人気ブログランキング | 話題のタグを見る
児童福祉施設での職員支援と、安定したケア・支援の提供のために必要なこととは? バーンアウト予防の重要性
 児童福祉施設における家庭的養護や個別化の推進が求められる中、適切な人事労務管理が欠かせません。
 入所児童の生活環境や精神的な安定に結びつく保育・支援を提供するためには、職員の安定的な確保が必要です。
 しかし、職員の短期間での退職や燃え尽き症候群のリスクがあり、職員のメンタルヘルスの支援が重要です。詳しい情報は以下に。
1. 施設における家庭的養護および個別化の推進と 人事労務管理
児童福祉施設等の運営指針の基本原理の1つとして、家庭的養護および個別化が掲げられている。
 社会的養護を必要とする子どもたちに「あたりまえの生活」を保障していくことが重要。
 個々の子どもの育みを丁寧にきめ細かく進めていく「個別化」が必要だと指摘されている。

 日本の社会的養護は、2017年3月末時点で81.7%が乳児院や児童養護施設に入所している。
 里親制度とファミリーホームなどの割合を増加させる。
 小規模化と地域分散化を進めるにあたり、要保護児童に対して適切なケアを提供するために必要な人事労務管理。

職員への支援の必要性
 近年、子どもの施設への入所理由は複雑化・多様化している。
 短期間で退職する職員も多く、一定の経験と能力をもつ職員の安定的確保が困難。勤続年数が短い要因の1つとして、子どもへの支援と、自身の生活の両立が困難になる。
 慢性的な人員不足のなか、職員が体力的にも精神的にも疲弊するケースがある。
 職員が長く施設に定着することは、入所児童の生活環境や精神的な安定に結びつく。安定したケアの提供につながると考えられる。

 燃え尽き症候群「バーンアウト」とは
 極度の身体疲労や感情の枯渇を示す症候群である。
 マスラックの尺度によると
 ①情緒的消耗感、②個人的達成感の低下、③脱人格化が含まれる。

 職場環境では
 ①職員のメンタルヘルス、②兆候の理解と早期発見、③内外での研修と職員教育・サポートなどのストレス管理が不可欠である。

2. 社会福祉法人運営における内部留保の課題と 改正社会福祉法
 社会福祉法人制度を大きく改革する法案が2016年3月末に成立、公布された。
 経営組織のガバナンスの強化や事業運営の透明性の向上などを進める。内部留保の明確化、資産の計画的な再投資等に関する改正が行われた。社会福祉法人が保有する財産について、再投資計画の作成が義務づけられた。

*キャリアパスとは、職場内での経験の積み重ねや資格取得、能力向上の仕組みを通じた人材育成のためのもの。
組織的な長期的戦略に基づいて、個人のキャリアアップや人事異動などに向けた経歴管理が行われる。
これは、組織全体と個人のキャリアアップに向けた長期的な意識を結びつけるものである。

1. 社会的養護の利用類型とは
 子ども家庭福祉サービスの利用方法
 ①措置制度、②利用契約制度、③選択利用制度
 特に、社会的養護では、主に措置制度である。

措置制度
 多くの福祉分野において、措置制度から利用契約制度化が図られた。
 しかし乳児院や児童養護施設、里親などの社会的養護に関する施設等については措置制度にとどまった。

利用契約制度
 サービス利用者が自ら選択し、事業者との契約に基づき利用するという制度。
 「障害者自立支援法」施行により、児童福祉法が改正されたことにより、
 障害のある子どもの居宅サービスについては「障害者自立支援法」による利用契約制度により実施されるようになった(現在の「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」)
・2012年からは障害児施設による入所・通所サービスは児童福祉法を根拠法とし、
 入所施設については、障害児入所給付費が、
 通所支援については、障害児通所給付費が支給される利用契約制度が導入されている。

選択利用制度・公的契約
 主に保育所に採用されている。利用方法は行政との契約に基づくものであり、サービスの提供責任は行政にある。
 利用者は施設を選択し、地方公共団体に申し込みを行い、地方公共団体は施設にサービス提供を委託する
 費用、負担については、措置制度と同様である。
 保育所を含む保育の利用方式については「子ども・子育て支援制度」の創設にともない。2015年4月以降は市町村の関与のもとに利用者が事業者との利用契約を行う公的契約となる。

里親に支給される手当等について
 里親は、家庭での養育が困難となった子どもに、家庭環境のもとでの養育を提供する制度(解説済み)。
 里親には里親手当が支給されるが、支弁額は里親の種類によって異なる。
 養子縁組里親にはその性格上、里親手当は支給されない

2. 施設の財源 
 措置制度による児童福祉施設は「措置費」と呼ばれる国庫負担金を基本として運営。

 保育所には、子ども・子育て支援制度で 施設型給付費が支弁される(私立保育所の場合は委託費として支弁)

措置費の内容
 「事務費」は施設を運営するために必要な費用である。
 「人件費」は職員の人数の確保に、必要な給与で構成されている。
 「管理費」は施設の維持管理のための費用であり、旅費、嘱託医手当などがある。
 「一般生活費」

措置費の保護単価と支弁方法
 保護単価とは、児童福祉施設へ入所措置、または里親に委託した場合の月ごとの単価。
 毎月の定員や措置児童数などを乗じて施設等に支払われる。

国庫負担の基本額と負担区分 
 児童福祉法の「設備運営基準を維持するために要する費用」として、国と地方公共団体から支弁される。
 施設等への措置によって、入所後の子 どものケアに必要な費用は、措置費として施設等に直接支払われている。

措置費の負担区分 テキスト図 参照



児童福祉施設の運営管理のポイントとは?設備や職員配置基準について
 児童福祉施設の「運営管理」とは、支援の質の向上と組織の目的達成のための技術。地域住民のニーズに合わせた社会貢献活動も求められています。
 この記事では、職員研修や保育所の設置主体の多様化、児童福祉施設の設備及び運営に関する基準などについて概説します。
【はじめに:福祉施設の「運営管理」とは】
・「運営管理」とは、社会福祉機関・施設が、支援の質の向上を図り、組織の目的を果たすための運営の技法である。
 また地域住民のニーズの変化に対応する組織活動。
・近年では社会福祉施設・機関の連携・協力、運営への市民参加と、サービスの市民開放を図る運営管理が求められている。
 サービスを提供するために協力体制をつくりあげ、それを持続させるよう人々がともに働くプロセスである。

*非営利セクターの特徴
①非営利で自治的であること
②サービスの組織活動が独自性、先駆性、創造性に富む
③国家との関係は代理人ではなく、パートナーである

・職員研修は OJT(職務を通じての研修)
 OJTはOn-the-Job Trainingの略で、仕事中に現場で実際に経験を積みながら、職務上のスキルを習得するトレーニング方法のことを指す。
 OFF-JT (Off the Job Training 職務を離れての研修)
 SDS(Self Development System 自己啓発援助制度)で行なう。

*保育所の設置主体が多様化した背景
 2000年(平成12年)度に規制緩和が行われ、保育所の設置主体の制限が撤廃された。
 株式会社やNPO等、市町村や社会福祉法人以外の主体によって保育所が設置されるようになった。

児童福祉施設の設備及び運営に関する基準
 入所児童の健やかな成長、権利を保障し、適切な保護、自立支援・指導等の実施が求められる
 児童福祉施設の「最低基準」のあり方が大きく変化した。
 2012年4月より「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」に変更された。
 施設長にかかわる資格要件の明確化や研修の義務化などが規定された。

*主な児童福祉施設の職員配置基準 テキストを参照

4. 安定した生活環境の保障
 子どもたちの自立支援を目的とした社会的養護施設の運営管理の必要性

健康管理と衛生管理
 子どもの健全な発達を保障するうえで、健康の保持に努めることが重要となる。
 入所前に子どもの健康診断を行うことが義務づけられている。病歴や予防接種の有、無、施設入所前に利用していた医療機関など把握する。

危機管理と安全管理
 社会的養護に関する施設に入所する子ども(多くは被虐待児童)は、安心して生活できる空間と人間関係が必要となる。環境の安定を図ると同時に、安全の確保が重要である。
 定期的に施設、の設備の保守点検作業の実施が求められる。

1. 社会福祉法における児童福祉法関連事業の経営に関する規定 
 児童福祉法に規定されている施設を経営する事業は、あわせて社会福祉法で社会福祉事業として位置づけられている。
 社会福祉事業は、社会福祉法に列挙されている。
 適正な実施の確保が図られなければならない
 福祉サービスの提供体制:社会福祉事業者による福祉サービス提供の原則

 社会福祉法人は、社会福祉事業を行うことを目的として、社会福祉法に定められたところにより設立された法人である。

2. 児童福祉施設の運営主体としての社会福祉法人
 第1種社会福祉事業:原則として地方公共団体もしくは社会福祉法人が経営する。
 第2種社会福祉事業:公的規制の必要性が低い事業のため、経営主体に関する制限は設けられていない。

社会福祉法人の組織運営 
*社会福祉法人の規定
 例えば:業務の決定は、原則として理事会で行い、施設長の任免、事業計画の承認・決定、財産の管理なども行う。
・子どもの権利擁護が運営の中心におかれているかを常に確認していく責任がある。


主な内容:子どもたちの「見えない貧困」の支援には、問題が深刻化する前にアウトリーチが重要です。
 積極的な支援が、子どもたちが不登校やいじめ、児童虐待などの問題に直面し孤立するのを防ぐことにつながります。
 また、困窮状況の子育て世帯を支援するための地域の相談支援システムが必要です。こども食堂や地域の居場所を提供と、子どもたちの主体性を支えることも重要です。
 学校は子どもたちにとって単に学習の場所でなく、社会的スキルを身につける場でもあります。発達障害などの支援も必要です。詳しくは以下に。
【子どもの見えない貧困に対する支援】
 生活上の問題が「表面化」顕在化すると、不登校やいじめ、児童虐待などの問題が現れることもある。
 しかし、問題が表面化した時には、多問題家族、重複した困難に直面している場合も多い。
 見えない子どもの貧困、子育て支援の課題をどう支援するか、積極的なアプローチが必要であり、アウトリーチが課題である。

【子どもと家族の貧困を予防する相談】
 仕事や住まいを失う危険な状況にある人たちに対しては、相談可能な場所が不足しがちである。
 困窮の状況に陥った人たちを支援するために、フードパントリーや炊き出しなどの民間の支援から、適切な福祉行政や専門職につなぐことを目的とした相談支援のシステムが重要となる。
 アクセスの容易さが課題であろう。
 フードパントリー等で相談を行うボランティアの活動も重要な要素となる。
 これらにより、生活困窮世帯が必要な支援を受けることができるように支援することが、子どもと家族を支える上で重要なことであると考えられる。

【子どもの主体性を支える居場所として】
 「こども食堂」は、子どもたちの「やりたいこと」を応援することを目的とした場所として位置付けられる。
 このような場所は、子どもを一方的に「ダメ」と決めつけない場である。
 このような環境を作り出すことによって、子どもたちの自由な遊びと安全が両立することが望まれる。
 また、近隣での「餅つき」や「羽子板遊び」など、昔の「コミュニティ」が失われつつある状況に鑑みて、懐かしい未来を拓くことが望まれる。

*子どもたちにとって「学校」とは何か?そこに居場所はあるのか
 子どもたちにとって「学校」は単に「学習のための場」というよりも, 社会的スキルを身につける場でもあるということが明らかである。
 成績が振るわない子どもたちにとって, 学校は単に「居心地の悪い場所」になっている可能性がある。
 この子どもたちは, 学校を「自分の居場所」という意味で捉えることができないということである。
 このような状況を打破するために, 子ども食堂などが、地域の居場所として重要な役割を担うことが考えられる。
 子ども の居場所づくりを通じて, 「学校」が「子どもたちの場」であることを実証することも大切である。発達障害などの支援も重要であると考えられる。

 

社会福祉士・精神保健福祉士講座
新着記事
【保護観察制度】とは
「保護観察官」と「保護司」の協働により
指導監督と補導援護を実施する

 保護観察とは身柄を拘束せず,改善,更生を図る制度
 刑務所,少年院収容「施設内処遇」に対し【社会内処遇】ともいう。

【保護観察の目的】
 犯罪を行った者と、非行行為のある少年に社会内で適切に処遇し、再犯を防ぎ,非行をなくし自立と更生を助ける

 こども家庭福祉 社会的養護
 面前 DV ドメスティックバイオレンスとは
 子ども の目の前での配偶者等への暴力をふるう

【災害派遣精神医療チームDPAT】とは
 災害時の精神保健 医療ニーズに対応する目的の,専門的訓練を受けたチーム
 都道府県,政令指定都市により組織
 被災都道府県からの派遣要請に基づき活動
 被災地活動は被災都道府県災害対策本部の指示に従う

 精神科医師、看護師、業務調整員(連絡調整,運転等の後方支援全般を行う者)含む数名で隊は基本的に構成
 被災地の交通やライフラインの障害等,あらゆる状況を想定し、交通,通信手段,宿泊等で自立している必要がある

コノプカの【グループワークの14原則】
参加の原則
経験の原則
グループの個別化
制限の原則
グループワーカーの自己活用 等原則

グループワーク参加がもたらす所属意識
グループの 人間関係 と葛藤解決を成長の機会として提供

【地域福祉と社会資源】
 地域の福祉課題の解決に向けて医療,福祉,教育等あらゆる施策,サービス,施設,人材,資金,アイディア等
 制度によるフォーマル
 近隣等によるインフォーマル
 二種の社会資源を結び付け、社会資源を活用する



【お知らせ】
 当ブログ講座を閲覧頂き、感謝を申し上げます。
 一部の記事につきまして、公開の方法の変更を検討中です。ご理解をお願い申し上げます。
 今後とも、何卒宜しくお願い申し上げます。
 「社会福祉士受験支援講座」筆者