地域福祉の理論と方法講義レジュメ 住民参加アーンスタイン、市民統治、構造的アブローチ、自治型地域福祉とは

社会福祉士、精神保健福祉士共通科目受験対策
当ブログ筆者の講義レジュメ アーカイブ 2017年度(昨年度)の当ブログ筆者の担当講義
地域福祉の理論と方法 第10回講義レジュメ
2 地域福祉推進の原理 テキストP30
・全体性、主体性の尊重
・身近性・総合性の尊重
・交流性、社会性の尊重
・協働性の尊重
 住民参加型の地域福祉の推進が求められている。
 地域福祉活動の例として、誰でも参加が可能なコミュニティにおける居場所づくり(サロン、コミュニティカフェ等の形態。

住民参加のレベルと地域福祉の主体形成 テキストP31
“住民”か“市民”か。
“参加''か“参画か
 例 子育て中の親のグループを、住民主体、子育ての当事者を中心につくっていく。ネットワークの構築である。

住民とは  community residents

市民とは citizen

市民社会 civil society

住民参加
 総じて、住民間のコミュニケーション、地域における繋がりを拡大し、深めていく。
 住民の活動の促進、ファシリテーション、ゆるやかな住民のネットワーク、つながりを形成する。

アーンスタインの住民参加の八つの階梯説、住民参加の梯子とは
操り
治療(セラピー)
情報提供
相談
慰め
パートナーシップ(協働)
権力の委任
市民統治

 操り、治療(セラピー)の段階が住民の非参加のレベル
 情報提供、相談、慰めが形式的参加のレベル
 パートナーシップ(協働)、権力の委任、市民統治が実質的住民の参画のレベル

地域主体の実践モデル
 地域主体の実践モデルとして、重度障害者による自立生活運動や住民参加型サービス供給を組織化した福祉NPOなどが挙げられる。
 地域の問題は地域主体で解決を目指す。住民の気づき、住民自身の力により支え合うことのできる地域をめざしていく。

3 地域福祉論の展開 テキストP38
右田紀久恵
 「生活権と生活圏を基盤とする一定の地域社会において, 経済社会条件に規定されて地域住民が担わされてきた生活問題を,生活原則・権利原則・住民主体原則に立脚して軽減除去し,または発生を予防し,労働者・地域住民の主体的生活全般にかかる水準を保障より高めるための社会的施策と方法の総体であって,具体的には労働者・地域住民の生活権保障と,個としての社会的自己実現を目的とする公私の制度・サービス体系と地域福祉計画・地域組織化・住民運動を基礎要件とする」1973年

機能的・構造的アプローチの分類
A.機能的アプローチによるとらえ方 岡村重夫に代表
 全国社会福祉協議会の研究委員会--在宅福祉を中核とする地域福祉の枠組みとして明確化した。

・永田幹夫による定義
 「地域福祉とは,社会福祉サービスを必要とする個人・家族の自立を地域社会の場において図ることを目的とし,それを可能とする地域社会の統合化・基盤形成を図る上に必要な環境改善サービスと対人的福祉サービス体系の創設・改善・確保・運用,及びこれらの実現のための組織化活動の総体をいう。
 尚,行政的努力と住民参加による民間努力との機能分担が重要な課題で,その構成要素として 
①予防的サービス,専門ケア,在宅ケア,福祉増進サービスを含む在宅福祉サービス,
②物的・制度的条件の改善整備のためのサービス,
③地域組織化,福祉組織化を含む組織活動」。

B.構造的アブローチによるとらえ方 右田紀久恵などに代表
 地域福祉を制度・政策論,さらに運動論的アプローチから規定した。
 階級・階層構造を媒介にした政府・自治体等による社会問題対策と位置づけた。

4 地域福祉論の新たな展開・深化 テキストP39
自治型地域福祉
 右田紀久恵らが『自治型地域福祉の展開』(1993)
「自己と環境との相互作用の中で主体的,自律的に計画策定などを行い,活動を発展させていく」
 生活問題
 個人の主体性と内発性を要件とした新しい地方自治体モデルによる。

岡本栄一 四つの志向性

阿部志郎 横須賀キリスト教社会館の活動の主題をコミュニテイ・ケアに置き定義
「地域内の公私の機関が協同し,各種社会福祉のための施策。施設等の資源を動員することによって,地域のニーズを充足するとともに住民参加による社会福祉活動を組織し,地域の福祉を実現していく具体的努力の体系」

大橋謙策:コミュニティ・ソーシャルワーク
 コミュニティ・ソーシャルワークとは、コミュニティを基盤にして展開されるソーシャルワークである。
 地域を基盤としたソーシャルサポートネットワーク、ケアマネジメント。

<コミュニティとは何か>
 地域社会に対して住民が主体的な行動をとるのか、他の地域対して開かれたものなのかという2つの軸で4類型を提示する奥田道大のコミュニティモデルでは、
 排他的で住民が地域に対して主体的な旧村落のような「地域共同体」、排他的だが地域に対し主体的ではない「伝統的アノミー」、開かれているが地域に対し主体的でない「個我社会」、開かれており地域に対し主体的に行動する「コミュニテイ」の4つの類型が示されている。
 これは、実態としての地域社会に対し、コミュニティとは単なる地域ではなく、「々とが共に生き、それぞれの生き方を尊重し、主体的に生活環境、そのシステムに働きかけていくという価値的・態度的な意味を持っている。

5 地域福祉の理論化への展望と課題 テキストP39
 コミュニティソーシャルワーク コミュニティ基盤の総合支援、全人的なものへ
・コミュニティ、地域社会において,従来の対象別対応・実践に捉われずに、かつ領域を拡大し、地域におけるニーズや課題の解決をめざす実践。

*求められる地域福祉における支援
1)自己選択・決定が困難な人々への援助:権利擁護・アドボカシーが必要である。
2)自己決定過程の援助:情報収集・自己選択・自己決定プロセスを援助する必要がある。
3)支援困難事例への専門的援助
4)総合相談と小地域福祉活動の統合
5)サービスの創造と制度改革
6)住民の参加と共同

 地域における社会資源のネットワークの構築。住民参加型の資源の開発。

<今年度の講義レジュメ 当ブログ筆者>
ドヤ街、簡易宿泊所、寄せ場とは 日本の貧困問題の基盤
「山谷」とは 山谷フィールドワークをふまえて
1973年8月、寿町における子ども食堂の開始


当ブログ筆者の 論文 リンク

関屋光泰(2010)「簡易宿泊所街・横浜寿町地域における民間支援活動-歴史的経緯の概要」『研究紀要』第18 巻第1 号 学校法人敬心学園日本福祉教育専門学校福祉文化研究所,39-48頁


当ブログ筆者執筆

精神保健福祉援助演習(専門)第2版
精神保健福祉士シリーズ 10
福祉臨床シリーズ編集委員会 編

ISBN978-4-335-61117-9
発行日 2016/02/22 弘文堂

第8章 地域における精神保健問題(依存症と生活困窮)


<子ども食堂 地域福祉活動関連記事>

「生活習慣知らず育つ子多い」 孤立、暴力や子どもの貧困対策で講演=福井

2018.01.22 読売新聞大阪朝刊福井25頁

引用「暴力や貧困、地域社会からの孤立などの環境に置かれた子どもの支援を考える講演会が21日、敦賀市東洋町の市福祉総合センターであり、大阪市西淀川区のNPO法人西淀川子どもセンターの西川日奈子代表理事が取り組みについて語った。

 敦賀市の子ども支援団体「つるがCAP」の主催で、25人が参加した。

 同NPOは、子どもたちが安心して自分のことを話せる場を作ろうと、2007年に発足。子どもの貧困対策などとして無料や定額で食事を提供する「子ども食堂」の先駆けとなる取り組みや、親と子の相談の場作りなどの活動を紹介した。

 西川代表理事は子どもと出会うほどにそれぞれが抱える事情が見えてくると言い、親に殴られていることを明かす子や、歯磨きの習慣がない子の事例をあげ、「人として必要な文化や習慣を教えてもらえずに育てられている子どもが数多くいる」と指摘した」引用ここまで


杉並「子ども食堂」パンフ  区役所などで配布 場所や開催日を紹介=東京

2018.01.17読売新聞 東京朝刊都民26頁

引用「杉並区内に8か所ある「子ども食堂」の場所や開催日などをまとめたパンフレットが完成した。食堂を利用してもらおうと、各食堂を運営するボランティアらの有志が作成した。

 各食堂の運営者らが2016年に「杉並子ども食堂ネットワーク」を結成し、パンフレットづくりを企画した。

 パンフレットはA4判で、8か所の食堂の住所や電話番号、開催日、利用料金などを紹介。中には、子どもたちとハンバーグなどを一緒に作ったり、大学生らが小中学生に勉強を教えたりする食堂もある。

 区役所や区社会福祉協議会などで配布しているほか、区のホームページからダウンロードできる。

 JR西荻窪駅近くで「西荻・寺子屋食堂」を運営し、ネットワーク世話人を務める能登山明美さん(67)は、「パンフレットやポスターが、子どもが気軽に訪れてくれるきっかけになれば」と話している」引用ここまで


奈良市 フードバンク協力 市職員ら 缶詰など持ち寄る=奈良

2018.01.26 読売新聞大阪朝刊セ奈良29頁

引用「家庭で余った食品を持ち寄る「フードドライブ」を、奈良市が25日、市職員を対象に初めて行った。生活に困っている人たちに無償で食品を届ける「フードバンク奈良」が昨年12月に設立されたため、協力しようと動き出した。同バンクは27日に市内で開く設立記念イベントで食品を受け取り、子ども食堂や福祉施設に提供するなど活動を本格化させる。

 同バンクは、食べられるのに廃棄される「食品ロス」に歯止めをかけるとともに、貧困などで食べ物を必要としている人に食品が届くようにする活動。県内では取り組みが遅れていたが、大学教授や福祉関係者らが中心となって発足させた。

 国によると、2014年度、国内で生じた食品ロスは年間約621万トン。奈良市でも16年度、家庭からの可燃ごみに出された手つかずの食品は約3%で、推計1385トンに上る。一方、厚生労働省によると、15年時点で子どもの7人に1人が貧困状態にある。

 福祉政策課の早瀬宏明課長は「余っている食品を必要とする人に届けることは、環境、福祉の両面で望ましい。どんな食品が必要かを把握していきながら、市民から集めることも検討したい」と話した」引用ここまで


子ども食堂支援 音楽会 30日 ピアノなど若手が披露=神奈川

2018.01.27 読売新聞東京朝刊28頁

引用「クラシックやタンゴの演奏を若手音楽家が披露するチャリティーコンサート「プレミアムアーティスト・ガラ・コンサート」が30日、横浜市神奈川区で開かれる。

 収益の一部は同市南区の子ども食堂に寄付される。

 主催する一般社団法人「Harmony AI」代表理事の石川秋子さん(66)は、40年以上にわたってピアノ教室の教師として子供たちを指導してきた。演奏家に活躍の場を提供しようと、これまでもチャリティーコンサートの開催を続けてきた。東日本大震災の被災地支援なども行ってきた。

 石川さんは昨年、横浜市南区の常照寺で月に1度、70人ほどの子供たちに無料で食事を振る舞う子ども食堂を見学。「地域に必要な子ども食堂に協力したい」と今回のコンサートを企画した。「一人きりで食事をしたり、居場所さえなかったりする子供たちが、横浜にたくさんいることを知ってもらいたい」と話している」引用ここまで


<参考 第2回 子どもの貧困を考える映画会>
日時:2018年7月16日(月・祝)10時00分~16時20分(9時30分開場)

<最寄り駅>JR中央線、武蔵野線 西国分寺駅南口 徒歩7分
<住所>国分寺市泉町2-2-26  <TEL>042-359-4020

参加費 500円(可能な方から・学生無料)
申込み不要

2回上映・出入自由 映画上映中の入退場はご遠慮下さい。

「なくそう!子どもの貧困」全国ネットワークでは、市民の皆様に「子どもの貧困」について広く・深く考えて頂く機会として、この映画会を企画致しました。
 今回の映画会では、第69回カンヌ国際映画祭でパルムドール(最高賞)を受賞した、『わたしは、ダニエル・ブレイク』 (2016年イギリス/2017年日本公開)を2回上映致します。

プログラム(予定)
9:30 開場
10:00 開会
10:10 『わたしは、ダニエル・ブレイク』第1回上映(~11:50)
11:50 休憩(~12:50)
12:50 トークセッション(~14:20)
     ”声をあげる”~
     『わたしは、ダニエル・ブレイク』に学ぶ貧困問題
     <ゲスト>
     猪熊弘子(ジャーナリスト)氏
     稲葉剛氏(つくろい東京ファンド代表、立教大学特任教授)
     <コーディネーター>
     中塚久美子氏(朝日新聞記者)
14:20 休憩(~14:30)
14:30 『わたしは、ダニエル・ブレイク』第2回上映(~16:10)
16:20 閉会


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by yrx04167 | 2018-06-29 06:53 | Comments(0)