一日、殺傷事件があった知的障害者施設「津久井やまゆり園」(相模原市緑区)に在籍する入所者の希望があれば、グループホームへの受け入れに協力する考えを県側に伝えた。
 やまゆり園の入所者百三十一人のほとんどは現在、横浜市港南区の「芹が谷園舎」に仮転居。園の再生のあり方を話し合う県の有識者部会は、入所者の移転先として相模原市の園跡地と芹が谷園舎を利用する方向で議論を進めている」引用ここまで

津久井やまゆり園事件から1年 670人集い追悼式
2017年7月24日 朝日新聞

引用「19人が殺害され、27人が重軽傷を負った事件から26日で1年を迎えるのを前に、障害者施設「津久井やまゆり園」設置者の神奈川県や指定管理者の社会福祉法人「かながわ共同会」などが24日、合同で追悼式を開いた。遺族ら約670人が集まり、亡くなった19人を悼んだ。
 追悼式終了後の会見で黒岩知事は、亡くなった19人の名前の紹介も、遺影を飾ることもできなかったことについて、「日本の現状では許される土壌にないと感じ、県独自では(オープンに)できなかった。とても残念だ」と語った」引用ここまで


参考 福祉職員のネットワーク
未来をつくるkaigoカフェ

かりん燈関東



親の立場から考える発達障がいと支援。親亡き後を見据えて
第13回 生活困窮者支援事例検討会 参照 日時 会場

【テーマ】今回は発達障害をテーマに取り上げ、ご家族のお話や、ご本人さんが生きづらさ、日常生活などを絡めて展開をしていく予定です。
【主 催】一般社団法人アルファlink
 生活困窮などの課題を抱える事例について、様々な職種の方が集まって学習し、事例を元に支援策を検討する事例検討会などを行っています。

生活困窮者自立支援法
(定義)
第二条  この法律において「生活困窮者」とは、現に経済的に困窮し、最低限度の生活を維持することができなくなるおそれのある者をいう。
2  この法律において「生活困窮者自立相談支援事業」とは、次に掲げる事業をいう。
一  就労の支援その他の自立に関する問題につき、生活困窮者からの相談に応じ、必要な情報の提供及び助言を行う事業
二  生活困窮者に対し、認定生活困窮者就労訓練事業(第十条第三項に規定する認定生活困窮者就労訓練事業をいう。)の利用についてのあっせんを行う事業
三  生活困窮者に対し、当該生活困窮者に対する支援の種類及び内容その他の厚生労働省令で定める事項を記載した計画の作成その他の生活困窮者の自立の促進を図るための支援が一体的かつ計画的に行われるための援助として厚生労働省令で定めるものを行う事業
3  この法律において「生活困窮者住居確保給付金」とは、生活困窮者のうち離職又はこれに準ずるものとして厚生労働省令で定める事由により経済的に困窮し、居住する住宅の所有権若しくは使用及び収益を目的とする権利を失い、又は現に賃借して居住する住宅の家賃を支払うことが困難となったものであって、就職を容易にするため住居を確保する必要があると認められるものに対し支給する給付金をいう。
4  この法律において「生活困窮者就労準備支援事業」とは、雇用による就業が著しく困難な生活困窮者(当該生活困窮者及び当該生活困窮者と同一の世帯に属する者の資産及び収入の状況その他の事情を勘案して厚生労働省令で定めるものに限る。)に対し、厚生労働省令で定める期間にわたり、就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練を行う事業をいう。
5  この法律において「生活困窮者一時生活支援事業」とは、一定の住居を持たない生活困窮者(当該生活困窮者及び当該生活困窮者と同一の世帯に属する者の資産及び収入の状況その他の事情を勘案して厚生労働省令で定めるものに限る。)に対し、厚生労働省令で定める期間にわたり、宿泊場所の供与、食事の提供その他当該宿泊場所において日常生活を営むのに必要な便宜として厚生労働省令で定める便宜を供与する事業をいう。
6  この法律において「生活困窮者家計相談支援事業」とは、生活困窮者の家計に関する問題につき、生活困窮者からの相談に応じ、必要な情報の提供及び助言を行い、併せて支出の節約に関する指導その他家計に関する継続的な指導及び生活に必要な資金の貸付けのあっせんを行う事業(生活困窮者自立相談支援事業に該当するものを除く。)をいう。


第67回“社会を明るくする運動”~犯罪や非行を防止し,立ち直りを支える地域のチカラ~ 法務省

引用「“社会を明るくする運動”とは?
 “社会を明るくする運動”~犯罪や非行を防止し,立ち直りを支える地域のチカラ~はすべての国民が,犯罪や非行の防止と罪を犯した人たちの更生について理解を深め,それぞれの立場において力を合わせ,犯罪のない地域社会を築こうとする全国的な運動で,今年で67回目を迎えます。
 地域のチカラが犯罪や非行を防ぐ
 あなたもできることから始めてみませんか
 “社会を明るくする運動”では,街頭広報,ポスターの掲出,新聞やテレビ等の広報活動に加えて,だれでも参加できるさまざまな催しを行っています。イベントに参加したり,このホームページを見たことなどをきっかけにして,犯罪や非行のない安全で安心な暮らしをかなえるために,今,何が求められているのか,そして,自分には何ができるのかを,みなさんで考えてみませんか。

活動主体としての更生保護ボランティア

 「更生保護」は,社会の中での立ち直りを導き,助け,再び犯罪や非行に陥るのを防ぐ仕組みです。その活動には,保護司や協力雇用主をはじめ,たくさんの人たちが関わっています。
 信じてくれる人がいること。必要とされる場所があること。
 それは,更生への大きな支えとなります。更生保護は,社会に暮らす人たちが広く関わることで達成される取組なのです。
○保護司
「子どもは誰でも,かけがえのない,大切な宝物なのよ」
○更生保護施設職員
「縁あって一緒に暮らすんだから。うちにいる間は,あったかく過ごしてほしい」
○更生保護女性会員
「女性だから,できることがあるのよ」
○BBS会員
「更生保護って,まず,行動してみることが大切ですよね」
○協力雇用主
「縁あって出逢った一人ひとりが,みんな私のファミリーなの」引用ここまで


ファシリテーター養成講座 福祉のまちづくりを協働して推進する
ルーテル学院大学




by yrx04167 | 2017-07-05 13:54 | Comments(0)