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子ども食堂と、子どもの貧困対策の推進、学校との連携へ
 近年、子どもの経済的困窮を含めた生活問題と、その世代間連鎖に関連し、児童虐待、犯罪被害、いじめ、引きこもり、社会的に孤立した家族等、地域の子どもをめぐる問題が顕在化しつつある。加えて、子育て支援、心身の健康と成長、孤食、子どもの遊び場の不足、自然との交流、地域の伝統の継承等の、子どもに関連するコミュニティの課題がある。
 国としても、2013(平成25)年 6 月に「子どもの貧困対策の推進に関する法律」を制定した。同法第1条において「貧困の状況にある子どもが健やかに育成される環境を整備するとともに、教育の機会均等を図るため、子どもの貧困対策に関し、基本理念を定め、国等の責務を明らかにし、(中略)子どもの貧困対策を総合的に推進する」と目的を示している。また同法第5条は「国民は、国又は地方公共団体が実施する子どもの貧困対策に協力するよう努めなければならない」と示している。

 2014年(平成26)8月には「子供の貧困対策に関する大綱」が閣議決定され、その「基本的な方針」で「子供の貧困対策を進めるに当たっては、国、地方公共団体、民間の企業・団体等が連携・協働して取り組むとともに、積極的な広報・啓発活動等によって国民の幅広い理解と協力を得ることにより、国民運動として展開していく必要がある」と示している。
 つまり、生活に困窮する子どもを支えるのは、国と地方自治体のみならず、民間の組織や市民との協働によってなされるものと位置づけた。

 貧困問題への対応として子ども食堂は、報道される機会も多く、これらも啓発の効果を生み、子ども食堂は増加し、全国のネットワークも結成された。
 地域の子どもをめぐる問題、特に子育ての困難、家族の生活困窮、家族関係、学力やいじめ、不登校等の問題への支援は、学校との連携が必要不可欠である。
 しかし、後述の農林水産省の「子供食堂向けアンケート調査結果」にあるように、教育機関や関連行政機関との連携にも課題がある。
 先日の厚生労働省「子ども食堂の活動に関する連携・協力の推進及び子ども食堂の運営上留意すべき事項の周知について(通知)」も示すように「(子ども食堂への)学校・教育委員会の協力が得られないといった課題を抱えている地域もあるとの指摘があります。略 本通知においては、子ども食堂の意義を確認しつつ、地域住民、福祉関係者及び教育関係者に対し、子ども食堂の活動に関する理解と協力を促すようお願いする」これらが、具体的に地域における子どもを支えることにつながる改善点であると考える。
 例えば、子ども食堂のなかには、会場の継続的な確保が困難なグループもあり、また数人の子どもの参加のみのグループもある。もし、学校の調理実習室等を子ども食堂として使用できるようになれば、これらの課題が一挙に解決する。特に、アクセシビリティの向上は、何にも代えがたい。
 学校との連携は、スクールソーシャルワーカーの学校と子ども食堂との調整や、各地域におけるコミュニティワークに期待したい。これは、教育委員会や学校、教員の課題のみならず、スクールソーシャルワーカーやPTAの、コミュニティと子どもをめぐる問題への意識が問われている。

子ども食堂の課題 全ての子どもにとって身近な相談できる居場所へ ニーズ発見、アウトリーチ、連携
 子ども食堂の今後の課題の一つは、様々な生活や健康、家族の問題を抱えていながら、子ども食堂に来て食べることができない子どももいることを子ども食堂と担い手が認識し、子どものニーズの発見、子どもと家族の傾聴と個別支援、必要な社会資源に繋げていくことが、子どものために求められているのだろう。
 先に述べたように、地域において多くの子どもが、家族や学校以外の居場所と、サポーティブな関わりを必要としている。
 しかし、支援を必要としている子どもが、相談するべき専門職等、場所があっても、子どもに情報が届いていない、アクセスし難い等の課題がある。また、子どもは家族の生活問題や心身の健康問題、食生活の問題、孤立について、自らがおかれている状況を正しく理解できず、支援を求めること、子どもが相談機関等の社会資源にアクセスすることは困難である。
 地域住民主体の活動であり、子どもにとって身近な子ども食堂が、ニーズを発見し、子どもと他の社会資源、学校等との接点、媒介を担っていく必要があると考えられる。
 また、子ども食堂は、支援対象者として子どもとその親のみならず、一人暮らし高齢者も考えている団体も少なくない(農林水産省「子供食堂向けアンケート調査」)。高齢者にとっても、上記のようなサポートが期待される。
 ある意味、子ども食堂を、地域における住民主体の共助による包括的な、しかし身近で誰でも参加できる支援の活動とも捉えることが出来るだろう。

解説 アウトリーチとは
 地域において、社会的なつながりから孤立し、関連制度に基づく援助に結びついていない人々を発見し、具体的な支援や制度、社会資源の情報提供を実施する、支援者側が出向く形態の支援の方法である。
 ニーズ発見、ニーズの掘り起こしは、社会福祉等の専門職のみでは困難であり、地域におけるニーズ発見の仕組みが必要である。例えば、子ども食堂で子どもや家族への傾聴、必要に応じての訪問によって、家族の困難を知ることが出来るだろう。その問題を抱え込むのではなく、適切な相談窓口、ソーシャルワーカー等につないでいく働きが求められている。
 地域において、困難を抱える子どもと家族のサポートの推進、全ての人々を対象とする地域共生社会の実現に向けて、包括的な相談支援体制の構築が課題であり、アウトリーチがその要諦である。従来の分野別、年齢別に縦割りだった社会福祉を、子どもファーストの包括的支援へと転換していく。
 社会的に孤立する家族、関連の制度の狭間になって、必要なサポートにつながっていない子どもと家族に、アウトリーチを必要に応じて実施する。
 またアウトリーチ、ニーズの掘り起こしによって把握した地域の福祉ニーズを踏まえて、子ども食堂が呼びかけ、資源開発を行う。それは大掛かりなものではなく、見守り等、住民主体の地域課題解決の力を向上し、地域福祉活動を進めていく。

農林水産省 子供食堂向けアンケート調査 調査の抜粋は太字
 子供食堂の運営者を対象としたアンケート調査結果から、子供食堂の運営実態について
 回答した子供食堂 合計 274 件

子供食堂の活動目的とは 「子供食堂の活動目的として意識していること」
「とても意識している」「どちらかといえば意識している」の割合の合計は、
多様な子供たちの地域での居場所づくり」(93.4%)が最も多く
子育ちに住民が関わる地域づくり」(90.6%)、
「生活困窮家庭の子供の地域での居場所づくり」(86.5%)がそれに次いで多く見られた。

<農林水産省 同調査の事例調査から 活動の目的等>
「貧困家庭や課題を抱えた子供だけでなく、たくさんの子供に来てほしい 略 たくさんの子供が来て楽しめる場所となること」
「貧困支援ではなく、子供の居場所づくりとして取り組みたい」
「震災を経験し、平時から顔の見えるつながりを築くことの大切を学んだ。こども食堂の取組が、貧困の状況にある子供たちだけに向けた取組であるという誤解が定着しないように、全ての子供たちが気兼ねせずに利用できるように」

「農業体験や調理体験、共食の場である居場所づくり
高齢者にとっても、世代間交流できる時間は生きがい
「早起きをして朝ごはんを食べよう」
「地域に関わりを持ちづらく、支援を必要する子供や大人がいる、引きこもり等」
「こども食堂は、困難を抱えている子供たちだけが利用している食堂ではありません」
大人も子供も一緒に集まる場をつくりたい

当ブログ筆者コメント 皆にとっての拠り所、多世代交流の食事の場としての子ども食堂 
 活動目的として「生活困窮家庭の子供の地域での居場所づくり」も掲げる子ども食堂も多いが、目的に貧困対策は掲げない子ども食堂も少なくない。
 「子どもの貧困」報道がきっかけとなって、住民の問題意識から主体的に活動を開始した子ども食堂が目立つ。しかし、経済的困窮家庭の子どもだけが地域住民の関わりを必要としているのではない。「すべての子供を対象とする食を大切にした居場所づくり」(農水省調査事例より)が、共有できる活動目的とも言えるだろう。多様な子ども、多世代の食支援、誰もが尊重される交流の場をコミュニティを住民自身がつくる取り組みであり、今後、「引きこもり」の人々との交流や、自然・社会体験学習プログラム等への支援の拡大が期待される。皆にとっての拠りどころとなるコミュニティを、子ども食堂は目指していると考えることができるだろう。
 根底には、コミュニティが子どもを育てるという意識を、ゆるやかに共有できるのかという課題がある。

<農林水産省 子供食堂向けアンケート調査>
子供食堂の運営形態
 80.7%が自治体や社会福祉協議会の直営や委託ではない「独立した法人等による運営」である。そのうち 42.5%が任意団体、23.1%が NPO 法人、14.9%が一個人が運営する子供食堂である。

スタッフの確保
 子供食堂を運営するスタッフは 1 回につき平均 9 人。分布を見ると 6~10人が最も多い。

スタッフの不足感
 常に足りないと感じている子供食堂は 13.9%、足りない回がある子供食堂は 28.1%。

<農林水産省 同調査の事例調査から 運営形態>
「ママ友4 人が声をかけあって設立した任意団体」
「NPO 法人ー放課後児童クラブ、ファミリーサポートセンターの受託、運営」
「高齢者のデイサービス」
「代表は、有機農業、田舎ツーリズム、農業体験の提供等の活動を長年行ってきた」
「飲食店店主と客である町内会長等が開始」

筆者コメント 子ども食堂担い手の高齢化を超えて 子どもが担い手に
 新聞報道では、飲食店店主が自らの店舗を会場に、開始する事例の数々が紹介されている。総じて、任意団体やNPO等の小規模なグループが、毎回6~10人の担い手で活動している。また筆者のフィールドワークのなかでは、担い手の高齢化が悩みであるとも聴き取っている。
 今後の可能性として「高校生が食べたり遊びに来るだけでも歓迎していますが、ボランティアとして手伝ってくれる高校生も出てきており、好循環ができてきています」(農水省 事例)のように、利用者が担っていく、活動の共助性、相互性の深化が挙げられる。

<農林水産省 子供食堂向けアンケート調査>
子供食堂以外の活動
 子供食堂以外の活動としては「子育て支援」「学習支援」「児童福祉」「高齢者福祉(介護福祉施設等)」が上位に挙げられている。活動が子供食堂のみである団体も21.5%。

筆者コメント 子ども食堂で障害者との交流の推進を
 上記の調査結果のうち、「高齢者福祉(介護福祉施設等)17.9%、障害者福祉(障害福祉施設、作業所等 9.1%」である。子ども食堂の30%弱が、高齢者・障害者福祉事業である。これらの特徴を活かして、子どもと高齢者や障害者との交流の拡大が、福祉教育としても望まれる。

 ガイドブックが紹介する、子ども食堂と関連機関との連携の事例
1 社会福祉協議会(社協) P10
2 児童館・児童センター P12
3 行政(区役所・市役所) P14
4 学校 P16
5 地域の仲間

地域資源
 子ども食堂の活動を行ううえで地域で頼りになる人は?
 町会・自治会
 PTA
 民生委員・児童委員(主任児童委員)

こども食堂を立ち上げたい時は?サポーター
社会福祉協議会
行政の子ども関係の部署

子どもの様子が気になった時は? ニーズを発見し、連携する先
 子ども家庭支援センター
 児童相談所
 スクールカウンセラー
 スクールソーシャルワーカー

子ども食堂の課題 コミュニティのファシリテーター、住民の手作り、参加型の居場所
 まちづくり、コミュニティワークから考えるならば、子ども食堂は、広範な住民が活動に参加し、計画の立案や運営にも可能なかたちで参加することが重要ではないか。課題や目標を共有し、活動を皆で創り、皆で担う住民手作りのプロセスを重視することが求めれている。グループをつくっていくことは、コミュニティとしての成長のプロセスでもある。
 住民の主体的な参加と、話し合いの活性化、子ども等利用者側の自己決定の重視は、コミュニティが力をつけていく、コミュニティ・エンパワメントのプロセスでもある。
 ここで求められているのは、カリスマ型の強力なリーダーシップよりも、コミュニティの動き、話し合いを側面から支え、望ましい動き、変化を促進するファシリテーターたちが必要不可欠と言えるだろう。
 子ども食堂を担う方々からのヒアリング等のなかで、大学や学生への期待を聴かせて頂くことがある。
 学生は、かつてのセツルメントのように、子ども食堂の活動とそのなかの人間的な交流によって、地域づくりの課題に気づき、自らのあり方を問い直し、相互の成長に繋がることが出来るのだろう。
 子ども食堂は、担い手や、学生にとって、気付きや学び、活動の機会を提供している要素も含んでいる。
 今、何が出来るのかよりも、どのようになっていこうとするのかが課題ではないだろうか。


平成30年7月5日 文部科学省HP
文部科学省生涯学習政策局長 常盤豊
文部科学省初等中等教育局長 髙橋道和
抜粋「この度、厚生労働省から各都道府県知事等宛に、略 別添のとおり通知がなされました。
 子ども食堂を含め、子供の育ちを支えるような地域における活動と、学校、社会教育施設や地域住民等が連携することは、学校、社会教育施設と地域が一体となって子供たちの成長を支援していく観点からも重要です。また、子供の安全と安心の観点から適切な配慮を行っている子ども食堂の活動は、地域における食育の観点からも意義があるものと考えられます。
 学校、公民館・青少年教育施設等の社会教育施設、PTA及び地域学校協働本部や、教育委員会等が実施する学習・体験活動等の事業関係者を通じて、困難を抱える子供たちを含む様々な子供たちに地域の子ども食堂の情報が行き届くよう、福祉部局と積極的な連携を図っていただく」抜粋ここまで


当ブログ筆者の最新記事は下記をクリッ 画面左側メニューの研究ブログ






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子ども食堂とは「地域のボランティアが子どもたちに対し、無料又は安価で栄養のある食事や温かな団らんを提供する取組を行う、いわゆる子ども食堂 略 子どもの食育や居場所づくりにとどまらず、それを契機として、高齢者や障害者を含む地域住民の交流拠点に発展する可能性があり、地域共生社会の実現に向けて大きな役割を果たすことが期待」厚生労働省通知

厚生労働省HPより(厚生労働省サイト検索 下記の通知で)
 平成 30 年 6 月 28 日
(宛先 各都道府県知事 指定都市市長  中核市市長殿)
 厚生労働省 子ども家庭局長
 厚生労働省 社会・援護局長
 厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長
 厚生労働省老健局長

<以下、通知本文は「   」内で太字でご紹介します。下線は筆者。それ以外は当ブログ筆者の コメントを付けさせて頂きます(太字以外)。
 総じて、子ども食堂の現場のニーズに応え、縦割りではなく包括的に各地域の活動を支えようという時宜にかなった通知だと筆者は考えます>

通知から抜粋「地域のボランティアが子どもたちに対し、無料又は安価で栄養のある食事や温かな団らんを提供する取組を行う、いわゆる子ども食堂(子どもに限らず、その他の地域住民を含めて対象とする取組を含みます。以下単に「子ども食堂」といいます。)が、各地で開設されています
 子ども食堂は、子どもの食育や居場所づくりにとどまらず、それを契機として、高齢者や障害者を含む地域住民の交流拠点に発展する可能性があり、地域共生社会の実現に向けて大きな役割を果たすことが期待されます」引用ここまで

当ブログ筆者コメント>
1.子ども食堂はなぜ急増し、誰が担っているのか <多世代住民交流の場、地域共生社会への役割>
 報道されたように全国の子ども食堂が2286箇所あるとするならば、各地域において子ども食堂は急速に拡大したと言える。またその「数」のみならず「地域共生社会」という観点から、子ども食堂は子どもと家族を支える地域活動、子育ての相互支援の成功した活動形態と言えるだろう。また、食事の支援を端緒とする住民主体の地域資源の開発という側面もある。しかしながら、子ども食堂の活動における課題も顕在化しつつある。
 子どもの未来のために、行政、民間非営利、営利企業といった様々な力を結集して子ども食堂の継続をサポートする必要があると考えられる。子ども食堂への総合的な協力、連携を求めている今回の厚生労働省の通知は、時宜にかなったものであると考えられる。
 つまり行政機関や社会福祉協議会、企業、社会福祉法人等の機関・組織による、縦割りではない包括的な子ども食堂の支援体制の構築と、これらの機関・組織、特に社会福祉協議会等のソーシャルワーカーによる個別の子ども食堂に対する連携や調整、ファシリテーション等の具体的な情報、組織マネジメントなど技術的な支援の更なる充実が今こそ求められている
 子ども食堂はある意味、地域社会、地域福祉や地域づくりにおいて、今、風が吹いていると言えるだろう。

通知の抜粋「1.子ども食堂の活動に関する連携・協力の推進
(1)子ども食堂の現状
 現在、子ども食堂は全国各地で開設されており、その活動の在り方は、困難を抱える子どもたちへの支援を中心に活動するもの、地域の様々な子どもたちを対象とした交流拠点を設けようとするもの、「地域食堂」等の名称により、子どもたちに
限らず、その他の地域住民を含めて対象とし、交流拠点を設けようとするものなど、多岐にわたります。
 いずれの活動も、困難を抱える子どもたちを含め、様々な子どもたちに対し、食育や貴重な団らん、地域における居場所確保の機会を提供しているという意義を有しているものと認められます」引用ここまで

<当ブログ筆者コメント>
 生活の困難を抱える子どもの支援型、子どもの交流・居場所型、多世代交流の地域食堂型の3つのタイプの子ども食堂を厚生労働省は具体例として挙げている。
 生活の困難を抱える子どもの(個別も含めた)支援か、子どもや多世代の居場所、交流の接点と捉えるか。どちらも今日の地域社会・子ども・家族にとって必要な活動であり、食という生活に不可欠なものが媒介となった、地域を基盤とした民間支援、ソーシャルサポートネットワークづくりともいえる。

 当ブログ筆者が取り組むフィールドワークとヒアリング等により、下記の事柄が明らかになりつつある。これらは途中経過のノートであり、後日、全労済協会 公募委託調査研究報告「コミュニティにおける生活・子育ての相互支援活動としての「子ども食堂」の有用性の研究」関屋光泰として報告する。

2.誰が子ども食堂の担い手なのか <専門職を含めた多様な担い手>
 子ども食堂の担い手は、ボランティア、福祉・医療や教育、調理の専門職等、多様であり、各地域で子どもと家族を支えようと真摯な支援活動を行っている。
 子ども食堂の担い手とは具体的には、地域住民を中心としたボランティア、民生委員・児童委員、地域の小学校PTA、学生ボランティア、高齢者福祉・障害者福祉・児童福祉従事者や保育、教員・退職教員、医療専門職、調理の専門職、市民活動等、多様である。
 なお、子ども食堂のなかには、新たな担い手が集まらないなかで担い手が高齢者のみであることが悩みと語って下さるところもある。子ども食堂活動の継続のために、担い手のサポートも重要な課題である。

 次に、各地の子ども食堂の事例である。
 事例:コミュニティの民生委員を中心として、調理、教育、福祉関連の専門職と、地域住民のボランティアが担っている子ども食堂。地域住民は、同じマンションの住民同士が誘い合ったり、親族に声を掛ける等、地域内の繋がりが強い。子ども食堂と並行して、教員(元教員)とのコラボレーションにより、同じ会場で学習支援を行っている。食事の前に短時間、メニューに関連して食育が行われる。近隣の小学校は、子ども食堂の案内チラシ配布などお知らせ等、積極的に協力、連携している。立ち上げ時に、社会福祉協議会の相談や先行する子ども食堂の紹介、ボランティア希望者等のコーディネート等による支援を受けている。
 事例:医療関連専門職が主催する子どもの居場所・食事会。オレンジカフェやオープンスペースとしての活動も行っている。食事会は、平日昼間の開催のため、保育園入園前の子どもと親、高齢者の参加者が目立つ
 事例:福祉専門職が中心となって設立、運営しており、福祉団体関連の建物を会場としている子ども食堂。グループ活動等も行っている。
 事例:子どもの学習支援活動等を行ってきた僧侶が中心となって開設し、運営している。寺を会場として使用している(。食材の寄付の保管場所にも苦労しない。他の子ども食堂にもプールした食材を提供しサポートが可能である。
 事例:ひとり親の当事者体験を持つ地方自治体議会の議員が中心となって運営する子ども食堂。議員がアクティブに活動を行っている。
 事例:研究者が中心的に運営する子ども食堂。子どもの栄養、健康を支えること、食の安全等を意識した食事の支援を行っている。
 事例:経営者を中心に企業が開設し運営する子ども食堂。企業が所有する建物を使用し、社員も活動に参加している。
 加えて、子ども食堂支援の方針をもつ生活協同組合、社会貢献活動として子ども食堂の支援を検討している社会福祉法人(高齢者福祉等事業)、子ども食堂を開設し運営するワーカーズコープ等の事例がある。

3.各子ども食堂の理念
 コミュニティの皆で子どもを育てよう・子育てを地域で支えよう孤食の解消を含めての家族支援、子どもを含めた多世代の地域交流・繋がりの場、子どもの食の安全と食育食支援を出発に農業体験・自然との交流、食文化の継承など子ども食堂の理念、目指すものは多様である。
 各子ども食堂の目指すもの、理念も重要であると考えられる。何を目指すのかは、活動がどこに向かうのかに関わる重要なものだからだ。
 これらの理念の源には、子育てを経験して、同じ子育て中(経験者)として何かをしたいという子育ての当事者意識や、同じ地域の生活者としてという地域性からのゆるやかな連帯意識、同じコミュニティの住民であり身近な地域で「他人事ではない、放っておけない」という意識がある

4.「子ども食堂」の多様な活動の形態 <食堂か居場所か学習支援か>
 「子ども食堂」は多様な形態がある。農林水産省の「子供食堂向けアンケート調査」平成29年によれば、月1回から2回の開催が73%を占める。しかし、常設型(朝食、昼開催)食堂も少ないが存在している。
1 高齢者給食拡大型 子ども食堂
 従来からの高齢者の食の支援(会食型の「老人給食活動」)が、子どもと家族に対象を拡大した食支援活動である。子ども食堂のうち、数多いと思われる。

2 学習支援・子どもの居場所づくり&食堂型
 子どもの居場所づくり、学習支援、グループ活動に伴って食の支援を行う子ども食堂である。
 近いものとして
3 創造活動・クッキング・自然(農業)体験学習プログラム&食堂型
 農園や自然体験、屋外活動、調理体験学習等を志向する食堂である。
 児童福祉分野のグループワークとして、自然との交流、体験学習重視は伝統的な支援の手法である。

4 子育てピアサポート志向・親子カフェ型
 保育園入園前からの子育て世代の交流、相互支援(ピアサポート)に伴って、親子の調理体験や食事の場を設ける。

5 多世代交流・地域交流志向型
 誰でもコミュニティ食堂、一人暮らし高齢者やハンディキャップを持つ当事者を含む多世代交流を目指す。
 これらが挙げられる。

 子ども食堂の利用者と開設時間、会場は関連があり、計画段階で想定される対象者に合わせて設定する必要がある。 
 夕方以降開催の子ども食堂は、小学生が中心となるが、親子(乳幼児)も参加する。小学生等への学習支援、グループ活動を併せて行う食堂もある。小学生以上の子どもの食支援を含む生活支援、食育、学習習慣の確立など、多くの成果が期待できる。一方、送迎等の支援が必要となる。
 平日昼の開催は、保育園入園前の乳幼児と家族、高齢者が中心となる。子育て支援のための親子の居場所であり、子育て中の住民の相互支援(緩やかなピアサポート)、保育園待機児童の支援、多世代交流による子育ての知恵と経験、知識の共有等の意義がある。
 子ども食堂の会場は地域差がみられるが、公民館、社会福祉福祉施設、企業(社員食堂)、店舗、個人宅、寺、キリスト教会等である。
 地域福祉領域では、地域活動への空き家活用が注目されている。
 多くの場合、会場 公民館等、フォーマルな施設は制約がある。
 他方、都内においても空き家を活用してコミュニティのオープンスペースにしようという取り組みもある。
 会場の構造によって、大広間で皆で会食するかたちか(給食的な会食)、飲食店等の会場では、テーブルごとに別れて食堂によっては一斉に食事ではない(カフェ形式)になる。

 一方、子ども食堂の「対象」に関する難しさもヒアリングのなかで挙げられている。
 子ども食堂をはじめるきっかけとして、報道によって子ども食堂の活動や子どもの生活困窮、食の困難に対して「何とかしなければ」というやむにやまれぬ思いによって開始する、という場合が多い。
 しかし、子ども食堂を開始すると、実際、集まる子どもは、経済的に困窮している子どもとは限らない。当初、考えていた対象と異なる等と考えている間に、数十人以上の子どもや大人が参加するようになり、一つの会場で対応出来る人数を超えて、実施回数を増やす、複数会場で実施する等の対応を行っている子ども食堂もある。一方、数人の子どもたちしか利用しないという子ども食堂も少なくない。
 地域社会において、サポートを必要としている人々は、当然ではあるが、経済的困窮世帯だけではない。フィールドワークにおいても、普段は孤食になりがち(であろうだろう)子ども、野菜が苦手な子ども、乳児を抱え子育てで多忙そうな母親と子ども等に出会った。
 また、子育ての難しさ、子育てや家事の多忙さから食生活を充実できないこと、心身の健康問題、家族関係の難しさ、地域や学校との関わりの難しさ、学習の心配等の生活の悩みも抱えながら、社会的に孤立の傾向もあって、気軽に相談できる相手がいない。ほかの課題として、地域における子どもの遊び場の減少、自然との関わり、食生活と栄養を考え子どもの現在と未来の健康をつくる、健康を支えるということが挙げられる。
 総じて、子ども食堂の対象とする課題は、経済的困窮だけではない。生活困窮も、社会的孤立、家族問題、人間関係の困難、心身の健康問題、雇用等多様な側面がある。地域のなかには、様々な子育てのしづらさがある。子ども虐待の予防も地域において専門職と連携しながら取り組むことは有効である。
 子どもも大人も孤立しがち、生きづらさもあるなかで、つながりを創る居場所、交流による気付き、支えあいづくりが求められている。

通知抜粋「(2)子ども食堂の活動への協力
 厚生労働省においては、子ども、高齢者、障害者など全ての人々が地域、暮らし、生きがいを共に創り、高め合うことができる地域共生社会の実現を目指し、地域に
おける取組への支援を進めています。
 こうした観点から、(1)で示したような子ども食堂の意義について、行政のほか、子ども食堂を取り巻く地域の住民、福祉関係者及び教育関係者等が、運営者と認識を共有しながら、その活動について、積極的な連携・協力を図ることが重要す。このため、日頃から運営者等と顔の見える関係を築くよう努める」

<当ブログ筆者コメント>
5.地域共生社会のファシリテーター
 子ども食堂を含む民間の地域活動は、公的施策のみではなしえない、ボランティアの特徴も持っている。家族でもなく、教育・福祉機関の専門職とも違う、コミュニティの大人による関わり、支援である。多世代の住民相互の支援を生み出す場でもある。つながりを生み出す接点、支え合いのきっかけ、相互支援のファシリテーションの場でもある。
 また、子ども食堂は具体的な活動だけではなく、地域社会のなかに繋がり、相互理解、支え合いの雰囲気を創っていく活動でもあるべきだと考える。換言すれば、子ども食堂の不可視の側面である。子どもや他者に無関心なコミュニティではなく、子どもを中心にして、多様な隣人がゆるやかに支え合う共生のコミュニティへの道のりとも言える。
 子ども食堂の取り組みには、賀川豊彦の「相愛互助の精神」が生きているとも言える。賀川は「社会事業というものは、人間相互のたすけあいによって、個人あるいは社会をよくしてゆこうという働きである」と述べている。
 一方、子ども食堂のなかには、子どもの参加者が広がらないという困難に直面している地域もある。教育機関の広報への協力を得られないことなど、今回の厚生労働省の通知でも示している困難である。子ども食堂ボランティア、教育機関、福祉の「顔の見える関係」の構築、認識の共有の必要性は通知が示す通りだと考えられる。
 しかし、各地域の子ども食堂と、地域福祉関連の社会資源、教育機関(スクールソーシャルワーカー)、各団体、福祉施設、企業等との連携も広がりつつある。子どもを中心として、多くの人々のサポートの輪が広がっている。
 例えば、子ども食堂・居場所づくりの会場や食材の協力等として、個人、社会福祉協議会、NPO(フードバンク)、社会福祉法人、デイサービス等介護保険事業所、病院・診療所、生協・生活クラブ・パルシステム、寺院や教会等である。

「(3)活用可能な政府の施策
 厚生労働省において実施している以下のような施策と連携し、又は一体的に実施することで、子ども食堂の活動についてより効果的に展開することが期待されます。
生活困窮者自立支援制度における子どもの学習支援事業 等
 略
2.子ども食堂の運営上留意すべき事項
(1)食品安全管理に関して留意すべき事項
 略
(2)その他留意すべき事項
① 安全管理に関して留意すべき事項
 子ども食堂の活動を始め、ボランティア活動中に不幸にして、怪我や食中毒等の事故が起きることがあります。万一の備えとして、個人や団体向けの保険に加入することが考えられます。保険加入については、最寄りの市区町村社会福祉協議会などで相談することが可能です。

<当ブログ筆者コメント>
6.社会福祉協議会の役割、ボランティア保険等の活用
 食品安全管理は、徹底しなければならない。社会福祉分野では、福祉施設(通所介護、障害者支援施設等及び行事)、高齢者給食(食支援)、高齢者等サロン活動、障害者福祉や様々な当事者活動によるコミュニティカフェ等、食事の提供が各地で継続して取り組まれている。これらの資源、知識、経験等を共有しながら万が一の事故の予防に取り組む必要があるだろう。先行する地域の食に関わる福祉施設、活動団体は情報、知識等のサポートを提供することが地域社会への貢献でもあると考えられる。
 これらのコーディネートは社会福祉協議会の役割でもある。
 そもそも子ども食堂活動は、住民主体の地域福祉活動の今日的な動きである。社会福祉協議会としてサポートすることは、使命とも言えるだろう。子ども食堂の担い手と、子どもと家族の支援に関わる広範な人々と組織のネットワークの構築、繋がりを創ることも社会福祉協議会の役割だと考える。
 ボランティア活動にとって身近な保険として、社会福祉協議会が窓口の「ボランティア保険、行事保険」が先ず想起される。保険の活用促進も社会福祉協議会の具体的な支援と言える。
 各地域の子ども食堂の継続は、地域福祉、様々な領域からの支援、経済的のみならず技術的な支援、民間の助成の活用等によって、更に有効に支えることが出来るはずだと考える。「保険もない」という声、また農林水産省の子供食堂調査の「活動資金もボランティアが負担」といった各地の孤軍奮闘の状態におかれている子ども食堂の孤立の解消が課題である。今回の通知の通りだと考えられる。
 子ども食堂等、地域のソーシャル・インクルージョンの現場における、保育、教育と福祉、医療等の連携による総合的な支援が必要とされている。

通知の抜粋「② 生活困窮者自立支援制度との連携
 運営者におかれては、その活動を通じて、生活に困窮する子どもや家庭を把握し、支援が必要と考えられる場合には、最寄りの生活困窮者自立支援制度の自立相談支援窓口にご連絡ください。
 ③ 社会福祉法人との連携
 社会福祉法人は、社会福祉法(昭和 26 年法律第 45 号)第 24 条第2項の規定に基づき、地域ニーズ等に応じて、自主性・創意工夫の下、「地域における公益的な取組」に取り組むこととされており、その一環として、地域住民の交流や協働の場の創出等(子ども食堂の運営を含みます。)に取り組んでいる場合があります。(別添9参照)
 運営者におかれては、こうした地域の社会福祉法人の取組と連携して活動を展開していくことも効果的と考えられます。
養育に支援が必要な家庭や子どもを把握した場合の対応
 運営者におかれては、その活動を通じて、保護者の養育を支援することが必要と考えられる家庭や子どもを把握した場合、速やかに、市区町村の子育て支援の相談窓口又は児童相談所にご連絡ください。
 なお、市区町村や児童相談所におかれては、相談を受けた場合は、関係機関が連携しながら早期に必要な支援を行うことができるよう、ご協力をお願いいたします」引用ここまで 

<当ブログ筆者コメント>
7.子ども食堂による子どものニーズの発見、アウトリーチ活動
 子ども食堂における子どもと家族への支援的な関わりから福祉ニーズを発見すること、ニーズを掘り起こすこと、支援や関わりを必要としている子どもを待つだけではなく、出向くというかたちのアウトリーチの支援が行われている事例もある。
 地域において子どもに関連する問題を共有化し、一部の家族が抱える問題から、地域の皆の普遍的な課題へと転換する場になることも、子ども食堂への期待なのだろう。
 これらの子どもへの支援活動は、社会福祉協議会や行政機関、地域包括支援センター、地域の社会福祉法人等の専門職の技術的支援、アドバイス、連携による具体的な協働の拡大が求められている。社会福祉法人は、社会福祉の歴史の中で、様々な事業を開拓してきた。今日、その使命と公益的な活動・社会貢献からも、子ども食堂へのサポートを、各地の社会福祉法人の側でも前向きに考えているだろうと期待したい。
 また、子ども食堂は、地方においても都会であってもコミュニティづくりという側面があり、多世代交流を創り出す活動も期待されている。このようなコミュニティにおける世代間の人間的な交流こそ、子育てや子どもの進路にとって有用な情報をもたらし、各世代の社会的孤立を防ぐ効果が期待できる。子どもと家族の深刻な生活問題の予防にも直結する有効な資源である。
 これは、地域において住民が担う、ソーシャル・キャピタルを創る、繋げる支援とも言えるだろう。
 地域のなかの住民間の人間関係、地域の社会資源との関わりを調整し、支援を必要とする子どもと家族を支えるネットワーク(ソーシャルサポートネットワーク)の構築という側面もある。

8.子ども食堂の継続、多様性を支えるために
 子ども食堂の担い手は、地域の生活者、子育て等の当事者性、地域性からのゆるやかなコミュニティの連帯意識によって活動を行っている。多様な担い手がいるなかで、大きな理由と言うよりは、身近な理由、動機から活動に加わり、コミュニティの身近な子ども、家族と交流し、支え合う等身大の活動として子ども食堂の意義がある。子ども食堂は、多様な子どもの成長のために、食事を共に食べながら家族以外の大人と関わる多世代交流のコミュニティ、居場所でもある。
 それは一方的に大人が困窮する子どもを助ける活動ではなく、双方向の関わり、相互支援、相互成長の場でもある。他者を支えながら、自分も支えられ、人間的な交流から相互に成長している。その活動には、相互性も含んでいる。当事者同士のピアサポートの側面もある。
 加えて、実施回数を増やすという意味ではなく、月1回の子ども食堂を、その機会のみの非日常の共助、共生の活動から、コミュニティの日常へと拡大、深化していくという拡大の方向性が求められているのだろう。コミュニティの共生、共助の文化を創るとも言える。
 子ども食堂が各地に燎原の火のように拡大した。その形態、活動内容の多様性が子ども食堂の力の源泉とも言えるだろう。しかし、活動の継続性が求められている。集う子どもたちの人数として顕在化していなくても、子ども食堂に期待する子どもたち、家族がいる。その期待に応えることを、活動を継続することによって果たしていくべきではないだろうか。これは、子ども食堂の課題のみならず、連携し協力する側の課題である。
 今回の厚生労働省の意義ある通知によって、子どもの未来のために、行政、民間非営利、営利企業といった様々な知恵と力が子ども食堂を中核としたコミュニティの集いに結集することを期待したい。
 以上 当ブログ筆者のコメント


当ブログ記事 続き


追記 平成30年7月5日 文部科学省HP
文部科学省生涯学習政策局長 常盤豊
文部科学省初等中等教育局長 髙橋道和
抜粋「この度、厚生労働省から各都道府県知事等宛に、略 別添のとおり通知がなされました。
 子ども食堂を含め、子供の育ちを支えるような地域における活動と、学校、社会教育施設や地域住民等が連携することは、学校、社会教育施設と地域が一体となって子供たちの成長を支援していく観点からも重要です。また、子供の安全と安心の観点から適切な配慮を行っている子ども食堂の活動は、地域における食育の観点からも意義があるものと考えられます。
 学校、公民館・青少年教育施設等の社会教育施設、PTA及び地域学校協働本部や、教育委員会等が実施する学習・体験活動等の事業関係者を通じて、困難を抱える子供たちを含む様々な子供たちに地域の子ども食堂の情報が行き届くよう、福祉部局と積極的な連携を図っていただく」抜粋ここまで

通知に関連して
東京都地域公益活動推進協議会
引用「子ども食堂に関する通知が、平成30年6月28日付で厚生労働省より発出されました。
 取組まれている法人におかれましては、ご参照ください」


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社会福祉士、精神保健福祉士 共通科目受験対策 通信課程学習
基礎練習問題 現代社会と福祉

 正しいものは○、誤っているものは×で解答しなさい。
問題1 1601年にイギリスで制定された救貧法は,救貧行政の中央集権化を確立するとともに,劣等処遇の原則を確立した。

問題2 ビスマルクの「飴と鞭」の政策は,19世紀後半に労働者保護と社会主義運動の取締りを目的として,デンマークで実施された政策をいう。

問題3 社会保障という名称を持つ法律は,世界恐慌後の1935年にスウェーデンにおいて世界で最初に制定された。

問題4 イギリスのウェッブ夫妻によって20世紀初頭に提唱されたナショナルミニマム論は,福祉国家構想に影響を与えた。

問題5 イギリスでは、第二次世界大戦後、「チャルマーズ報告」にもとづき、社会保険でナショナル・ミニマムの基本二一ズを保障し、不足する部分を公的扶助で、超遇する部分は任意保険でまかなうという方法で、福祉国家が成立した。

問題6 日本では、幕末維新による窮民の増加のため、1874(明治7)年、恤救規則が制定されたが、相互扶助を重視し、国家責任や貧困の社会性を否定した、制限の強いものであった。

問題7 日本では大正末期から昭和初期は不況であり、貧困問題が顕在化し、恤救規則ではこの問題に対処できず、1929(昭和4)年に救護法が公布され、同年に実施された

問題8 日本では1946年、旧生活保護法が交布されたが、国家責任による無差別平等の扶助をはじめて示したものの、素行不良者・怠惰者などは排除し、保護請求権・不服申立て権を認めないものであった。

<バックナンバー>



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      松本 春美さん(社福)青山里会栄養管理部 部長/四日市市)
      山崎 美貴子さん(東京ボランティア・市民活動センター所長)  

セッション3 〔グループワーク〕
 仲間が増える活動の伝え方 活動の価値や効果をうまく伝えよう
 《ファシリテーター》鈴木 訪子さん(荒川区社会福祉協議会) 

協賛 ジョンソン・エンド・ジョンソン社会貢献委員会 明治安田生命保険相互会社 株式会社安田保険センター


<参考資料>
平成30(2018)年6月6日 毎日新聞 東京朝刊
引用「子どもの就寝時間は「遅い」ことより「不規則」なことの方が、問題行動などにつながりやすいとの論文を、東京医科歯科大の研究チームがオランダの学術誌に発表した。小学1年生約4000人を対象にした調査で、平日の就寝時間が不規則な子は、逆境を乗り越える力が低い傾向があったという。
 チームは東京都足立区の協力を受け、2015年に区立小69校の1年生(6〜7歳)の保護者に、国際的に広く使われている「子どもの強さと困難さアンケート」などを配布。4291人から有効回答を得た。このうち13.6%の児童は平日の就寝が午後10時以降で、7.5%は就寝時間が不規則だった。
 こうした睡眠の習慣と、「レジリエンス」と呼ばれる困難に打ちのめされずに立ち直る力などとの関係を分析したところ、就寝時間が不規則な子は規則的な子に比べてレジリエンスの点数が低く、「多動・不注意」「仲間関係」などの問題行動が多い傾向が出た。一方、規則的な就寝時間の子の中では、午後10時前に寝る場合と10時以降の場合に大きな差がなかった」引用ここまで

 平成30(2018)年6月6日 東京新聞 朝刊横浜版
引用「県と横浜、川崎、相模原、横須賀の4市は、昨年度に管轄の児童相談所で受けた児童虐待の相談件数をまとめた。合計で1万3102件(前年度比1651件増)に上り、県によると、データを比較できる2011年度以降、最多。県の担当者は「県民
の虐待への意識が高まり、通報が増えている」と話した。
 虐待の種別は、暴言などの「心理的」が6273件、ネグレクト(育児放棄)3246件、暴力などの「身体的」2930件、「性的」116件。被害に遭った子どもの年代はゼロ歳〜就学前が5827件と4割以上を占め、小学生4344件、中学生1858件と続いた。
 通報を基に実際に対応した事案(前年度からの継続を含む)は1万3084件。「保護者への面接指導」がほとんどで、「児童養護施設などに入所」「里親への委託」も一部あった」引用ここまで


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社会福祉士、精神保健福祉士共通科目 受験対策
地域福祉の理論と方法 基礎知識 練習問題
 3択問題 1から3のうち、正しいものを1つ選びなさい。

 地域社会は、資本主義の発展とともに人びとの生活空問の拡散や生活形態の変化が生じ、
<問題1 1 都市、2 ニュータウン、3 高級住宅地>と農村という2類型が形成された。

奥田道大の地域社会モデル>
 4つの類型とは、排他的で住民が地域に対して主体的な旧村落のような、
「<問題2 1 血縁村落共同体、 2 治療共同体、 3 地域共同体>」、排他的だが地域に対し主体的ではない「伝統的アノミー」、開かれているが地域に対し主体的でない「個我社会」、開かれており地域に対し主体的に行動する
<問題3 1 孤独社会、 2 コミュニテイ、 3 排除型社会>」が提示されている。

 イギリスでは19世紀末、資本主義の発展とともに広がった失業と貧困に対し、トインビー・ホールを拠点に貧困調査、協同組合や、 
<問題4 1 労働組合、 2 株式会社、  3 保険会社>の設立など、社会改良的な
<問題5 1 自立生活、 2 フェミニズム、 3 セツルメント>運動が展開され、これが戦後の福祉国家を生み出す原動力となった。

<バックナンバー>

<今年度の講義レジュメ 当ブログ筆者>
ドヤ街、簡易宿泊所、寄せ場とは 日本の貧困問題の基盤
「山谷」とは 山谷フィールドワークをふまえて
1973年8月、寿町における子ども食堂の開始


<参考資料>
2017年06月15日 読売新聞
引用「中央児童相談所(千葉市稲毛区)は、児童虐待対策の中心拠点だ。しかし建物は築45年と古く、規模も職員数も児童虐待の急増に見合っていない。
 一時保護所には15畳ほどの寝室が三つあり、男性用、女性用、未就学児用として使われている。子供は畳の上に布団を敷いて寝る。定員は計25人だが、昨年度は定員超過日数が3分の2以上に上った。最も多い日には41人を受け入れ、寝室に入りきらない子供は、体調が悪い子供が使う「静養室」に寝かせた。
 定員オーバーの常態化は、一時保護した子供の預け先となる里親や施設が見つからず、1人当たり平均保護日数が37・3日と長期化していることも要因だ。
 一時保護課の職員は非正規も含め、課長以下28人。子供が定員を大幅に超えると、超過勤務や他部署の応援を受けて対応している
 〈一時保護所〉
 児童福祉法に基づく、児童相談所の付属施設。虐待や非行で緊急的に保護した18歳未満の子供を受け入れる。国の基準では、児童は1部屋4人以内で過ごせるよう定められ、1人あたりの面積も決められている。」引用ここまで

平成30(2018)年6月10日 毎日新聞 地方版
引用「県は、県内2カ所の児童相談所(児相)に寄せられた昨年度の虐待相談件数が、前年度比19件増の1142件と、2年連続で過去最多を更新したと発表した。前年度から引き続き、家庭内暴力(DV)を子供に見せる「面前DV」など心理的虐待の相談が最も多く、全体の半数近くを占めた。
 県によると、虐待相談のうち、最も多いのは、言葉による脅しなど「心理的虐待」で526件(前年度比45件増)。暴行など「身体的虐待」325件(20件増)▽育児放棄など「ネグレクト」280件(44件減)▽性的虐待11件(2件減)--と続いた。
 被害者の年齢は、小学生が最多の379件で、3歳から就学前が313件、3歳未満244件だった。
 加害者は、実母が537件で全体の約5割に上り、次いで実父は428件だった。実父以外の父親34件と実母以外の母親8件を加えると、加害者の約9割が両親だった」引用ここまで


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 生活保護行政と日雇労働者、ドヤ街、寄せ場、簡易宿泊所、飯場 生活困窮者支援とは。当ブログ筆者の20年間の実践をふまえて解説。
 公的扶助分野全般に、特に生活保護受給者やホームレスを含む生活困窮者に深く関わる簡易宿泊所街(ドヤ街)、日雇労働者の寄せ場は深く関わる。
 都市の貧困問題に関連する事柄ではあるが、各社の社会福祉士テキスト(低所得者支援と生活保護制度等)には十分に解説されていない。
 生活困窮者支援や生活保護等、相談の実務に、貧困問題の理解に必須の知識といえるこれらの領域について、当ブログ筆者の 担当講義において概要を解説した。

1.ドヤ街、簡易宿泊所、寄せ場とは 日本の貧困問題の基盤
 簡易宿泊所が集中し、日雇労働市場である「寄せ場」を含む地域を通称「ドヤ街」という。
 今日、「寿町」(横浜市中区)等の簡易宿泊所地域には、高齢者や障害者、精神疾患等生活保護受給者、土木建築を中心とする日雇労働者が一時的か、多くは半定住的に宿泊している。かつてドヤ街は日雇労働者の家族、子どもも居住し、日雇労働の分野も寿町や釜ヶ崎(あいりん地区)では港湾労働も多かった。

*簡易宿泊所とは 社会福祉法の「無料低額宿泊所」ではない
 「簡易宿泊所」とは、旅館業法における4種(ホテル、旅館、簡易宿所、下宿)の旅館営業許可業種のうちのひとつである。
 同法第二条 3 「この法律で「簡易宿所営業」とは、宿泊する場所を多数人で共用する構造及び設備を主とする施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業で、下宿営業以外のものをいう」
 社会福祉法の第二種事業の「無料低額宿泊所」(「生計困難者に対して、その住居で衣食その他日常の生活必需品若しくはこれに要する金銭を与え、又は生活に関する相談に応ずる事業」)とは別のものである。無料低額宿泊所は、NPO等が運営し、ホームレスなど生活困窮者の居住の場の一つとして役割を担っている。先進的な生活支援に取り組むNPOの活動もみられるが、課題のある宿泊所も存在した。

*ドヤ街 語源等
 簡易宿泊所街は、「ドヤ街」とも言われているが、ドヤは、宿の逆語であり、旅館やホテルと区別された、日雇労働者の簡易宿泊所を意味する。
 簡易宿泊所街は寿町(横浜市中区)の他、東京(台東区・荒川区)の「山谷」や、大阪(西成区)の「釜ヶ崎」(行政は「あいりん地区」と称する)が同様のドヤ街であり、名古屋市(中村区)「笹島」、川崎、福岡等には日雇労働市場「寄せ場」が存在する。
 こうした地域はまた、「寄せ場」とも言う。寄せ場は、大都市内のドヤの密集地域に位置づく日雇労働者の就労場所をいう。寄せ場では手配師等による求人(相対方式)も常態化している。
 青木(1989)によれば、多くの場合、寄せ場は、周辺スラムとともに複合地域を形成する。寄せ場は、日雇労働者が集まる都市下層地域として、固有の社会と文化(生活様式)をもっているとも言われている。 青木秀男『寄せ場労働者の生と死』 明石書店,1989年

2.「山谷」とは 山谷フィールドワークをふまえて
 台東区と荒川区にまたがる山谷地域は、首都圏・東京都最大の寄せ場であり、ドヤ街が形成されている。かつては、都内には高田馬場等にも寄せ場と簡易宿泊所が存在していた
 山谷地域は、江戸時代には木賃宿等の地域であり、明治以降は労働者が居住していた。
 戦後、空襲の焼け跡の被災者援護のテント村(宿泊所)の集中地域を経て、多数の簡易宿泊所が建設されていった。
 山谷地域の簡易宿泊所(190軒弱)の宿泊者は、1960年代には1万人を超え、家族での居住も少なくなかった。その後、家族への住宅斡旋が行われ,1970年代には単身男性への純化傾向が進んだ(他のドヤ街も同様)。
 また,オイルショック,1990年代の不況を経て、日雇労働者の寄せ場からの就労経路が衰退し,宿泊者も5000人前後と減少した。高齢者が主要な宿泊者となった。高齢者として生活保護を受給している宿泊者も増加し、50歳代の失業者はホームレスへと移行し、隅田川周辺等で野宿生活を送っている。
 加えて、講義において、山谷におけるホスピス「きぼうのいえ」の文献等を回覧しライフヒストリーの概要を解説した。
 またファウラーの「山谷ブルース」等の文献から、民間支援活動の特徴について概説した。

3.釜ヶ崎(あいりん地区)
 190軒程の簡易宿泊所に、約2万人が宿泊(もしくは寄せ場から就労)、日本最大の寄せ場,ドヤ街である。しかし釜ヶ崎という地名はなく西成区萩之茶屋を中心とする。1966年の第五次釜ヶ崎暴動以降,大阪府・市・府警により「あいりん地区」の呼称が使われるようになり,行政機関や報道が用いている。約2万人の日雇労働者が生活しているといわれている。阪神地区の労働市場の産業予備軍、雇用の調整弁として機能してきたが,オイルショック,1990年代の不況を経て,日雇労働者の寄せ場としての機能は衰退しつつある。他の寄せ場と同しく,高齢化が著しい。
 釜ヶ崎地域の特徴としては、生活保護受給者へのサポーティブ・ハウジングや、ホームレス対象のシェルター、就労支援プログラム等が行われている。また地域内外の子どもへの支援も民間団体によって続けれており、子どもが担うホームレスへのアウトリーチ活動、交流と学習活動でもある「こども夜回り」等、先進的な取り組みが行われている。

*簡易宿泊所街・寿町の誕生=1956年
 「寿町」地域とは、横浜市中区の簡易宿泊所街である。上記の記事を参照。
 終戦後、寿町を含む一帯は、米軍によって接収された。一方、横浜港は、軍貨の集積と殻物輸人港として活況を呈し、失業者が仕事を求めて流入した。横浜公共職業安定所と横浜労働出張所があった、桜木町駅周辺、野毛地区には、これらの人々が溢れた。人々は、運河に浮かぶ、はしけ等を改造した「水上ホテル」等に宿泊していた。
米軍は、寿町一帯の接収を、昭和30 (1955)年頃までに解除した(解除時期は諸説がある)。
 昭和31(1956)年、寿町に最初の簡易宿泊所の建築申請が行なわれた。以降、「水上ホテル」は徐々に姿を消し、寿町に簡易宿泊所が建築された。昭和32(1957)年、横浜港公共職業安定所(日雇扱い)が、桜木町駅前から寿町に移転した。それを契機として、寿町地区は、横浜港に近い立地条件等も要因となり、1956年は5軒、57年9軒、58年1軒、59年7軒、60年12軒と簡易宿泊所の建築申請が次々と行なわれた。1961年(昭和36)10月の時点で、簡易宿泊所数は49軒、部屋数は3189室であった。宿泊者数は5141人であり、そのうち単身世帯は3477人、家族世帯が704世帯、1166人であった。また宿泊者のうち、生活保護を受給している世帯は、単身世帯が37人、家族世帯が56世帯、192人であった。
 簡易宿泊所街としての寿町は、1956年の誕生から約5年でその基礎が形成されたと言える。
 しかし、簡易宿泊所街の誕生から後述の1962年まで、公的な支援施策も、また民間による支援活動も無い時期が続いた。

2 寿町の子ども支援活動の開始 未就学児問題、子ども会活動、売血
 1960 (昭和35) 年10月9日付の神奈川新聞の記事は、寿町には未就学児が約50人存在し、市は無策であると報じた。神奈川新聞は、翌1961年には「戸籍のない子を救おう」(5月5日付)と報じた。形成されつつある寿町に関して、児童は救済すべきという世論が推し測れる。同年、寿町内での火災発生や、横浜血液銀行が寿町に移転し、売血の蔓延等もあり、環境の悪化が進んだ。1963年には、簡易宿泊所内での集団赤痢が発生している。

*横浜市青少年相談センターと市職員ボランティアによる子ども会活動
 寿町における福祉行政による施策は、昭和37(1962)年からの中民生安定所の夜間出張相談、翌1963年の「横浜市青少年相談センター」開設により開始された。
 一方、昭和39(1964)年、同センターの若手職員の自主的な実践である「子ども会 ぼっこ」の活動開始が、民間支援活動のはじまりとなった。
 子ども会「ぼっこ」は、行事を軸とした子ども会活動に始まり、会食、キャンプ、スポーツ大会、クリスマスパーティ、子ども会新聞等の活動を展開していった。

*「寿生活館」セツルメントハウスの設置
 昭和40(1965)年、横浜市の隣保施設「寿生活館」が設置され、寿町における福祉行政と民間支援活動の拠点となっていった。
 1972年6月には、寿生活館の3・4階増築部分がオープンした。
 1973年5月、寿生活館は、子ども対象の「絵の教室」と「そろばん教室」を開始した。以降、寿生活館主催の行事のなかに、子ども会活動は吸収されていく 。

 野本三吉は、市職員として寿生活館のケースワーカーの一人となった。
 本書では、寿町の簡易宿泊所に住み込んだ野本(他にも市職員が住み込み支援活動を展開した)の、コミュニティによる子育ての実践と思想の記録である。
 野本の理念は、簡易宿泊所街「寿町」における、コミュニティが子どもを育てる。それは、地域と子どもと大人の関わりの思想でもある。
 野本三吉の(簡易宿泊所の)部屋を訪れる寿町の子どもと大人の人間らしさが文章から伝わってくる。セツルメントとしての側面がある。
 時に野本と労働者・住民・子どもは真正面からぶつかり合う、人間対人間の対等な関係性である。セツルメントが持つ人間的交流を含む。
 日雇労働者父子世帯の事例が挙げられてている。父は夜遅くまで飲み屋に子ども連れ回し、あげく泥酔した父の世話を子どもが焼く。この生活は、社会福祉や教育の専門職との摩擦を生じる。頑固な父が労働者の逞しさを伝えていくが、愛情深さがその根幹にある。野本は、「狩猟民の生活」と称し、かつての非定住狩猟民の逞しさ、生き方、文化を重ね合わせる。
 また、親の病気による家族と生活の不安定、シンナー等の依存症のリスクが事例との関わりから述べられている。家族の不安定は、食生活の質と量の貧困をもたらす
 印象深いのは、不登校傾向の少年が寿町に滞在した際に、日雇労働者の青年が仕事に連れていったり面倒を見るエピソードがある。別れが近くなり、労働者の青年は社会の不正義は許せない、社会の不正を正すため「本当の学問をやれ」と少年に労働者の青年は語りかけ、沖縄海洋博関連の工事に仕事師として出立する。
 また簡易宿泊所街の少女は、生活保護世帯で育ち、生活と環境の影響を受けながら成長していく。様々な大人の只中で、自分の心身を大切にして生きていけるのかが課題となってしまう。
 加えて、簡易宿泊所の環境よりも、自ら児童養護施設への入所を希望する子ども、問題行動を起こして少年院送致になる寿町の少年などの事例も挙げられている。

 1973年8月、寿町における子ども食堂の開始
 この本のなかにも、寿町において1973年の夏休みの子どもの食生活を支えるために行われた「子ども食堂」の記述がある。
 1973年7月14日、17日、22日に寿町の母親たち、横浜市寿生活館職員等を中心に準備会議。23日に食材買い出し。
 1973年7月24日、子ども食堂第一回を、地域内のバプテスト教会(益牧師)を会場に実施し30名を超える子どもたちが集まる。午後は子どもたちを根岸のプールに連れて行く。
 夏休みの期間、継続する。
 8月31日、夏休み子ども食堂最終日。
 1973年9月2日 夏休み子ども食堂反省会。以降、毎週土曜日の開催を決定する。
 詳しくは、後日、報告したい。

*ことぶき共同保育 子どもと家族のコミュニティ 
 1973年9月に開始された「ことぶき共同保育」は、時間を限定した保育の取り組みとは異なり、支援者が寿町に居住と生活の場を置く、セツルメント的な活動の、寿町における確立であった。また、支援者とその家族、寿町の子どもの共同体という面もある。

 1973年7月には、寿町の日雇労働者の集まりである「寿立会」が活動を開始した。同年12月には、その寿立会と寿町自治会の共同による越冬闘争が行われた。この時期、1973年のオイルショックにより、寿町は不況の影響が甚大となっていく。このような状況下、ソーシャルアクションが展開されていく。1974年11月には、 越冬実行委員会が横浜市民生局との団体交渉を行なっている。

*飯場の労働と生活については、「飯場へ」を回覧しながら、解説した。
 従来から「飯場」は、日雇労働と併せて、貧困・生活困窮者支援、生活保護受給者にとって深く関わる就労の場であった。
 寄せ場を経由する飯場への就労、「駅手配」などと呼ばれる駅周辺の路上求人からの就労、「人夫出し(飯場)」と呼ばれる様々な工事現場への労働者派遣型(労働者をプールする飯場)等、特徴的な就労の場である。
 渡辺の飯場への参与観察、インタビューによる質的研究は、今日の飯場が、真面目に働く労働者を経営側も求め、飯場に定着している労働者たちも求めている等の特徴がまとめられている。
 若年の生活困窮者にとって、飯場は就労と住まい、食事等がセットになった開放的労働市場の一つであったが、今日、「真面目さ」、土木建築労働や飯場の生活スタイル、人間関係への適応が求められている=誰にとっても開放されているわけではないことが分かる。

公的扶助論 生活保護制度の解説 続き
1.福祉事務所と生活保護制度
・社会福祉法第14条に規定された,社会福祉全般に関する相談や給付等の実務(現業)を行う第一線の相談機関である。14条の「福祉に関する事務所」をいう。
 福祉事務所は地域における、社会福祉行政の要、フロントラインと言える。

*福祉事務所は、都道府県・市・特別区は必置である。
 都道府県及び市(特別区を含む)は福祉事務所の設置が義務付けられている(=義務設置)

*町村は任意設置
 町村は任意で設置することができる。
 つまり日本には、いずれの福祉事務所の所管区域にも属さない区域はない。

社会福祉法第十四条 都道府県及び市(特別区を含む。以下同じ。)は、条例で、福祉に関する事務所を設置しなければならない。
2 都道府県及び市は、その区域(都道府県にあつては、市及び福祉に関する事務所を設ける町村の区域を除く。)をいずれかの福祉に関する事務所の所管区域としなければならない。
3 町村は、条例で、その区域を所管区域とする福祉に関する事務所を設置することができる
4 町村は、必要がある場合には、地方自治法の規定により一部事務組合又は広域連合を設けて、前項の事務所を設置することができる。この場合には、当該一部事務組合又は広域連合内の町村の区域をもつて、事務所の所管区域とする。
5 都道府県の設置する福祉に関する事務所は、生活保護法、児童福祉法及び母子及び父子並びに寡婦福祉法に定める援護又は育成の措置に関する事務のうち都道府県が処理することとされているものをつかさどるところとする。
6 市町村(特別区を含む。以下同じ。)の設置する福祉に関する事務所は、生活保護法、児童福祉法、母子及び父子並びに寡婦福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法及び知的障害者福祉法に定める援護、育成又は更生の措置に関する事務のうち市町村が処理することとされているもの(政令で定めるものを除く。)をつかさどるところとする。 略

*福祉事務所の組織
 職員体制は、所長、指導監督(スーパーバイザー)、現業員(ケースワーカー)、事務

(組織)
第十五条 福祉に関する事務所には、長及び少なくとも次の所員を置かなければならない。ただし、所の長が、その職務の遂行に支障がない場合において、自ら現業事務の指導監督を行うときは、第一号の所員を置くことを要しない。
一 指導監督を行う所員
二 現業を行う所員
三 事務を行う所員
2 所の長は、都道府県知事又は市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。)の指揮監督を受けて、所務を掌理する。
3 指導監督を行う所員は、所の長の指揮監督を受けて、現業事務の指導監督をつかさどる。
4 現業を行う所員は、所の長の指揮監督を受けて、援護、育成又は更生の措置を要する者等の家庭を訪問し、又は訪問しないで、これらの者に面接し、本人の資産、環境等を調査し、保護その他の措置の必要の有無及びその種類を判断し、本人に対し生活指導を行う等の事務をつかさどる。
5 事務を行う所員は、所の長の指揮監督を受けて、所の庶務をつかさどる。
6 第一項第一号及び第二号の所員は、社会福祉主事でなければならない。

*解説:福祉六法
 生活保護法(1950年),児童福祉法(1947年),身体障害者福祉法(1949年),精神薄弱者福祉法(1960年。99年から知的障害者福祉法),老人福祉法(1963年),母子福祉法(1964年。81年から母子及び寡婦福祉法、現在の母子及び父子並びに寡婦福祉法)を総称して「福祉六法」。

*福祉三法
 戦後、緊急性のある問題(戦後の緊急課題として、生活困窮、戦災孤児、傷痍軍人等)として、昭和20年代に立法化された旧生活保護法(1946年),児童福祉法,身体障害者福祉法の三つの法律を「福祉三法」と称する。その時期は「三法時代」。

*参考:傷痍軍人
 戦闘または軍の公務によって負傷,または発病した軍人。
 世界各国で,戦傷病軍人に対しては特別の保護が与えられている。

*軍事援護事業
 陸軍士官兵卒給俸諸定例(1871年),
瑕疵 (かし) 兵卒家族救助令(1904年),
廃兵院法(1906年),
軍事救護法(1917年),
軍事扶助法(1937年,軍事救護法の改正)など。

*廃兵院  出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
・(各国においては)戦傷を受けて,生活能力を失った軍人を収容した施設。 1676年フランスのルイ 14世が,特定施設に収容し保護したのが始りという。
 日本では,日露戦争の際,1万 7000人の傷兵を出したことを契機に,1906年東京予備院渋谷分院に設置され,翌年豊島区巣鴨町に移転。その後,厚生省所管の傷兵保護院と改称,第2次世界大戦の敗戦とともに廃止。

<解説 福祉事務所等の歴史 概要>
1945年12月 生活困窮者緊急生活援護要綱
 1945年12月,占領軍(GHQ)からの「救済ならびに福祉計画の件」(SCAPIN 404号)に基づき,戦災者(海外引揚者・在外者留守家族・傷痍軍人とその家族・遺族)や、失業者,その家族を含む生活困窮者への救済を計画的に行うために閣議決定された要綱である。宿泊(施設収容),給食・生活必要品などの現物の給付,生業の斡旋等を,都道府県の計画に基づき,市町村単位で実施することを規定した。

1946年2月、SCAPIN 775号
 SCAPINとは,Supreme Commander for the Allied Powers Instructionの略、連合国最高司令官指令。
 775号は,1946年2月27日に出された公的扶助3原則の指令である。
 GHQは,保護の無差別平等,扶助の国家責任の明確化,最低生活保障の3原則を日本政府に指令した。これらの3原則は、後の生活保護法に原理・原則として組み込まれた。 略

 敗戦後の窮乏と混乱の状態にある国民生活に対する対策についても,占領軍の政策に従う必要があった。戦後のわが国の社会福祉政策の基盤は,ほとんどGHQの指令を通して形成されたといえる。(有斐閣 現代社会福祉辞典)

昭和21(1946)年
 1月4日 GHQが公職追放を指令
2月13日 GHQが憲法改正に関する草案を日本政府へ手交
3月6日 日本政府が「憲法改正草案要綱」発表
5月22日 第1次吉田茂内閣成立

1946(昭和21)年11月3日、日本国憲法公布
 
1946(昭和21)年、「旧生活保護法」制定
 (保護国家責任・無差別平等・最低生活保障など占領軍指令を取り入れるが、素行不良者は不適格などは救護法を引き継ぐ)
旧生活保護法 1946 昭和21年9月9日法律第17号。
 第二次世界大戦後最初に制定された公的扶助法(昭和21年法律17号)。
 無差別平等原則(1条)を規定したが,他方,保護請求権を明記せず,労働能力のある者(労働の意思のない者,労働懈怠 (けたい) 者,素行不良の者),扶養義務者のある者を保護から排除する制限扶助主義を残した(2条・3条)。最低生活保障の規定もなく,民生委員を補助機関とするなど,近代的公的扶助法として不十分なため,1950年に全面改正により現行生活保護法が成立した。
 旧生活保護法 抜粋
第1条 この法律は、生活の保護を要する状態にある者の生活を、國が差別的叉は優先的な取扱をなすことなく平等に保護して、社會の福祉を増進することを目的とする。
第 2条 左の各号の一に該当する者には、この法律による保護は、これをなさない。
 一  能力があるにもかかわらず、勤労の意思のない者、勤労を怠る者その他生計の維持に努めない者
 二  素行不良な者
第5條 民生委員令による民生委員は、命令の定めるところにより、保護事務に關して市町村長を補助する。

*共同募金community chest 有斐閣『現代社会福祉辞典』2003
 1947年から開始された「赤い羽根」をシンボルとした募金活動。国民の助け合いの精神を基調とし,民間社会福祉活動の資金援助を目的としている。制度的には,社会福祉法で規定されており,第一種社会福祉事業である。略

(1948年2月 孤児院エリザベス・サンダース・ホームの設立)
 三菱財閥の創始者・岩崎弥太郎の孫娘である沢田美喜が、岩崎家大磯別邸において、「混血孤児」のための孤児院として設立した。
1953年、学校法人聖ステパノ学園を併設。

1947(昭和22)年、児童福祉法 制定
1949(昭和24)年、身体障害者福祉法 制定
1950(昭和25)年、現行(新)生活保護法 制定 

民生委員法 昭和23年法律198号。

1950(昭和25)年、ケースワーカーとして「社会福祉主事」が制度化
 昭和25年5月「社会福祉主事の設置に関する法律」が制定

1951(昭和26)年、社会福祉事業法(現・社会福祉法)制定
(第1種2種の社会福祉事業制限列挙、社会福祉を援護・育成・更生などの福祉サービスに限定、社会福祉法人創設、福祉事務所の設置、社会福祉協議会設置、民生委員は協力機関に)
 10月、福祉事務所発足(民生安定所改組) 社会福祉主事は福祉事務所に専任職として配置。

1951年、社会福祉協議会の設立
 成り立ちは,第二次世界大戦後のGHQによる社会福祉における公私分離政策に基づく民間社会福祉事業の育成策の一環。
 具体的には,GHQの指導を受けた厚生省(当時)により,旧関連団体である日本社会事業協会,全日本民生委員連盟,同胞援護会等の団体が統合され,中央社会福祉協議会(後の全国社会福祉協議会)が1951年に設立されたのが始まり。

用語解説:社会福祉協議会
 地域住民と公私の社会福祉機関・団体より構成された民間組織。根拠法は社会福祉法。

・1948(昭和23)年から1949(昭和24)年にかけて、占領軍の指導のもと行われたグループワーク講習会。 

*実施機関等
・「実施機関」とは、都道府県知事、市長、福祉事務所を管理(設置)する町村の長
⇒生活保護法実施のための現業機関として福祉事務所(「福祉に関する事務所」)を設置し、保護の決定、実施等に関する権限を福祉事務所長に委任-保護の開始、変更、停止、廃止、被保護者への指導又は指示に関する権限を委任されているのは、福祉事務所長である。

・「居住地保護」と、「現在地保護」
 現在地保護とは、現在、存在している地域で保護の給付を行う。通常は,居住地で保護を行う。しかし、居住地が無いか定かでない,あるいは居住地があるが急迫した事由による場合においては,現在地で給付を行い,実施責任を現在地所管の実施機関が行っている。

生活保護法(実施機関)
第十九条 都道府県知事、市長及び社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号)に規定する福祉に関する事務所(以下「福祉事務所」という。)を管理する町村長は、次に掲げる者に対して、この法律の定めるところにより、保護を決定し、かつ、実施しなければならない。
一 その管理に属する福祉事務所の所管区域内に居住地を有する要保護者
二 居住地がないか、又は明らかでない要保護者であつて、その管理に属する福祉事務所の所管区域内に現在地を有するもの
2 居住地が明らかである要保護者であつても、その者が急迫した状況にあるときは、その急迫した事由が止むまでは、その者に対する保護は、前項の規定にかかわらず、その者の現在地を所管する福祉事務所を管理する都道府県知事又は市町村長が行うものとする。
 略
4 前三項の規定により保護を行うべき者(以下「保護の実施機関」という。)は、保護の決定及び実施に関する事務の全部又は一部を、その管理に属する行政庁に限り、委任することができる。
5 保護の実施機関は、保護の決定及び実施に関する事務の一部を、政令の定めるところにより、他の保護の実施機関に委託して行うことを妨げない。 略 ここまで

・福祉事務所を設置しない町村長には次の役割がある(生活保護法第19条)。
 一、急迫した事由のある要保護者に対して、応急的処置として必要な保護を行う。
 二、保護者を発見し、又は被保護者の生計その他の状況の変動を発見した場合に実施機関又は福祉事務所所長に通報する。
 三、保護の開始または変更の申請があった場合に、これを実施機関に送付する。
 四、実施機関又は福祉事務所所長からの求めに応じて被保護者等に対して保護金品を交付する。
 五、保護の実施機関又は福祉事務所長から求められた場合において、要保護者に関する調査を行う。

以上は、国立武蔵野学院 附属児童自立支援専門員養成所にて、当ブログ筆者の  担当講義のレジュメ、講義の概要より
 HPより引用「児童自立支援専門員養成所とは。非行などの問題を抱える子どもや、虐待などの理由により支援が必要な子どもたちと施設での生活を共にしながら、資格取得に向けて学ぶところです。
 国立武蔵野学院は、大正8年 (1919年) 3月に開設された児童自立支援施設です」
 児童自立支援専門員とは、児童自立支援施設において,生活指導,家庭環境調整等,ソーシャルワークによって、児童の自立を支援する専門職である。国立武蔵野学院に附属児童自立支援専門員養成所が設置されている。


当ブログ筆者の 論文 リンク

関屋光泰(2010)「簡易宿泊所街・横浜寿町地域における民間支援活動-歴史的経緯の概要」『研究紀要』第18 巻第1 号 学校法人敬心学園日本福祉教育専門学校福祉文化研究所,39-48頁


ブログ筆者の新刊 社会福祉士国家試験過去問解説集 第30回社会福祉士国家試験問題解説を執筆 中央法規出版


当ブログ筆者執筆
精神保健福祉援助演習(専門)第2版
精神保健福祉士シリーズ 10
福祉臨床シリーズ編集委員会 編

ISBN978-4-335-61117-9
発行日 2016/02/22 弘文堂

第8章 地域における精神保健問題(依存症と生活困窮)


朝日新聞に関屋光泰コメント掲載 福祉施設介護職員のストレスケアと施設のリスク


公的扶助論 講義概要6 被保護者の権利と義務、不利益変更の禁止、勤労、節約、費用返還義務とは 子ども食堂補助金、調査結果



<参考 第2回 子どもの貧困を考える映画会>
日時:2018年7月16日(月・祝)10時00分~16時20分(9時30分開場)

<最寄り駅>JR中央線、武蔵野線 西国分寺駅南口 徒歩7分
<住所>国分寺市泉町2-2-26  <TEL>042-359-4020

参加費 500円(可能な方から・学生無料)
申込み不要

2回上映・出入自由 映画上映中の入退場はご遠慮下さい。

「なくそう!子どもの貧困」全国ネットワークでは、市民の皆様に「子どもの貧困」について広く・深く考えて頂く機会として、この映画会を企画致しました。
 今回の映画会では、第69回カンヌ国際映画祭でパルムドール(最高賞)を受賞した、『わたしは、ダニエル・ブレイク』 (2016年イギリス/2017年日本公開)を2回上映致します。

プログラム(予定)
9:30 開場
10:00 開会
10:10 『わたしは、ダニエル・ブレイク』第1回上映(~11:50)
11:50 休憩(~12:50)
12:50 トークセッション(~14:20)
     ”声をあげる”~
     『わたしは、ダニエル・ブレイク』に学ぶ貧困問題
     <ゲスト>
     猪熊弘子(ジャーナリスト)氏
     稲葉剛氏(つくろい東京ファンド代表、立教大学特任教授)
     <コーディネーター>
     中塚久美子氏(朝日新聞記者)
14:20 休憩(~14:30)
14:30 『わたしは、ダニエル・ブレイク』第2回上映(~16:10)
16:20 閉会


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公的扶助論 低所得者に対する支援と生活保護制度 その5 ブログ筆者の担当講義
 HPより引用「児童自立支援専門員養成所とは。非行などの問題を抱える子どもや、虐待などの理由により支援が必要な子どもたちと施設での生活を共にしながら、資格取得に向けて学ぶところです。
 国立武蔵野学院は、大正8年 (1919年) 3月に開設された児童自立支援施設です」
 児童自立支援専門員とは、児童自立支援施設において,生活指導,家庭環境調整等,ソーシャルワークによって、児童の自立を支援する専門職である。国立武蔵野学院に附属児童自立支援専門員養成所が設置されている。

1.被保護者の権利及び義務
*被保護者の権利 経緯 「生活保護法の解釈と運用」より
 恤救規則からはじまり、救護法及び旧生活保護法は、これらの救貧制度の(行政側の)運営について定めた法であって、被保護者の権利について十分な規定がなかった。
 また大正14年の「普通選挙法」において、被保護者は選挙権及び被選挙権を持たないと定められた。この被保護者の参政権の制限は、昭和22年の衆議院議員選挙法の改正によって削除されるまで継続された。
 つまり、明治から旧生活保護法までの救貧制度は、被保護者の参政権の制限と並んで、救済を求める権利を認めていなかった
・また、他国の公的扶助制度と比較をしても、被保護者の権利について独立した章を設けて定めている例はない。この現行生活保護制度の被保護者の権利は先進的な形と言える。

<解説>
*恤救規則
 1874年に府県に出された通達(明治7年太政官達162号)である。日本の救貧制度の源流である。「人民相互ノ情誼」が強調され,生活困窮者に対しては血縁・地縁による隣保相扶を優先させた。扶助の対象は無告の窮民に制限され、家族の扶養を受けられない者、極貧の労働不能者等に対象を制限した。1932年の救護法施行により廃止。

*隣保相扶とは、村落共同体を中心とした相互扶助の思想である。江戸時代の五人組制度などもその一形態である。

*救護法
 第一次世界大戦後の不況を背景に,制定された法律(昭和4年法律39号,1932年7月施行)。1946年(旧)生活保護法が制定までの,一般救貧法である。生活扶助,医療扶助,助産扶助,生業扶助(及び埋葬費)。居宅保護を原則とし,(施設への)収容保護,(私人への)委託保護を容認。

*不利益変更の禁止(第56条)
「生活保護法の解釈と運用」より
・保護実施機関の裁量などによる、窓意的な変更は許されないという規定である。
・これは被保護者と保護の実施機関との間の基本的な関係を規定したものである
 保護の実施機関が被保護者に対して保護の開始等を決定したなら、この法に定めるところの変更の手続きを正規に取らない限りは、決定された内容において保護の実施を受けることが被保護者にとっての権利となり、被保護者はその実施を請求する権利を持つ。また、保護の実施機関は、決定した保護を決定通りに実施しなければならない義務を負う
・「正当な理由」:例えば、地方自治体が保護費の予算の不足などによって、保護費の減額を決定することは正当な理由ではなく、この場合の保護費の変更は違法である。

生活保護法第56条では、「被保護者は、正当な理由がなければ、既に決定された保護を、不利益に変更されることがない」不利益変更の禁止が規定されている。

*公課禁止(第57条)、差押禁止(第58条)
・生活保護法第57条と第58条では、公課禁止と差押禁止が明示されている。公課禁止は、被保護者は最低限度の生活であり、租税の余地はない、差押禁止は民事上の債務から保護金品を保障する。
第五十七条 被保護者は、保護金品を標準として租税その他の公課を課せられることがない。
第五十八条 被保護者は、既に給与を受けた保護金品又はこれを受ける権利を差し押えられることがない。

「生活保護法の解釈と運用」より
(国税、市県民税の)公課禁止の規定は、保護費のみを対象とすると解釈できる。

*譲渡禁止(第59条)
・一方、被保護者の義務としては、第59条で、「保護又は就労自立給付金の支給を受ける権利は、譲り渡すことができない」。
 保護を受ける権利は一身専属権で、第三者に譲渡できるものではないことを明示している。

*生活上の義務(第60条)
「生活保護法の解釈と運用」
 この義務に違反した場合、直接的な制裁の規定はないが、保護機関の指導指示に従わない場合は、必要な手続きを行ったうえで保護の変更、停廃止がなされる場合もある。
・生活上の義務「勤労に励む」とは、単に「惰民防止」という見地からではなく、被保護者の自立助長の考え方に基づいて、この規定も定められている。
 生活保護制度の運営について注意すべき点の一つは、被保護者が保護の受給に慣れて、能力があるにも関わらず無為徒食する惰民としてしまわず、また(この影響から)一般の人々の勤労意欲を低下させないようにすることである。
 しかしこれは困難な課題であって、イギリスの救貧法の歴史から見てもこれらの公的扶助の永遠の宿題ともいえるものである。
 ただしここでいう勤労に励むことは、働く能力のない人々に求めているものではない
・「支出の節約を図る」とは、生活保護費の計画的な支出を含む。

・第60条では、「被保護者は、常に、能力に応じて勤労に励み、自ら、健康の保持及び増進に努め、収入、支出その他生計の状況を適切に把握するとともに支出の節約を図り、その他生活の維持及び向上に努めなければならない」。

*届出の義務(第61条)
「生活保護法の解釈と運用」
 「生活の維持及び向上に努め」ていないと判断できる例
 収益を伴わない、また成功の可能性もない研究・発明に没頭するもの、また「気が向かなければ仕事をしない」という態度のものは、生計・生活の維持向上に努めていないということになるであろう。これらの行為の可否は別として。
 同じく労働争議ストライキに参加した場合も、一般的には生計・生活の維持向上に忠実に勤めているタイプとは言えないだろう。これらの行為の可否は別として。

・第61条では、「被保護者は、収入、支出その他生計の状況について変動があつたとき、又は居住地若しくは世帯の構成に異動」があった場合は速やかに保護実施機関に届け出る義務を課している。

*費用返還義務(第63条)
・第63条で費用を返還する義務を課している「被保護者が、急迫の場合等において資力があるにもかかわらず、保護を受けたときは、保護に要する費用を支弁した都道府県又は市町村に対して、すみやかに、その受けた保護金品に相当する金額の範囲内において保護の実施機関の定める額を返還しなければならない」。

*指示などに従う義務(第62条)
・第62条では、被保護者は原則として保護実施機関の指示に従う義務があり、従わない場合は被保護者に弁明の機会を与えたうえで、実施機関は保護の変更、停廃止を行うことができるとしている。
 被保護者の自由を尊重すべきことも規定されているが、保護実施機関の指導指示権限がぎりぎりのところで上回っているといえる。
62条「被保護者は、保護の実施機関が、第三十条第一項ただし書の規定により、被保護者を救護施設、更生施設若しくはその他の適当な施設に入所させ、若しくはこれらの施設に入所を委託し、若しくは私人の家庭に養護を委託して保護を行うことを決定したとき、又は第二十七条の規定により、被保護者に対し、必要な指導又は指示をしたときは、これに従わなければならない。
2 保護施設を利用する被保護者は、第四十六条の規定により定められたその保護施設の管理規程に従わなければならない。
3 保護の実施機関は、被保護者が前二項の規定による義務に違反したときは、保護の変更、停止又は廃止をすることができる。
4 保護の実施機関は、前項の規定により保護の変更、停止又は廃止の処分をする場合には、当該被保護者に対して弁明の機会を与えなければならない。この場合においては、あらかじめ、当該処分をしようとする理由、弁明をすべき日時及び場所を通知しなければならない」

<続く>

<参考資料 講義関連>
2018/5/21 11:45 日本経済新聞 電子版
 引用「地域住民らが子供に無料や低額で食事を提供する「子ども食堂」の運営を軌道に乗せようと、自治体が支援策に知恵を絞っている。食堂は全国で開設が相次ぐが、資金繰りや食材集めに窮し、閉鎖するケースもある。運営経験の豊富な民間団体に助言してもらったり、家庭で余った食材の提供を呼びかけたりして普及を後押しする。
 大阪府は2018年夏にも、福祉活動の運営実績がある団体を「コンシェルジュ」に任命し、子ども食堂の運営団体にアドバイスする制度をつくる。立ち上げなどの相談に応じたり、運営のノウハウを教えたりする。週3日以上、相談窓口を開くことなどを条件に最大450万円の補助金を出す仕組みだ。
 導入の背景には、子ども食堂の運営の難しさがある。府などによると、集まる子供の数や食材の仕入れが安定せず、短期間で閉鎖してしまうケースがある。「食堂の開設を促し、継続できる環境を整える」(府福祉部)のが狙いだ」抜粋ここまで

関連:子ども食堂補助金、地域福祉活動コーディネート、ファシリテーター、社会資源の開発、ボランティア活動

平成30(2018)年4月10日 神戸新聞 朝刊
 引用「兵庫県内でも広がりを見せる「子ども食堂」。自宅などを開放した小規模なものや、朝食を提供する形も登場し、子どもの貧困対策という意味合いを超え、見守りや学習支援、子育て中の母親のサポート、3世代交流など多様な役割を備え、子どもを核にした「つながりの場」として根付きつつある。一方、自治体の支援には地域差があり、運営費やスタッフの確保、教育・福祉との連携も課題だ。
 「気になる子どもをピンポイントで支援するのは無理。とにかく居心地のいい場所をつくりたい」抜粋ここまで

関連:子育て支援、多世代交流、小地域福祉活動、社会的孤立、ソーシャルインクルージョン、アウトリーチ

平成30(2018)年4月5日 朝日新聞 東京朝刊
引用「朝日新聞社とベネッセ教育総合研究所が共同で実施する「学校教育に対する保護者の意識調査」の結果が4日、まとまった。全国の公立小中学校の保護者7400人に聞いたところ、教育格差について「当然だ」「やむをえない」と答えた人は62・3%となり、4回の調査で初めて6割を超えた。また、子どもの通う学校への満足度は83・8%で、過去最高となった。
 調査では「所得の多い家庭の子どものほうが、よりよい教育を受けられる傾向」について「当然だ」「やむをえない」「問題だ」の3択で尋ねた。
 「当然だ」と答えた人は9・7%で、2013年の前回調査の6・3%から3ポイント以上増えた。1回目の04年、2回目の08年(ともに3・9%)からは6ポイント近い増加だった。また、「やむをえない」は52・6%で、初めて半数を超えた前回の52・8%とほぼ同じ。格差を容認する保護者は計62・3%となった」抜粋ここまで

関連:教育格差、学力格差、福祉国家、福祉社会、貧困の世代間連鎖、社会連帯、社会的排除、セツルメント

毎日新聞2018年4月6日 地方版
引用「子どもの貧困状況を把握し今後の対策に生かそうと、県が「生活実態調査」を初めて実施したところ、小中学生がいる世帯のうち1割近くが困窮状態であることが分かった。所得が低い世帯ほど子どもの教育に関する支出が少ない傾向にあることも判明し、県は市町村などと連携しながら対策を講じていきたいとしている。

関連:コミュニティワーク、住民主体、地域ニーズ

フードドライブ:余っている食品、提供して 子ども食堂に寄付 一宮であす /愛知
2018.02.24 毎日新聞地方版/愛知
引用「一宮市の名鉄一宮駅で25日、利用されない食料品を持ち寄り「子ども食堂」などに寄付しようという「フードドライブ」が行われる。一宮サウスライオンズクラブが企画し、家庭や職場で利用されない食品の提供を呼び掛けている。
 集まった食品は同市の福祉NPO「のわみ相談所」を通じ、子ども食堂などに提供される。
 寄付を呼び掛けているのは、米、缶詰、レトルト食品、インスタント食品、調味料、菓子、飲料など。生鮮食品や冷蔵・冷凍食品、アルコール飲料などの寄付は遠慮してほしいという。同クラブの杉本敏之会長(65)は「食事が満足に取れない子どもが一宮にも大勢いる。協力してほしい」と話している」引用ここまで

OSAKAおお!:大阪・ミナミの子供食堂 水曜日は一緒に食べよう 提供するのは食事と安心感 /大阪
2018.02.19 毎日新聞地方版/大阪
引用「大阪・ミナミの繁華街にほど近い一角で、地域の子供たちに無料で食事を振る舞う「子供食堂」が毎週水曜日の夜に開かれている。付近にはアジアを中心としたニューカマーの住民が多く、子供食堂の利用者も半数程度が外国ルーツだ。温かな食事と心を子供たちに届け、多文化共生の一助にもしようと、有志のボランティアらが取り組みを続けている。
 しま☆ルームは昨年6月にオープンした。代表を務める福井潤一郎さん(62)は元々薬局を営んでいたが、数年前に子供食堂に関する報道に触れて関心を持った。リタイア後、開設準備を進める中で外国ルーツの子供の支援に携わる人たちと知り合い、ニューカマーが数多く暮らすミナミで開くことを決めた。
 大阪市にある私立の建国高校から生徒が栽培した野菜の提供を受けるなど、取り組みに賛同する動きも広がっている。一方、今後の運営には課題もある。会場費は無料だが、食事は契約した近くのマンションの1室で作っているため、賃貸料と材料代で毎月約10万円かかるという。
 現在、個人でこうした経費を負担している福井さんは「一人でご飯を食べる子供を何とかしたい」と話し、安定した継続方法を模索している。
 子供食堂
 一人親世帯の子供らに低価格や無料で食事を提供する取り組み。府によると、府内には昨年9月時点で少なくとも219カ所ある。NPOや福祉団体が公共施設などで運営する形が多い」引用ここまで

夢童:子ども食堂支援プラットフォーム=菅波茂 /岡山
2018.02.16 毎日新聞地方版/岡山
引用「昨年12月23日、岡山市で「AMDA子ども食堂支援プラットフォーム」の設立フォーラムが開催された。「子ども食堂の支援と役割」についてフォーラムがあった。
 子ども食堂の必要性と役割、子ども食堂や利用する子どもたちへの具体的支援を討議した。制限がある中で支援できることの具現化を当プラットフォームの役割と結論付けた。今年中のできるだけ早期の活動開始を予定している。
 このプラットフォームの大前提は子ども食堂を運営しておられる先駆者の方々の意欲と経験を尊重することである。その上で次の3点を考えている。(1)子ども食堂への食材料の提供(2)企業などによる社会参加の機会の提供(3)子どもたちにボランティア活動を提供」引用ここまで

関連:コミュニティ、孤食、貧困家庭

子供食堂向けアンケート調査結果 等

当ブログ筆者が執筆
精神保健福祉援助演習(専門)第2版
精神保健福祉士シリーズ 10
福祉臨床シリーズ編集委員会 編

ISBN978-4-335-61117-9
発行日 2016/02/22 弘文堂

第8章 地域における精神保健問題(依存症と生活困窮)

当ブログバックナンバー
 相談、面接、生活保護受給者訪問調査
 貧困、生活困窮の子どもと家族
 アルコール依存症と生活困窮、精神科医療との連携の必要性

キーワード 生活保護不正受給問題、適正化政策、ワークフェア、バウチャー、貧困家庭一時扶助、私的扶養、ベーシックインカムとは。




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公的扶助論 低所得者に対する支援と生活保護制度 第1日目 その4 当ブログ筆者の担当講義
生活保護法の「基本原理」とは 前回講義レジュメの補足
「基本原理という言葉は、人為によって左右されないという気持ちを表すために用いられている」
 小山進次郎『生活保護法の解釈と運用』1950年
 生活保護は、無差別平等であり、生活に困窮する全ての人のための制度である。保護は国民にとっては権利であり、国家にとっては責務である。
 これらを基本原理として揺るがぬものとして示している。

1.保護の原則
 生活保護法第7条から第10条まで、生活保護制度の運営上の原則(やや具体的な法実施の枠組)である。
 生活保護を具体的に実施していく場合の、行政行為の指針を定めている。
 7条「申請保護の原則」
 8条「基準及び程度の原則」
 9条「必要即応の原則」
 10条「世帯単位の原則」

1.申請保護の原則
 なぜ、生活保護制度は申請主義なのか。申請する権利があるが、原則として申請がなければ給付は開始されない
 「日本の救貧制度は、恤救規則 から旧生活保護法に至るまで、職権保護の原則(建前)がとられてきた。
 保護を受ける側の意思に関わりなく、保護が開始される(もしくは開始されない)。
 現行の生活保護法は、職権による保護の開始から脱し、申請保護の原則により、困窮した人々に保護請求権、申請する権利を認めるものである」

 しかし「申請保護の原則によって、要保護者の発見に対する保護の実施機関の責任がいささかでも軽減されたと考えてはならない待ちの姿勢ではなく、地区担当員が社会調査を実施し、要保護者を積極的に発見する、また民生委員の積極的努力を受け、要保護者について連絡を受ける、保健所、学校などで発見された要保護者につき、速やかに連絡を受けるなどして要保護者と生活保護制度とを結びつけることに最善の努力を払うべきである」

生活保護制度におけるアウトリーチ、生活困窮ニーズの掘り起こし
 実際の貧困、生活困窮問題を考えると、保護の実施機関が来談を「待つ」だけでは、困窮者への有効な支援が実施できない。
 地域における生活困窮ニーズの発見と、ニーズと資源を結びつけるソーシャルワーク的支援が求められている。
 とりわけ出向いていく形の支援、つまりアウトリーチが今日、求められているといえよう。

申請保護の原則は、生活保護法第7条に定められている原則で、
①保護は申請にもとづいて開始すべきこと、
②申講権者の範囲を規定したこと、
③但し書きとして急迫した場合に職権保護が補完的に可能であることの3点がその趣旨である。
 また、保護の開始については、実施機関は保護申諸のあった日から原則14日以内に保護の要否等について通知すべきことが規定されている。

・『生活保護法の解釈と運用』 子どもの生活保護の申請は 
・「被保護者」とは、生活保護を受給している保護者であり、保護を要する者のことをいう。
・「保護率」とは通常人口千人当たり被保護者人員数=パーミル(‰)で表示する。

2.基準及び程度の原則
 この「程度」とは、要保護者の資力で充足することができない、保護基準からの不足を補う程度とする。

 生活保護法第8条に、第3条「健康で文化的な」最低限度の生活を、具休的に決定する場合の手続きや考え方を規定している。その趣旨は、
①保護の基準は厚生労働大臣が決定すること、
②この基準は最低限度の生活に十分である一方、この限度を超えてはならないこと、
③保護の程度はミーンズ・テストを行ってその不足分を補うものであることの3点である。

生活保護の収入認定とは
 要保護者の資力の認定のことを収入認定と呼ぶ
 収入認定においては、冠婚葬祭の場合の祝い金や香典料、社会福祉団体などからの臨時的に送られた慈善的性質の金銭、地方公共団体などからの福祉増進のため条例に基づき定期的に支給される金銭のうち、一定限度以内の額については認定の適用除外として収入として取り扱わない。

3.必要即応の原則
 生活保護を機械的、画一的に運用することなく、制度上認められる限り、要保護者の個別的な必要性を重視する原則である。
 生活保護法第9条に、「保護は、要保護者の年齢別、性別、健康状態などその個人または世帯の実際の必要の相違を考慮して、有効且つ適切に行うものとする」と定めており、保護の実施は要保護者の個別事情の違いに応じて柔軟に対応すること、というものである。

4.世帯単位の原則
 生活保護法第10条に、「保護は、世帯を単位としてその要否及び程度を定めるものとする」と規定し、状況により個人を単位とする世帯分離についても定めている。
 原則として、住居と生計を同一にしている場合を同一世帯として認定する。
 「世帯単位の原則」が規定されているが、個人を単位とする世帯分離も定められている。

*小山進次郎 (1915-72)
 1950年,(現行)生活保護法の制定に参画した。
 1950年の著書『生活保護法の解釈と運用』

 HPより引用「児童自立支援専門員養成所とは。非行などの問題を抱える子どもや、虐待などの理由により支援が必要な子どもたちと施設での生活を共にしながら、資格取得に向けて学ぶところです。
 国立武蔵野学院は、大正8年 (1919年) 3月に開設された児童自立支援施設です」
 児童自立支援専門員とは、児童自立支援施設において,生活指導,家庭環境調整,関係機関との連携等,ソーシャルワークによって、児童の自立を支援する専門職である。国立武蔵野学院に附属児童自立支援専門員養成所が設置されている。

<参考資料 講義関連>
2018/4/10 06:20神戸新聞NEXT 神戸新聞 朝刊
引用「地域の子どもらに無料か低額で食事を提供する「子ども食堂」が、兵庫県内の21市2町で計98カ所運営されていることが、各自治体への取材で分かった。
 子どもの貧困対策や居場所づくりとして認知度が上がったことを背景に、ここ数年で全国的にも急増。自治体による財政支援も開設を後押ししているようだ。
 子ども食堂は2012年に東京で始まったとされ、現在は主に地域住民やNPO法人、民間団体などが運営している」抜粋ここまで

2018年03月24日 06時00分 西日本新聞
引用「「子ども食堂」について、九州の運営者にアンケートしたところ、7割が「来てほしい家庭の子に来てもらえない」とニーズ把握に悩んでいることが分かった。17日に福岡県春日市であった「広がれ、こども食堂の輪! 全国ツアーin福岡&九州サミット」の実行委員会が調査した。
 実行委は「地域や子どものニーズに合わせて食堂の形態を考えていく段階に来ている」と指摘する。
 アンケートは2〜3月に実施。九州7県で子ども食堂を運営する49の団体・個人から回答を得た。
 利用対象者を尋ねたところ、7割以上が「大人を含めて誰でも」。子ども食堂は貧困対策を出発点としてきたが、最近は家庭や地域に居場所のない子の受け皿になった
り、学習支援の場になったりと形態が多様化しており、対象を「生活困窮家庭の子」に限っているのは2カ所だけだった」抜粋ここまで

関連:アウトリーチ、アクセシビリティ、接近困難なクライエント、地域福祉活動、ソーシャルサポートネットワーク、共生社会、ソーシャルインクルージョン

貧困の連鎖、解消狙う 子ども向け学習支援事業、充実 /埼玉県
2018年02月14日 朝日新聞朝刊埼玉全県
引用「県が掲げる課題の一つが「貧困の連鎖解消」だ。負の連鎖を絶つために生活困窮者の子ども向け支援を充実させる。2018年度予算案に、小学生から高校生までの学習支援促進事業費として1億448万円を計上した。
 県は10年から中・高校生向けの学習支援「アスポート事業」を行っているが、日本財団の調査では、貧困による学力差は小学校低学年から生じる。物事に取り組む意欲など生きていく上での力、非認知能力も同様の傾向を示すという。
 県は小学生の早い段階から、学力向上とその土台となる非認知能力の育成が重要と判断。新年度から小3以上の児童を対象に「ジュニア・アスポート教室」を開くことにした。
 社会福祉課によると、県内の生活保護受給世帯の小学生は4025人(15年度)。その他、就学援助が必要と認められる児童も対象となる。
 具体的な活動内容は、支援員やボランティアによる学習・生活支援、キャンプや化学実験などの体験活動、食事の提供など健康支援の三つで、地域のNPOや子ども食堂、フードバンクなどと連携する」引用ここまで

県、「子ども食堂」で数値目標 子どもの貧困対策で行程表 /愛知県
2018年02月20日朝日新聞朝刊名古屋
引用「貧困家庭に育つ子どもの支援策を部局横断で検討する県の「子どもの貧困対策推進プロジェクトチーム(PT)」は19日、2018年度から5年間の施策の進め方をまとめた「子どもが輝く未来へのロードマップ」をまとめた。
県のまとめでは、市民団体などが無料や低額で食事を提供する子ども食堂は17年度に24市町の計56カ所だったが、5年後には県内全域の200カ所に増やせるよう、取り組みを支援していく」引用ここまで

(りぽーとFUKUOKA)子ども食堂に居場所あるよ 田川の居酒屋、手応えと自問/福岡県
2018年02月26日 朝日新聞朝刊福岡
引用「田川市の居酒屋「花野の香」の入り口にカラフルな「こども食堂」の横断幕が立つ。
「花野の香」は、田川地区で初の定期開設の子ども食堂だ。運営者の山本敬子さん(37)は、2歳の長男の世話をしながら夜の居酒屋と昼のランチ営業を切り盛りする子育て世代。飲食業を営む者として「食」で地域の子どもたちに還元したいと、かねて構想をあたためていた。昨年7月、土曜のランチ営業を取りやめて踏み切った。中学生まで無料、高校生は300円。おかわりもできる。
 応接スタッフは近くの県立大学の女子学生有志がボランティアで務める。調理スタッフは店の従業員ら。
 山本さんは当初、家庭の経済的な事情で満足に食べられない子が来るだろうと想定して身構えていた。だが実際に始めてみると、「お金はあっても、ふれあいが足りない子がいるのでは」と感じる。「本当に必要としている子に『ここに居場所があるよ』と声が届いているか」との思いを常に抱いている。
 運営は、ひと月あたり数万円の自費をかける山本さんの熱意と、話を聞きつけてお米を提供してくれる人や、おつりを寄付してくれる居酒屋の客たちの善意に支えられている。
(子ども食堂は)広がるにつれ、共通の課題も明らかになっている。その一つが、子ども食堂を本当に必要としている子へどう情報を届けるかだ」引用ここまで

関連:ニーズと資源の調整、ニーズの把握・掘り起こし、困難を抱えている子ども・家族、教育の機会の均等、フードバンク、切れ目のない支援、生活保護費の削減、里親、特別養子、居場所づくり、子どもの貧困対策検討会議

2018/4/6 0:15日本経済新聞 電子版 日本経済新聞 電子版
引用「経済的に厳しい子育て世帯に対し、新入学準備や課外活動などの就学援助を強化する動きが都内の自治体で相次いでいる。
 品川区や豊島区などは入学準備金を増額したほか、支給時期も前倒しする。文京区はPTA会費や中学生のクラブ活動費も支援の対象とする。さらなる負担軽減を進めて効果的な貧困対策につなげる。
 就学援助とは、経済的な理由で就学が難しい子どもの保護者に自治体が財政支援する制度。生活保護の家庭と、各自治体が生活保護に近いと判断した「準要保護」の家庭が対象」抜粋ここまで

関連:貧困の世代間連鎖、ヘッドスタート

平成30(2018)年3月23日 神奈川新聞 朝刊
引用「子どもの貧困が社会問題化する中で県が2016年度に設置した「かながわ子どもの貧困対策会議」が、2年間の活動の集大成として提案書をまとめた。
 高校生や大学生の意見も取り入れた内容で、22日、県庁で黒岩祐治知事に提出した。
 同会議は有識者や子どもの支援を担う福祉、教育関係者などで構成。ひとり親家庭へのアンケートや、児童相談所、市町村、自立支援施設などの職員約2千人を対象に
意識調査を行う一方、高校生や大学生らでつくる子ども部会を設置し、当事者の声を吸い上げてきた」抜粋ここまで

関連:利用者主体、エンパワメントアプローチ、マクロソーシャルワーク、政策提言

毎日新聞2018年4月3日 大阪夕刊
 引用「生活保護世帯の子どもが大学に進学するのは、依然としてハードルが高い。
 小さいころから保護を受けて育った大阪府出身の女性(18)はこの春、関西地方の私立大に進んだ。貧困、虐待、家出--。数々の苦難の末に手にした切符だが、進学と同時に保護の対象から外れるため、台所事情は苦しい。「学校の先生になるのが中学校のころからの夢だった。でも、奨学金を返すの大変だろうな」。その胸には、期待と不安が交錯している。
 3歳の時に両親が離婚。家計を支えようと、母親は二つの仕事を掛け持ちした」抜粋ここまで

関連:生活保護の自立支援、生活保護世帯の教育問題、教育格差、教育扶助と生業扶助、世帯単位の原則と世帯分離

2018年5月20日(日)東奥日報 朝刊
引用「2017年度に県内6児童相談所(児相)に寄せられた児童虐待に関する相談件数は
1073件となり、統計を開始した1996年度以降、過去最多を更新したことが19日まで
に、県こどもみらい課のまとめで分かった。同課は全県的に児相通告への意識が高ま
り、件数増加につながったと分析している」抜粋ここまで
児童相談所と警察等の連携

関連:ネグレクト、心理的虐待、多問題家族、子育て支援


当ブログ筆者が執筆
精神保健福祉援助演習(専門)第2版
精神保健福祉士シリーズ 10
福祉臨床シリーズ編集委員会 編

ISBN978-4-335-61117-9
発行日 2016/02/22 弘文堂

第8章 地域における精神保健問題(依存症と生活困窮)

当ブログバックナンバー
 相談、面接、生活保護受給者訪問調査
 貧困、生活困窮の子どもと家族
 アルコール依存症と生活困窮、精神科医療との連携の必要性

キーワード 生活保護不正受給問題、適正化政策、ワークフェア、バウチャー、貧困家庭一時扶助、私的扶養、ベーシックインカムとは。

キーワード 最低生活費、セーフティネットとスプリングボード、生活保護制度の在り方に関する専門委員会、垂直的再分配、水平的再分配、地域的再分配、社会連帯、ナショナルミニマム。

<参考>
 『保育料・教育費無償化と子どもの貧困を考える』
 政府は、3歳以上の子どもの保育・幼児教育の無償化に向けて動きをすすめているとされます。
 5歳児については、2019年度から先行されるとの報道もなされていますが、十分明らかにされていません。
 また、保育所・幼稚園に通うには保育料以外の保護者負担分もあり、その点については言及がありません。
 一方、無償とされる義務教育での保護者負担の高さは、これまでにも指摘されています。
 特に給食費については、中学校での実施の有無を含め、自治体ごとの違いが大きいとされます。
 今回は、保育料・教育費無償化をテーマに、学び、議論する機会としたいと思います。
 あわせて、北海道、沖縄の子どもの生活実態調査から、報告をお願いしています。
日時 2018年6月16日(土)13:00~16:10(開場 12:30)
定員 100人
資料代 500円(可能な方より・学生無料)
プログラム(予定)
各地の取り組み
・北海道・札幌市 子どもの生活実態調査から
 松本 伊智朗さん/北海道大学教授

・沖縄県乳幼児調査から
 山野 良一さん/沖縄大学教授

報告
・「保育料無償化と子どもの貧困問題」
  丸山 啓史さん/京都教育大学准教授
・「学校給食と子どもの貧困」
  鳫 咲子さん/跡見学園女子大学教授
主催:「なくそう!子どもの貧困」全国ネットワーク
助成:公益財団法人 キリン福祉財団

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 当ブログ筆者は、東京都福祉保健局の委託を受け、福祉施設職員をサポートするための研修を都内80ヵ所程の福祉施設で実施してきました。福祉施設職員のストレスケア研修を中心に、障害者福祉施設や生活困窮者対象のグループワーク等の研修を実施してきました。
 筆者のこれらの研修は、東京都「登録講師派遣事業」として実施しています。この制度は、東京都福祉保健局の委託により、研修講師(筆者)が都内の福祉施設等に出向いて、職員研修を行います(東京都社会福祉協議会がとりまとめ)。
 筆者の約23年間の社会福祉実践(生活困窮者の相談、生活保護受給者等のグループワーク、精神科デイケア、アウトリーチ、地域福祉活動)の経験や事例、研究を活かした研修を行っています。社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士養成に携わってきた教員としての知識も活かしています。
 多くの福祉施設が、職員の突然で早期の離職と、それに伴う人材不足、実践のストレス、職員間の人間関係の不調、燃えつきや心身の慢性疲労による休職等の困難に直面しています。
 今年度、筆者の研修は、新たなテーマ、科目も拡充しました。これらは、福祉施設の現場をサポートするための研修です。

 福祉施設の現場とつながる研修として、職員の方々の困難に寄り添う研修として、筆者は実施しています。

当ブログ筆者の福祉施設職員対象研修 施設へ出張講義  申し込みはこちら
 東京都福祉保健局の委託による、福祉・介護・保育事業所対象の職場研修です。
 講師謝金 無料

貧困、生活困窮者(子ども)支援の考え方 共生社会の課題 科目番号218
 子ども食堂等の地域福祉活動の拡大をふまえ、社会的排除、貧困の捉え方や、生活困窮者・児童支援の考え方、関連する健康問題等の基礎を解説。
 共生社会、ソーシャルインクルージョン志向の活動事例や、アウトリーチ等の課題も解説。
<概要>
公的扶助領域、生活困窮者支援における相談援助
 貧困に関連した生活問題の緩和を目指す相談実践の拡充のために。
 生活困窮と危機介入の必要性。
 貧困と家族問題。児童虐待、ネグレクト。家族関係、子育てを支援するための課題。
 多問題家族への支援のあり方とは。女性の貧困、ドメスティック・バイオレンス被害による生活の不安定化のプロセス。
 経済的困窮とメンタルヘルス、心身の健康問題。
 アルコール・薬物等の依存症問題。依存症の専門的な治療、リハビリテーション。
 回復の可能性と自助グループへの参加。

・子どもと家族の生活困窮、子ども虐待。地域における見えない生活問題。
経験の貧困、時間の貧困、移動の貧困-安全の問題。情報、繋がりの貧困
・子ども時代の自由な行動と、家庭の経済の制約。いじめの不安。
・教育の格差、学力問題、学習環境の整備、学習支援の必要性。
・不登校、長期間の引きこもりから中高年の引きこもりへ。生活困窮者支援における顕在化。
・子どもの生活困窮と心身の健康問題
 食生活と栄養問題食生活による家族の心身の健康と生活、子どもの成長への影響食育の場としてのこども食堂。
・生活環境の問題
・スクールソーシャルワークの拡大へ。

子ども食堂等の地域福祉活動と生活問題
 子ども食堂、居場所づくりの事例。地域における住民主体の支援。
 福祉施設としての地域社会への貢献地域福祉活動との連携、会場の提供。
 子ども、家族への食支援、調理、食事の場を通じた支援。孤食、栄養の問題。
 子ども食堂の開催時間とは:平日昼間の開催による保育園入園前の親子の居場所、子育て支援の場か。
 もしくは夕方に実施し、小学生以上の食支援と学習支援か。
 こども食堂の会場として、公民館等のフォーマル、インフォーマルの場か、その中間(既存店舗など)。「空家活用」
 高齢者福祉施設等を会場に。多世代交流の場としてのこども食堂
 民生委員を含む地域ボランティアとの協働。
 個別支援と集団支援。グループワークのプログラム例キャンプ等、自然交流。
 子ども食堂の対象は、子ども「誰でも」か、対象が明確か。
 子どもの生活問題の捉え方。子育て支援、社会的孤立の予防、コミュニティの交流も含めた幅広い視野。
 多世代交流型、「誰でも食堂」コミュニティの居場所か。
 誰が調理するのか「食堂」は調理し提供か、みんなでクッキング「共同調理」か。
 プログラムの有無(例 学習支援やレクレーション。もしくはフリー)
 担い手は誰か。コミュニティの非専門職、地域住民の活動の意義と、専門職の役割。

・「社会的排除」、ソーシャルインクルージョン
 社会的孤立、人間関係、コミュニケーション、繋がりの問題
・簡易宿泊所地域の「孤立・孤独死」の事例。
・訪問活動(生活場面面接)・アウトリーチ

・複合的な生活問題、生活困窮。
 例:生活困窮+不安定雇用+多重債務+アルコール依存症+学歴、生育環境による不利
・連鎖的な悪循環
 経済的困窮に重複して、心身の健康破壊と医療格差、虐待・暴力(児童やパートナー)、自殺、子どもの発達・教育格差・非行、家族問題等の、問題の重層化や負の連鎖を招くものである。
・全人的、ホリスティックな問題
 複合的な問題である貧困に対して、全人的・総合的な理解と援助が求められる。

・低い自己評価、自尊感情の貧困、根源的な痛み
・当事者が強いられる沈黙、諦め、諦念。自分らしい生き方を取り戻すワーク。
・グループワークによるアート、音楽、作業等。居場所と生活困窮の背景を探究する教育。

・貧困の捉え方
・絶対的貧困、ラウントリーの貧困線
・相対的剥奪
・社会的排除とエンパワメント。コミュニティへの働きかけ。
 共生社会のあり方。ソーシャルインクルージョンによる支援

初回面接(インテーク)の基礎 初対面の利用者とのコミュニケーション技術 科目番号178
 訪問等における、初対面の利用者とのコミュニケーションや電話相談にも応用可能な、インテーク面接、相談の基礎を、生活困窮の事例も交え解説。
 早期支援により、社会的孤立と危機を防ぐアウトリーチの考え方も扱います。
<概要>
 インテーク面接の技術とは。初対面の利用者の迎え方、関わり方、留意点。
 最初の声の掛け方。相談、訪問の導入部分。その後のプロセス。
 コミュニケーションの基本的スキル。
 アウトリーチとは、支援に結びついていない対象と出会うために、コミュニティに出向く活動である。
 訪問の技術について。調査のための訪問ではなく、利用者を理解し援助するための訪問である。
 地域における福祉ニーズの発見、掘り起こしを図る。生活の全体性、来談者への全人的、総合的な視点
 社会的孤立を緩和し、アドボカシーを行う。
 地域における支援として、孤立死・孤独死予防のために、地域福祉活動の推進と併せて、アウトリーチは重要な役割がある。地域づくりを目指して。
 電話相談とその課題(頻回相談等)。

貧困、生活困窮者対象のグループワーク実践 科目番号217
 生活保護受給者、生活困窮者等を対象としたグループワークのプログラムと留意点などを、講師の実践や事例も用いて解説。
 アルコール依存症の回復支援等の精神保健福祉、地域生活支援、孤立予防の課題も学びます。
<概要>
 生活困窮者、生活保護受給者等を対象とした精神科グループワークの実践。精神科デイケア
 生活困窮者対象のプログラムの例。アート活動、社会参加、生活の意欲の活性化。
 就労を目指して、農業、緑化活動等のプログラム。社会参加活動。作業による承認の機会。
 自尊感情を支えるグループワーク。多様な「自立」を支援。
 若年の生活保護受給者の課題。世代間連鎖。
  多問題の傾向、生き方や情緒的な不安定性
  集団生活の困難さ、コミュニケーションの問題
 アルコール依存症の回復支援
 集団の力、相互作用。メンバー間の協力関係の促進。リーダーシップ
 食支援、会食の機会、簡易宿泊所街におけるグループワークにおける食事の重要性
 グループワークによる、承認の機会の創出.自信の強化
 自尊感情の低さ、誇れない
 利用者のセルフケアの向上を目指して。セルフ・アドボカシー

 福祉施設職員の困難の原因と、ストレス対処方法を事例も用い学びます。
 高齢者介護職や障害者施設の支援員、保育等の施設職員の燃えつきや離職を予防し、心身のセルフケア等により、職員と職場をサポートする研修です。
 <概要>
 福祉施設職員のための心身の慢性疲労のチェックリスト
 心身の慢性疲労、メンタルヘルス不調の気づきのポイント。燃えつきやすい性格
 燃えつき症候群の原因
 ストレッサーの分析 先ず自覚から
 不安・悩み・ストレスに直面している場合。福祉職員のストレスは総合的問題
 職員のストレスへの対処は、施設のリスク・マネジメント、支援の質の向上の課題でもある。
 燃えつきからの回復プロセス
 セルフケア、自己理解の必要性
 福祉施設職員のレジリアンス。職員のストレングス
 心身の慢性疲労のリミッター。弱さの情報公開
 ストレス対処の工夫。
 メンタルヘルス休職の職員の復職支援(リワーク)のあり方
 復職のポイント(職場復帰、心身の体調回復)、職場復帰後のフォローアップ

福祉施設職員の人間関係、コミュニケーション 事例から学ぶ 科目番号117
 福祉施設の職員間の人間関係の難しさと改善の方法を、また利用者とのコミュニケーションの課題を、事例も用い学びます。
 障害者・高齢者福祉施設等の人間関係と職場の改善を図り、職員のストレスの緩和を図る研修です。
<概要>
 福祉施設の職員間の人間関係が良くない、コミュニケーションの難しさを、どのように改善したら良いのか分からないという声は頻繁に聴きます。
 福祉施設の職場の課題を、何も変わらないと感じていたり、改善への諦め、無力感が漂っていませんか?
 職員の皆は(自分以外は)無関心だと思っていたり、面倒なことに関わりたくないと避けることもあるでしょう。
 しかし、本当に皆は無関心なのでしょうか。
 身近なところから、皆の関心事から話し始める等、改善への手法があります。
 職員皆の共通点を見い出し、少しづつ人間関係を築き上げていくこと。職員コミュニティづくり。
 職員間のつながり、職員のサポートネットワーク、繋がりによる相互支援を図ること。
 職員間の面談の留意点。スーパービジョンのあり方。
 感情労働とは、そのサポートの必要性。

<参考>

新聞に筆者のコメントが掲載されました「ルーテル学院大の関屋光泰 助教は、東京都内を中心に約60カ所の障害者施設などで職員向けのストレスケア研修を行ってきた。「忙しい時に利用者への言葉がきつくなり、そんな自分を責めてしまう」、研修の受講者からは、そんな悩みが多く寄せられる。<略>「自分が理想とする支援ができず、自己嫌悪に陥る職員も多い。職員のケアの必要性に目を向けるべきだ」と訴える」抜粋
(やまゆり園事件が残したもの:下)地域に開く、支え合い歩む
2017年7月26日 朝日新聞朝刊 全国


(当ブログ筆者の東京都「登録講師派遣事業」続き)
障害者福祉施設等におけるグループワークの基礎 科目番号63
 グループワークのプロセスや、プログラム立案と実例、形態、考え方等、援助技術の基礎を解説。
 福祉施設や集団の人間関係を深め、生活の活性化を図るグループワークの方法を、事例も用い学びます。
<概要>
 障害者福祉、精神保健福祉におけるプログラムの例
 プログラムの計画と進め方
 グループワークにおけるコミュニケーション技術
 メンバー間の相互作用の理解
 利用者間のコミュニケーションの媒介
 利用者の相互支援システムの形成と活用
 援助関係の構築
 
障害者福祉施設の新人職員等基礎研修 科目番号115
 障害者支援の視点やコミュニケーションスキル、職員の倫理等の基礎を、事例も交え解説します。
 新人職員等の資質向上もテーマに、福祉援助技術の基礎、姿勢、考え方など、障害者福祉施設の職員をサポートする研修です。

面接の基礎 バイステック7原則を基盤に学ぶ援助関係の構築 科目番号179
 相談や訪問における利用者との人間関係の構築、面接技術、相談の基礎を事例を交えて学びます。
 バイステックの7原則を基盤に、利用者との良好なコミュニケーションの方法、姿勢、視点等を解説します。
<概要>
 面接・コミュニケーション技法の基礎
 相談の導入部分
 ライフステージごとの問題や課題を共有
 アンビバレンスな感情

社会福祉の歴史の基礎 福祉援助の源流から学ぶ 科目番号216
 セツルメント等の地域福祉活動、貧困問題と児童福祉、訪問・相談事業など福祉援助の源流を探り、歴史や先人から学びます。
 今日のコミュニティ福祉、共生社会、ソーシャルインクルージョンの課題解決のヒントを歴史から探究する研修です。

福祉施設職員の職業倫理、ハラスメント予防研修 科目番号155
 高齢者や障害者福祉施設等におけるハラスメントの予防を図る、事例やチェックリストを用いた職業倫理の研修です。
 介護職員や障害者施設の支援員に求められる倫理や福祉マインドの基礎を学び、資質向上を図ります。

 上記はブログ筆者 関屋光泰が担当する研修です。
 この講座は、東京都福祉保健局の委託による、福祉・介護・保育事業所対象の職場研修です。講師が施設に出向きます。講師謝金 無料
申込締切日 
平成30年5月28日(月)17:00まで
詳しくは下記をクリック
東京都社会福祉協議会登録講師派遣事業

東京都の「登録講師派遣事業 第1期・事業所向け派遣研修」 平成30年5月28日(月)17:00 申込締切

申込方法

研修企画一覧から受講を希望する科目を選び、東社協研修受付システム「けんとくん」このリンクは別ウィンドウで開きますからお申込みください。

【お問合せ先】東京都福祉人材センター研修室 電話 03-5800-3335


当ブログ筆者執筆

精神保健福祉援助演習(専門)第2版

精神保健福祉士シリーズ 10
福祉臨床シリーズ編集委員会 編

ISBN978-4-335-61117-9
発行日 2016/02/22 弘文堂

第8章 地域における精神保健問題(依存症と生活困窮)

 内容

 アルコール依存症からの回復とレジリアンス。

 アルコール依存症、薬物依存症と貧困、生活困窮の実践事例。

 精神科グループワーク、精神科デイケア、地域精神医療による総合的な地域生活支援。

 コミュニティワークとソーシャルサポートネットワークの構築。

 多職種によるチームアプローチ、連携。

 地域の特性。スティグマ。自尊感情の課題。

 人間の根源的な痛みと人間的孤立。


ブログ筆者の新刊 社会福祉士国家試験過去問解説集 第30回社会福祉士国家試験問題解説を執筆 中央法規出版


当ブログバックナンバー 社会福祉法人からのご依頼の研修も行います。

面接、相談、個別支援の技術 生活困窮者支援研修1 当ブログ筆者が講師を担当 社会福祉法人研修


障害者施設職員研修報告2 江東区障害者福祉センター社会福祉協議会主催 燃えつきの症状と回復プロセスの事例 当ブログ筆者の研修


国立武蔵野学院 附属児童自立支援専門員養成所にて、ブログ筆者の講義概要(第1日目)

公的扶助論 講義の概要4 生活保護と扶養義務、自動車、対象、無差別平等、第2のセーフティネットとは ブログ筆者の担当講義



職場におけるメンタルヘルス対策 厚生労働省


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 子ども食堂、食の支援の取り組みが拡大しています。子ども食堂等が地域で果たす役割、子どもの心身の成長に寄り添い、食体験を軸にした活動を行う地域の居場所づくりを考えてみませんか。また安心、安全に活動を持続するためのノウハウを、活動事例報告等から学びます。
食を通して育むみらいを生きるカ」 地域の居場所づくりサミット 第2回
主催 一般財団法人 キユーピーみらいたまご財団
 食育活動および食を通した居場所づくり支援などに取り組む団体への支援活動を行うことで、健やかで持続的な社会の実現を目指しています。

日時 5月30日水曜  13:00から16:30
会場 キユーピー株式会社 本社
 東京都渋谷区渋谷1-4-13 (渋谷駅 徒歩8分)

第1部 13:00から14:00
キユーピーみらいたまご財団 助成事業説明会・活動報告会
《2017年度助成団体からの活動報告)
プログラムA「食育活動」特定非営利活動法人 森のライフスタイル研究所
プログラムB「食を通した居場所づくり支援」一般社団法人寺子屋いづみ

第2部 14:10から16:30 食の居場所づくり講座
こども食堂が地域で果たす役割を考える
《講師》米田佐知子さん(子どもの未来サポートオフィス代表) 関東学院大学非常勤講師(NGO 論) 、東京家政大学非常勤講師(地域子育て支援マネジメント)
あんしん安全なこども食堂を目指して 衛生と食育 【 講義+グループワーク 】
《講師》平野寛治さん(全国食支援活動協力会専務理事)
「こども食堂あんしん手帖」
 2018年初夏発行予定。こども食堂を運営する人のための衛生と食育のマニュアルを用いて、活動団体の事例発表と合わせながらお話しします。
【 事例発表者 】
にしなりジャガピーパーク(大阪)
 自分の責任で自由に遊ぶことを通じて、「生きる力」 を育むことを目標に、子どもたちが自分自身で考え、学ぶことができるよう食育体験を始め、様々な取り組みを展開しています。
かしわっ子食堂あさひ(千葉)
 月1回公民館の調理室でこども食堂を開催。食後は和室で遊んだり、工作活動や季節行事を開催しています。ルールを決め、誰もが衛生管理をできる工夫をし清潔な環境を徹底しています。
【申込み 先着80名】 電話又は上記ホームページより申し込みフォームにおすすみください。
TEL. 03-5426-2547 (平日10~17時) 申し込み
参加費 無料

(12:30から 13:00
 助成事業個別相談会
 キユーピーみらいたまご財団助成事業に関する個別相談窓口です。2019年度の助成事業の対象となる事業や経費の種類についてご相談に応じます)

子ども食堂サポート 参考資料 
 「地域の多様な機関との連携によるこども食堂の発展を願い、地域の資源につながることで、活動の可能性を広げる好事例をまとめました。 PDFでダウンロード可能です」 一般社団法人全国食支援活動協力会

当ブログ筆者のメモ 食の支援、居場所「子ども食堂」に関連して>
 コミュニティのなかの子どもの居場所、食の支援を必要としている子どもと家族は顕在化しつつある。
 地域における子育て支援のニーズに、コミュニティ主体で応えていく必要があるだろう。
 コミュニティにおける社会資源づくり、地域福祉活動の促進が課題である。
 共生社会、新たな共助活動が求められている。支え合い社会の到来である。
 各地域の子ども食堂と、社会資源、機関、団体、施設、企業等との連携が広がりつつある。多くの人々のサポートの輪が広がっている。
 例えば、子ども食堂・居場所の会場や食材の提供として、個人、社会福祉協議会、NPO、社会福祉法人、デイサービス等介護保険事業所、病院・診療所、生協・生活クラブ・パルシステム、寺院や教会等である。
 もはや、地域における子どもの成長、食、生活、健康、教育は他人事ではない。
 地域社会、民間団体、行政皆の課題である。 メモここまで

当ブログ バックナンバー
 抜粋
1.「子ども食堂」の多様な形態 食堂か居場所か
2.「子ども食堂」の対象 誰でも、小学生、保育園入園前幼児
 学習支援、グループ活動。
 子育て支援、保育園待機児童問題、多世代交流と大きな意義がある。
3.会場、担い手、支援は 
 会場は地域差がみられるが、公民館、社会福祉福祉施設、店舗、個人宅、寺、キリスト教会等である。
4.子ども食堂は何を目指しているのか
 生活問題を抱える子どもの個別支援か、居場所・交流・ソーシャルサポートネットワークづくりと捉えるか。どちらも食という生活の不可欠なものが媒介となった民間・非専門性の支援といえる。
 加えて、コミュニティの皆で子どもを育てる、孤食の解消を含めて家族支援、多世代交流、食の支援、食の安全、食の支援を出発に自然体験、農業体験など子ども食堂が目指すものは多様である。
5.課題 要支援の子どもにどのように出会うか 子どもたちの問題とは
 子どもと子育て支援のニーズをキャッチする仕組み、待っているだけではないアウトリーチの活動が必要となる。
 今日、子ども達は、困窮等の生活問題、虐待等家族問題、学びと遊びの環境、多世代の交流、孤食や栄養等の機会へのアクセスの困難がある。
 「他人事」から「我が事」への転換の場
 再びの学生セツルメントか
 共生、共助、多様性のコミュニティづくりのアクション
 地域と子供食堂の連携の必要性:地方自治体は、地域住民、関係機関、関係団体・NPO等と適切に連携
 食育の推進  ここまで



【ふきのとう学習会Vol.18 申込受付中!】
テーマ「 たまりばカフェの意義と運営のポイント 全国の事例から」
ゲスト 原田 晃樹さん (立教大学コミュニティ福祉学部教授)
日時 6月2日(土)18:00~(受付17:40~)
会場 ふきのとう本部(世田谷区上用賀6-19-21)
参加費 500円 軽食付き
定員 30名
第Ⅰ部学習会(18:00-19:30)
第Ⅱ部はゲストを交えての会食&交流タイム(19:30-20:30)
 公共サービスを担う行政、NPOの関係について研究されている原田先生
 都市部から地方まで、全国各地を回る中で見えてきたのは、住民主体の居場所の広がりでした。
 これまでの行政主導によるコミュニティ拠点との違いとは・・?たくさんの事例とともに、お話を伺います。
 (ゲスト)
 専門は地方自治。「政府・自治体サービスの外部化が進む中、公的サービスを担う民間 団体がいかにまっとうに事業を続けられるか、その中で、市民活動団体が健全に成長するにはどのような政策・制度の基盤が必要か」が最近の主な関心事。
 近年、都市部では子ども食堂や高齢者サロン、農村部でも雑貨店やカフェなど、いわゆるたまり場となる 空間づくりが地域住民の自発的な取り組みによって生まれています。
 なぜ、最近こうした取り組みが増えているのか、それは行政主導で用意されてきた公民館やコミュニティセンターとは何が違うのでしょうか?
 たまり場づくりの社会的な背景、意義や運営上のポイントについて、全国の事例を紹介しながらお話しします。

参加方法 
電話03-3706-2545 メール  infomow@mow.jp 5/25まで申込み 

 ごはんを16時からつくります。キッチンチームのお手伝いを募集しています。申込時にお問い合わせください。ふきのとうの畑で育った野菜をつかって料理をします。



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こども⾷堂見学会 参加型パネルディスカッション 活動のノウハウを学ぶ ボランティア、地域参加、⾷を通じたまちづくり  2018年3月18日(日)食でつながるフェスタやまなし 以下、案内から引用
「こども⾷堂、子どもの居場所づくり等、⾷を通じた参加の場づくりの取り組みが増えています。
 先輩団体や仲間と出会い、今後の活動に活かすノウハウを⼀緒に学びながら、活動、ネットワークづくりのきっかけにしませんか」
 (子ども食堂等活動見学会は後述)
3月18日(日)10:30から16:00 ポスター展⽰は10時開始
会場 やまなしプラザ1階オープンスクエア&生涯学習推進センター交流室A・B
(JR甲府駅 南口より徒歩7分)
参加費 無料(予定) 定員 120名(申込先着順)

内容
講演 11:00から12:00 「居場所づくりから⾒えた、互いに⽀え合う社会づくり」
 近藤 博⼦さん(気まぐれ⼋百屋だんだん店主 東京都⼤⽥区)

分科会 13:00〜14:20
1.こども⾷堂・こどもの居場所
 事例 ひがしっこ⼦ども⾷堂(甲府市)、みんなの広場・市川三郷(市川三郷町)、ふえふきこどものたまり場プロジェクト(笛吹市) 他
2.⾷を通じた地域づくり・地域貢献
事例 甲府・⾷事サービスをすすめる会(甲府市)、社会福祉法⼈四葉会フォーリーブス甲府ふれあい⾷堂(甲府市)、レイホーさろん(富⼠吉⽥市)

全体会 14:30〜16:00
 パネルディスカッションを通して、これからの居場所づくりがどうしたら広がるか、深めていきます。
 コーディネーター:平野 覚治さん(全国⾷⽀援活動協⼒会専務理事)
〈登壇者〉各分科会コーディネーター・調整中
 星合 深妃さん(Happy Spaceゆうゆうゆう/笛吹市)、内藤 陽⼀さん(育みの会/甲府市)、近藤 博⼦さん(気まぐれ⼋百屋だんだん)

活動見学会
〔参加希望の⽅は 申込フォーム から申込/現地集合・解散/先着順・⼈数限定〕
1.定員10名 甲府・⾷事サービスをすすめる会(甲府市)
2.定員10名 ひがしっこ⼦ども⾷堂(甲府市)
3. 定員15名 フォーリーブス甲府ふれあい⾷堂(甲府市)

主催 食でつながるフェスタやまなし実行委員会
一般社団法人育みの会  甲府・食事サービスをすすめる会
生活協同組合パルシステム山梨  特定非営利活動法人Happy Space ゆうゆうゆう
事務局 一般社団法人全国食支援活動協力会

申込み⽅法
申込フォームから必須事項を入力
事務局 一般社団法人 全国食支援活動協力会
電話03-5426-2547
東京都世田谷区上用賀6-19-21 

*当ブログ筆者も「食でつながるフェスタやまなし」3月18日に参加予定です。
子ども食堂・居場所づくり、食の支援に関心をお持ちの皆様、ぜひご参加ください。お待ちしています!

 食でつながるフェスタやまなし」3月18日についての報道記事


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【福岡県】 2018年3月17日(土)12:45~16:45
広がれ、こども食堂の輪!全国ツアーin福岡&九州サミット
場所:クローバープラザ クローバーホール
催:広がれ、こども食堂の輪!全国ツアーin福岡実行委員会


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当ブログ筆者のメモ 「子ども食堂」に関連して>
 「子ども食堂」は、全国的に増加している。地域福祉活動におけるトレンドと言えるだろう。
 活動形態、発展の多様性がみられるが、活動を中止している食堂もある。
 多くの人々が担い、支えている意義ある活動である。運営上の課題も顕在化しつつある。
 以下に筆者のメモを掲載したい。
1.「子ども食堂」の多様なかたち 食堂か居場所か
 「子ども食堂」は多様な形態がある。月1回から2回の開催が多い。常設型(朝食、昼開催)食堂もみられる。
 従来からの高齢者の食の支援が、子どもと家族に対象を拡大したところ(高齢者給食拡大型)、
 子どもの居場所づくり、学習支援、グループ活動に伴って食の支援を行うところ(学習・居場所づくりと食の支援)、
 子育て支援に伴って、親子の食事の場を設ける(親子カフェ)、コミュニティ食堂等が挙げられる。

2.「子ども食堂」は誰が食事に来るのか 誰でも、小学生、保育園入園前幼児
 子ども食堂の対象を、子どものみ(年齢設定)、子どもと家族、誰でも、高齢者と子ども、地域限定等、多様なかたちがある。
 夕方以降開催の子ども食堂は、小学生中心。学習支援、グループ活動を併せて行う食堂もある。小学生以上の子どもの食事を含む生活支援、学習習慣の確立など、多くの成果が期待できる。送迎等の支援が必要となる。
 平日昼開催は、保育園入園前の幼児と家族、高齢者が中心。子育て支援、保育園待機児童問題、多世代交流と大きな意義がある。

3.会場、担い手、支援は 
 会場は地域差がみられるが、公民館、社会福祉福祉施設、店舗、個人宅、寺、キリスト教会等である。
 地域福祉領域では、地域活動への空き家活用が注目されている。
 運営している人々も、地域住民のボランティア、民生委員・児童委員、PTA、学生ボランティア、高齢者福祉・障害者福祉・児童福祉従事者や市民活動、退職教員等、多様である。
 支援している組織も、社会福祉協議会、各生活協同組合等である。

4.子ども食堂は何を目指しているのか
 多くの場合、子どもの生活問題、子育て支援の必要性、虐待、社会的孤立、孤食等の報道から、「子どもが食に困っているのを放っておけない、自分も何かをしたい」というコミュニティ、生活者としての当事者意識から出発する。
 生活問題を抱える子どもの個別支援か、居場所・交流・ソーシャルサポートネットワークづくりと捉えるか。どちらも食という生活の不可欠なものが媒介となった民間・非専門性の支援といえる。
 加えて、コミュニティの皆で子どもを育てる、孤食の解消を含めて家族支援、多世代交流、食の支援、食の安全、食の支援を出発に自然体験、農業体験など子ども食堂が目指すものは多様である。

5.課題 要支援の子どもにどのように出会うか 子どもたちの問題とは
 「生活困窮のなかにある子ども」「社会的に孤立している家族」「児童虐待予防」等を支援の目標と設定する場合、子どもと子育て支援のニーズをキャッチする仕組み、待っているだけではないアウトリーチの活動が必要となる。地域によっては、取り組む事業もみられるが、全国的には大きな課題である。
 今日、子ども達は、困窮等の生活問題、虐待等家族問題、学びと遊びの環境、多世代の交流、孤食や栄養等の機会へのアクセスの困難がある。もちろん、経済的困窮のみが問題ではない。食を入り口とした、非専門職による多様なサポート、繋がりの接点という役割を子ども食堂は果たしているのではないか。

 「他人事」から「我が事」への転換の場
 子ども食堂・居場所づくりは民間、ボランタリーな支援であって、公的支援の代替ではない。公的施策ではなしえないボランティアの特徴がある。家庭でもなく、教育・福祉機関でもない、コミュニティの大人による支援である。多世代の住民相互の支援を生み出す場でもある。共助の接点、相互支援のファシリテーションの場でもある。
 子ども食堂の活動の場は、「他人事」であった地域の子どもの問題を、「自分のこと」とする転換の場である。それは無関心からサポートへ、傍観から主体的な活動に換わる舞台とも言える。

 再びのセツルメントか
 子ども食堂を担う方々からのヒアリング等のなかで、大学や学生への期待を聴かせて頂くことがある。学生は、かつてのセツルメントのように、子ども食堂の活動とそのなかの人間的な交流によって、地域の問題に気づき、自らのあり方を問い直し、相互の成長に繋がることが出来るのだろう。学生は特に、今、何が出来るのかよりも、どのようになっていこうとするのかが課題ではないだろうか。
 子どもの貧困、虐待等のように、子どもを巡る問題のなかには目立つものがある。しかし、他にも生活、学習、進路、人間関係、スポーツやレクレーション等の経験、心身の健康問題等、多様な問題が存在する。そして、これらの困難の原因こそ理解し、改善を広く長期的な視野で考えなければならない。学生がこれらを理解するためには、活動の場に伺うことだろう。フィールドと出会うこと、出会った子どもに寄り添い、子どもの今と未来を考えることが必要なのだろう。

 共生、共助、多様性のコミュニティづくりのアクション
 子ども食堂・居場所づくり・食の支援、ボランティアは更なる拡がりの途上である。子どもを巡る多くの困難を、子どもと大人、子どもと子ども、親と住民が出会い、交流し、話し合い、共に取り組む。困難を抱えた個々の子どもに寄り添い、皆が考え、連携して支え合っていく。この子ども食堂が新たなコアとなる共助のコミュニティが中心となって、様々な生活を考えてゆくプロセスを共に創っていく。
 つまり、子ども食堂は、食事の提供自体が目的ではなく、食の支援からはじまる総合的な地域活動・アクション、共生のコミュニティづくりである。
 筆者の(個人的)メモ ここまで


参考
 埼玉県[子ども食堂]一覧等
抜粋「調査項目:活動場所 公民館、コミュニティセンター等 25ヶ所 32.9%、
店舗(飲食店でない店舗も含む) 24ヶ所 31.6%、
個人宅 6ヶ所 7.9%
NPO、団体所有の施設、事務所等 6ヶ所 7.9%
デイサービス、介護保険事業所 3ヶ所 3.9%
病院、診療所内 2ヶ所 2.6%
市町村社協所有の施設等 2ヶ所 2.6%
生協、生活クラブの施設 2ヶ所 2.6%
寺院 2ヶ所 2.6%
放課後児童クラブ 1ヶ所 1.3%
その他、未回答 3ヶ所 3.9%
 調査項目:活動回数 定期
 月1回 31ヶ所 40.8%
 月2回 16ヶ所 21.1%
 月6回 1ヶ所 1.3%
  週1回 9ヶ所 11.8%
 調査回答状況:76か所から回答 市町村及び埼玉県こども食堂ネットワークが把握している範囲での照会調査のため、県内全ての「こども食堂」を反映したものではありません」

抜粋「「子供食堂」とは:近年、地域住民等による民間発の取組として無料または安価で栄養のある食事や温かな団らんを提供する子供食堂等が広まっており、家庭における共食が難しい子供たちに対し、共食の機会を提供する取組が増えています。

 食育の推進という観点から見た子供食堂の意義について:子供食堂の活動は様々ですが、親子で参加する場合も含め、
(a)子供にとっての貴重な共食の機会の確保
(b)地域コミュニティの中での子供の居場所を提供 等の積極的な意義が認められます。

 地域と子供食堂の連携の必要性:地方自治体は、地域住民、関係機関、関係団体・NPO等と適切に連携して、地域における食育を推進する役割を担っています。
 地方自治体が、子供食堂を、そうした連携先の一つとして位置づけ、連携を深める中で、子供食堂の取組に地域ぐるみで協力し、子供食堂の活動遂行に役立つような環境整備を行うことが期待されます。
なお、国や地方自治体は、子供食堂の多くが民間のNPOや個人の善意に基づき、発足、運営されていることに十分留意し、子供食堂の自主的・自発的な取組を最大限尊重し、個人やNPOの善意で行われている子供食堂の活動の趣旨を理解することが必要です」ここまで


子ども食堂サポート 参考資料 
 「地域の多様な機関との連携によるこども食堂の発展を願い、地域資源につながることで、活動の可能性を広げる好事例をまとめました。 PDFでダウンロード可能です」 一般社団法人全国食支援活動協力会


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