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<   2013年 08月 ( 13 )   > この月の画像一覧

<皆様へお知らせ>
貧困問題と相談援助・社会福祉士の仕事説明会・相談会
9/5(木)18時から19時半
担当:当ブログ筆者(社会福祉士養成学科専任講師)
会場:日本福祉教育専門学校高田校舎


*相談援助の専門職=社会福祉士の仕事の実際<貧困・低所得者支援編>
・20年間、貧困問題に取り組み続けてきた当ブログ筆者(社会福祉士、本校専任講師)が、貧困に対する相談援助を中心に、社会福祉士の仕事の実際について解説します。

 当日は、社会福祉士の就職や、社会福祉士養成学科・養成科とカリキュラムについても説明し、これらに関するご相談も受け付けます。
 テーマにに関心をお持ちの皆さま、お気軽にご参加ください!!

日時:2013年9月5日(木)18時から19時半
会場:日本福祉教育専門学校 高田校舎
 JR山手線・東京メトロ東西線・西武新宿線「高田馬場駅」下車徒歩7分
 東京都豊島区高田3-6-15

参加費:無料(どなたでも参加できます)

<お問い合わせ・参加予約先> 
 学校法人敬心学園 日本福祉教育専門学校
 電話:0120-166-255
予約フォーム:貧困問題と相談援助 日本福祉教育専門学校


<日本福祉教育専門学校 高田馬場校舎 交通アクセス>
JR山手線・東京メトロ東西線・西武新宿線「高田馬場駅」徒歩7分
 案内図です

日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成学科・養成科
*日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成学科は、4年制大学卒業(見込)等の方々が対象の、1年制の社会福祉士の養成コースの昼間部です
 社会福祉士養成科は、4年制大学卒業(見込)等の方々が対象の、1年制の社会福祉士の養成コースの夜間部(2コース)です


*社会福祉士とは
  「社会福祉士及び介護福祉士法」により定められた、相談援助、運営管理等、ソーシャルワークに携わる専門職の国家資格です。
 各種の相談機関、福祉行政機関、福祉施設・団体、医療機関などにおいて,専門的知識と技術をもって,福祉サービス利用者の相談援助や,グループワーク、施設の運営管理、地域福祉活動等を行なう社会福祉専門職です。
 社会福祉士は、子ども、コミュニティ、障害者、貧困、女性、高齢者、更生保護等、多岐にわたる領域で、相談援助等の実務を担っています。
社会福祉士及び介護福祉士法


第26回 社会福祉士国家試験の施行について 報道発表資料・厚生労働省
抜粋:第26回「社会福祉士国家試験」の実施について官報で公告しましたので、その概要をお知らせします。概要(1)試験期日 平成26年1月26日(日) 略
低所得者に対する支援と生活保護制度
 重要ポイント9

<社会福祉士・精神保健福祉士国家試験受験対策夏期講習 共通科目>
 第26回社会福祉士試験対策・今日覚えるポイント


◆生活扶助基準の改定方式の変遷
*最低生活費とは

・最低限度の生活を営むのに必要な生活費のことであり,生存ぎりぎりの水準と生活を再生産できる水準,そして人並みの生活様式や社会保障・社会福祉制度などを享受できる水準のいずれを「最低生活基準」(minimum standard of living)として採用するかによって,その金額は変わってくる。

 最低生活費は,マーケット・バスケット方式やエンゲル方式などの算定方式を用いて算出され,公的扶助の基準の設定の参考にされてきた。

(1) 標準生計費方式(昭和21年~22年)
*当時の経済安定本部が定めた世帯人員別の標準生計費を基に算出し、生活扶助基準とする方式。

(2) マーケットバスケット方式・昭和23~35
*最低生活を営むために必要な飲食物費や衣類、家具什器、入浴料といった個々の品目を一つ一つ積み上げて最低生活費を算出する方式。

・イギリスの貧困研究者のラウントリーによって考案された方法に起源をもつ。
 わが国では,旧生活保護法時代の1948年の第8次改訂時に,同年2月に実施した被保護者全国一斉調査を参考に,標準5人世帯の最低生活費の基準として用いられた。標準家族の生活費は,国立栄養研究所の栄養要求量をもとに飲食物費を決定し,そのほかの住居,被服,保健衛生,雑費を必要費目としてその金額を合計し算定したものである。

(3) エンゲル方式(昭和36年~39年)
*栄養審議会の答申に基づく栄養所要量を満たし得る食品を理論的に積み上げて計算し、別に低所得世帯の実態調査から、この飲食物費を支出している世帯のエンゲル係数の理論値を求め、これから逆算して総生活費を算出する方式。
・1961年から導入された最低生活費の算定方式。総収入のなかで飲食物費の割合を示すエンゲル係数を最低生活費の算定に応用したものである。方法は,マーケット・バスケット方式と同様に栄養審議会の標準的栄養所要量を満たす飲食物費を理論計算し,低所得者の家計調査から同様の支出の世帯のエンゲル係数で割り戻して生活費を算定する。

(4) 格差縮小方式(昭和40年~58年)
*一般国民の消費水準の伸び率以上に生活扶助基準を引き上げ、結果的に一般国民と被保護世帯との消費水準の格差を縮小させようとする方式。
・1964年,中央社会福祉審議会生活保護専門分科会の中間報告において,一般世帯と生活保護世帯の消費支出の格差を縮小する必要性が示され,エンゲル方式に代わって新たに導入された。格差縮小割合の算出方法は,経済企画庁(当時)の個人消費支出の予測(民間最終消費支出の伸び率)を参考に,これに格差縮小分を加えて生活扶助基準の改定率を決定した。

(5) 水準均衡方式(昭和59年~現在)
*当時の生活扶助基準が、一般国民の消費実態との均衡上ほぼ妥当であるとの評価を踏まえ、当該年度に想定される一般国民の消費動向を踏まえると同時に、前年度までの一般国民の消費実態との調整を図るという方式。

・格差縮小方式による生活扶助基準の算定は,「一般国民の消費実態との均衡上ほぼ妥当な水準に達した」という見解を示した中央社会福祉審議会の意見具申により,1984年に新たな最低生活費の算定方式として水準均衡方式が導入された。
 具体的には,当該年度と前年度までに想定される一般国民の消費動向(政府の民間最終消費支出)をもとに,一般世帯との均衡状態を保つための調整を行い,これをもとに生活扶助基準の改定率を決めようとする方式である。

 最低生活水準とはいかなるものか,という科学的合理的究明が弱まり,たとえば現在の水準均衡方式も,なぜ一般世帯の消費水準の約66%程度で最低生活水準が維持されるのかということも課題として残っている。
*エンゲル方式以降の算定方式は,いずれも立案者の裁量の余地を認めたものとなっている。しかもこのようなことを可能にした理由は,生活保護基準が厚生大臣の告示となっているために国会での審議もされないから,比較的簡単に算定方式の変更ができたことに求めることができる。

<用語解説>
*貧困

 貧困という用語は,人々の生活における何らかの「受け入れがたい欠乏」を意味する(後述)

*貧困線
 貧困の把握や測定に用いる基準の一つである(後述)

* ラウントリーRowntree, Benjamin Seebohm (1871-1954)
 イギリスの社会調査家(後述)

*第一次貧困/第二次貧
 ラウントリーが,『貧乏――地方都市生活の研究』(1901)で,貧困層の量だけでなく質を把握するために用いた,貧困の区分(後述)

*絶対的貧
 ラウントリーの貧困線のような,衣食住などの基本的なニーズを中心に考えた貧困の基準をさす(後述)

*相対的剥
 貧困を人並みの生活に近い水準で認識するためにタウンゼントが考えた概念。

<確認問題>
問題 次のイギリスにおける社会福祉・社会保障制度の発展に関する諸説のうち,誤っているものを一つ選びなさい


1 マルサス(Malthus,T.)は,『人口の原理』(初版)において,貧困救済は救貧費を増大させるだけでなく家族の絆や労働者の自助努力を損ねさせるとして,救貧法に反対した。
2 ラウントリー(Rowntree,B.)は,『貧困:都市生活の研究』において,ヨーク市の全人口の約3割が貧困状態にあることを明らかにし,貧困問題を社会問題として認識させる契機の一つとなった。
3 シドニー・ウエッブ(Webb,S.)とべアトリス・ウエッブ(Webb,B.)は,『産業民主制論』において,産業社会の発展のため,社会福祉に関する国家の関与,介入を否定し,企業の社会貢献,市民のボランティア活動により福祉国家を形成すべきだと提唱した。
4 ケインズ(Keynes,J.)は,『雇用・利子及び貨幣の一般理論』において,経済市場に国家が積極的に介入を図るべきだという考え方に基づき,完全雇用政策などを提案した。
5 べヴァリッジ(Beveridge,W.)は,『社会保険及び関連サービス』に関する報告において,窮乏(Want),疾病(Disease),無知(Ignorance),不潔(Squalor),無為(Idleness)という5つの巨大な悪への攻撃に対する社会保障政策を構想した。

<貧困・生活保護関連資料 ブログ記事バックナンバー>
貧困・低所得・生活保護 : 社会福祉士受験支援講座・教員日記


地方自治法

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相談援助の理論と方法 17回講義レジュメ概要2 ソーシャルワーク援助契約の定義とは 8/7社会福祉士養成科 : 社会福祉士受験支援講座・教員日記

生活保護受給者を対象としたグループワーク ドヤ街「寿町」における実践報告と考察 当ブログ筆者の論文 : 社会福祉士受験支援講座・教員日記
 

*当ブログ筆者が試験問題の解説を執筆 下記の2冊
2014社会福祉士国家試験過去問解説集 第23回―第25回全問完全解説 中央法規出版
3,990円 (税込)ISBN:978-4-8058-3821-1
 最新第25回を含む、3年分の社会福祉士国家試験全問題を掲載し、一問ずつ解説した問題集。

2014精神保健福祉士国家試験過去問解説集 中央法規出版
3,990円 (税込) ISBN:978-4-8058-3822-8


*日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成学科は、4年制大学卒業(見込)等の方々が対象の、1年制の社会福祉士の養成コースの昼間部です。日本福祉教育専門学校 電話:0120-166-255

<皆様へお知らせ>
貧困問題と相談援助・社会福祉士の仕事の実際説明会
9/5(木)18時-19時半 日本福祉教育専門学校高田校舎
担当:当ブログ筆者(社会福祉士養成学科専任講師)

 20年間、貧困問題に取り組み続けてきた当ブログ筆者(社会福祉士、本校専任講師)が、貧困に対する相談援助を中心に、社会福祉士の仕事について解説します。関心をお持ちの皆様、ご参加下さい。(参加無料)
日本福祉教育専門学校 電話:0120-166-255

解答と解説:マルサス、ウェッブ夫妻、救貧法に関する王立委員会報告、貧困線、ラウントリー、
第一次貧困/第二次貧困、絶対的貧困、相対的剥奪とは 下記をクリック


More解答と解説:ウェッブ夫妻、救貧法に関する王立委員会報告、絶対的貧困、相対的剥奪とは等⇒⇒
低所得者に対する支援と生活保護制度
 重要ポイント8

<社会福祉士・精神保健福祉士国家試験受験対策夏期講習 共通科目>
 第26回社会福祉士試験対策・今日覚えるポイント

第3章 生活保護基準と最低生活保障水準
第1節 生活保護基準の考え方
>
*生活保護基
 生活保護基準とは、生活保護法によって保障すべき最低生活の水準を金額で示したものであり,扶助の種類ごとにさまざまな事情を考慮して詳細に決められている。
 生活保護法3条では,こうした基準が健康で文化的な水準であるべきことが保護の原理として主張された。また8条の「基準及び程度の原則」では,この基準額の決定は厚生労働大臣の権限に属し,さまざまな事情を考慮して決定すべきことなどを定めている。具体的には,「生活保護法による保護の基準」(昭和38年厚生省告示158号)として定められ,改正を重ねている。

*水準均衡方
 この生活保護の基準額は国が国民に保障する最低生活費ということになるが,その具体的な算定には,国民生活全体の動向との関連をどう考えるかという大きな論点が存在する。
 これまで,絶対的な必要額を積み上げたマーケット・バスケット方式,エンゲルの法則を利用して低所得世帯の消費動向の変化にリンクさせようとしたエンゲル方式,一般階層との格差是正を明確な政策目標とした格差縮小方式が採用された。
 現在は一般階層との格差の現状維持を目的とした水準均衡方式が採用されている。

◆生活保護基準について
*基準
・生活保護費は現在、内容別に8種類の扶助に分類され、細かく基準額が定められている。

・生活保護基準の設定に当たり,要保護者の所在地域を考慮し,「級地」という考え方を導入している。地域別に1級地-1から3級地―2まで、6地域(級地)に区分して基準額が定められている。

*級地の地域一覧 厚生労働省

・生活保護費は、被保護世帯が生活するために、最低限度必要な額(最低生活費)として、一カ月単位で基準額が定められている。収入がない場合には、この基準額(最低生活費)そのものが、保護費として支給される。収入がある場合には、最低生活費から収入を差し引いて、残りの不足分が支給される。

・生活保護法第8条では,「保護は厚生労働大臣の定める基準により測定した要保護者の需要を基とし,そのうち,その者の金銭及び物品で満たすことのできない不足分を補う程度において行うものとする。②前項の基準は,要保護者の年齢別,世帯構成別,所在地別その他保護の種類に応じて必要な事情を考慮した最低限度の生活の需要を満たすに十分なものであって,かつ,これを超えないものでなければならない。」と,保護の要否判定の方法と受けることのできる保護の程度に関する原則を示している。

・最低生活保障原理は,「健康で文化的な最低限度の生活」を保障することを生活保護の基本とすることであるが,その際重要なことは,1949年社会保障制度審議会勧告「生活保護制度の強化改善に関する件」でも強調された,「この制度の実施に要する必要にして十分な予算の計上」であり,つまり財政上の理由による最低生活保障の抑制の禁止(公的扶助3原則)であった。

*ナショナル・ミニマム
・保護基準は,生存権のセーフティネットの内容を構成するナショナル・ミニマムであるために,生活保護を利用している人たちにとってはもちろん,国民にとっても重要なものである。
 したがって保護基準の決定は厚生労働大臣が行うこととされているが,その決定の過程が重要となる。生存権保障の中身を規定する生活保護基準が,すべて国の裁量と判断で行われることになるために,国民の側からの異議申し立ては,不服申し立て制度によるほかないということになる。

・1957年に提訴された,朝日訴訟裁判は,当時の生活保護基準が憲法で保障された「健康で文化的な最低限度の生活」を保障していないとして争われたものであるが,この提訴の前の4年間,保護基準が実質的に据えおかれたままであったことがその発端であった。

<用語解説
■ナショナル・ミニマム
・国家がすべての国民に最低限の生活を保障すべきという理念。
(後述)

■生存権
・日本国憲法25条は,その第1項で「すべて国民は,健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と規定し,第2項で「国は,すべての生活部面について,社会福祉,社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」と規定する。この条項を一般的には「生存権」規定とよぶ。
(後述)

*参照テキスト:福祉士養成講座編集委員会『新版 社会福祉士養成講座 公的扶助論 第4版』等

生活保護法

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*当ブログ筆者が試験問題の解説を執筆 下記の2冊
2014社会福祉士国家試験過去問解説集 第23回―第25回全問完全解説 中央法規出版
3,990円 (税込)ISBN:978-4-8058-3821-1
 最新第25回を含む、3年分の社会福祉士国家試験全問題を掲載し、一問ずつ解説した問題集。

2014精神保健福祉士国家試験過去問解説集 中央法規出版
3,990円 (税込) ISBN:978-4-8058-3822-8



*日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成学科は、4年制大学卒業(見込)等の方々が対象の、1年制の社会福祉士の養成コースの昼間部です。日本福祉教育専門学校 電話:0120-166-255

日本福祉教育専門学校 オープンキャンパス
8/31(土)13:20から15:30 日本福祉教育専門学校本校舎

 相談援助の専門職=社会福祉士になるには。社会福祉士の資格と就職、学科のカリキュラムや特徴について、その概要を、当ブログ筆者(本校専任講師、社会福祉士)がご説明します(学科説明にて)。

第26回 社会福祉士国家試験の施行について 報道発表資料・厚生労働省
抜粋:第26回「社会福祉士国家試験」の実施について官報で公告しましたので、その概要をお知らせします。概要(1)試験期日 平成26年1月26日(日) 略

*用語解説は下記をクリック


More *用語解説 ⇒⇒⇒
低所得者に対する支援と生活保護制度
 重要ポイント7

<社会福祉士・精神保健福祉士国家試験受験対策夏期講習 共通科目>
 第26回社会福祉士試験対策・今日覚えるポイント

第6節 不服申立てと訴訟
*不服申立て(不服審査請求)とは、保護の決定その他の処分について不服がある場合、被保護者などの請求に基づいて必要な審査を行い、その権利又は利益を救済する制度である。

*福祉事務所が行った保護の決定処分に不服がある場合、まず都道府県知事に審査請求を行い、その裁決に不服がある場合は厚生労働大臣に再審査請求を行うことができる。また、これらの裁決を経たあとでなければ(行政)訴訟を提起することができない、「審査請求前置主義」(第69条)がとられている。

*審査内容
①保護の適否、種類、程度及び方法の決定に関する処分
②保護の変更、停止又は廃止の決定に関する処分
③保護の申請却下に関する処分(保護の申請をして30日以内に通知を受けなかった場含も含む)その他

*講求の方法 
 正副2通の不服申立書を作リ、都道府県庁(の担当部署)又は福祉事務所に提出する。

*請求期間
 処分のあったことを知った日の翌日から60日以内(やむを得ない理由によリ期間内に請求できなかった場合を除く)。なお、審査請求に対する知事の採決に不服のある人は、厚生労働大臣に再審査請求をすることができる(裁決かあったことを知った日の翌日から30日以内)。
 都道府県知事は50日、厚生労働大臣は70日の裁決をすべき期問が定められており、この期問内に裁決がなければ、請求が棄却されたものとして、次の段階に移ることができる。

◆不服審査請求制度への期待
 生活保護法第9章(第64~69条)では、不服申立て制度が規定されている。要保護者の権利を実質的に担保すると同時に、保護実施機関に可能なかぎり適正な保護を行わせる効果も期待されている。旧生活保護法までは欠格条項があり、被保護者の権利義務について明確な規定がなかったが、現生活保護法では世界的にも進んだ規定となっている。旧法で問題点が指摘されていたのが、新法に反映された。

<生活保護法の該当条文抜粋>
第九章 不服申立て
(審査庁)
第六十四条  第十九条第四項の規定により市町村長が保護の決定及び実施に関する事務の全部又は一部をその管理に属する行政庁に委任した場合における当該事務に関する処分についての審査請求は、都道府県知事に対してするものとする。

(裁決をすべき期間)
第六十五条  厚生労働大臣又は都道府県知事は、保護の決定及び実施に関する処分についての審査請求があつたときは、五十日以内に、当該審査請求に対する裁決をしなければならない。
2  審査請求人は、前項の期間内に裁決がないときは、厚生労働大臣又は都道府県知事が審査請求を棄却したものとみなすことができる。

(再審査請求)
第六十六条  市町村長がした保護の決定及び実施に関する処分又は市町村長の管理に属する行政庁が第十九条第四項の規定による委任に基づいてした処分に係る審査請求についての都道府県知事の裁決に不服がある者は、厚生労働大臣に対して再審査請求をすることができる。
2  前条第一項の規定は、再審査請求の裁決について準用する。この場合において、同項中「五十日」とあるのは、「七十日」と読み替えるものとする。
第六十七条  削除
第六十八条  削除

(審査請求と訴訟との関係)
第六十九条  この法律の規定に基づき保護の実施機関がした処分の取消しの訴えは、当該処分についての審査請求に対する裁決を経た後でなければ、提起することができない。

<確認問題>
問題 生活保護の不服申立てに関する次の記述のうち,正しいものを一つ選びなさい。

1 行政庁は,審査請求若しくは異議申立てをすることができる処分をする場合には,処分の相手方に対し,不服申立てすべき行政庁,不服申立てをすることができる期間を口頭又は文書で必要に応じ教示することになっている。
2 審査請求の手続には,口頭審査主義の原則が採用され,処分庁および審査請求人の口頭意見陳述を基に審査が行われる。
3 審査請求に対して,50日以内に裁決がなされない場合は,審査請求人は審査請求が認容されたとみなすことができる。
4 市町村長がした保護の決定及び実施に関する処分等に係る審査請求についての都道府県知事の裁決に不服のある者は,厚生労働大臣に対して再審査請求をすることができる。
5 生活保護法に基づき保護の実施機関がした処分の取消しの訴えは,当該処分についての再審査請求に対する裁決を経た後でなければ提起することができない。
(問題ここまで)


*参照テキスト:福祉士養成講座編集委員会『新版 社会福祉士養成講座 公的扶助論 第4版』等

生活保護法

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低所得者に対する支援と生活保護 要点6 受給者・被保護者の権利と義務、費用返還義務、不利益変更禁止とは : 社会福祉士受験支援講座・教員日記

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*当ブログ筆者が試験問題の解説を執筆 下記の2冊
2014社会福祉士国家試験過去問解説集 第23回―第25回全問完全解説 中央法規出版
3,990円 (税込)ISBN:978-4-8058-3821-1
 最新第25回を含む、3年分の社会福祉士国家試験全問題を掲載し、一問ずつ解説した問題集。

2014精神保健福祉士国家試験過去問解説集 中央法規出版
3,990円 (税込) ISBN:978-4-8058-3822-8



*日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成学科は、4年制大学卒業(見込)等の方々が対象の、1年制の社会福祉士の養成コースの昼間部です。日本福祉教育専門学校 電話:0120-166-255
夏期休暇期間の校舎閉館について 日本福祉教育専門学校

<卒業生・在校生・一般の皆様>
ソーシャルワーク実践研究会・卒業生現場報告
日時:2013年8月17日(土)14:30から16:00
会場:日本福祉教育専門学校 高田校舎
テーマ:指定管理者制度と社会福祉士の実践

 今回は、指定管理者の受託の実際等について、社会福祉士養成学科の卒業生の実践に基づく報告です。当ブログ筆者も参加します。テーマに関心をお持ちの皆様、これから社会福祉士をめざす方もご参加下さい。
 参加無料、一般公開。参加申し込みは不要です。  

第26回 社会福祉士国家試験の施行について 報道発表資料・厚生労働省
抜粋:第26回「社会福祉士国家試験」の実施について官報で公告しましたので、その概要をお知らせします。概要(1)試験期日 平成26年1月26日(日) 略

*解答は下記をクリック


More *解答 ⇒⇒⇒⇒⇒⇒
<卒業生・在校生・一般の皆様にお知らせ>
ソーシャルワーク実践研究会<卒業生 現場報告会>
今回のテーマ:指定管理者制度と社会福祉士の実践
 日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成学科・養成科等
 日時:2013年8月17日(土)14:30から16:00(終了予定)
 会場:日本福祉教育専門学校 高田校舎(旧:高田馬場校舎)
 これから社会福祉士をめざす方々もご参加下さい。参加無料、一般公開。


 今回のテーマ:指定管理者制度と社会福祉士の実践
 今回は、指定管理者の受託等について、社会福祉士養成学科の卒業生の実践に基づく報告を予定しています。指定管理者制度とは、公の施設の管理運営を、地方公共団体が指定した民間事業者(法人・団体)が代行する制度です。社会福祉士の職域の拡大、実践の多様化にも繋がると考えられます。
 ソーシャルワーク実践研究会は、社会福祉士養成学科・養成科等の卒業後の学びとフォロー、交流の集まりです。
 毎回さまざまなテーマで、卒業生の社会福祉士からの実践報告・現場レポートや、ディスカッションなどを行なっています。また、卒業生と在校生、教員、参加者との交流の場となっています。
 ソーシャルワーク実践研究会は、在校生はもちろん、社会福祉に関心をお持ちの一般の皆様の参加も歓迎です。
 当ブログ筆者(本校専任講師)も参加します
 参加申し込みは不要です。皆様の参加をお持ちしています。お気軽にお越し下さい

日時:2013年8月17日(土)14:30から16:00(終了予定)
会場:日本福祉教育専門学校 高田校舎(旧高田馬場校舎)
 JR山手線・東京メトロ東西線・西武新宿線「高田馬場駅」下車徒歩7分
 東京都豊島区高田3-6-15

参加費:無料(どなたでも参加できます、参加申し込みは不要です)

<お問い合わせ先> 
 学校法人敬心学園 日本福祉教育専門学校
 電話:0120-166-255


<日本福祉教育専門学校 高田馬場校舎 交通アクセス>
JR山手線・東京メトロ東西線・西武新宿線「高田馬場駅」徒歩7分
 案内図です

日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成学科・養成科
*日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成学科は、4年制大学卒業(見込)等の方々が対象の、1年制の社会福祉士の養成コースの昼間部です
 社会福祉士養成科は、4年制大学卒業(見込)等の方々が対象の、1年制の社会福祉士の養成コースの夜間部(2コース)です


1年制の学科で「日本学生支援機構奨学金」が利用できるようになりました。 日本福祉教育専門学校
・社会福祉士養成学科(昼間部1年)、社会福祉士養成科(夜間部1年)等。


*社会福祉士とは
  「社会福祉士及び介護福祉士法」により定められた、相談援助、運営管理、グループワーク等、ソーシャルワークに携わる専門職の国家資格です。
 各種の相談機関、福祉行政機関、福祉施設・団体、医療機関などにおいて,専門的知識と技術をもって,福祉サービス利用者の相談援助や,グループワーク、施設の運営管理、地域福祉活動等を行なう社会福祉専門職です。
 社会福祉士は、子ども、コミュニティ、障害者、貧困、女性、高齢者、更生保護等、多岐にわたる領域で、相談援助、社会貢献等の実務を担っています。
社会福祉士及び介護福祉士法

<皆様へお知らせ>
貧困問題と相談援助・社会福祉士の仕事説明会
9/5(木)18時-19時半
担当:当ブログ筆者(社会福祉士養成学科専任講師)
日本福祉教育専門学校高田校舎

 20年間、貧困問題に取り組み続けてきた当ブログ筆者(社会福祉士、本校専任講師)が、貧困に対する相談援助を中心に、社会福祉士の仕事について解説します。関心をお持ちの皆様、ご参加下さい。(参加無料)
日本福祉教育専門学校 電話:0120-166-255

低所得者に対する支援と生活保護制度
 重要ポイント6

<社会福祉士・精神保健福祉士国家試験受験対策夏期講習 共通科目>
 第26回社会福祉士試験対策・今日覚えるポイント

被保護者の権利及び義務
*不利益変更の禁止(第56条)

・生活保護法第56条では、一度なされた保護の決定について、相当の理由がないかぎり不利益になる変更は許されない「不利益変更の禁止」が定められている。保護機関の裁量など窓意的な変更は許されない。

*公課禁止(第57条)、差押禁止(第58条)
・生活保護法第57条と第58条では、公課禁止と差押禁止が明示されている。最低限度の生活である以上、論理的にも租税の余地はないし、民事上の債務から保護金品を保障するためにも必要な規定である。

*譲渡禁止(第59条)
・一方、被保護者の義務としては、第59条で、保護を受ける権利は一身専属権で、第三者に譲渡できるものではないことを明示している。

*生活上の義務(第60条)
・また、第60条では、被保護者の生活の維持・向上に努める勤労と節約という生活上の義務を規定している。直接的な制裁規定はないが、保護機関の指導指示に従わない場合は、保護の変更、停廃止がなされる場合もある。

*届出の義務(第61条)
・第61条では、被保護者の収入などに変動があった場合は速やかに保護実施機関に届け出る義務を課している。

*費用返還義務(第63条)
・被保護者に資力があるにもかかわらず、急迫した事情で保護を受けた場合は、第63条で費用を返還する義務を課している。

*指示などに従う義務(第62条)
・第62条で被保護者は原則として保護実施機関の指示に従う義務があり、従わない場合は被保護者に弁明の機会を与えたうえで、実施機関は保護の変更、停廃止を行うことができるとしている。被保護者の自由を尊重すべきことも規定されているが、保護実施機関の指導指示権限がぎりぎりのところで上回っているといえる。

<生活保護法・抜粋>
第八章 被保護者の権利及び義務
(不利益変更の禁止)
第五十六条  被保護者は、正当な理由がなければ、既に決定された保護を、不利益に変更されることがない。

(公課禁止)
第五十七条  被保護者は、保護金品を標準として租税その他の公課を課せられることがない。

(差押禁止)
第五十八条  被保護者は、既に給与を受けた保護金品又はこれを受ける権利を差し押えられることがない。

(譲渡禁止)
第五十九条  被保護者は、保護を受ける権利を譲り渡すことができない。

(生活上の義務)
第六十条  被保護者は、常に、能力に応じて勤労に励み、支出の節約を図り、その他生活の維持、向上に努めなければならない。

(届出の義務)
第六十一条  被保護者は、収入、支出その他生計の状況について変動があつたとき、又は居住地若しくは世帯の構成に異動があつたときは、すみやかに、保護の実施機関又は福祉事務所長にその旨を届け出なければならない。

(指示等に従う義務)
第六十二条  被保護者は、保護の実施機関が、第三十条第一項ただし書の規定により、被保護者を救護施設、更生施設若しくはその他の適当な施設に入所させ、若しくはこれらの施設に入所を委託し、若しくは私人の家庭に養護を委託して保護を行うことを決定したとき、又は第二十七条の規定により、被保護者に対し、必要な指導又は指示をしたときは、これに従わなければならない。
2  保護施設を利用する被保護者は、第四十六条の規定により定められたその保護施設の管理規程に従わなければならない。
3  保護の実施機関は、被保護者が前二項の規定による義務に違反したときは、保護の変更、停止又は廃止をすることができる。
4  保護の実施機関は、前項の規定により保護の変更、停止又は廃止の処分をする場合には、当該被保護者に対して弁明の機会を与えなければならない。この場合においては、あらかじめ、当該処分をしようとする理由、弁明をすべき日時及び場所を通知しなければならない。
5  第三項の規定による処分については、行政手続法第三章 (第十二条及び第十四条を除く。)の規定は、適用しない。

(費用返還義務)
第六十三条  被保護者が、急迫の場合等において資力があるにもかかわらず、保護を受けたときは、保護に要する費用を支弁した都道府県又は市町村に対して、すみやかに、その受けた保護金品に相当する金額の範囲内において保護の実施機関の定める額を返還しなければならない。

<確認問題>
問題 生活保護法にもとづく助言指導等に関する次の記述のうち,適切なものを一つ選びなさい。
1 要保護者が利用し得る資源の活用を忌避していると認められる場合,助言指導を行うまでもなく,申請を却下する。
2 要保護者から保護の申請が行われた場合,保護を開始する者に限り,保護を受ける権利と義務等について助言指導を行う。
3 保護受給中における指導指示は,被保護者の権利を侵害することがあってはならないので,被保護者の求めがあった場合に限り行うことができる。
4 保護受給中における指導指示は,記録化する観点から,口頭ではなく文書で行うことを原則としている。
5 保護停止中の被保護者についても,その生活状況の経過を把握し,必要と認められる場合は,生活の維持向上に関し適切な助言指導等を行う。
(問題ここまで)


*参照テキスト:福祉士養成講座編集委員会『新版 社会福祉士養成講座 公的扶助論 第4版』等
生活保護法

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*当ブログ筆者が試験問題の解説を執筆 下記の2冊
2014社会福祉士国家試験過去問解説集 第23回―第25回全問完全解説 中央法規出版
3,990円 (税込)ISBN:978-4-8058-3821-1
 最新第25回を含む、3年分の社会福祉士国家試験全問題を掲載し、一問ずつ解説した問題集。

2014精神保健福祉士国家試験過去問解説集 中央法規出版
3,990円 (税込) ISBN:978-4-8058-3822-8



*日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成学科は、4年制大学卒業(見込)等の方々が対象の、1年制の社会福祉士の養成コースの昼間部です。日本福祉教育専門学校 電話:0120-166-255
夏期休暇期間の校舎閉館について 日本福祉教育専門学校

<卒業生・在校生・一般の皆様>
ソーシャルワーク実践研究会・卒業生現場報告
日時:2013年8月17日(土)14:30から16:00
会場:日本福祉教育専門学校 高田校舎
テーマ:指定管理者制度と社会福祉士の実践

 今回は、指定管理者の受託の実際等について、社会福祉士養成学科の卒業生の実践に基づく報告です。当ブログ筆者も参加予定。テーマに関心をお持ちの皆様、これから社会福祉士をめざす方もご参加下さい。
 参加無料、一般公開。参加申し込みは不要です。  

第26回 社会福祉士国家試験の施行について 報道発表資料・厚生労働省
抜粋:第26回「社会福祉士国家試験」の実施について官報で公告しましたので、その概要をお知らせします。概要(1)試験期日 平成26年1月26日(日) 略

*解答は下記をクリック


More *解答 ⇒⇒⇒⇒⇒
相談援助の理論と方法 第17回講義レジュメ概要1
 2013年8月7日 社会福祉士養成科(夜間部)にて

*ソーシャルワーク実践・現場・事例と理論との往復
・生活保護受給中の精神障害者を対象としたアウトリーチの事例から

 ある訪問の事例:日常では、虫も殺さぬような穏やかで、優等生のようにグループワークで振舞っているアルコール依存症の利用者が、訪問時は飲酒をした後であり、態度が豹変した。何者かに対して、一方的に怒ったり、捨て台詞等、同じ人間とは思えない。
 訪問は、様々な側面の理解をもたらし、全人的な支援のためには、必須の取り組みであろう。
 対象者の心理・内面を、その生活全体、環境への理解を深めるため、真に欲しているものは何か(つながり、人間的な交流、仲間、孤立の解消、信頼、暖かな家族関係等)を把握するために、訪問は有効である。

*接近困難なクライエント(多問題家族)へのアウトリーチ実践
・アウトリーチ実践は、接近困難、拒否的なクライエントに対しても、何度も対象者のもとに通い、気にかけていること、受容の姿勢を行動で伝える方策でもある。対象者が援助者に対し、「これまでの人とは違う」という実感を持つことが、支援の糸口となる。

*地域包括支援センターのアウトリーチ-調査から地域包括支援センターにおけるアウトリーチ実践の現状について。
 高齢者やその家族への直接的なアウトリーチに関しては積極的に行なわれているが,地域を対象にアウトリーチを実施している機関は少ないのが実状である。

*地域包括支援センターの地域連携・地域づくりの活動例
①広報活動:市民に相談機関の存在をアピールする。
②地域ケア会議の開催:関係者のカンファレンス実施。
③民生委員・児童委員、学区社会福祉協議会、各種関係機関等との連携
④出前講座、相談会の実施
⑤社会資源調査と情報発信
⑥実態把握活動
 詳細は講義にて。

7章2節 アウトリーチの方法と留意点 テキストP155~
<ポイント>

・アウトリーチの手法についての解説―ケース発見、サービスへの誤解を解き、拒絶を解消することから開始する。アウトリーチには、包括的アセスメントが必要とされる。また、バックアップ体制も必要となる。

1 援助過程とアウトリーチの具体的方法 テキストP155
*ケース発見
・クライエントレベルでの対応

 アウトリーチは、地域に出向き対象を発見する⇒対象を援助へと引き入れていく努力
・ケースは、自らの現状について問題意識をもっていないか、解決の動機づけに乏しい。
⇒現状を問題と感じるように促すことからはじめる必要がある。
・サービス利用への抵抗感がある場合もある。
⇒過去の否定的な被援助・拒絶体験や、誤解から生じていることもある。
・ワーカーは、これらの背景を理解し、受容的な対話により誤解を解き、問題解決の動機づけを高める働きかけを行なう。
・トロッター(C.Trotter)は、「ワーカーとクライエントの役割をクライエントが理解するように支援すること(正確な役割の明確化)、社会的にみて望ましいと思われる行動をクライエントがとることを示し、賞賛や何らかの心理的報酬によって強化していくこと(向社会的価値のモデリングと強化)、クライエントが定義した問題の解決に協働で取り組むことなどが有効」。

・システムレベルでの対応
・イギリスのケアマネジメントは、最初の段階を「情報の公開」と示している。
関連システムの、市民に対する広報・啓発が重要であり、市民のアクセス向上につながる。
・住民や関係機関による、ケース発見のネットワークを構築することも重要である。
接近困難なクライエント(多問題家族等)の早期発見・早期対応を可能にする重要な課題である。

*アセスメント
・情報収集と包括的なアセスメントが必要である。情報とは、心理・社会的、過去、内的世界の理解をもたらす情報などである。
・クライエントの関係者によるカンファレンスを開き、情報の共有と、共通理解を図ることも有効である。
・クライエントの家庭訪問(生活場面面接)は、生活の様子、戸外の都市環境、住宅の物理的環境、近隣関係の把握に有効である。

*モニタリング
 詳細は講義にて。

2 アウトリーチを行なうための留意点 テキストP158
*アウトリーチを可能にする要因

 座間によるアウトリーチを可能にする要因
①職員に対する要因
アウトリーチの必要性に対するワーカーの認識・力量、職員体制の課題。
②サービスに関する要因
クライエントの個別性に合わせた工夫、柔軟なサービス提供。
③組織的要因
ワーカーが資源活用に関する実質的な権限をもつ、他機関と積極的に連携をとる。
④地域の状況
ワーカー・機関と地域との関係の構築。

*アウトリーチ活動を行なうワーカーのバックアップ体制
・アウトリーチは、機関のバックアップ体制が不可欠である。
・アウトリーチを正当な業務として認める管理者・機関の姿勢が必要である。
・アウトリーチ・ワーカーは、成果の報告により、その必要性について理解を得ることに努める。

<補足>
・アウトリーチを実施できる体制の整備は、機関・施設の運営管理の課題である。

*参考:ACT Assertive Community Treatment
・「地域医療および各種生活支援を含めた包括的地域生活支援プログラム」と訳される。
 主に精神障害者の継続した地域生活を可能にするために考案されたプログラムで、24時間対応を前提に、精神科医・精神科看護師・精神保健福祉士等の他職種による協働チームが、退院後の精神障害者のケア(地域生活支援、社会復帰促進、再発予防のための訪問サービス、服薬管理、社会適応訓練など)を行う。
 治療とリハビリテーションの両面を併せ持ち、それを地域において提供することに主眼が置かれる。
・1970年代前半頃に、米国においてモデル事業が行われ、その後オーストラリア、イギリス、フィンランドなどで展開されている。
 欧米諸国の実践では、精神障害者の再入院が減少し、地域における定着率が高まった等の面からその有効性が評価されている。

・具体的には、実践においてケアマネジメントの技法を用い、支援プランに基づき、利用者のニーズや希望に即した包括的な支援をチームで提供する。
 ⇒精神科薬物治療、危機介入(生活危機を含む)、住居支援、家族支援、就労支援など
 入院時・入院中・退院時にも積極的に関与する。入院機関との緊密な連携の下、入院時にも利用者と関わる機会を得る。
 24時間365日対応を原則とする。必要に応じて高いサービス密度、頻度で関わる。
 ニーズがある限り支援を継続する。ACTへのニーズが解消された場合は、一般的な地域のサービスへ移行し、ACTプログラムを終了する。
 対面は、原則として地域の中でおこなわれる。
 利用者の長所、能力、環境の長所などに注目し、利用者の“リカバリー”のプロセスを尊重した、ストレングスモデルによる関わりを実践する。
 医療的な危機介入ばかりでなく、生活上の危機の支援にも積極的に取り組む
 家族のリカバリーも尊重した家族支援を積極的に行う。利用者の周囲の人々も支援の対象とする。

<当ブログ関連記事バックナンバー>
生活保護受給者を対象としたグループワーク ドヤ街「寿町」における実践報告と考察 当ブログ筆者の論文 : 社会福祉士受験支援講座・教員日記
 

*当ブログ筆者が試験問題の解説を執筆 下記の2冊
2014社会福祉士国家試験過去問解説集 第23回―第25回全問完全解説 中央法規出版
3,990円 (税込)ISBN:978-4-8058-3821-1
 最新第25回を含む、3年分の社会福祉士国家試験全問題を掲載し、一問ずつ解説した問題集。

2014精神保健福祉士国家試験過去問解説集 中央法規出版
3,990円 (税込) ISBN:978-4-8058-3822-8



*日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成学科は、4年制大学卒業(見込)等の方々が対象の、1年制の社会福祉士の養成コースの昼間部です。
第26回 社会福祉士国家試験の施行について 報道発表資料・厚生労働省
抜粋:第26回「社会福祉士国家試験」の実施について官報で公告しましたので、その概要をお知らせします。社会福祉士国家試験の概要 試験期日 平成26年1月26日(日) 略




貧困問題と相談援助・社会福祉士の仕事説明会
9/5(木)18時-19時半(実施済)
担当:当ブログ筆者(社会福祉士養成学科専任講師)
 20年間、貧困問題に取り組み続けてきた当ブログ筆者(社会福祉士、本校専任講師)が、貧困に対する相談援助を中心に、社会福祉士の仕事について解説しました。

<卒業生・在校生・一般の皆様にお知らせ>
ソーシャルワーク実践研究会<卒業生 現場報告会>
今回のテーマ:指定管理者制度と社会福祉士の実践
 日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成学科・養成科等
 日時:2013年8月17日(土)14:30から16:00(終了予定)
 会場:日本福祉教育専門学校 高田校舎(旧:高田馬場校舎)
 これから社会福祉士をめざす方々もご参加下さい。参加無料、一般公開。


 今回のテーマ:指定管理者制度と社会福祉士の実践
 今回は、指定管理者の受託等について、社会福祉士養成学科の卒業生の実践に基づく報告を予定しています。指定管理者制度とは、公の施設の管理運営を、地方公共団体が指定した民間事業者(法人・団体)が代行する制度です。社会福祉士の職域の拡大、実践の多様化にも繋がると考えられます。
 ソーシャルワーク実践研究会は、社会福祉士養成学科・養成科等の卒業後の学びとフォロー、交流の集まりです。
 毎回さまざまなテーマで、卒業生の社会福祉士からの実践報告・現場レポートや、ディスカッションなどを行なっています。また、卒業生と在校生、教員、参加者との交流の場となっています。
 ソーシャルワーク実践研究会は、在校生はもちろん、社会福祉に関心をお持ちの一般の皆様の参加も歓迎です。
 当ブログ筆者(本校専任講師)も参加予定です
 参加申し込みは不要です。皆様の参加をお持ちしています。お気軽にお越し下さい

日時:2013年8月17日(土)14:30から16:00(終了予定)
会場:日本福祉教育専門学校 高田校舎(旧高田馬場校舎)
 JR山手線・東京メトロ東西線・西武新宿線「高田馬場駅」下車徒歩7分
 東京都豊島区高田3-6-15

参加費:無料(どなたでも参加できます、参加申し込みは不要です)

<お問い合わせ先> 
 学校法人敬心学園 日本福祉教育専門学校
 電話:0120-166-255


<日本福祉教育専門学校 高田馬場校舎 交通アクセス>
JR山手線・東京メトロ東西線・西武新宿線「高田馬場駅」徒歩7分
 案内図です

日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成学科・養成科
*日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成学科は、4年制大学卒業(見込)等の方々が対象の、1年制の社会福祉士の養成コースの昼間部です
 社会福祉士養成科は、4年制大学卒業(見込)等の方々が対象の、1年制の社会福祉士の養成コースの夜間部(2コース)です


1年制の学科で「日本学生支援機構奨学金」が利用できるようになりました。 日本福祉教育専門学校
・社会福祉士養成学科(昼間部1年)、社会福祉士養成科(夜間部1年)等。


*社会福祉士とは
  「社会福祉士及び介護福祉士法」により定められた、相談援助、運営管理、グループワーク等、ソーシャルワークに携わる専門職の国家資格です。
 各種の相談機関、福祉行政機関、福祉施設・団体、医療機関などにおいて,専門的知識と技術をもって,福祉サービス利用者の相談援助や,グループワーク、施設の運営管理、地域福祉活動等を行なう社会福祉専門職です。
 社会福祉士は、子ども、コミュニティ、障害者、貧困、女性、高齢者、更生保護等、多岐にわたる領域で、相談援助、社会貢献等の実務を担っています。
社会福祉士及び介護福祉士法

<皆様へお知らせ>
貧困問題と相談援助・社会福祉士の仕事説明会
9/5(木)18時-19時半
担当:当ブログ筆者(社会福祉士養成学科専任講師)
日本福祉教育専門学校高田校舎

 20年間、貧困問題に取り組み続けてきた当ブログ筆者(社会福祉士、本校専任講師)が、貧困に対する相談援助を中心に、社会福祉士の仕事について解説します。関心をお持ちの皆様、ご参加下さい。(参加無料)
日本福祉教育専門学校 電話:0120-166-255

相談援助の理論と方法 前期第16回講義レジュメ・概要2
 2013年7月31日 日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成科(夜間部)にて

*ソーシャルワーク実践・現場・事例と理論との往復-日雇労働者・ホームレスへの民間支援・アウトリーチ活動

 また、従来から現在に至るまで、各地のホームレス・日雇労働者・ドヤ街等に共通する、医療・福祉領域の民間支援活動の三大領域がある。
1.「炊き出し」と呼ばれる給食活動-ある意味の緊急支援と、支援の情報提供・入口の役割もある。
2.「パトロール」と夜回り等と称せられる、ホームレスを嫌がらせ・襲撃や、「シノギ(モガキ)」と呼ばれる路上強盗から擁護し、アウトリーチ・安否確認の為の巡回支援。
3.医療福祉相談・支援活動。
 横浜のドヤ街「寿町」の、これらの支援体制と、年末年始期の「越冬活動」のスタイルが1973年12月に完成した。
 今日、民間支援活動もこれらに加えて、就労支援、福祉施設の運営等に事業を拡大している。

7章1節 アウトリーチの意義と目的・続き
2 アウトリーチとは テキストP151
・根本による狭義と広義のアウトリーチ。

 狭義のアウトリーチとは「客観的に見て援助が必要と判断される問題を抱え、社会的に不適応の状態にありながら、自発的に援助を求めようとしない対象者に対して援助機関・者側から積極的に働きかけ、その障害を確認し、援助を活用するように動機づけ、問題解決を促進する技法、その視点のこと」である。
 広義:①ニーズの掘り起こし、②情報提供、③サービス提供、④地域づくり等の過程における専門機関における積極的取り組みを含むものである。

*アウトリーチのポイント
・自ら援助を求めようとしないクライエントの動機づけを高め、サービス利用や問題解決を促す援助技術を含む。
・アウトリーチの対象は、自ら援助を求めようとしない個人だけでなく、(本来は)周囲の地域社会そのもの、関係機関までも含む。
・ネットワーク構築も含む。

3 アウトリーチを必要とする対象
・アウトリーチの対象とは、生活上の問題を抱えながらも、自ら援助にアクセスしない多問題家族などと呼ばれていた人々である。接近困難なクライエントと考えられていた。
・問題は複数、かつ慢性化
・社会的孤立状況
・強い不信感
・近年では、様々な問題により、専門職からの積極的なアプローチなくしては問題が解決されない人々の存在が指摘されている。

4 アウトリーチの担う機能 テキストP153
*ニーズの掘り起こし

・専門職のみでは困難であり、ニーズ発見のシステムが必要である。
 コミュニティにおける相互支援の活動。

*情報提供
・適切な情報の提供が必要とされる。誤った情報やサービスへの誤解があるならば、それを解き、利用を支援する。

*サービス提供
・クライエントの「変化への抵抗」に対し、信頼関係を構築し、状況を変えることへの動機付けを高める。サービスや専門職への拒絶を解消しなければ、サービス利用に結びつかない。

*地域づくり・地域住民とのつながりの構築と、地域と相談機関の関係づくりが課題となる。

<用語解説>
○解説:多問題家族 multiproblem family 

 社会福祉の各領域でみられる、心身の疾患や障害・問題行動・家族問題・生活困窮など複数の問題群をかかえた家族をいう。
 詳細は講義にて。

○解説:接近困難なクライエント
 略

○解説:民生委員
 略

○解説:児童委員
 詳細は講義にて。

生活保護法

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2014社会福祉士国家試験過去問解説集 第23回―第25回全問完全解説 中央法規出版
3,990円 (税込)ISBN:978-4-8058-3821-1
 最新第25回を含む、3年分の社会福祉士国家試験全問題を掲載し、一問ずつ解説した問題集。

2014精神保健福祉士国家試験過去問解説集 中央法規出版
3,990円 (税込) ISBN:978-4-8058-3822-8



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<卒業生・在校生・一般の皆様にお知らせ>
ソーシャルワーク実践研究会 卒業生現場報告 <一般公開>指定管理者制度と社会福祉士の実践
 日時:2013年8月17日(土)14:30から16:00(終了予定)
 会場:日本福祉教育専門学校 高田校舎(旧:高田馬場校舎)
 これから社会福祉士をめざす方々もご参加下さい。参加無料、一般公開。
 日本福祉教育専門学校 電話:0120-166-255

第26回 社会福祉士国家試験の施行について 報道発表資料・厚生労働省
抜粋:第26回「社会福祉士国家試験」の実施について官報で公告しましたので、その概要をお知らせします。
1.社会福祉士国家試験の概要
(1)試験期日  平成26年1月26日(日) 略

低所得者に対する支援と生活保護制度
 重要ポイント5

<社会福祉士・精神保健福祉士国家試験受験対策夏期講習 共通科目>
 第26回社会福祉士試験対策・今日覚えるポイント


生活保護法による保護施設
○保護施設の概要
*生活保護法は、居宅保護を原則としつつ,保護の目的を達成するために,補完的に保護施設を維持している。救護施設,更生施設,医療保護施設,授産施設,宿所提供施設の5種類の施設がある。
 救護施設を除く4種類の施設は,障害者施策などの他法の整備・拡充によりその数が減少してきた傾向がみられる。一方,救護施設は,他法の施設の入所待機者や他法の施設では受入れが困難とされる人々が利用し,施設数も増加の傾向がみられる。
 
*救護施設
 身体・精神上の著しい障害のため独立して日常生活を営めない要保護者を入所させる施設。
・「身体上又は精神上著しい障害があるために日常生活を営むことが困難な要保護者」のための生活扶助施設(38条2項)とされている。救護法による旧救護施設は,身寄りのない極貧者に対して限定的な院内救済を行う収容施設であったが,現在では,入所と通所によるサービスが実施され,重複障害等をもつために身体障害や精神障害等の各福祉法による施設になじまない者が多く利用している。
 救護施設は複合的な障害をもっていたり、長期入院していた精神障害者の退院先の受け皿などとして利用されている。

*更生施設
 身体・精神上の理由により養護・補導を必要とする要保護者を入所させる施設。
第38条3項 更生施設は、身体上又は精神上の理由により養護及び生活指導を必要とする要保護者を入所させて、生活扶助を行うことを目的とする施設とする。

*医療保護施設
 医療扶助の給付を行う施設。
・「医療を必要とする要保護者に対して,医療の給付を行うことを目的とする施設」(38条4項)とされている。救護法の時代から,医療費の負担能力のない行旅病人等に対して入院等の治療を実施する病院として機能しており,生活保護法による医療扶助が普及した現在でも,住所不定者等に対して寝具や日常生活用具を含めた包括的医療を提供できる施設として,一定の役割を果たしている。

*授産施設
 就業能力が眼られている要保護者のため就労または技能の習得のための機会・便宜を与える、通所施設。
・生活保護法による授産施設は,「就業能力の限られている要保護者に対して,就労又は技能の修得のために必要な機会及び便宜を与えて,その自立を助長することを目的とする施設」(38条5項)とされている。授産施設の数は減少の一途をたどっている。

*宿所提供施設
 住宅のない要保護者の世帯に住宅扶助を行う施設。
・「住居のない要保護者の世帯に対して,住宅扶助を行うことを目的とする施設」(38条6項)とされている。第二次世界大戦後の混乱の時代において,住居を失った者,海外からの引き揚げ者等に対して住居を提供してきたが,その後,住宅事情の改善によって施設数は激減している。現在では,精神障害者等が社会復帰する際の一時的な生活の場として利用されること等が多い。

<生活保護施設に関連する生活保護法の条文>
(都道府県、市町村及び地方独立行政法人の保護施設)
第四十条  都道府県は、保護施設を設置することができる。
2  市町村及び地方独立行政法人(地方独立行政法人法 (平成十五年法律第百十八号)第二条第一項 に規定する地方独立行政法人をいう。以下同じ。)は、保護施設を設置しようとするときは、あらかじめ、厚生労働省令で定める事項を都道府県知事に届け出なければならない。
(略)
4  都道府県及び市町村の行う保護施設の設置及び廃止は、条例で定めなければならない。

(社会福祉法人及び日本赤十字社の保護施設の設置)
第四十一条  都道府県、市町村及び地方独立行政法人のほか、保護施設は、社会福祉法人及び日本赤十字社でなければ設置することができない。
2  社会福祉法人又は日本赤十字社は、保護施設を設置しようとするときは、あらかじめ、左に掲げる事項を記載した申請書を都道府県知事に提出して、その認可を受けなければならない。
(略)

(指導)
第四十三条  都道府県知事は、保護施設の運営について、必要な指導をしなければならない。
2  社会福祉法人又は日本赤十字社の設置した保護施設に対する前項の指導については、市町村長が、これを補助するものとする。

(略 管理規程 改善命令等 報告の徴収及び立入検査 指導 等)

(保護施設の義務)
第四十七条  保護施設は、保護の実施機関から保護のための委託を受けたときは、正当の理由なくして、これを拒んではならない。
2  保護施設は、要保護者の入所又は処遇に当たり、人種、信条、社会的身分又は門地により、差別的又は優先的な取扱いをしてはならない。
3  保護施設は、これを利用する者に対して、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制してはならない。
(略)

<補足:生活保護施設>
*救護施設

 他の障害者等の福祉施設と異なり、身体障害・知的障害・精神障害といった障害の種類によって利用対象が規定されていない。混合収容型施設とも言えよう。
 救護施設には、身体障害(視覚障害、聴覚障害、肢体不自由など)、知的障害、精神障害、それらの障害を重複して持つ障害者、アルコール依存症など、多様な利用者が生活している。

*救護施設で実施しているサービス
*日常生活支援

 生活支援(ケア・介護)、健康管理、相談援助
*リハビリテーション的プログラム
 身体機能回復訓練、日常生活動作・生活習慣等の訓練
*自己実現の支援
 就労支援、作業活動、趣味・学習活動、レクリエーション
*地域生活の支援
 通所事業、居宅生活訓練事業、グループホームの運営、配食サービス、など

*解説:居宅生活訓練事業
(目的)
 救護施設において居宅生活に向けた生活訓練を行うとともに、居宅生活に移行可能な対象者のための訓練用住居(アパート、借家等)を確保し、より居宅生活に近い環境で実体験的に生活訓練を行うことにより、施設に入所している被保護者がスムーズに居宅生活に移行し、継続して居宅において生活できるよう支援することを目的とする。
(事業の対象者)
 生活保護法第38条に規定する救護施設に入所している者であって、6か月間の個別訓練を行うことにより、居宅において生活を送ることが可能であると認められる者
(訓練期間・対象人員)
 ○ 訓練期間:原則6か月間
 ○ 対象人員:1期3~5名
(訓練内容)
 ○ 日常生活訓練(食事、洗濯、金銭管理等)
 ○ 社会生活訓練(公共交通機関の利用、通院、買い物、対人関係の構築等)
○ その他、自立生活に必要な訓練

*保護施設通所事業
(目的)
 保護施設退所者を、保護施設に通所させて指導訓練等を実施し、又は職員が居宅等へ訪問して生活指導等を実施することで、居宅で継続して自立生活が送れるように支援するとともに、保護施設からの退所を促進し、施設定員の有効活用を図ることを目的とする。
(対象施設)
 生活保護法第38条に規定する救護施設又は更生施設
(事業内容)
 ○ 通所訓練:施設への通所による生活指導・生活訓練等又は就労指導・職業訓練等
 ○ 訪問指導:職員による居宅等への訪問による生活指導等
(事業の対象者)
 原則、保護施設の退所者であって、退所後引続き指導訓練等が必要と認められる者
(対象者の通所期間)
 施設退所後1年以内。ただし、延長が有効と認められる者については、更に1年の延長を認めている。

* サテライト型救護施設
 既存の救護施設(中心施設)の周辺における定員10名程度の小規模な施設(サテライト型施設)の設置

<確認問題>
問題 保護施設に関する次の記述のうち,誤っているものを一つ選びなさい


1 保護施設の種類は,救護施設,更生施設,医療保護施設,授産施設,宿所提供施設である。
2 保護施設を設置できるのは,都道府県,市町村及び地方独立行政法人のほか,社会福祉法人及び日本赤十字社だけである。
3 保護施設を設置した都道府県,市町村及び地方独立行政法人は,現に入所中の被保護者の保護に支障のない限り,その保護施設を廃止し,又はその事業を縮小し,若しくは休止することができる。
4 保護施設の長は,必要と認めるときは,その施設を利用する被保護者について,保護の変更,停止,又は廃止の措置を行うことができる。
5 保護施設は,保護の実施機関から保護のための委託を受けたときは,正当の理由なくして,これを拒んではならない。

生活保護法

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第26回 社会福祉士国家試験の施行について 報道発表資料・厚生労働省
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