子ども食堂 ボランティア講座1 事例で学ぶ こども食堂 サポーター ワークショップ 研修テキスト
子ども食堂 ボランティア講座1 (研修資料案)
事例で学ぶ、こども食堂 サポーター ワークショップ 当ブログ筆者
<事例1 不登校のCさん>
半年前からふるさと子ども食堂に、ほぼ毎回、顔を出している小学生Cさんが、1ヶ月前から不登校になっていることが分かりました。
クラスの中で、他の生徒から無視などのいじめもあって、学校に通うことが難しくなったとのことです。
Cさんの家庭は、ひとり親家庭で子どもに対して優しい母親ですが、将来の教育費のことも考えて長時間働き、毎日の帰宅が夜8時を過ぎることも多々あります。なかなか子どものCさんがお風呂に入ろうとしないことも分かっていても、高齢者介護の仕事から帰ってくると、身体が疲れてしまって、嫌がる子どもに入浴を促すことも難しかったのです。
その生活の困難がある中で、クラスの中で、入浴していないということをからかわれたことも一つのきっかけになり、学校に行かない日が増えていきました。
学校には通えなくても、子ども食堂にはやって来て、学生のボランティアや、学年の違う子ども達とは元気に遊んでいます。
不登校の問題をボランティアが知ってから、どのように考えたらよいのか、ミーティングの中で話題に上がることも数回ですが、具体的にどうすべきか、一致した答えが出ません。そもそも、不登校を問題として捉えるのか、学校に復帰出来たら解決なのか。また、進学し、優良企業に就職することが、幸福なのか。様々な意見が出されますが、まとまりません。
1.皆さんがボランティアとしてその場にいたら、どうしますか。
2.なぜ、そうしたいと思いますか。
3.この事例を読んで、何を感じましたか。
不登校などの問題は、スクールソーシャルワーカーと連携を図りましょう。
スクールソーシャルワーカーは、学校、教育領域を基盤として、相談や訪問等の形態で、ソーシャルワークによる支援を行う専門職です。子どもを巡る貧困・生活困窮、虐待・家族問題、薬物問題,不登校,いじめなどの問題に対し、スクールソーシャルワーカーの機能は、学習環境を整えるためにも,問題の解決を援助することです。子どもの生活と権利を擁護し、成長を支えることこそ、その使命です。
学校は本来、子どもの教育だけの役割ではなく、学習の基盤となる生活なども含めて全人的に子どもを捉える必要があります。ただし、教員はあくまで教育の専門職であり、社会福祉の制度などあまり詳しくない場合もあるかもしれません。
そのため、教育委員会などに所属しているスクールソーシャルワーカーとの連携が不登校や児童虐待が心配な子どもに対して有効なことがあります。
今回の筆者の子ども食堂担い手調査においても、子ども食堂の立ち上げにスクールソーシャルワーカーが中心的な役割を果たした子ども食堂も訪問しました。
スクールソーシャルワーカー側にとっても、事例のように学校には行けないが、子ども食堂に通えるなどの子どもの居場所として、子ども食堂は有効です。月に2回しかない子ども食堂は限界もあります。しかし、月に2回というのは利用する人たちも、ボランティアも、双方にとって負担が少ない回数であるということは、高齢者の通いの場などでも共有されていることです。
子どもにとっても、自力では学校に戻ることが難しい場合、学校ではない場所で、スクールソーシャルワーカーなど、学校に属する大人と話し合えることは、解決への道筋を見いだすことに繋がることもあります。また全く外に出れないのではなく、月に2回という疲れない回数で、学校とは違う子ども達や学生ボランティアに会って、食事や遊びを共にすることは、孤独の解消に繋がるでしょう。
子ども食堂にとっても、不登校や学校におけるいじめ、児童虐待の疑いなどの難しい問題を自分達だけではなく、学校側のスクールソーシャルワーカーと力を合わせて、連携して支えていくことことは、大変に意義があります。
つまり、スクールソーシャルワーカーや学校との連携は、支援を必要とする子どもの個別支援にとって重要な課題です。
学校との連携を図る上で、スクールソーシャルワーカーの、学校と子ども食堂との媒介や、コーディネートに期待しています。
また教育委員会や学校、教員のみならず、PTAと、子どもをめぐる問題の共有も課題なのでしょう。
これから子ども食堂を始める場合、ぜひ、地域の民生委員児童委員と合わせて、最寄りの学校を担当しているスクールソーシャルワーカーを訪問して、挨拶すること、そして子ども食堂がオープンしたら足を運んでもらうことから、連携と協力を深めていきたいものです。
子ども食堂活動も、スクールソーシャルワーカーや児童福祉・子育て支援分野の機関・施設・団体等との連携と、ネットワークによる子どもの支援が求められています。
不登校の子どもの支援、児童虐待等の深刻なニーズの発見等、子どもに寄り添う活動のために、活動の開始時から日常的に、ネットワークの構築に努めましょう。
<子ども食堂に関連する機関 一覧>
・社会福祉協議会 人や情報、もののコーディネート
福祉専門職、民生委員等ボランティア、関連のボランティアグループなど人、会場、助成制度等の情報を提供する。
居場所の活動は、関わる人が基盤である。人と人とを繋げるコーディネートの働きが求められている。
現場とグループを支える中間支援組織の働き。
・関連する行政機関
生活困窮・学習支援等については、生活困窮者自立支援制度の相談窓口。
その他、子育て支援、児童福祉、就労支援等について、相談できる窓口を活用する。
・児童館
子どもや住民に居場所の PR、案内を掲示する、子どもに声かけをする等。
・民間の組織、支援者
フードバンクによる食材の提供。
民生委員等、地域の協力者
教員、栄養士、保育士等、専門性をもったボランティア。
続く
学生 こども食堂ネットワーク 第1回全国大会
高校生,大学生が運営する 全国各地の子ども食堂活動報告
<福岡から新潟まで>
大会の詳細は下記をクリック
基調講演:グラミン日本理事長 百野 公裕 氏(子ども食堂の広がりから見る日本型マイクロファイナンスの可能性【仮題】)第2部:パネルディスカッション:麻生塾子ども食堂~すみーる(麻生医療福祉専門学校・福岡校)【福岡】/あすのち【神奈川】/一般社団法人アンビシャスネットワーク(日本福祉大他)【愛知】/おけまる食堂実行委員会【⾧野】/☆こども未来塾☆ (高知県立大)【高知】/そらいろ子ども食堂(新潟青陵大・新潟県立大)【新潟】/NPO法人 太陽の家【三重】/子育て食堂たんぽぽ(埼玉県立大)【埼玉】/国内ボランティアサークルつなぐ(関西学院大)【兵庫】/学習支援団体 とも x とも【東京】/はちおうじ子ども食堂(創価大他)【東京】/みんなの食堂Flat(ふらっと)(こども食堂学生ボランティアスタートアップ講座実行委員会)【埼玉】
参加費無料
つくろう!こども食堂 ワークショップ
こども食堂「超」入門!講座
私たちがつくる,子どもの居場所
6月23日(日)15時から17時
【協力: 埼玉県】
子ども食堂に関心をお持ちの方、初めての方も歓迎!
子ども 食堂 ボランティア をはじめよう!スタートアップ講座
子ども食堂のボランティアに興味があり、見学や説明会の参加からはじめたい学生の方、
子ども食堂のボランティアになってみたいが、いきなり参加はハードルが高いと感じる方、
大学生、高校生、短大生、専門学校生の皆様におすすめです!
こども食堂学生ボランティア スタートアップ講座実行委員会
シンポジウム
2019年8月16日(金)14:00 〜17:00(13:30開場)
主催: こども食堂学生ボランティア スタートアップ講座実行委員会
協力:埼玉りそな銀行
後援:埼玉県
<プログラム>
各地の学生子ども食堂 の活動報告等
団地カフェ:芝浦工業大学
子ども食堂わっか: 立正大学
はちおうじこども食堂:創価大学等
基調講演:一般社団法人グラミン日本 最高執行責任者 百野 公裕 氏
by yrx04167
| 2019-03-07 01:26
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