障害者施設職員研修報告2 江東区障害者福祉センター社会福祉協議会主催 燃えつきの症状と回復プロセスの事例 当ブログ筆者の研修

キーワード 介護職場のストレスと背景、職場いじめ、燃えつきやすい性格、慢性疲労、セルフチェック、職業訓練、介護職のプライベート、リスクマネジメント
江東区社会福祉協議会 江東区障害者福祉センター主催
江東区障害者施設職員研修会報告 平成30年2月
支援の場面でのストレスと職場の人間関係のストレス 事例を用いた研修 当ブログ筆者が講師を担当
福祉施設の職員間の人間関係、コミュニケーションのストレス。職員のサポート。燃えつきからの回復、ストレスケア。
 概要の報告 その2
<事例2 関わりが難しい利用者>
 支援を拒む利用者、私だけが上手く関われない(施設職員30代)。
 職業訓練を経て、グループホームに就職して3年が過ぎました。日常の職務は問題なく行っています。他の福祉施設と同様に、私達の法人も離職率が高めなので、私より経験年数の多い職員は、主任など僅かです。
 一つだけ、職場の同僚や上司にも相談できずに困っていることがあります。
 私が支援しようとしても、拒む利用者がいます。職員として失格ではないかと思いながらも、その利用者に苦手意識を感じてしまっています。
 つまり、その利用者へのケアや関わりが苦手なのです。女性の利用者なのですが、同僚が関わると笑顔がみられます。しかし、私が話しかけても無表情のことが多いのです。それだけではなく、支援を行おうとしても、拒むことがあります。
 例えば、私が食事の介助を担当しても、その利用者はなかなか食事をしようとしません。同僚が介助を行うと、食事をしているとのことです。他の利用者との関係は上手く出来ているのですが、この方とだけは上手く関われません。いつまでも苦手意識を持ったままではなく克服していきたいのですが、この利用者の表情が気になり、ますますぎこちない関わりになってしまいます。 
 最近では、「もしかすると、私は福祉の仕事に向いてなかったのかな」と不安になることもあります。時間に追われ利用者と向き合うことが難しい職場でも、自分なりに利用者への声がけ、コミュニケーションを大切にしてきたのに、無力さ、不全感を感じます。どうしたら良いのでしょうか。

当ブログ筆者が  講師の「福祉施設職員ストレスケア」研修-現場からの反応 抜粋>
・現場職員のメンタルヘルス対策において、管理職、施設の看護師として具体的にするべきことは何か。
・職員を支えている主任が燃えつきないか心配だ
・職員間の接点をどのようにつくるのか、職員が集まる機会、交流の場をどのようにしたら創れるのか。
 コミュニケーション促進の機会を設けることの必要性は分かっているが。
・メンタルが不調で職場に居場所がない。

<江東区社会福祉協議会にて 研修内容 職員間のコミュニケーション、職員のストレスケア 一部抜粋>
*なぜ福祉施設の職場は、職員間の人間関係が難しいのか。
 問題の置き換え(八つ当たり)
 利用者支援の現実的な問題から、職員の人間関係の問題への置き換え
職務上の無力感、否認等の否定的な感情は、職員の人間関係のなかで噴出する。
 つまり、別の人間関係の問題、葛藤へ置き換えている 。スケープゴート
 八つ当たりのような職員同士の陰口ではなく、感情の気付きの促進、外部者が助ける必要性も 。

 つまり、職員の「誰か」への感情、摩擦は、施設の他の葛藤(介護の困難)が置き換えられている可能性がある。

*介護福祉の職場のストレス(堀之内 高久)
職場のコミュニケーションのトラブル。
 職場いじめ等、悪い方に同質化が進むことも。
・(これらの職場のトラブルから)無力感という自己防衛の殻のなかに閉じこもる職員も。
・「プライベートで困難なものを抱えている新人職員」は、職場に定着しない傾向がみられる。
・職場、職員間の人間関係の問題が及ぼすストレス。

*ストレスの起きる背景
・職員の深いトラウマ (過去と介護実践)
・連鎖的悪循環
 情緒的消耗感⇒利用者への情緒的かかわり力の低下や喪失⇒自分を責める、自己否定的評価
職員が過去の傷から解き放たれること。セルフケアの必要性
 doing から Beingへ。
 ここまで 堀之内高久『介護ストレス解消法』平成16年7月発行 中央法規出版

1.ストレスによる慢性疲労=燃えつき症候群の原因と症状 
フロイディンバーガー(Freudenberger, H. J.)が提唱した概念である。
・まじめで人一倍がんばる勤勉な人が,何らかのきっかけでまるで燃え尽きたように活力を失ってしまう,心身の慢性的疲労状態をさす。
*バーンアウトの具体的な症状として、極度の身体の疲労感や感情の摩滅した状態を経験する。
無気力,抑うつ,しらけ気分,落ち着きのなさ,体力低下,不眠などの症状が現れる。
 利用者からの逃避傾向、喫煙・飲酒量の増加、吐き気、頭痛等

*燃えつきやすい性格とは(フロイディンバーガー 等)
 長時間、かつ熱心に働く、犠牲的でのめり込む人。
 「世話を焼きたい」欲求が強い人。本人の先回り。
 過労であるのに、職場や利用者にとって自分が必要不可欠だ(この人を助けられるのは私しかいないといった思いが強い人。
 相手に対して、思い入れが強い人(この人は私が一番よく知っている)。
 低い自己評価、感情の抑圧、コミュニケーションの課題、脆弱な境界線、完璧主義
 エネルギッシュで,高い理想をもって仕事に励む性格傾向の人に発症しやすい。

*皆にとっての総合的な問題
 燃えつき症候群は、福祉、医療・保健、教育など、対人援助サービスの従事者に多く見られる
・原因は、当人のメンタル等の主体的条件だけに帰せられるのではない。
 職域で対応しなければならない問題が増加する一方で、そのための社会資源や施設外の支援体制が十分でないなど、客体的要因も大きい。
・つまり、福祉職員のストレス・燃えつきは総合的問題である。
 改善のためには、各自のメンタルヘルスのみならず、総合的な対応(心理、健康、社会等)が求められる。
 職員のストレスへの対処は、施設のリスク・マネジメント、支援の質の向上の課題でもある。

*メンタル領域のストレスケア
・セルフチェック

2.燃え尽きのプロセス
段階①「熱中」
仕事への過大な期待(人間に関わる仕事等
福祉の職業選択理由-金儲けや「組織の歯車」ではなく、「自分らしい」仕事=援助専門職
 自分が助けられた体験

段階②「失速、落ち込み」
 新人が失速して不安定となる状態。
・援助者としての希望や願望が失われる。
・なぜ初期のように仕事が出来ないのか-焦り、いらだち。

段階③「欲求不満 」
「本当の介護、援助」をしていない=自分のしたい仕事ではない。
・人を変えることの困難。
無力感-組織を変えること等
・組織からの支持が無い=利用者からの評価を頼りにする。
・他のスタッフに対する失望。
・利用者からの逃避等、精神的引きこもり

段階④「無気力」
・無感動
・経済的な理由による、しがみつき。無気力な仕事を継続する

段階⑤「絶望」
・未解決の葛藤が行き着くもの。絶望は各段階に現れる。
このような思い、危機感を持っているのは、自分だけだ=自分の考えを語らない

 ポイント 燃えつきへの対処(のスタート)-慢性疲労の自覚と、自己理解の必要性。

*燃えつきからの回復プロセス
 ポイント 燃えつきは、福祉職員の働き方、生き方が問われる側面もある 。
 生活と仕事のなかで、何が大切なのか-優先順位の整理。ペースの再検討とシフト。
 ワーク・ライフ・バランスへのシフト

*職員のサポートのための面談時に必要なこと
・面談の場所・時間
 場所:プライバシーが守られる個室が望ましいとされる
 個室が良いとは限らない(緊張感、身構えてしまう)。場所の工夫を(大部屋、屋外、職場外)。
 個別の面談が良いとは限らない。複数の職員の交流、相互作用によって、潜在的な困難を発見することもある。
 時間:本人が余裕を持って話せるよう、時間を確保する。
 無理にではなく、本人が望んだタイミングで語れるように。

*面談時に必ず聴くべきこと
 睡眠状況について (睡眠時間、熟眠感、昼間の眠気)
 食事について (量の増減、おいしさ、食欲)
・「変化」の把握
 基本は、本人の話を、しっかり聴くこと


 当ブログ筆者は、自身の約23年間のソーシャルワーク実践(生活困窮者や精神障害者対象のグループワーク、相談援助、精神科デイケア等)の経験、事例を活かした研修を下記の東京都「登録講師事業」等で実施しています。社会福祉士や介護福祉士、精神保健福祉士等の養成に携わってきた、ソーシャルワーク教員としての知識も用いています。
 福祉施設の現場を支えるため、職員のストレスケアやグループワークの技術、障害者福祉や生活困窮者支援等の研修を80ヵ所程の福祉施設で実施してきました。

新聞に筆者のコメントが掲載されました「ルーテル学院大の関屋光泰 助教は、東京都内を中心に約60カ所の障害者施設などで職員向けのストレスケア研修を行ってきた。「忙しい時に利用者への言葉がきつくなり、そんな自分を責めてしまう」、研修の受講者からは、そんな悩みが多く寄せられる。<略>「自分が理想とする支援ができず、自己嫌悪に陥る職員も多い。職員のケアの必要性に目を向けるべきだ」と訴える」抜粋
(やまゆり園事件が残したもの:下)地域に開く、支え合い歩む
2017年7月26日 朝日新聞朝刊 全国



 福祉施設職員の困難の原因と、ストレス対処方法を事例も用い学びます。
 高齢者介護職や障害者施設の支援員、保育等の施設職員の燃えつきや離職を予防し、心身のセルフケア等により、職員と職場をサポートする研修です。

福祉施設職員の人間関係、コミュニケーション 事例から学ぶ 科目番号117
 福祉施設の職員間の人間関係の難しさと改善の方法を、また利用者とのコミュニケーションの課題を、事例も用い学びます。
 障害者・高齢者福祉施設等の人間関係と職場の改善を図り、職員のストレスの緩和を図る研修です。

障害者福祉施設等におけるグループワークの基礎 科目番号63
 グループワークのプロセスや、プログラム立案と実例、形態、考え方等、援助技術の基礎を解説。
 福祉施設や集団の人間関係を深め、生活の活性化を図るグループワークの方法を、事例も用い学びます。

障害者福祉施設の新人職員等基礎研修 科目番号115
 障害者支援の視点やコミュニケーションスキル、職員の倫理等の基礎を、事例も交え解説します。
 新人職員等の資質向上もテーマに、福祉援助技術の基礎、姿勢、考え方など、障害者福祉施設の職員をサポートする研修です。

貧困、生活困窮者対象のグループワーク実践 科目番号217
 生活保護受給者、生活困窮者等を対象としたグループワークのプログラムと留意点などを、講師の実践や事例も用いて解説。
 アルコール依存症の回復支援等の精神保健福祉、地域生活支援、孤立予防の課題も学びます。

貧困、生活困窮者(子ども)支援の考え方 共生社会の課題 科目番号218
 子ども食堂等の地域福祉活動の拡大をふまえ、社会的排除、貧困の捉え方や、生活困窮者・児童支援の考え方、関連する健康問題等の基礎を解説。
 共生社会、ソーシャルインクルージョン志向の活動事例や、アウトリーチ等の課題も解説。

初回面接(インテーク)の基礎 初対面の利用者とのコミュニケーション技術 科目番号178
 訪問等における、初対面の利用者とのコミュニケーションや電話相談にも応用可能な、インテーク面接、相談の基礎を、生活困窮の事例も交え解説。
 早期支援により、社会的孤立と危機を防ぐアウトリーチの考え方も扱います。

面接の基礎 バイステック7原則を基盤に学ぶ援助関係の構築 科目番号179
 相談や訪問における利用者との人間関係の構築、面接技術、相談の基礎を事例を交えて学びます。
 バイステックの7原則を基盤に、利用者との良好なコミュニケーションの方法、姿勢、視点等を解説します。

福祉施設職員の職業倫理、ハラスメント予防研修 科目番号155
 高齢者や障害者福祉施設等におけるハラスメントの予防を図る、事例やチェックリストを用いた職業倫理の研修です。
 介護職員や障害者施設の支援員に求められる倫理や福祉マインドの基礎を学び、資質向上を図ります。

社会福祉の歴史の基礎 福祉援助の源流から学ぶ 科目番号216
 セツルメント等の地域福祉活動、貧困問題と児童福祉、訪問・相談事業など福祉援助の源流を探り、歴史や先人から学びます。
 今日のコミュニティ福祉、共生社会、ソーシャルインクルージョンの課題解決のヒントを歴史から探究する研修です。

 上記はブログ筆者 関屋光泰が担当する研修です。
 この講座は、東京都福祉保健局の委託による、福祉・介護・保育事業所対象の職場研修です。講師が施設に出向きます。講師謝金 無料
申込締切日 
平成30年5月28日(月)17:00まで
詳しくは下記をクリック
東京都社会福祉協議会登録講師派遣事業

東京都の「登録講師派遣事業 第1期・事業所向け派遣研修」 平成30年5月28日(月)17:00 申込締切

申込方法

研修企画一覧から受講を希望する科目を選び、東社協研修受付システム「けんとくん」このリンクは別ウィンドウで開きますからお申込みください。

【お問合せ先】東京都福祉人材センター研修室 電話 03-5800-3335


当ブログバックナンバー

報告1 職場の人間関係のストレスとは 障害者施設職員研修 江東区障害者福祉センター社会福祉協議会主催 当ブログ筆者の研修


自己覚知、自己理解と他者理解、自己覚知とスーパービジョン、自己理解の方法とは


国立武蔵野学院 附属児童自立支援専門員養成所にて、ブログ筆者の講義概要(第1日目)>

公的扶助論 講義の概要4 生活保護と扶養義務、自動車、対象、無差別平等、第2のセーフティネットとは


公的扶助論 講義の概要1 生活保護の相談、訪問調査、公的扶助ケースワーク、生活困窮者と子どもの危機介入



<当ブログ筆者が執筆 新刊2冊(2018年5月10日発行) 精神保健福祉士、社会福祉士国家試験解説>
 低所得者に対する支援と生活保護制度(公的扶助論)解説を担当。
一般社団法人日本ソーシャルワーク教育学校連盟=編集
ISBN 978-4-8058-5661-1
予価 4,104円(税込)
中央法規出版

一般社団法人日本ソーシャルワーク教育学校連盟=編集
ISBN 978-4-8058-5662-8
予価4,104円(税込)
中央法規出版

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by yrx04167 | 2018-05-04 11:09 | Comments(0)