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精神科医療と、新型コロナウイルス感染拡大
精神疾患・精神障害者も、地域生活において、もしくは精神科医療の場・精神病院で、新型コロナウイルスの脅威に晒されている。
 しかし問題はそれだけではない、社会的入院などが「何も変わっていない」のか】
 「社会的入院」とは、積極的な医学的治療は要しないが、地域生活の支援、ケア等の受け皿がないために、入院が継続することである。
 筆者も精神医療・精神科リハビリテーションに従事する一人のソーシャルワーカーでもあり、実感している現実だ。

 精神疾患のコロナ陽性患者の都内の入院先である<都立松沢病院コロナ専門病棟>の1年間密着ドキュメント=精神医療とコロナ
「ETV特集 精神科病院×新型コロナ ドキュメント」
「精神疾患があるが故,一般の病院で受け入れ困難とされた人達
 患者の声『社会に殺される』
 番組前半は、昨年,報道された,武蔵野中央病院(精神病院)の、新型コロナクラスターと、その支援にあたる都立松沢病院コロナ病棟。
 上記は、精神疾患の方の、新型コロナ患者の<いのちの最後の砦>と言えるだろう。

【番組後半、コロナが明らかにした、精神医療の根本的な問題に、踏み込んでいく】
1.「精神科病院でのコロナ感染、クラスター発生は、報道されず隠されている」看護師の証言
匿名の精神病院で発生した、百名を超えるクラスター。都立松沢病院に搬送されてきたコロナ患者は、骨にまで達する重度の床ずれがあった。
不適切な隔離。劣悪な処遇=「大部屋に詰めて布団が敷かれ、ポータブルトイレは部屋の中央に置かれた。囲いも何もなく、音も全て聞こえる中で排泄するしかなかった病棟」
・「精神科特例」=精神科のみ医師、看護師が少なくても良い特例が、クラスター発生と、その後の対処の問題の要因とも言えるだろう。

2.精神疾患の長期入院<精神病院と入院患者の二極化>
・「30年間の入院」=匿名の精神病院にしか居場所がない。帰る場所はない。
親なき後、きょうだいが面倒をみる。しかし、きょうだいなき後は、どうなるのか?拠りどころが無いという現実。
都立松沢病院「医療レベルが高い病院と付き合うことが多かったが、<日本の精神病院の標準は、長期入院に、隔離、古い病棟ではないのか>
・しかし、精神病院にしか居場所がない患者も少なくないのが現状であり「必要悪なのか」と苦悶する松沢病院のソーシャルワーカー。
 社会的入院では片付けられない、病棟にしか生きる場所がない人々。

3.精神病院の塀が守っているものとは、何か?
・日本精神科病院協会会長は「社会秩序だよ。私たちは保安も担っている」明言した。
塀のなかに、社会が見たくないものを閉じ込めていると、都立松沢病院の元院長。
精神病院に精神疾患・精神障害者は排除されている。塀は社会が見たくないものを隠蔽している。
しかし、精神病院の内にも、閉鎖されていても社会があり文化がある。そこで生活している人々がいる、物語がある。ただの場所ではない】
 いのちは平等で、医療も平等な日本のはずだが、コロナは矛盾を増幅した。
「何かが起きたときに、ひずみは 必ず脆弱な人のところにいく」
 管理的で閉鎖的な精神病院への社会的入院から、退院を促進し、地域精神医療・地域生活支援に移行していった「はずだった」。
 しかし、精神医療の基幹は変わっていないのか?



「東京都中から精神疾患のあるコロナ陽性患者を受け入れている都立松沢病院のコロナ専門病棟。
次々とクラスターが発生し、精神疾患があるが故に一般の病院での受け入れが困難とされた人たちが運び込まれる。
ここにカメラを据えると、受け入れを拒む家族、ひっ迫する医療体制の中で葛藤する医療者たち、行き届かない行政の指導の実態が見えてきた。コロナがあぶり出した日本の精神医療、その実態の記録」



【キッカケプログラム=全てオンライン・無料で学習プログラムの受講と、PC・WIFIも無償貸与 認定NPO法人カタリバ】
 PCやタブレットと、通信環境があれば、子どもの教育の「障壁」=都会に偏在した教育資源、親の経済力による機会や体験の格差、ハンディキャップも「バリアフリー」が図れます。
 <様々な生活・教育の困難の世代間連鎖の予防を図るために>
 また、ネットへの接続は、子どもが大人の理不尽な暴力、権利侵害から自分を護る「盾」にもなり得ます。諸刃の剣でもありますが。
 【バリアフリーと盾】を全ての子どもの手に!「キッカケプログラム」は、それを実現する有意義な事業だと私は考えます
 PCと通信環境へのアクセスの自由を、もし困窮世帯の子どもたちが手に出来ないとしたら、絵に描いた餅になり、新たな格差の拡大、世代間連鎖に繋がります。
<昨年度、拡散にご協力して下さった皆様、もう一度、お力添えを何卒よろしくお願い申し上げます!>
・ご縁がありました「認定NPO法人カタリバ」から【キッカケプログラム】の案内の配布・拡散を依頼されました。

<皆様のお知り合いの個人やご家族、グループ、施設に、お知らせ頂けますように、お願い申し上げます、下記、ご案内>
 認定NPO法人カタリバは、経済的困難を抱える家庭の高校生に無料のオンライン学習ツールやキャリアプログラムの提供を行っています!(PC・WIFIも無償貸与します)
 この度、高校生の枠を大幅に増加いたしましたので、ぜひ必要な方に届けたくご連絡させていただきました。
 以下にあてはまると思った方はぜひご検討ください。
・塾に通うことが金銭的に難しい
・将来の進路選択に不安があったり、それを相談できる人がいない
・部活や習い事など、本当はやりたいことがあるが金銭的に諦めている

<キッカケプログラムの概要>
*内容
【全てオンラインかつ無料】学習ツールの利用・キャリアプログラムの受講ができます!(PC・WIFIも無償貸与します)
*プログラム期間
 2021年9月中旬~3月(以降、継続申請により継続可)
※スケジュールは多少前後する可能性がございます。ご了承ください。
*申込期間
一次募集:6月15日(火)~7月31日(土)23:59
二次募集:8月1日(日)~8月21日(日)23:59
*応募対象家庭
・現在高校生で、ご自身の家庭が以下①~④いずれかに該当する方
①生活保護②非課税世帯③児童扶養手当④就学援助/高校生給付型奨学金

*こんな子におすすめ!
・塾に通うことが金銭的に難しい
→多くの塾に導入されているAI学習ツールを好きなだけ使って勉強することができます!
・将来の進路選択に不安があったり、それを相談できる人がいない
→週に1回、大学生や若手社会人のボランティアメンターが話を聞いてくれます!
・部活や習い事など、本当はやりたいことがあるが金銭的に諦めている
→プログラミング講座・英会話・イラスト講座などもあります!(上記AI教材含め、いずれか一つに限ります)

*応募方法

※応募条件を元に審査を行い、2021年8月下旬~9月上旬までに採用者を決定します。
*詳細は、添付の案内をご参照下さい。
【追記:紙の案内をご希望の方、ご連絡ください】
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ゴールデンウイーク連休中の、生活費や食事、住まいにお困りの方のための、相談窓口 全国版 行政・民間
GWの、各地の公的・民間の生活相談、食料支援、住まいの相談等をお知らせします【随時、更新中】
 連休中、福祉事務所等の公的相談機関は、お休みが多いのですが、
 GW期間の臨時相談窓口・メール相談を行っている行政機関、民間団体も各地にあります。
 生活にお困りの方、連休で誰にも相談できないと、あきらめる前に、ぜひ、お早めにご相談下さい。
 食事、収入、住まい、健康等、多様な生活の困りごとには、様々な民間、公的なサポートがあります。相談の内容によって、ご本人の希望に沿って、住居確保給付金等の公的支援に繋げる窓口もあります。
※詳細は、リンクからご確認ください。
【行政機関のGW臨時相談】
1.横浜市の、GW連休の相談窓口、電話・メールの相談も
 新型コロナウイルスの影響等により、生活にお困りの方の臨時相談窓口 5月1~5日
 「住居を失い寝泊まりする場所がない方に、宿泊場所と食事を提供
 生活保護、住居確保給付金の申請のご希望があった場合は、申請書類を受け付けます」
 詳細

2.江戸川区の連休臨時相談 電話・メール
くらしごと相談、生活保護相談
 ゴールデンウィーク中、生活に困窮されている方の臨時相談をお受けします。
 5月1日から5日 午前9時から午後5時
 相談方法:電話またはメール
 専用電話03-5662-8169
 メール相談は下記に

3.豊島区の臨時相談窓口
「5月3日(祝、月)~5月5日(祝、水)は下記の場所・時間において臨時窓口を開設します。
  【場所】豊島区役所1階 センタースクエア
  【時間】午後1時~午後5時15分」

4.大阪市のの電話窓口
生活に困窮し、連休期間中に食料や住む場所を確保することができない方のお問合せ先
5月1日から5月5日 午前9時から午後4時
福祉局自立支援課緊急支援担当
電話 06-6208-9923
お問い合わせに対応します」

<他、新宿区等の行政機関が、GW連休中の臨時相談を行っています>

【公的な相談窓口】
5.東京都の連休臨時生活相談
TOKYOチャレンジネット、5月3日臨時開所
 東京都は、ネットカフェ等で寝泊まりしながら不安定な就労に従事している方や離職されている方に対して、
 サポートセンターを設置し、生活支援、居住支援、就労支援、資金貸付相談等を実施しております」
詳細

【民間の相談等のサポート】一部を情報提供
「5/2(日)~5/5(水) 時間:11:00-17:00
 連絡先:050-3613-9821(5/2~5/5のみ) 相談窓口もあります。
 ひとつでも当てはまる方は気軽に相談してください。
 住まいがない、なくなりそう/寮をでないといけない
 家賃を滞納していて、払える見込みがない
 ネットカフェ等24時間営業店舗で過ごしている
 仕事を探しているが、なかなか見つからない
 新型コロナの影響で生活が苦しくなったが、どこに相談していいかわからない
 所持金が10万円を切っていて、今後の収入も期待できない
 家を借りたいが、お金がない、保証人がいないので借りられない」
 
 「ゴールデンウィークに住む部屋がなくどうしようとお悩みの方、私たちにご相談ください。
 家電寝具の揃ったワンルームマンションに即日入居出来ます。
 生活保護受給までの食料支援もございます。
 ゴールデンウィークは生活困窮されている人達にとっては死活問題の週間です。
 一人でもお部屋がない状況から脱するお手伝いを連休中も休まず実施いたします」

8.生活仕事サポート千葉 <千葉>
 「ゴールデンウィークでも、生活困窮と住居、仕事のご相談は「LINEで相談」で受付しています
 生活困窮の相談
 生活保護申請のお手伝い
 住居の相談
 就労の相談
 千葉市で生活に困窮している方の「生活支援」と「就労支援」をしています。
 住居に困っている方には、保証人不要で入居できる「お住まい」を千葉市内(若葉区、花見川区、稲毛区)でご提案させて頂いております。
 医療機関と連携しておりますので、通院のお手伝いもいたします。
 食事の心配もいりません。仕事探しもお気軽にご連絡ください」

「GW大食堂開催概要
日時:5月3日(月)15 時~18時および5月5 日(水)12 時~18時
場所:聖イグナチオ教会(東京都千代田区麹町六丁目5番地1)
費用など:無料・予約不要
・生活相談
・女性相談
・外国人相談(通訳あり)
・医療相談(医療者おります。通訳あり)
・法律相談
・調理されたお弁当のお渡し
・その他、食料品や生理用品・子ども用おむつなどのお渡し
☆会場には労働・生活問題についての相談ができる専門スタッフがおりますので、困ったことがあればお気軽に相談してください!」

10.AREX 自立支援センター<大阪>「生活困窮、生活保護の相談を受け付けておりますので、ご相談ください
 即日入居可能なお部屋をご提供致します
 公式LINEからのご相談
 https://lin.ee/BD6V7Gx
 電話からのご相談06-6556-6090」

<東京>「5月中の火曜相談:4日、11日、18日、25日
時間・場所:11時~17時にもやい事務所(新宿区山吹町362番地)」

12.第2回 北区フードバンク <東京・赤羽>
5月4日 13:00~16:00 赤羽公園(JR赤羽駅南口徒歩3分)
 会場にて、なんでも相談会を同時開催
 基本セット(1日程度の食材)を500セット用意出来るよう準備を進めています

 「大型連休中の対策として子どもの居場所確保の為、子ども食堂を開放しております
 期間は5月5日まで 開放時間は10時~夕方頃まで」
 
 3日(月) こどもの日

 
【民間 社会福祉協議会】
GW期間中の相談窓口の臨時開所について
令和3年5月4日(火)午前9時~午後2時まで
総合相談を臨時で開設いたします。
様々な相談に対応させていただきます」

<情報提供を随時更新、追加します>

 【生活に困ったときは、相談を】
 現役世代、子育て家族等、幅広い人々が、今この時も、生活に困窮しています。
 生活、仕事、医療、子育て、学生生活にお困りの方、孤独、孤立に悩んでいる方、ぜひ、ご相談下さい。
 食料品が欠乏し、低栄養状態になり、健康を損なってしまうと、再就職、生活再建も困難になってしまいます。
 一人ではありません。

生活保護法、申請と自動車の保有、扶養の範囲、兄弟姉妹、資産の範囲と処分、持ち家、就労能力の活用と判断、欠格条項、勤労、補足性の原理 キーワード 

公的扶助論 低所得者に対する支援と生活保護制度 第1回講義その2 ブログ筆者の担当講義
1.生活保護法の「四つの基本原理」
 生活保護法の1条から4条は、生活保護の「基本原理」といわれ,生活保護法の理念を整理している。第5条において、「この法律の解釈及び運用は、すべてこの原理に基いてされなければならない」と規定されている。この法の根幹となるものである。

*補足:生活保護法の「基本原理」とは
 「基本原理という言葉は、人為によって左右されないという気持ちを表すために用いられている」
 小山進次郎『生活保護法の解釈と運用』

①国家責任による最低生活保障の原理(国家責任の原理)
 生活に困窮する国民の最低生活保障を国がその責任において行うことを規定した原理である。また、単に最低限度の生活を保障するだけでなく、保護を受ける者がその能力に応じ、自立して社会生活を送ることができるように自立助長を図ることも併せて規定している。
 生活保護法(この法律の目的)
第一条 この法律は、日本国憲法第二十五条に規定する理念に基き、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする。

◎保護の実施機関
 生活保護は「国家責任の原理」ではあるが、保護の実施は地方公共団体の長が行なっている。これらを「保護の実施機関」と呼ぶ。

②無差別平等の原理
 生活に困窮している国民であれば、誰でも生活保護を申請することができる。
 保護の請求権は、国民の全てに無差別平等にある。

 戦前の救護法、及び旧生活保護法においては、「勤労を怠るもの、素行不良な者」などについて救護や保護は行わないこととする欠格条項が設けられていた。
 旧生活保護法 「この法律による保護は、これをなさない。
 一 能力があるにもかかはらず、勤勞の意思のない者、勤勞を怠る者その他生計の維持に努めない者
 二 素行不良な者」
 
 しかし、現在の生活保護法は第2条において、「すべて国民は、この法律の定める要件を満たす限り、この法律による保護を、無差別平等に受けることができる」と規定し、生活困窮に陥った原因による差別を否定している。生活に困窮しているかどうかという経済的困窮の状態等に着目して保護が行われる。

*生活保護法の「すべての国民」について 。

③健康で文化的な最低生活保障の原理(最低生活の原理)
 生活保護法は、日本国憲法第25条の生存権保障を具現するための制度である。その保障されるは、当然、憲法上の権利として保障されている生活を可能にする生活水準でなくてはならない。
(最低生活)
第三条 この法律により保障される最低限度の生活は、健康で文化的な生活水準を維持することができるものでなければならない。

*最低生活とは、国民一般の生活水準、文化水準の変化に伴って変動する相対的なものとして考える必要がある。

④保護の補足性の原理
 第4条は、「①保護は、生活に困窮する者が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われる。②民法に定める扶養義務者の扶養及び他の法律に定める扶助は、すべてこの法律による保護に優先して行われるものとする」と規定している。
 この原理は、生活保護の受給の前に、各自がその持っている能力に応じて最善の努力をすることが先であり、そのような努力をしてもなお最低生活が維持できない場合に、保護が行われることを意味している。

*資産の活用
 保護の受給の要件としては、資産を最低生活の維持のために活用することが求められる。この「資産」の概念は広く、土地、家屋、その他を含むとする。
 資産の活用の方法は、当該資産の本来の用途に従って活用することと、売却してその売代金を生活費に充てることの二つに分けられる。
 資産の活用の範囲と程度を決める基準が必要となるが、その原則的な考え方は次のとおりである。
・現実に最低生活の維持のために活用されており、かつ、処分するよりも保有しているほうが生活維持および自立の助長に実効が上がっていると認められるものは処分しなくてもよい
・現在活用されてはいないが、近い将来において活用されることがほぼ確実であって、かつ、今、処分するよりも保有しているほうが生活維持に実効が上がると認められるものは処分しなくてもよい
 具体的な取り扱いは、上記の原則に従いながら個々の世帯の事情やその地域の実態に応じて決められるべきものであつて、機械的、画一的に決められるべきものではない
 地域住民、特に低所得者との均衡からみて、最低生活の内容としてその保有が容認できるものかどうかが判断の基準となる。
 なお、現行の取り扱いにおいては、
 「宅地、家屋」は現に居住の用に供されているもので、その処分価値と利用価値とを比較して、処分価値が著しく大きいもの以外は保有が認められることとなっている(ただし、要保護世帯向け不動産担保型生活資金の利用が可能な者については、当該貸付資金の利用が、生活保護の適用より優先される)。
 また、田畑は現に耕作しているなど利用価値の高いものは、その地域の農家の平均耕作面積までは保有が認められることとなっている。
自動車については、原則として保有は認めていないが、公共交通機関の利用が著しく困難な(山間僻地)地域に居住する者等が通勤のため必要とする場合、障害者については、通勤用に加え、通院、通所および通学に自動車を必要とする場合には保有が認められることもある。
・生活用品については、その世帯の人員、構成などから判断して利用の必要があり、かつ、その地域の普及率が70%程度を超えるものについては、地域住民との均衡などを勘案のうえ保有を認めている。
・なお、資産については、機械的な取り扱いはできるだけ避け、その世帯の自立の芽を摘むことのないよう配慮して取り扱うことが基本的な考え方となつている。

*能力の活用
 「能力」についても「資産」と同様、それを最低生活の維持のために活用することが要件とされる。
 現に労働能力があり、適当な就労先があるにもかかわらず、就労しようとしない者については、保護の要件を欠くものとされる。ただし、就労の意思と能力があり、かつ求職活動を行っていても現実に就労先がないときには、保護を受けることができるとされている

*その他あらゆるものの活用
 保護の補足性の原理は、資産、能力だけでなく、その他あらゆるものについても適用される。
 現実には資産となっていないが、申請などの手続きにより資産となし得るもの、たとえば、恩給受給権などを有する場合には、まず手続きをとるなどして、自分の力で生活が維持できるように努力することが必要とされる。

「扶養義務者に関する照会」
これらの調査を実施する際には、調査の趣旨や目的を利用者にわかるように伝え、利用者の理解と同意のもとで実施する必要がある。また、調査によって利用者のプライバシーが安易に他者に知られることがないように、細心の注意を払って実施することが求められている。

*扶養義務
【扶養の優先】
 生活保護法は、民法に規定されている扶養義務者の扶養義務の履行を保護に優先させることとしている。
 特に、この民法に規定されている扶養義務においては、夫婦相互間および未成熟の子 (義務教育修了前の子)に 対する親には、極めて強い扶養義務が課せられている。

*生活扶助義務と生活保持義務
 生活保護法4条2項では「民法に定める扶養義務者」

*この原理は,生活保護の開始決定の前提として,自己の資産・能力等の活用(1項),民法上の扶養義務者の扶養や 他の社会保障制度の給付など(2項)が先行してなされる必要があり,生活保護法による援助はその不足分を補う限りにおいてなされるという趣旨である。これらに関する調査は資力調査(ミーンズ・テスト)を行なう。
 なお4条3項に但し書きとして急迫保護の規定がある。

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<以上、国立武蔵野学院 附属児童自立支援専門員養成所にてブログ筆者が講義(第1回2) 続く>
 児童自立支援施設とは、非行児童および家庭環境等から生活指導等を要する児童を入所または通所させ,自立の支援を目的とする児童福祉施設。
 1997年の児童福祉法改正で「教護院」から改称され,①対象を非行児童以外に拡大,②小中学校への就学義務,③通所形式の採用等の改革が行われた。児童自立支援専門員,児童生活支援員,精神科医(嘱託可)等が配置されている。
 2000年の武蔵野学院の調査では,約6割の入所児童に被虐待経験がある。

生活保護申請と面接、訪問調査。福祉事務所ケースワーカー、公的扶助ケースワーク。子どもと生活保護、生活困窮世帯、生活保護受給世帯への支援。危機介入としての公的扶助ケースワーク。アルコール依存症と生活保護。キーワード。

公的扶助論 第1回講義 その1 ブログ筆者の担当講義
1.はじめに 低所得者に対する支援と生活保護制度(公的扶助)とケースワーク
・筆者の27年間程の生活困窮者支援の実践から、貧困問題の変遷
 日雇労働者・ホームレスモデルから、多様な生活困窮者(子ども、女性、若者等)モデルへ。
 かつては、「寄せ場」の土木・建築関連の日雇労働者、飯場の労働者が失業(「アブレ」)=高齢、病気や負傷、障害のために就労の機会を失い、野宿生活になったホームレスの人々が顕在化していた。
 「寄せ場」とは、日雇労働者が仕事を求めて集まる青空労働市場のことである。横浜の「寿町」、大阪の「釜ヶ崎」あいりん地区、東京の「山谷」など、大規模な寄せ場では、日雇労働者が居住する簡易宿所の「ドヤ街」が形成されてきた。しかし1990年代の不況によって寄せ場からの就労経路は減退していった。
 今日、地域で暮らす子ども、家族、高齢者、シングルマザー、またネットカフェ居住者等が顕在化している。
 貧困の普遍化、多様化である=貧困のリバイバルともいえる。

 ブログ筆者のこれまでの実践 後述
【概要:筆者は生活困窮者・生活保護受給者の、精神保健福祉分野のソーシャルワーク、特にグループワークを実践。社会的排除に対して、拠りどころ・居場所をつくり、経済的のみならず、心身の健康、生活の質、文化的生活を支えるコミュニティづくりを実践】

・「貧困」のイメージ=「貧困観」とは
 貧困観とは、その社会の人々が「貧困」に対し抱くイメージのこと。どのような状態・生活を「貧困」と呼ぶのか、なぜ「貧困」が発生し、それは問題なのか、貧困の解決には何が必要なのか、それぞれの枠組みのことでもある。

・これまでの養成所の教室におけるグループディスカッションでは、周囲にいた友人との思い出等で身近に感じる、「貧困」の実感が持てない、これまでの仕事が生活困窮者との関わりがあった、なぜ貧困になるのか、予防は出来ないのか疑問、街のホームレスの人々、非正規雇用、他国の貧困地区等が挙げられる。

◎生活保護制度と公的扶助ケースワーク
 生活保護制度の運用は、相談援助=ケースワークの面接、訪問を伴う。
 生活困窮者への支援、また生活保護受給者への自立支援等において、面接・訪問などの形態による個別支援は必要不可欠である。

*複合的な生活問題と総合的支援
 生活保護を必要とする人(要保護者)、生活保護受給者(被保護者)は、心身の健康問題・障害、家族問題、失業など様々な問題を抱えている。
  貧困とは、許容できない困窮であり、経済的な困窮だけではない。
 金銭給付だけではなく、個人・家族へのソーシャルワークによる総合的な支援が必要とされる。

・この科目において、可能な限り、公的扶助ケースワークなど、関連する社会福祉援助技術についても解説する。

 生活困窮者支援の今日的なテーマ 一部
 重複した生活問題に対する、ワンストップ型の総合相談体制が求められている。
問題の深刻化の予防を図る、早期の支援、総合的・包括支援、個別的、切れ目ない持続的な支援が必要だろう。
 伴走型支援
 相談に来所が難しい人々への、アウトリーチを含む早期の支援、訪問も行う相談体制の拡充。
 共助、相互支援、支え合いに対する信頼が損なわれている。つながりの再構築と、地域共生社会づくり。居場所づくり
 助けを求める声を取り戻す、エンパワメントの方向性による支援
 
【子どもと貧困、公的扶助】
・生活保護世帯においては、虐待や面前DV、 養育者の精神疾患等を重複して経験する子どももいる。子どもにとっては、養育上不十分な状態からの、人生のスタートにならざるを得ない。
 子ども期からのさまざまな経験の蓄積の差(厚生労働省「平成28年家庭の生活実態及び生活意識に関する調査」でも明らかである)が、将来にわたって影響を与えないように、福祉事務所、民間による支援が必要である。

*公的扶助ケースワークとは
 生活保護制度、公的扶助分野における、社会福祉援助活動のことである。
 生活保護は、ケースワーカーが貧困・低所得状態にある要保護者に対し、生活保護費の給付とともに、社会福祉援助を実践する。その支援は、人々の生活と問題の背景、地域の特性(雇用等)、生活ニーズを把握、具体的な生活課題の緩和・解決を図るソーシャルワークによる援助である必要がある。
 生活保護制度における相談援助活動=ケースワークは、生活保護の実施機関である福祉事務所において実践される。
 相談を担うのは、社会福祉主事であるケースワーカー=福祉事務所における「現業を行う所員」であり、「現業員」「ケースワーカー」と呼ばれる。
 ケースワーカーの相談援助は、スーパーバイザーと呼ばれる査察指導員により支えられている。
 生活保護制度における相談援助活動の位置づけは、生活保護の目的である、生活保護法第 1条 の「健康で文化的な最低限度の生活の保障」と「自立の助長」を、要保護者の状況に即して適切に行っていくことである。

*ケースワーク
 クライエント(個人や家族)が抱えている生活問題、社会生活や人間関係の困難、医療・生活・居住ニーズに対して,その問題解決やニーズの充足を支援するために,ケースワーカー(ソーシャルワーカー)によって用いられる専門的な援助技術である。ソーシャルワーク専門職の価値・倫理と専門知識に基づく。

*生活保護費の給付とソーシャルワーク実践
 生活保護費を受給者に手渡す(給付する)ことも重要な職務であるが、それだけではない。
 相談、訪問、医療機関や社会資源との調整等、ソーシャルワークの専門職であることが求められている
 必要に応じて医療機関の受診、入院に同行すること、社会資源の利用を支援する(入所予定の福祉施設の見学に同行等)、金銭管理の側面的支援等の具体的な支援が、行われている。
 様々な地方自治体の福祉事務所の現状があるが、多くの場合、1人のケースワーカーは100世帯位(超える場合も)の受給者を担当している。受給者の生活、生存権を保障し、生活保護制度の実務を担う重要な職務であるが、多忙を極めている。

*生活困窮者・子ども・家族の生命、生活、生存権の守り手としての公的扶助ケースワーク
 公的扶助ケースワークは、住民の「生存権のセーフティネット」としての役割、使命がある。
 言い換えれば、ケースワーカーの一人一人が住民の生命の、人間らしい暮らしの、権利の守り手である。
 貧困は、住民、子どもと家族の生活の全般を脅かし、健康を人間関係をも破壊してしまう。公的扶助ケースワーカーは人間の尊厳を守り、ヒューマニズムなどの実践思想と共にあるべき社会福祉専門職である。
 ヒューマニズムとは、人道主義と訳され、博愛、人類愛の精神に基づいて、人間、人類全体の福祉の実現を図っていくスタンスである。

*危機介入としての公的扶助ケースワーク
 生活困窮という、人々の暮らしにとって待ったなしの危機、生活の破壊に対して公的扶助ケースワークは、支援の手を差し伸べる。つまり生活、時に生存の危機の中にある人々に寄り添う人間支援の専門的である
 リンデマン(Lindemann, E.)、キャプラン(Caplan, G.)による危機理論がベースにある

*住民と受給者ファーストの姿勢を
 生活困窮者、生活保護 受給者と共にある公的扶助ケースワークが求められている。それは、相談者中心、相談者ファーストの姿勢であり、倫理観に基づく対応である。過去には福祉事務所への相談に対する権利侵害の事件もあった。一人ひとりと真剣に向き合う人間的な関わりが求められている。

公的扶助論 第1回講義その1 子どもと生活保護、貧困観、福祉事務所ケースワーカーの面接、訪問 児童自立支援施設_f0206007_07482461.jpg
*アルコール依存症と生活困窮、精神科医療との連携の必要性
 また公的扶助ケースワークにとって、アルコール依存症は支援の重要な課題の一つである。 依存症からの回復を側面から支援することが求められている。
 精神科医療機関のアルコール依存症外来、専門病棟における治療に繋げること、通院と服薬等を継続すること、自助グループ(セルフヘルプグループ)への参加を支援することが具体的な支援である。アルコール依存症であることを最初から自覚する依存性者が少ないなかで、人によっては幻覚等の重い症状もあり、これらの支援は容易ではない。
 実際は、アルコール依存症からの回復は、断酒後も再度の飲酒(スリップ)等のアクシデントもありながら、回復に進んでいく。ソーシャルワークの専門性を持ち、かつ寄り添う姿勢の支援が不可欠である。
 アルコール依存症以外の精神疾患、精神障害を抱える生活保護受給者も目立つ。公的扶助ケースワークにとって精神科医療との連携が、重要な課題である。貧困、生活困窮とメンタルヘルスは密接に関連すると言えるだろう。

*生存権のセーフティネットとしての公的扶助ケースワーク
 生活困窮の背景には、不安定雇用、地方の経済と雇用の問題、雇用のミスマッチ、正規と非正規雇用の格差等の社会問題がある。
 切実な生活、福祉ニーズに対して、迅速かつ公正な支援が基本となる。
 公的扶助ケースワークは、多様な生活問題に対して、総合的なアプローチが求められていると言えるだろう。

<以上、国立武蔵野学院 附属児童自立支援専門員養成所にてブログ筆者が講義(第1日目) 続く>
 HPより引用「児童自立支援専門員養成所とは。非行などの問題を抱える子どもや、虐待などの理由により支援が必要な子どもたちと施設での生活を共にしながら、資格取得に向けて学ぶところです。国立武蔵野学院 附属児童自立支援専門員養成所」=現在は「人材育成センター養成部」と改称。

 ブログ筆者のこれまでの実践
 1.ホームレス、日雇労働者への医療ソーシャルワーク(名古屋市)
 2.簡易宿泊所街の生活保護受給者、精神障害者への精神科ソーシャルワーク、精神科デイケア、コミュニティワーク(横浜市)
 3.ホームレス等生活困窮者へのアウトリーチ(名古屋市、新宿区)
 4.緊急一時保護事業の相談員(東京都)
 5.ホームレス、日雇労働者、簡易宿泊所地域の調査(名古屋市、横浜市。厚生労働省「ホームレスの実態に関する全国調査(生活実態調査)」参加)
 6.求職者支援制度の職業訓練講師、シングルマザー等のヒアリング
 7.ホームレスと市民共同の演劇ワークショップ(東京都)
 加えて、こども食堂講座、学生こども食堂づくり、フードパントリー、
 横浜の簡易宿泊所街における、表現・創作活動プロジェクト

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