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児童養護施設の児童 「虐待経験あり」65.6% 厚生労働省調査 児童養護施設、トラウマケアとは

「子ども虐待は、長期的なケアが必要」世代間連鎖を断ち切るため、子どもの支援の重要性とは?
主な内容:子ども虐待を経験した人は、成人後もトラウマ・心的外傷、自己肯定感や自尊心の欠如といった問題を抱えている傾向がある。このため、児童福祉施設においては、子ども虐待へのケアが優先すべき課題であると言える。
 また、虐待の世代間連鎖も指摘されている。個別的な支援や、施設職員のメンタルケアが必要である。
 虐待被害者への長期的なケアを提供することで、世代間連鎖の予防を図る。

児童養護施設の子どものメンタルケアの拡充求め、提言を厚生労働大臣に提出
 児童養護施設の児童の内「虐待経験あり」は65.6%、厚生労働省調査
 虐待は、子どもの危機を脱する支援、安全の確保も重要であるが、虐待の後遺症、心的外傷等の長期的なケアも必要である。子どもの成長と成人後の心身の健康や、生活の安定、人間関係等に影響する=世代間連鎖を防ぐ。
【トラウマ、愛着関係の問題、不安、自己肯定感・自尊心の欠如等】
 つまり児童養護施設等、子ども支援の施設にとって、子ども虐待へのケアは優先すべき課題であると言えるだろう。
 福祉新聞 ニュースクリップ
 「厚生労働大臣に対し提言を提出
 施設職員対象のメンタルケア研修義務化等を含む。
 施設出身者調査、7割が虐待の後遺症の生きづらさを抱え、
 しかし施設等で精神的ケアの経験有は4割弱」
 虐待の連鎖とは、虐待を経験した子どもが親となった時に虐待をしてしまう。
 いろいろな条件が重なったときに起こりやすく、それらは、「経済的余裕がない」「身近に相談できる相手がいない」「育児不安」などを背景にしている。

 個別的な支援の重要性は「児童の権利に関する条約」にも規定されており、虐待等への個別ケアが求められている。
 また、虐待の子どもへの影響として、暴力の直接的なものとして死亡、頭蓋内出血・骨折・火傷などによる身体的障害が挙げられる。
<虐待され、さらに他者や家族からも守られなかった、保護してもらえなかった幼少期のトラウマを経験して生きる。
 経験した失望や問題に押しつぶされてしまった、そして無力感。他者から侵入されること>
 後遺症として、暴力の被害体験からトラウマ(心的外傷)を持ち、そこから派生する様々な精神症状(不安、情緒不安定)、栄養・感覚刺激の不足による発育の問題、安定した愛着関係を経験できないことによる対人関係障害(緊張、ひきこもり)、自尊心の欠如(低い自己評価)等、様々な内容、程度の影響がある。
 虐待の世代間連鎖 -傾向を指摘する文献もある
児童虐待とは
①身体的虐待(殴る,蹴る等、身体的暴力)
②心理的虐待(子どもの情緒的発達を阻害する無視や暴言)
③性的虐待,④ネグレクト(養育の放棄・怠慢)に分類されることが多い。
 なお、虐待を判断するに当たっての考え方として
「虐待の定義はあくまで子ども側の定義であり、親の意図とは無関係です。その子が嫌いだから、憎いから、意図的にするから、虐待と言うのではありません。親はいくら一生懸命であっても、その子をかわいいと思っていても、子ども側にとって有害な行為であれば虐待なのです。我々がその行為を親の意図で判断するのではなく、子どもにとって有害かどうかで判断するように視点を変えなければなりません」(小林美智子,1994)
 また、保護者の状況、生活環境等から総合的に判断するべきである。

厚生労働省の調査によると
【児童養護施設入所に至った理由「虐待」が45.2%】
 養護問題発生理由 社会的養護
 養護問題発生理由について、一般的に「虐待」とされる「放任・怠だ」「虐待・酷使」「棄児」「養育拒否」を合計すると、里親は全体の39.3%(前回37.4%)、児童養護施設は45.2%(前回37.9%)、
児童心理治療施設は39.6%(前回50.0%)、児童自立支援施設は19.4%(前回41.7%)、乳児院は32.6%(前回27.1%)、ファミリーホームは43.4%(前回38.4%)、自立援助ホームは45.5%(前回35.6%)となっている。

児童の被虐待経験の有無、虐待の種類 社会的養護
「虐待経験あり」の割合をみると、里親で38.4%(前回31.1%)、児童養護施設で65.6%(前回59.5%)、
児童心理治療施設で78.1%(前回71.2%)、児童自立支援施設で64.5%(前回58.5%)、乳児院で40.9%(前回35.5%)、母子生活支援施設で57.7%(前回50.1%)、ファミリーホーム53.0%(前回55.4%)、自立援助ホーム71.6%(前回65.7%)となっている。

児童養護施設とは
 児童福祉法に定められた児童福祉施設の一つである。
1997年の児童福祉法改正では、養護施設から児童養護施設と改称された。その機能もたんに養護するだけでなく、退所後の児童の自立を支援することが機能として付け加えられた。施設形態には大舎制、中舎制、小舎制、グループホームなどの形態がある。

心的外傷とは
 トラウマともいう。災害,事故,犯罪被害,暴力,虐待など,これまで築いてきたストレスへの対処能力を超える出来事に遭遇し,その反応として生じる心理的・感情的苦痛を伴う精神的な変調状態をいう。極度のストレス体験の後,心的外傷反応は一過性のものとなる場合が多いが,一部の人は慢性化し,心的外傷後ストレス障害(PTSD)として診断されることがある

by yrx04167 | 2021-09-01 23:09 | Comments(0)