2015年 07月 09日 ( 1 )

相談援助の基盤と専門職 前期第12回講義レジュメ 2015/06/29
当ブログ筆者(専任教員、社会福祉士)が、社会福祉士養成学科にて講義            
<レジュメ完全版は講義にて配布。解説の詳細は講義にて>

6章 相談援助の理念Ⅱ 1節 クライエントの尊厳と自己決定
<前回講義の補足>

*事例:医療を拒否する人-看護や介護、福祉サービス、面接・訪問、食事・入浴の拒否を含めれば多くの事例に該当する。
 生活保護受給中の精神障害者の訪問ケースの多くを占める。
 統合失調症で引きこもり、診療に来ない、食べない、入浴しない
 認知症高齢者、アルコール依存症等。
 生活困窮者、生活保護受給者の関連問題として、大きい。

 患者の権利か、患者側の理解の不足か-理解する能力のハンディキャップを含む。
 本人の意思に反した治療は、是か非か-倫理的ジレンマ。
 医療ソーシャルワークの課題でもある-医療ソーシャルワーカー業務指針


*事例:セルフネグレクトに対する支援のあり方
 生活や健康維持の自己放任であり、通常の生活を維持するために必要な行為を行う意欲を失い、自己の健康や安全を損なうことである。必要な食事をとらず、医療を拒否し、不衛生な環境で生活を続け、周囲から孤立し、孤独死に至る場合もある。
 生活困窮者支援、地域福祉の今日的な問題のうち、主要なものの一つであろう。

・セルフネグレクトという生き方の問題からの回復
 クライエント本人の存在を承認することから、本人が見失った自らの尊厳、いのちの価値、自尊感情があることを言動で伝え、尊重する関わりがはじまる。
 具体的な関わり方として、「ユマニチュード」の手法が参考になる。
 例えば、関わりの方法と姿勢(視線を合わせ触れること等)で、素晴らしさ、かけがえがない存在であることを伝える言葉
 これらによって周囲とのコミュニケーションの再構築、ラポールの深化を図る。
 信頼、安心できる感覚を創っていくプロセスである。


*医療ソーシャルワーカー業務指針 抜粋<インフォームド・コンセント関連事項を抜粋>
・療養中の心理的・社会的問題の解決、調整援助
 受診や入院、在宅医療に伴う不安等の問題の解決を援助し、心理的に支援すること。
 がん、エイズ、難病等傷病の受容が困難な場合に、その問題の解決を援助すること。
・受診・受療援助
診断、治療を拒否するなど医師等の医療上の指導を受け入れない場合に、その理由となっている心理的・社会的問題について情報を収集し、問題の解決を援助すること。
診断、治療内容に関する不安がある場合に、患者、家族の心理的・社会的状況を踏まえて、その理解を援助すること。

*インフォームド・コンセント
 インフォームド・コンセント観念の成立の経緯は、1914年のシュレンドルフ事件で患者の「自己決定権」が認められたこと等
 略
○援助契約に際しては,スティグマに留意しつつ,説明責任(アカウンタビリティ)に配慮し,説明と同意(インフォームド・コンセント)を遂行する。

*シュレンドルフ事件
 略 「成人に達し,健全な精神をもつすべての人間は,自分の身体になにがなされるべきかを決定する権利がある。したがって,患者の同意なしに手術をする主治医は暴行を犯すことになり,その損害への責任を負う」
 「患者は,医学的にいかに治療されるかを選択して身体の不可侵を守る権利を持つ。またこの権利の妨害は,治療技術の巧拙を問わず,たとえその介入が究極的に有益であっても,許可を得ない身体的侵害(暴行)を構成しうる」 略

*ヘルシンキ宣言「ヒトを対象とする医学研究の倫理的原則」  略

<受験対策 社会福祉士等国家試験出題実績>
○援助契約に際しては,スティグマに留意しつつ,説明責任(アカウンタビリティ)に配慮し,説明と同意(インフォームド・コンセント)を遂行する。
○インフォームド・コンセントの考え方は,ナチスドイツの行った人体実験を裁いたニュルンベルグ裁判でも指摘され,1964年に世界医師会の「ヘルシンキ宣言」でまとめられた。
○ミケルセン(Mikkelsen,B.)は,ノーマライゼーションという用語と考え方を,世界で初めて福祉政策の中に織り込んで行政に反映させたことから,ノーマライゼーションの父と呼ばれている。  略

2 自立支援 テキストP125
・自助的自立
・依存的自立
⇒自立と依存は対立した概念ではない。依存することにより自立が可能となる(テキスト)。 略

・誰もが、何かに頼っている、依存している-家族、職場等。
 (相互)依存的自立は、相互支援型自立とも言えよう。人間は誰でも頼り合い、お互いに生かされている。
 「お互い様」の精神が生きるコミュニティである。相互扶助。
 コミュニティのまとまり、繋がりを、相互の配慮、敬意、優しさによって、コミュニティの皆が育てていく。
 外見はコミュニティであっても、自分の場所に引きこもっていては、そのコミュニティ内の個室に単に住んでいるという宿泊施設のようなものになってしまう。


・道具的自立-身体的・心理的・社会関係的・経済的自立 
・目的的自立-人格的自立(自己決定、自己実現等)

人格的自立への成長こそがソーシャルワークの主要な目標である。その道具、手段としての身体的・経済的な自立である。
 目に見える自立よりも、見えない自立=人格としての自立が重要である。

*自分の殻、パーテーションの中に引きこもり、自分だけの安心感、自立を求めていたり、様々なものから逃れるために仕事にのみ時間を費やしたりというのは、人間として豊かな自立とは言えない。
 パーテーションから顔を出す、時には外の世界に出る、緩やかに繋がり支え合うという生き方への転換を、ソーシャルワークは促進する。


*自立支援<テキストP125要旨>
・社会資源を活用し、道具的自立を補強・代替し、クライエントの人格的自立を達成する。 略

*解説:自立助長
 生活保護法が1条で掲げる二つの目的のうちの一つ。他の一つは最低生活保障である。 略 保護の廃止を意味する場合もあれば,保護を受給しながら人間らしい生活を志向する過程を意味する場合もある。

<補足>
○解説:自立支援
 障害者の地域生活支援の課題とは 略

○解説:自律 autonomy  略

○解説:身辺自立
ADL、IADL 略

○解説:ADL activities of daily living
 日常生活動作の自立度,日常生活動作能力 略
具体的には,入浴,排泄,更衣,食事,ベッド上(床上)での起き上がり,寝返りや立ち上がり,座位保持等という基本的な日常生活動作の自立度を評価する尺度 略

○解説:IADL instrumental activities of daily living  略

○解説:経済的自立  略

*「リハビリテーション(Rehabilitation)」という用語に関して
◎語源は,re-(再び)とhabilis-(適した)であり「再び適したものになること」を意味する。
◎中世には,領主や教会により破門された者が許されて復権することを意味した。

今回講義の確認問題 キーワード
エコマップ
ソーシャル・キャピタル 社会関係資本
リーガル・アドボカシー
セルフ・アドボカシー
コンサルテーション
自立生活(Independent Living)運動
生活(ライフ)モデル
経済的自立
ストレングス視点
ワーカビリティ
ソーシャルサポートネットワーク
フォーマル及びインフォーマル資源  略


日刊 福祉施設 社会起業ニュース 関連情報クリップ
情緒障害児施設開設へ 虐待や発達障害など心理的な問題がある子どもたちをケア 県内初、来年4月
2015年06月28日(日) 【愛媛新聞】

引用「虐待や発達障害などで心理的な問題がある子どもたちをケアする「情緒障害児短期治療施設(情短)」が2016年4月、愛媛県内で初めて、西予市に開設される。市内の社会福祉法人・西予総合福祉会が「ひまわりの家」として児童養護施設とともに運営し、入所定員は10人。
 県などによると、非常勤の精神科医がカウンセリングなどの治療に当たるほか、児童養護施設よりも保育士や児童指導員ら職員の配置数が手厚く、子どもたちにより目が行き届く。県内からは現在、数人が県外の情短に入所している。
 同会によると、情短は園児から中学生までを想定し、基本は個室。県教育委員会と相談しながら、施設内で学校教育を受ける「分教室」の設置も検討している」。引用ここまで

男性介護家族の介護体験に耳を傾ける “ハイブリッドな知の宝庫“が介護の世界を変える!  アドバイスよりも「聴いてほしい」
2015年7月6日 20時9分  HEALTH PRESS

引用「相づちを打つ間もない。話が尽きない」。男性介護者の会の主宰者の発言だ。課題を抱えた人の語りに耳を傾ける行為は、介護や子育ての分野でも重視され、「傾聴」という支援法のひとつになっている。
 2003年度から数年にわたり、男性の介護体験を「聴く」ことを専門演習の課題にしてきた。学生がチームを組み、男性介護者をインタビューする。質問の項目は、介護が始まったときの気持ち、毎日の生活の様子、一番つらかったこと、一番うれしかったこと、これからの希望などだ。
 オフィシャルな場では鎧をまとっているような男性介護者も、学生の前では口が滑らかになるようだ。
 忙しい時間を割いてもらい申し訳なく恐縮する学生に、「話を聞いてくれてありがとう」「こんな話をしたのは初めて」「人に話すようなことでもないけど」と、逆に感謝されたという。介護のまっただ中の介護者は、本当は話したいのだ。アドバイスよりも"ただ聴いて"ほしいのだ。
 介護体験は「ハイブリッド」な知の宝庫
 男性ネットの介護体験を「語る/聴く」「書く/読む」プログラムもこの傾聴だが、もっと深い意味を持っているのではないかと考えるようになった。関係づくりという傾聴効果だけでなく、その「語られた」「書かれた」内容そのものへの関心から」引用ここまで

より良い睡眠を助ける3つのリラクゼーションのテクニック 光と温度と。
2015年7月9日 18時0分ライフハッカー[日本版]

引用「ベッドに入ったとき、暑すぎたり寒すぎたりするだけでも、眠りに入りにくくなります。これに関しては、2つの対策があります。それは体温と寝室の温度の両方を最適化することです。
1.体温:体が眠る準備をすると、体温が自然に下がって眠気が出ます。これを促進するために、寝る60~90分前に、熱いお湯か、冷たい冷水のお風呂に入りましょう。極端な温度のお風呂には、メラトニンの生成と身体のリラックスを助けることが証明されています。熱いお風呂か、冷たいお風呂か、どちらが効果的かはあなた次第です。
 Tim Ferriss氏は自著『4-Hour Body』の中で、眠りにつく1時間前に、5分間氷風呂に入り、1.5~3ミリグラムのメラトニンを摂取すると、「象用麻酔と同じぐらい良く効く」と書いています。
2.寝室の温度:夜を暖かくすごすためには、ベッドのシーツや羽布団に頼るよりも、寝室の温度を自分にとって最適に設定したほうがよいです。国立睡眠財団が推奨しているのは、18.3Cですが、自分で一番合う温度を見つけてください。
 光をうまく利用する
 ベッドに行かなければならないとき、明るい光やスクリーンを見ると、頭がまだ昼間だと誤解してしまいます。これが視床下部(眠気を起こす役目をする脳の部分です)を刺激して、身体の昼夜のサイクルを司るメラトニンの生成を防ぎます。
 毎晩、最低30分間(理想的には2時間以上)の緊張をほぐす時間を取って、その間は完全にスクリーンから離れてください。電気が消えたら、消えたままにしておき、外が暗くなってきたら、スクリーンの明るさも落としましょう。夜中は一切電話をチェックするのはやめてください。ほんの数秒でも明るい光を見てしまうと、頭が起床する時間だと誤解してしまいます」引用ここまで

<関連資料 バックナンバー>
貧困・低所得・生活保護 : 社会福祉士受験支援講座・教員日記



新刊 当ブログ筆者が試験問題解説を執筆 
「2016社会福祉士国家試験過去問解説集 第25回─第27回全問完全解説」日本社会福祉士養成校協会編集 ISBN 978-4-8058-5161-6
 中央法規出版 2015年5月10日発行

 450問を選択肢ごとに詳しく解説し、科目別ポイントを収載。第27回を含む過去3年分の国家試験全問題を掲載した問題集。過去2年分も最新の制度や数値にアップデートし、次回試験に完全対応。基本の理解、実力試し、傾向対策、総復習で着実に学習効果を発揮。 中央法規出版


貧困問題と相談援助:当ブログ筆者講演の音声記録の一部を公開中

当ブログ筆者の論文 最新 「福祉施設職員のストレスケア サポーティブ研修プログラムの開発」
日本福祉教育専門学校 研究紀要第23巻1号 37頁から55頁 平成27年4月



ブログ閲覧中の社会福祉士国家試験受験生の皆様へ
<当ブログ筆者の社会福祉士 国家試験対策講座 模擬試験+ポイント解説>
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【社会福祉士養成校協会】全国統一模試+ポイント解説講座
講座は、東京会場と岡山会場をブログ筆者が担当
10月25日(日)東京会場
10月31日(土)岡山会場

お問い合わせは日本福祉大学名古屋オフィス 電話052-242-3069



ソーシャルワークのグローバル定義 解説 2014年 社会開発、社会的結束、集団的責任とは 講義レジュメ

講義レジュメ 家族による人権侵害、虐待からの回復、自尊感情、コミュニティエンパワメントとは 相談援助

講義レジュメ グループワークの援助関係、虐待連鎖、薬物依存症の回復、治療共同体アミティとは 相談援助

現代社会と福祉練習問題 ラロックプラン、メディケイド、生活保護法欠格条項、職権保護とは 自立援助ホーム


<進路検討中の皆様へ 当ブログ筆者の講義見学会>
当ブログ筆者のリアル授業見学会 相談援助の理論と方法 要予約
7/15(水)16:30から18:00

社会福祉士養成科トワイライトコースの授業見学を開催
お問い合せは 日本福祉教育専門学校 電話:0120-166-255


*日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成学科は、4年制大学卒業(見込)等の方々が対象の、1年制の社会福祉士の養成コースの昼間部(通学)です

日本福祉教育専門学校 公式チャンネル - YouTube



レポート 第12回 敬心学園学術研究会が開催されました
当ブログ筆者(社会福祉士養成学科学科長)は座長として、「福祉」分科会を行いました。


当ブログ筆者の「学生のメンタルヘルス公開講座」のレポート
学生ピアサポート活動の留意点




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