子ども食堂とは「地域のボランティアが子どもたちに対し、無料又は安価で栄養のある食事や温かな団らんを提供する取組を行う、いわゆる子ども食堂 略 子どもの食育や居場所づくりにとどまらず、それを契機として、高齢者や障害者を含む地域住民の交流拠点に発展する可能性があり、地域共生社会の実現に向けて大きな役割を果たすことが期待」厚生労働省通知

厚生労働省HPより(厚生労働省サイト検索 下記の通知で)
 平成 30 年 6 月 28 日
(宛先 各都道府県知事 指定都市市長  中核市市長殿)
 厚生労働省 子ども家庭局長
 厚生労働省 社会・援護局長
 厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長
 厚生労働省老健局長

<以下、通知本文は「   」内で太字でご紹介します。下線は筆者。それ以外は当ブログ筆者の コメントを付けさせて頂きます(太字以外)。
 総じて、子ども食堂の現場のニーズに応え、縦割りではなく包括的に各地域の活動を支えようという時宜にかなった通知だと筆者は考えます>

通知から抜粋「地域のボランティアが子どもたちに対し、無料又は安価で栄養のある食事や温かな団らんを提供する取組を行う、いわゆる子ども食堂(子どもに限らず、その他の地域住民を含めて対象とする取組を含みます。以下単に「子ども食堂」といいます。)が、各地で開設されています
 子ども食堂は、子どもの食育や居場所づくりにとどまらず、それを契機として、高齢者や障害者を含む地域住民の交流拠点に発展する可能性があり、地域共生社会の実現に向けて大きな役割を果たすことが期待されます」引用ここまで

当ブログ筆者コメント>
1.子ども食堂はなぜ急増し、誰が担っているのか <多世代住民交流の場、地域共生社会への役割>
 報道されたように全国の子ども食堂が2286箇所あるとするならば、各地域において子ども食堂は急速に拡大したと言える。またその「数」のみならず「地域共生社会」という観点から、子ども食堂は子どもと家族を支える地域活動、子育ての相互支援の成功した活動形態と言えるだろう。また、食事の支援を端緒とする住民主体の地域資源の開発という側面もある。しかしながら、子ども食堂の活動における課題も顕在化しつつある。
 子どもの未来のために、行政、民間非営利、営利企業といった様々な力を結集して子ども食堂の継続をサポートする必要があると考えられる。子ども食堂への総合的な協力、連携を求めている今回の厚生労働省の通知は、時宜にかなったものであると考えられる。
 つまり行政機関や社会福祉協議会、企業、社会福祉法人等の機関・組織による、縦割りではない包括的な子ども食堂の支援体制の構築と、これらの機関・組織、特に社会福祉協議会等のソーシャルワーカーによる個別の子ども食堂に対する連携や調整、ファシリテーション等の具体的な情報、組織マネジメントなど技術的な支援の更なる充実が今こそ求められている
 子ども食堂はある意味、地域社会、地域福祉や地域づくりにおいて、今、風が吹いていると言えるだろう。

通知の抜粋「1.子ども食堂の活動に関する連携・協力の推進
(1)子ども食堂の現状
 現在、子ども食堂は全国各地で開設されており、その活動の在り方は、困難を抱える子どもたちへの支援を中心に活動するもの、地域の様々な子どもたちを対象とした交流拠点を設けようとするもの、「地域食堂」等の名称により、子どもたちに
限らず、その他の地域住民を含めて対象とし、交流拠点を設けようとするものなど、多岐にわたります。
 いずれの活動も、困難を抱える子どもたちを含め、様々な子どもたちに対し、食育や貴重な団らん、地域における居場所確保の機会を提供しているという意義を有しているものと認められます」引用ここまで

<当ブログ筆者コメント>
 生活の困難を抱える子どもの支援型、子どもの交流・居場所型、多世代交流の地域食堂型の3つのタイプの子ども食堂を厚生労働省は具体例として挙げている。
 生活の困難を抱える子どもの(個別も含めた)支援か、子どもや多世代の居場所、交流の接点と捉えるか。どちらも今日の地域社会・子ども・家族にとって必要な活動であり、食という生活に不可欠なものが媒介となった、地域を基盤とした民間支援、ソーシャルサポートネットワークづくりともいえる。

 当ブログ筆者が取り組むフィールドワークとヒアリング等により、下記の事柄が明らかになりつつある。これらは途中経過のノートであり、後日、全労済協会 公募委託調査研究報告「コミュニティにおける生活・子育ての相互支援活動としての「子ども食堂」の有用性の研究」関屋光泰として報告する。

2.誰が子ども食堂の担い手なのか <専門職を含めた多様な担い手>
 子ども食堂の担い手は、ボランティア、福祉・医療や教育、調理の専門職等、多様であり、各地域で子どもと家族を支えようと真摯な支援活動を行っている。
 子ども食堂の担い手とは具体的には、地域住民を中心としたボランティア、民生委員・児童委員、地域の小学校PTA、学生ボランティア、高齢者福祉・障害者福祉・児童福祉従事者や保育、教員・退職教員、医療専門職、調理の専門職、市民活動等、多様である。
 なお、子ども食堂のなかには、新たな担い手が集まらないなかで担い手が高齢者のみであることが悩みと語って下さるところもある。子ども食堂活動の継続のために、担い手のサポートも重要な課題である。

 次に、各地の子ども食堂の事例である。
 事例:コミュニティの民生委員を中心として、調理、教育、福祉関連の専門職と、地域住民のボランティアが担っている子ども食堂。地域住民は、同じマンションの住民同士が誘い合ったり、親族に声を掛ける等、地域内の繋がりが強い。子ども食堂と並行して、教員(元教員)とのコラボレーションにより、同じ会場で学習支援を行っている。食事の前に短時間、メニューに関連して食育が行われる。近隣の小学校は、子ども食堂の案内チラシ配布などお知らせ等、積極的に協力、連携している。立ち上げ時に、社会福祉協議会の相談や先行する子ども食堂の紹介、ボランティア希望者等のコーディネート等による支援を受けている。
 事例:医療関連専門職が主催する子どもの居場所・食事会。オレンジカフェやオープンスペースとしての活動も行っている。食事会は、平日昼間の開催のため、保育園入園前の子どもと親、高齢者の参加者が目立つ
 事例:福祉専門職が中心となって設立、運営しており、福祉団体関連の建物を会場としている子ども食堂。グループ活動等も行っている。
 事例:子どもの学習支援活動等を行ってきた僧侶が中心となって開設し、運営している。寺を会場として使用している(。食材の寄付の保管場所にも苦労しない。他の子ども食堂にもプールした食材を提供しサポートが可能である。
 事例:ひとり親の当事者体験を持つ地方自治体議会の議員が中心となって運営する子ども食堂。議員がアクティブに活動を行っている。
 事例:研究者が中心的に運営する子ども食堂。子どもの栄養、健康を支えること、食の安全等を意識した食事の支援を行っている。
 事例:経営者を中心に企業が開設し運営する子ども食堂。企業が所有する建物を使用し、社員も活動に参加している。
 加えて、子ども食堂支援の方針をもつ生活協同組合、社会貢献活動として子ども食堂の支援を検討している社会福祉法人(高齢者福祉等事業)、子ども食堂を開設し運営するワーカーズコープ等の事例がある。

3.各子ども食堂の理念
 コミュニティの皆で子どもを育てよう・子育てを地域で支えよう孤食の解消を含めての家族支援、子どもを含めた多世代の地域交流・繋がりの場、子どもの食の安全と食育食支援を出発に農業体験・自然との交流、食文化の継承など子ども食堂の理念、目指すものは多様である。
 各子ども食堂の目指すもの、理念も重要であると考えられる。何を目指すのかは、活動がどこに向かうのかに関わる重要なものだからだ。
 これらの理念の源には、子育てを経験して、同じ子育て中(経験者)として何かをしたいという子育ての当事者意識や、同じ地域の生活者としてという地域性からのゆるやかな連帯意識、同じコミュニティの住民であり身近な地域で「他人事ではない、放っておけない」という意識がある

4.「子ども食堂」の多様な活動の形態 <食堂か居場所か学習支援か>
 「子ども食堂」は多様な形態がある。農林水産省の「子供食堂向けアンケート調査」平成29年によれば、月1回から2回の開催が73%を占める。しかし、常設型(朝食、昼開催)食堂も少ないが存在している。
1 高齢者給食拡大型 子ども食堂
 従来からの高齢者の食の支援(会食型の「老人給食活動」)が、子どもと家族に対象を拡大した食支援活動である。子ども食堂のうち、数多いと思われる。

2 学習支援・子どもの居場所づくり&食堂型
 子どもの居場所づくり、学習支援、グループ活動に伴って食の支援を行う子ども食堂である。
 近いものとして
3 創造活動・クッキング・自然(農業)体験学習プログラム&食堂型
 農園や自然体験、屋外活動、調理体験学習等を志向する食堂である。
 児童福祉分野のグループワークとして、自然との交流、体験学習重視は伝統的な支援の手法である。

4 子育てピアサポート志向・親子カフェ型
 保育園入園前からの子育て世代の交流、相互支援(ピアサポート)に伴って、親子の調理体験や食事の場を設ける。

5 多世代交流・地域交流志向型
 誰でもコミュニティ食堂、一人暮らし高齢者やハンディキャップを持つ当事者を含む多世代交流を目指す。
 これらが挙げられる。

 子ども食堂の利用者と開設時間、会場は関連があり、計画段階で想定される対象者に合わせて設定する必要がある。 
 夕方以降開催の子ども食堂は、小学生が中心となるが、親子(乳幼児)も参加する。小学生等への学習支援、グループ活動を併せて行う食堂もある。小学生以上の子どもの食支援を含む生活支援、食育、学習習慣の確立など、多くの成果が期待できる。一方、送迎等の支援が必要となる。
 平日昼の開催は、保育園入園前の乳幼児と家族、高齢者が中心となる。子育て支援のための親子の居場所であり、子育て中の住民の相互支援(緩やかなピアサポート)、保育園待機児童の支援、多世代交流による子育ての知恵と経験、知識の共有等の意義がある。
 子ども食堂の会場は地域差がみられるが、公民館、社会福祉福祉施設、企業(社員食堂)、店舗、個人宅、寺、キリスト教会等である。
 地域福祉領域では、地域活動への空き家活用が注目されている。
 多くの場合、会場 公民館等、フォーマルな施設は制約がある。
 他方、都内においても空き家を活用してコミュニティのオープンスペースにしようという取り組みもある。
 会場の構造によって、大広間で皆で会食するかたちか(給食的な会食)、飲食店等の会場では、テーブルごとに別れて食堂によっては一斉に食事ではない(カフェ形式)になる。

 一方、子ども食堂の「対象」に関する難しさもヒアリングのなかで挙げられている。
 子ども食堂をはじめるきっかけとして、報道によって子ども食堂の活動や子どもの生活困窮、食の困難に対して「何とかしなければ」というやむにやまれぬ思いによって開始する、という場合が多い。
 しかし、子ども食堂を開始すると、実際、集まる子どもは、経済的に困窮している子どもとは限らない。当初、考えていた対象と異なる等と考えている間に、数十人以上の子どもや大人が参加するようになり、一つの会場で対応出来る人数を超えて、実施回数を増やす、複数会場で実施する等の対応を行っている子ども食堂もある。一方、数人の子どもたちしか利用しないという子ども食堂も少なくない。
 地域社会において、サポートを必要としている人々は、当然ではあるが、経済的困窮世帯だけではない。フィールドワークにおいても、普段は孤食になりがち(であろうだろう)子ども、野菜が苦手な子ども、乳児を抱え子育てで多忙そうな母親と子ども等に出会った。
 また、子育ての難しさ、子育てや家事の多忙さから食生活を充実できないこと、心身の健康問題、家族関係の難しさ、地域や学校との関わりの難しさ、学習の心配等の生活の悩みも抱えながら、社会的に孤立の傾向もあって、気軽に相談できる相手がいない。ほかの課題として、地域における子どもの遊び場の減少、自然との関わり、食生活と栄養を考え子どもの現在と未来の健康をつくる、健康を支えるということが挙げられる。
 総じて、子ども食堂の対象とする課題は、経済的困窮だけではない。生活困窮も、社会的孤立、家族問題、人間関係の困難、心身の健康問題、雇用等多様な側面がある。地域のなかには、様々な子育てのしづらさがある。子ども虐待の予防も地域において専門職と連携しながら取り組むことは有効である。
 子どもも大人も孤立しがち、生きづらさもあるなかで、つながりを創る居場所、交流による気付き、支えあいづくりが求められている。

通知抜粋「(2)子ども食堂の活動への協力
 厚生労働省においては、子ども、高齢者、障害者など全ての人々が地域、暮らし、生きがいを共に創り、高め合うことができる地域共生社会の実現を目指し、地域に
おける取組への支援を進めています。
 こうした観点から、(1)で示したような子ども食堂の意義について、行政のほか、子ども食堂を取り巻く地域の住民、福祉関係者及び教育関係者等が、運営者と認識を共有しながら、その活動について、積極的な連携・協力を図ることが重要す。このため、日頃から運営者等と顔の見える関係を築くよう努める」

<当ブログ筆者コメント>
5.地域共生社会のファシリテーター
 子ども食堂を含む民間の地域活動は、公的施策のみではなしえない、ボランティアの特徴も持っている。家族でもなく、教育・福祉機関の専門職とも違う、コミュニティの大人による関わり、支援である。多世代の住民相互の支援を生み出す場でもある。つながりを生み出す接点、支え合いのきっかけ、相互支援のファシリテーションの場でもある。
 また、子ども食堂は具体的な活動だけではなく、地域社会のなかに繋がり、相互理解、支え合いの雰囲気を創っていく活動でもあるべきだと考える。換言すれば、子ども食堂の不可視の側面である。子どもや他者に無関心なコミュニティではなく、子どもを中心にして、多様な隣人がゆるやかに支え合う共生のコミュニティへの道のりとも言える。
 子ども食堂の取り組みには、賀川豊彦の「相愛互助の精神」が生きているとも言える。賀川は「社会事業というものは、人間相互のたすけあいによって、個人あるいは社会をよくしてゆこうという働きである」と述べている。
 一方、子ども食堂のなかには、子どもの参加者が広がらないという困難に直面している地域もある。教育機関の広報への協力を得られないことなど、今回の厚生労働省の通知でも示している困難である。子ども食堂ボランティア、教育機関、福祉の「顔の見える関係」の構築、認識の共有の必要性は通知が示す通りだと考えられる。
 しかし、各地域の子ども食堂と、地域福祉関連の社会資源、教育機関(スクールソーシャルワーカー)、各団体、福祉施設、企業等との連携も広がりつつある。子どもを中心として、多くの人々のサポートの輪が広がっている。
 例えば、子ども食堂・居場所づくりの会場や食材の協力等として、個人、社会福祉協議会、NPO(フードバンク)、社会福祉法人、デイサービス等介護保険事業所、病院・診療所、生協・生活クラブ・パルシステム、寺院や教会等である。

「(3)活用可能な政府の施策
 厚生労働省において実施している以下のような施策と連携し、又は一体的に実施することで、子ども食堂の活動についてより効果的に展開することが期待されます。
生活困窮者自立支援制度における子どもの学習支援事業 等
 略
2.子ども食堂の運営上留意すべき事項
(1)食品安全管理に関して留意すべき事項
 略
(2)その他留意すべき事項
① 安全管理に関して留意すべき事項
 子ども食堂の活動を始め、ボランティア活動中に不幸にして、怪我や食中毒等の事故が起きることがあります。万一の備えとして、個人や団体向けの保険に加入することが考えられます。保険加入については、最寄りの市区町村社会福祉協議会などで相談することが可能です。

<当ブログ筆者コメント>
6.社会福祉協議会の役割、ボランティア保険等の活用
 食品安全管理は、徹底しなければならない。社会福祉分野では、福祉施設(通所介護、障害者支援施設等及び行事)、高齢者給食(食支援)、高齢者等サロン活動、障害者福祉や様々な当事者活動によるコミュニティカフェ等、食事の提供が各地で継続して取り組まれている。これらの資源、知識、経験等を共有しながら万が一の事故の予防に取り組む必要があるだろう。先行する地域の食に関わる福祉施設、活動団体は情報、知識等のサポートを提供することが地域社会への貢献でもあると考えられる。
 これらのコーディネートは社会福祉協議会の役割でもある。
 そもそも子ども食堂活動は、住民主体の地域福祉活動の今日的な動きである。社会福祉協議会としてサポートすることは、使命とも言えるだろう。子ども食堂の担い手と、子どもと家族の支援に関わる広範な人々と組織のネットワークの構築、繋がりを創ることも社会福祉協議会の役割だと考える。
 ボランティア活動にとって身近な保険として、社会福祉協議会が窓口の「ボランティア保険、行事保険」が先ず想起される。保険の活用促進も社会福祉協議会の具体的な支援と言える。
 各地域の子ども食堂の継続は、地域福祉、様々な領域からの支援、経済的のみならず技術的な支援、民間の助成の活用等によって、更に有効に支えることが出来るはずだと考える。「保険もない」という声、また農林水産省の子供食堂調査の「活動資金もボランティアが負担」といった各地の孤軍奮闘の状態におかれている子ども食堂の孤立の解消が課題である。今回の通知の通りだと考えられる。
 子ども食堂等、地域のソーシャル・インクルージョンの現場における、保育、教育と福祉、医療等の連携による総合的な支援が必要とされている。

通知の抜粋「② 生活困窮者自立支援制度との連携
 運営者におかれては、その活動を通じて、生活に困窮する子どもや家庭を把握し、支援が必要と考えられる場合には、最寄りの生活困窮者自立支援制度の自立相談支援窓口にご連絡ください。
 ③ 社会福祉法人との連携
 社会福祉法人は、社会福祉法(昭和 26 年法律第 45 号)第 24 条第2項の規定に基づき、地域ニーズ等に応じて、自主性・創意工夫の下、「地域における公益的な取組」に取り組むこととされており、その一環として、地域住民の交流や協働の場の創出等(子ども食堂の運営を含みます。)に取り組んでいる場合があります。(別添9参照)
 運営者におかれては、こうした地域の社会福祉法人の取組と連携して活動を展開していくことも効果的と考えられます。
養育に支援が必要な家庭や子どもを把握した場合の対応
 運営者におかれては、その活動を通じて、保護者の養育を支援することが必要と考えられる家庭や子どもを把握した場合、速やかに、市区町村の子育て支援の相談窓口又は児童相談所にご連絡ください。
 なお、市区町村や児童相談所におかれては、相談を受けた場合は、関係機関が連携しながら早期に必要な支援を行うことができるよう、ご協力をお願いいたします」引用ここまで 

<当ブログ筆者コメント>
7.子ども食堂による子どものニーズの発見、アウトリーチ活動
 子ども食堂における子どもと家族への支援的な関わりから福祉ニーズを発見すること、ニーズを掘り起こすこと、支援や関わりを必要としている子どもを待つだけではなく、出向くというかたちのアウトリーチの支援が行われている事例もある。
 地域において子どもに関連する問題を共有化し、一部の家族が抱える問題から、地域の皆の普遍的な課題へと転換する場になることも、子ども食堂への期待なのだろう。
 これらの子どもへの支援活動は、社会福祉協議会や行政機関、地域包括支援センター、地域の社会福祉法人等の専門職の技術的支援、アドバイス、連携による具体的な協働の拡大が求められている。社会福祉法人は、社会福祉の歴史の中で、様々な事業を開拓してきた。今日、その使命と公益的な活動・社会貢献からも、子ども食堂へのサポートを、各地の社会福祉法人の側でも前向きに考えているだろうと期待したい。
 また、子ども食堂は、地方においても都会であってもコミュニティづくりという側面があり、多世代交流を創り出す活動も期待されている。このようなコミュニティにおける世代間の人間的な交流こそ、子育てや子どもの進路にとって有用な情報をもたらし、各世代の社会的孤立を防ぐ効果が期待できる。子どもと家族の深刻な生活問題の予防にも直結する有効な資源である。
 これは、地域において住民が担う、ソーシャル・キャピタルを創る、繋げる支援とも言えるだろう。
 地域のなかの住民間の人間関係、地域の社会資源との関わりを調整し、支援を必要とする子どもと家族を支えるネットワーク(ソーシャルサポートネットワーク)の構築という側面もある。

8.子ども食堂の継続、多様性を支えるために
 子ども食堂の担い手は、地域の生活者、子育て等の当事者性、地域性からのゆるやかなコミュニティの連帯意識によって活動を行っている。多様な担い手がいるなかで、大きな理由と言うよりは、身近な理由、動機から活動に加わり、コミュニティの身近な子ども、家族と交流し、支え合う等身大の活動として子ども食堂の意義がある。子ども食堂は、多様な子どもの成長のために、食事を共に食べながら家族以外の大人と関わる多世代交流のコミュニティ、居場所でもある。
 それは一方的に大人が困窮する子どもを助ける活動ではなく、双方向の関わり、相互支援、相互成長の場でもある。他者を支えながら、自分も支えられ、人間的な交流から相互に成長している。その活動には、相互性も含んでいる。当事者同士のピアサポートの側面もある。
 加えて、実施回数を増やすという意味ではなく、月1回の子ども食堂を、その機会のみの非日常の共助、共生の活動から、コミュニティの日常へと拡大、深化していくという拡大の方向性が求められているのだろう。コミュニティの共生、共助の文化を創るとも言える。
 子ども食堂が各地に燎原の火のように拡大した。その形態、活動内容の多様性が子ども食堂の力の源泉とも言えるだろう。しかし、活動の継続性が求められている。集う子どもたちの人数として顕在化していなくても、子ども食堂に期待する子どもたち、家族がいる。その期待に応えることを、活動を継続することによって果たしていくべきではないだろうか。これは、子ども食堂の課題のみならず、連携し協力する側の課題である。
 今回の厚生労働省の意義ある通知によって、子どもの未来のために、行政、民間非営利、営利企業といった様々な知恵と力が子ども食堂を中核としたコミュニティの集いに結集することを期待したい。
 以上 当ブログ筆者のコメント


当ブログ記事 続き


追記 平成30年7月5日 文部科学省HP
文部科学省生涯学習政策局長 常盤豊
文部科学省初等中等教育局長 髙橋道和
抜粋「この度、厚生労働省から各都道府県知事等宛に、略 別添のとおり通知がなされました。
 子ども食堂を含め、子供の育ちを支えるような地域における活動と、学校、社会教育施設や地域住民等が連携することは、学校、社会教育施設と地域が一体となって子供たちの成長を支援していく観点からも重要です。また、子供の安全と安心の観点から適切な配慮を行っている子ども食堂の活動は、地域における食育の観点からも意義があるものと考えられます。
 学校、公民館・青少年教育施設等の社会教育施設、PTA及び地域学校協働本部や、教育委員会等が実施する学習・体験活動等の事業関係者を通じて、困難を抱える子供たちを含む様々な子供たちに地域の子ども食堂の情報が行き届くよう、福祉部局と積極的な連携を図っていただく」抜粋ここまで

通知に関連して
東京都地域公益活動推進協議会
引用「子ども食堂に関する通知が、平成30年6月28日付で厚生労働省より発出されました。
 取組まれている法人におかれましては、ご参照ください」


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by yrx04167 | 2018-07-03 12:15 | Comments(0)