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2011年 07月 09日 ( 3 )

相談援助の理論と方法 前期第13回講義レジュメ3 2011/07/07 5・6時限
社会福祉士養成科(夜間部トワイライトコース)

12章1節 相談援助における面接の目的
1 面接の目

①援助に必要な情報を得る
②問題解決を図る共同作業
③問題解決を図るアクション・システムの形成
・アクション・システムとは、目標の達成のために働きかけ・行動する人々のことである。

<補足
* A.ピンカスとA.ミナハンは、1973年、ソーシャルワークを一つのシステムと捉え、システム理論に基づくソーシャルワーク実践では,ソーシャルワーカーは以下の四つのサブシステムの相互作用に関心をもたねばならないとしている。
①クライエント・システム
・個人,家族,グループ,組織など,ソーシャルワーカーが援助の対象とするシステムである。
 クライエント・システムとは、社会福祉サービスを既に利用しているか、サービスを必要としている、援助活動を通して問題解決に取り組もうとしている個人や家族などから構成されている小集団を指す。

②ワーカー・システム=チェンジ・エージェント・システム(ワーカーとその所属機関
 ワーカー・システムとは、援助活動を担当するソーシャルワーカーとそのワーカーが所属する機関や施設とそれを構成している職員全体を指す。

③ターゲット・システム(目標達成のために変革しなければならない人や組織
 ターゲット・システムとは、クライエントとワーカーが問題解決のために変革あるいは影響を与えていく標的とした人々や組織体を指す。
 標的は、クライエントが選択される場合や、クライエント以外のワーカーやワーカーが所属している機関や施設も含む人々や組織体が選択される場合もある。

④アクション・システム(目標達成のためにターゲットに働きかける人々)
 アクション・システムとは、変革に影響を与えていく実行活動に参加する人々や資源のすべてを指し、実行活動のチームワークを構成する人々をいう。

*援助者は必然的にこれらの四つのシステムと重層的に関係し、発展させていく。

2 面接の特
・面接は、その場面に限定して外見的にとらえると、主として言語のコミュニケーションの展開を通じ、援助目標を目指した対人関係から構成されている。
 しかし、面接は、人間の日常生活の広がりと流れに対応して、専門的な方法のもとに、総合的に継続して積み上げられる過程から成り立っている。
 面接は、その専門的方法を用いた技術的過程からなる援助活動ということになる。

*①対面関係、②信頼関係、③協同・協働・参加
 一般的には、電話や手紙などではなく、面接という対面関係で、信頼感を醸成しつつ、クライエントとワーカーの双方が援助関係に協同して参加するという特性である。

・カデューシンらの援助的面接の特性 テキストP246参照

<補足>
*面接を構成する要

①面接者(ソーシャルワーカー)
②被面接者(クライエント)
③コミュニケーション
④援助目的
⑤援助方法(援助の展開)
⑥課題(解決を必要とするクライエントのニーズ・問題)
⑦空間(面接の場所)
⑧時間(面接時間の確保とその過程)

・面接は成り立たせるために、これらは最低限必要なものである。

・包括的な相談支援体制の構築のための、相談の技術が求められる。
・地域における新たな社会福祉ニーズに対応する社会福祉相談窓口の必要性。ワンストップ。
・アルコール依存症、ギャンブル依存症の回復支援に繋げる相談。

12章2節 相談援助における面接の展開
1 相談援助における面接の基本姿勢 テキストP248
・バイステックの原

 ケースワークの基本原則でもあるが、クライエント自らの状況と感情(生の過程における特殊な出来事)の表出を促し、それを理解しようとする姿勢を基盤とする。

*援助者の基本的態度 (ロジャーズ
・無条件の積極的関心(肯定的配慮)
・共感的理解
・純粋性(真実性)

2 面接においてワーカーが行なうこと
・傾聴・受容、疑問への応答、共感等。

3 面接の展開
<援助過程における面接の展開>
*アクションシステムの形成と援助のゴールの確認 テキストP249

・クライエントがニーズ充足の過程に、主体的に取り組むこと。
・クライエントの自己肯定感を高め、上記が可能であることの自覚を促す。

*情報の共有とニーズの明確化(アセスメント) テキストP250
・情報をクライエントから収集する。また情報の提供により、共有化を図る。
 情報収集の主要な手段は面接である。適切な質問技法を用いることが求められる。
 質問は、尋問のような印象を避け、クライエントの語りを受容的雰囲気のもと、導く必要がある。  
かつ、必要な情報を確実に収集することも求められる。

*ゴール目標の共有とプランニング(計画
・ソーシャルワーカーとクライエントの取組みの目標や到達点を確認し、そのための計画を、ワーカーとクライエントで話し合い、立案する。
 プランニングは、ワーカーの準備をもとに、面接により行なうことが望ましい。これにより、クライエントは、問題解決の過程に参加することが可能となる。
・プランニングの面接において、クライエントの意思の尊重が重要である。
 ワーカーは、クライエントが有意義な自己決定ができるよう支援し、自己決定を尊重する。
・この最終段階で、ワーカーとクライエントは、この計画に基づき、過程を進めることを合意する。 
クライエントの動機づけを高め、アクション・システムを強固にするために重要である。

*援助の実施
・クライエントに直接はたらきかける活動を、直接的援助活動と位置づける。
 クライエントが、環境のなかでニーズを充足し、適応の能力を強化し、維持できるよう支援する。
 クライエントのパーソナリティやその能力に直接はたらきかける主要な手段は、面接である。環境にはたらきかける手段も面接である。
 具体的には、クライエントの人間関係の発展や、自らと環境との関係を理解し変化させること、資源を活用する能力を強化し、エンパワメントを図ることなどがその目的となる。
 クライエントのストレングスを認め、強化すること、「支持」が重要となる。

*評価・終
・評価の段階においては、計画の遂行状況についてクライエントと話し合う。
 計画の継続や見直しを決め、計画の遂行を妨げる事柄があれば、必要な手立てを共に考える。
・目標がある程度達成できれば、援助の終結について話し合う。
・最後の数回の面接は、終結と移行に焦点をおく。
 面接の頻度を徐々に少なくしつつ、終結後の不安に対処し、クライエントが自信をもって終結を迎えることができよう支援を図る。
 終結は、課題が達成され、肯定的な結果と感情をもって、クライエントの合意のもとに行われる必要がある。
 終結後、クライエントが援助における経験を活かし、成果を維持して生活できることを追求する。  
これらを定着し、終結後の生活に移行を進めるために面接は有効である。

*レジュメ4に続く

<前回の講義レジュメ>
社会福祉士受験支援講座・教員日記 : 相談援助の理論と方法 前期第12回講義レジュメ<前半>6/30 モニタリングとは 社会福祉士養成科
11章1節 経過観察(モニタリング) テキストP218
1 相談援助のプロセスとモニタリング・再アセスメント・効果測定・評価 テキストP218



相談援助の理論と方法 前期第13回講義レジュメ2 2011/07/07 5・6時限
日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成科(夜間部トワイライトコース)

*単一事例実験計画法(シングル・システム・デザイン) テキストP237
<ポイント

・シングル・システム・デザイン(SSD法)は、シングル・ケースデザイン、シングル・サブジェクト・デザイン、単一事例実験計画法、またはN=1実験等とも言われている。
・社会福祉の実践現場において、実践の効果を科学的に測定する方法の一つである。
一事例で調査・分析を実施することができる特徴がある。
<解説>
1 シングルシステムデザインは何を明らかにするのか

・単一事例実験計画法は、1事例から介入(インターベンション)の効果を測定する方法である。
 援助を行う前(ベースライン期)の問題の状態と援助を受けた後(インターベンション期)の問題の状態を、時間の流れに沿って繰り返し観察することによって、問題の変化と援助との因果関係を捉えようとする方法をいう。

2 基礎線(ベースライン
・シングル・システム・デザインでは,介入(援助)開始前に分析対象となる行動や意識を一定期間、継続的に測定する。これを基礎線=ベースラインという。
・介入・援助の後に、明確な結果が出てくるように、介入を行なう前の測定値の推移を安定したものとするために、原則として最低3回、倫理的、現実的に可能ならば10回の測定を行なうべきである(ブルーム等,1999)。

*基礎線の目
 基礎線・ベースラインとは、介入を加えない状態のことである。
 介入による変化を評価するための枠組として、必要である。

*基礎線期のデータを収集する方法
①介入前のアセスメントにおける測定(観察

 上記のために十分な期間をとる。
・倫理的な問題として、ベースラインの測定、情報収集のために、介入が保留状態になってしまう。

②既存の公私の記録をもとにベースラインを構築する
③クライエント自身、もしくは熟知している人の回顧による方法
 このような、過去の振り返りによるベースラインを、リトロスペクティブ・ベースラインという。

3 介入期
・シングル・システム・デザインの測定法は、介入(援助)開始から終結まで、分析対象となる行動や意識の測定が継続的に行われる。
 分析対象となる行動等の継続的な測定を行ない、特定の介入を行なう事によって、効果があらわれ、きちんと反映されているかどうかを検討する。
・ベースライン=介入開始前と、介入開始から終結までで,分析対象となる行動等がどの程度変化したかを比較し,援助効果を評価する。

*効果の判
 シングル・システム・デザインのデータは統計的方法ではなく、グラフの読み取りによって解釈がされており、現在も基本的にその方向性に変わりはない。つまり、単一事例実験のデータは一般的に視覚的判断によって評価され、データをグラフ化して効果を目で確認するという方法である。
 しかしこのような視覚的な方法はグラフの読み手によって解釈の仕方が違ってくるといった問題もあげられてきている。そのような考え方から、最近では、単一事例実験データにも、多数の被験者を対象とした実験と同様に統計的検定を導入すべきではないかという提言もある。

*シングル・システム・デザインの形態・A-Bデザイン
◆A-Bデザイン
 「A」とは、介入開始前=介入・援助を加えていないとき=基礎線・ベースライン期である。
 「B」とは、介入開始後=介入・援助を加えている時期=介入・インターベンション期である。
 このA期とB期の比較を行なう。
・A-Bデザインと呼ばれており、最も簡単で、基礎的な単一事例の実験方法である。

◆A-B-Aデザイン
 A=ベースライン期 ⇒ B=インターベンション期 ⇒ A=ベースライン期
 A-B-Aデザインとは、A=ベースライン期、B=インターベンション期、A=ベースライン期と推移するものである。
 単一事例実験は、通常、何らかの好ましい行動変容をさせようとするものであり、ABAデザインにおいては実験結果がきちんと出てきたとしても、また元のベースライン期に戻すので、意味のないことになってしまい、実践的には意味のないことになってしまう。倫理的な問題を生じる可能性がある。

◆A-B-A-Bデザイン
 A=ベースライン期 ⇒ B=インターベンション期 ⇒ A=ベースライン期 ⇒ 
Bインターベンション期
 A-B-A-Bデザインとは、A=ベースライン期、B=インターベンション期、A=ベースライン期、B=インターベンション期と推移するものである。
・A-B-A-Bデザインでは、二度目のベースラインAの後に、インターベンション期Bをおくことで、その効果を確認すると同時に、さらに好ましい行動の定着をはかろうとするものである。

◆B-A-Bデザイン
 介入期から測定が開始され、介入中断後、介入を再開する形態である。

補足:A-B-Cデザイン、A-B-C-Dデザイン
 他の介入=C、Dに切り替えるデザインである。

11章4節 評価とサービス開発
1 プロセス評価とアウトカム評価 テキストP240

・効果測定は、介入・サービスの手順を明確化し、その効果を測定し、判断するものである。
・ソーシャルワーカーの相談援助は、多様な資源の活用や、直接実施する介入を含む全体であり、この全体としての有効性を包括的に検討し、判断する=評価と捉えている(テキストP240)。

・プロセス評価とは、相談援助のプロセスについての評価である。
・アウトカム評価とは、最終的な成果(エンド・プロダクト)についての評価である。

*プロセス評価(過程評価)
<ポイント

 援助が援助計画で作成された目標を達成できているかどうかを確認するために行う評価方法である。過程評価においては,プログラムや援助の実施段階で,先に計画で作成された目標が達成できたかどうかを確認し,目標達成が難しい場合には,目標をどのように変更すればよいのか,あるいは,目標達成が難しくなる要因は何か,などを考えていく必要がある。

<解説>
・モニタリングは、主に短期目標に対応する、介入・援助に関するモニター情報に基づき実施するプロセス評価が中心である。
・モニタリングの情報に加え、ケース記録を活用し、援助の過程と、援助の終結において、援助のプロセス全体を見直し、評価する。
・援助の全プロセスを評価する場合は、アセスメントやプランニング、介入全般とクライエント等との関わり、フォローアップをも含むプロセスの総合的な評価であるべきとされる。
しかし、「総合的なプロセス評価のモデルとしてはまだ明確なものがないのが現状(テキスト)」

*アウトカム評価(結果評価)
<ポイント

 援助終結後に利用者のニーズが満たされているか,あるいは特定のニーズや問題に対して特定の援助方法やプログラムが効果的かを判断するといったように,援助方法の効果を援助結果によって判断することをアウトカム(結果)評価という。
・福祉プログラムや福祉における援助が,その利用者にとって最終的に有益であったのかどうかを確認するために行う評価である。
<解説>
・特に長期目標が達成できたかを判断することである。
 モニタリング情報による短期目標達成の判断を総合することにより、長期目標達成の判断にもつながる。
・アウトカム評価のより重要な点は、長期目標が具体的かつ明確に設定されているかである。これにより、目標達成の判断は容易になる。
・しかし、新たなニーズや問題の出現によって、長期目標は変化する可能性がある。
 また、長期目標についても関係者の合意が求められる。

2 サービス開発の必要
・援助プランに沿ったサービス資源が、効果測定の結果、有効ではないことが判明する、また、援助プラン設定時に、適切なサービス資源が無いこともある。
・サービス資源が有効ではないか、存在しない場合、資源の開発が、ソーシャルワーカーの役割として求められる。これは、ソーシャルワークにとって、重要なものである。
・岡村重夫は、社会生活上の要求に対応する資源(制度)がない場合、社会福祉が一時肩代わりし、資源を提供する機能=代替的機能(後に開発的機能)と提示した。

・サービス資源の開発のみならず、相談援助の手続き・手法の開発も求められる。
 これは、援助の対象、ニーズ、問題の種類により異なる。
 領域により、開発の進展がみられるが、医療や看護等に比べると、対象・問題に対応する相談援助モデル・手法の開発は十分ではない。
・ソーシャルワークにおいても、実践のなかで、詳細な問題に対応できる相談援助モデルと、新たなサービス資源の開発に努めることが求められている。

<用語解説>
○代替的機能 substitutional function
 一般的な社会制度やサービスが整備されていないことにより,人々のニーズが充足されない場合に,社会福祉がそれらの制度やサービスに代わって,人々が必要とする制度やサービスを提供する機能をさす。例えば,高齢者向けの住宅が充分に整備されていないために,高齢者が養護老人ホームに入所せざるをえない場合がこれにあたる。ただし,未整備なサービスを代替するにとどまらず,将来の制度やサービスの拡充に向けた働きかけも求められる。

<前回の講義レジュメ>
社会福祉士受験支援講座・教員日記 : 相談援助の理論と方法 前期第12回講義レジュメ<前半>6/30 モニタリングとは 社会福祉士養成科
11章1節 経過観察(モニタリング) テキストP218
1 相談援助のプロセスとモニタリング・再アセスメント・効果測定・評価 テキストP218

社会福祉士受験支援講座・教員日記 : 相談援助の理論と方法 前期第12回講義レジュメ・後半6/30 再アセスメント、効果測定 社会福祉士養成科
11章2節 再アセスメント 1 再アセスメントの手順と援助の方向 テキストP229


日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成学科・養成科
社会福祉士及び介護福祉士法
相談援助の理論と方法 前期第13回講義レジュメ1 2011/07/07 5・6時限
社会福祉士養成科(夜間部トワイライトコース)

3節 効果測定
1 有効性の検証としての効果測定・続き テキストP233
*因果関係を検証する調査法(手順)
―独立変数、従属変数―実験前に必要な手順―
1)独立変数と従属変数の具体

・ここでの「独立変数」とは、実験における介入=専門職による援助・働きかけのことであり、"原因"である。
・「従属変数」とは"結果"であり、介入=援助・働きかけによって、影響を受ける(と推測される)利用者の行動・状態(例えばADL)などのことである。

・操作化とは、従属変数を具体的に測定・観察・記録できるようにすることである。
 観察,実験・測定したい課題・現象を観察,把握できるように操作化することが重要となる。

2)従属変数の変化の判
・実験、効果測定では、利用者の状態や行動(=従属変数)が、介入・援助(=独立変数)によって、変化したのかの有無と、どのように変化したのかを判断しなければならない。
 その為には、介入・援助を受ける前の測定の結果と、援助を受けた後の測定結果を比較し、変化を判断する必要がある=シングル・システム・デザイン。
 もしくは、介入を実施する実験群と、介入しない統制群の測定結果を比較し、効果を判断する方法がある=集団比較実験
・ただし、その変化が実践・臨床上意味があるのかの判断は必要である。

*変数とは
・年齢やADLなどのように,人によって異なり,一人の人のなかでも時間とともに変化する要素がある。このようにバリエーションのある要素,あるいは変化する要素を変数とよぶ。
 そうした変数のなかには,別の要素・変数が変化するとその影響を受けて変化するものと,他の変数の影響を受けないで単独に変化するものがある。前者を従属変数とよび,後者を独立変数とよぶ。

*因果関係の確立の必要条
・援助・介入(独立変数)と、対象の変化(従属変数)に原因と結果の関係=因果関係があることを証明する作業が必要である。

・ラザースフェルド(Lazarsfeld, 1959)が提唱した、下記の3つの条件を満足しなければ、因果関係を証明できない。
・時間的優先
 結果に対する原因の時間的先行性。つまり、原因が結果よりも先行していること。
・相関関係の存在
 2つの変数間に相関関係があること。
・他の要因の排除
 その相関関係が、第3の変数による疑似相関でないこと。

*相関関
二つのものが密接にかかわり合い、一方が変化すれば他方も変化するような関係。

*集団比較実験計画法(集団比較実験デザイン)
<ポイント

 集団比較実験計画法は、対象・被験者を、介入・援助を実施する「実験群」と、援助を実施しない「統制群」に分けて、従属変数の測定を通じて、2つの群を比較することにより、介入・援助の効果を明らかにしようとする方法である。

<解説
・ある集団に介入・福祉サービスを実施する前と実施した後に同じ従属変数を調査によって測定する。変数の値に変化がみられた場合でも、その変化が介入によって生じたのか、他の原因によって生じたのかを区別できるような調査の設計が必要である。

・実験計画のもっとも代表的なものは、調査対象を(介入)サービスを提供する集団(実験群)と、何も行わない集団(統制群) に分けて、(介入)サービス実施後に両者を比較する古典的実験計画法である。
 重要なことは、実験群と統制群に振り分けるときに、くじ引きのような方法で無作為に分ける 無作為割当(分配)random assignment である。
そうすることで、両群の集団としての均質性を確保し、サービスを提供するかしないかだけが両群の相違点になる状態を設定することになる。

(実験計画法の例)
例:「高齢者の生きがいの向上(結果)に対するグループワークへの参加(原因)の効果」を調べるために,グループワーク=独立変数に参加した実験群と参加しなかった統制群の生きがい=従属変数を比較するといったように,因果関係を確認する際に用いられるリサーチ方法である。

<実験計画法と因果関係の確立> 
*統制と因果関係の確

・因果関係を明確に確立するためには,独立変数(グループワークへの参加・不参加)以外は実験群と統制群が同じ条件である必要があり,誰が実験群に属し,誰が統制群に属すかを無作為に割り当てる必要がある。

*無作為割当(分配)
<概要>

 被験者を実験群と統制群のいずれかに振り分けるとき、ランダムな割当の手続きをとる。クジなどをもちいてランダムに行なう。
<解説>
・無作為割当て法によって,被験者を介入(援助)を受ける実験群と,介入を受けない比較対象である統制群に分ける。
・無作為割当て法とは、実験計画法などにおいて,被験者がどのグループに属するかをサイコロや乱数表などを用いて無作為に割り当てる手続である。

 例えば20人の被験者を,介入(例:課題中心ケースワーク)を受けるグループ=実験群と、統制群に振り分けて、介入の有無による効果を比較する場合に,各被験者にサイコロを振ってもらい,偶数ならば介入=実験群,奇数なら統制群というように無作為にグループの割当てを行う。(もしくは、くじ引き)無作為化(randomization)ともよばれる。

*マッチング
 性別・年齢・障害の程度など、被験者の属性の割合が、実験群と統制群で等しくする。
 ただし、被験者が実験群に割り当てられるのか、統制群に割り当てられるのかは、ランダムにおこなわれない

*ブロッキング
 マッチングと無作為割当を組み合わせる。

*プラシーボ効
 実際に用いられた介入や援助による効果ではなく,たんに効果的な介入や援助を受けたという思い込み(プラシーボ=偽薬)によって症状や問題が軽減すること。

<実験計画法の種類> 
①単一グループ・プリテスト-ポストテスト

・1つのグループに対して、実験を行なうデザイン。
*実験の流れ
 事前測定 ⇒  測定したい変数の投入=介入 ⇒  事後測定

・事前測定と事後測定の結果を比較して、測定したい変数の効果を確定する。
・このデザインでは、外生変数をコントロールするのが困難である。したがって、因果関係を確定するには、実験計画法が必要になる。

*実験計画
 外生変数をコントロールする。
 実験計画法によるグループ比較のためには、測定したい変数の違いだけが、グループ間(実験群と統制群)の違いでなければならない。
①プリテスト-ポストテスト統制群
・古典的実験計画法とも呼ばれる。
 無作為割当(グループ分け) → 事前測定 → 実験群にのみ介入 → 事後測定

・この実験計画法は、先ず、対象者を特定の介入(例えば、サービスの提供等)を実施する「実験群」と、その比較対象であり、前述の介入を実施しない「統制群」に無作為に割当てる。
 次に、両群の観察・測定後、実験群のみに介入が実施され、統制群には介入を実施しない。その後、両群について、その効果の測定を経て、2つの群を比較研究することにより、介入の効果を確認しようとする方法である。

*古典的実験計画法
実験群 R O X O
統制群 R O   O
R: 無作為割当によるグループ分け、O: 従属変数の測定、X: 独立変数の投入
(実験の経過は、左から右へ進む)

②ソロモン4群
 古典的実験計画法とポストテスト統制群法の組み合わせ
*ソロモン4群法
実験群1 R O X O
統制群1 R O   O
実験群2 R   X O
統制群2 R     O

③ポストテスト統制群
 無作為割当(グループ分け) →実験群にのみ介入 → 事後測定

*ポストテスト統制群法
実験群 R X O
統制群 R   O

*疑似実験計画
 実験計画法の無作為割当・グループ分けの問題点とは、無作為割当によるグループ分けは、実際には手間がかかって難しい。また、統制群に何もしないことは倫理的に問題がある。
①不等価統制群
概要:既に存在する実験群に似通ったグループを比較する。
 実験群を比較する既存のグループを「比較群」(比較グループ)と呼ぶ。
・統制群を確保することが実際には難しいため,実験群によく似た比較群を設定して行なう。
 無作為割当により実験しているわけではない点が、問題点である。
 社会福祉士受験支援講座

*レジュメ2に続く

<前回の講義レジュメ>
社会福祉士受験支援講座・教員日記 : 相談援助の理論と方法 前期第12回講義レジュメ<前半>6/30 モニタリングとは 社会福祉士養成科
11章1節 経過観察(モニタリング) テキストP218
1 相談援助のプロセスとモニタリング・再アセスメント・効果測定・評価 テキストP218

社会福祉士受験支援講座・教員日記 : 相談援助の理論と方法 前期第12回講義レジュメ・後半6/30 再アセスメント、効果測定 社会福祉士養成科
11章2節 再アセスメント 1 再アセスメントの手順と援助の方向 テキストP229


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社会福祉士及び介護福祉士法