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障害者福祉分野、障害者支援施設実習 実習目標、実習計画書の作成 社会福祉士
社会福祉援助技術実習指導 障害者福祉分野 当ブログ筆者の担当授業 レジュメの概要と補足
 障害者福祉分野、福祉施設の実習指導のクラスを当ブログ筆者は担当している。
 今回は、実習計画とその作成について 続き。2018年6月14日。
 障害者福祉分野の実習とノーマライゼーション等に関連する参考文献を4冊紹介、回覧した。

1.寺本晃久、岡部耕典、末永弘、岩橋誠治『良い支援?─知的障害/自閉の人たちの自立生活と支援』2008年,生活書院
 障害者の地域生活支援における「良い支援」とは何か。誰にとって「良い」支援であると言えるのか。障害者の自立とは、自己実現、コミュニティとは何かを深めるためにこの文献を紹介した。
 また、当事者に加えて、障害者の親やきょうだい等の家族、支援を担う介助者・職員の支援と生き方についても示唆に富む。
 第4章は、当事者の親の、当事者を育て、生活と学習を支援しながら、自立生活を目指していく思いと家族としてのケアのあり方が述べられている。過去には、成人後、特に親が先立った跡の当事者は、生活の場の選択肢が入所施設のみであった。障害者福祉制度に課題があるこの国では、いまだに「親亡き後」に、様々な事情が重なって、入所施設に移らざるを得ない当事者(本人の選択とは関わりなく入所)の事例も稀ではない。4章も指摘している。
 4章のタイトルは、入所施設「ハコ」に入れるのではなく、当事者の自立生活を支える地域のサポートに繋げて、当事者の地域生活を確立するということである。これは、当事者の意志、親の側の準備として自立生活のための住まいの準備等、そして地域の社会資源側の支援を持続する決意と力量が求められる。この地域の自立生活への移行プロセスは、長期的にかつ確実に、子の将来の自立を目指し、当事者と家族の成長と共に行われている。
 下記は、授業当日に当ブログ筆者が口頭で解説した内容と補足である。
 当ブログ筆者の実践を振り返っても、ハンディキャップを持つ当事者の個性、ライフスタイル、その人らしい生き方と、社会のマナー、常識、「普通」や「当たり前」にしなければならないこととのせめぎあいの経験は少なくない。援助者、専門職は、障害者と社会の狭間に立たせられる。ハンディキャップと「普通」の板挟みである。
 例えば、頭から足までショッキングピンクといった服装や、ランニングシャツに短パン、麦わら帽子といった服装が、マナーに反する、普通ではないとされる場合もある。また、住まいの整理整頓ができない、自宅でも交通機関の車内等でも声や音が大きいこと等、当たり前のマナーを守ることができない。
 なぜ、普通に生きられないのか、当たり前のことができないのか、「空気が読めない」とされてしまうのか。
 しかし、ノーマライゼーションは、障害者にノーマルになることを強制する思想ではない。当然ではあるが「矯正」ではなく、「共生」の思想である。
 確かに、普通の枠組、マナー、モラルを共有しなければ、コミュニティは成り立たない。まして、職場においては、常識に加えてチームワークがなければ働いていくことは困難かもしれない。
 だがしかし「普通」であることを強制し合うことは、お互いに生きづらさを強いていく。不自由さ、相互監視、異質なものの排除へと追い詰めていく。「普通」の牢獄とも言えるだろう。
 ブログ筆者が実践を続けている簡易宿泊所街は、隣人や他者に対して無関心な居住者が多数派である。先述のようなマナー、人付き合い等、お互いに煩いことは言わない。プライバシーも住民同士は詮索しない。相互に不干渉な、異質さ、いい加減さに寛容なエリアである。ハンディキャップを持っていても、他の場所ではコンフリクトを生じる人も、気楽に暮らせる場であり、アジールとも言えるだろう。自由、勝手至上主義のコミュニティではあるが、「孤独」の牢獄という側面もある。
 社会福祉は、オルタナティブな道のヒントを持っている。普通の強制でもなく、孤独に引きこもることでもない。相互に理解し合い、受容し合い、支え合うコミュニティ、居場所となるグループづくり、ピアサポート等である。総じて人間は、お互いを承認し、尊重し支え合う共生のコミュニティを目指すことが出来る。その可能性はある。
 援助者は社会福祉の原点に立ち返り、板挟みを嘆くよりも、積極的に障害者と社会の媒介となり、相互の交流を促進していきたい。遠く困難な道程ではあるが、障害者福祉分野の施設から、その一歩ははじまるのだろう。後述の糸賀一雄『福祉の思想』もそのように示している。 以上、ブログ筆者コメント

『良い支援?─知的障害/自閉の人たちの自立生活と支援』目次
第一部 これまでのこと、支援の実際
第1章 自立生活という暮らし方がある 
自立生活という暮らし方がある
自立生活とその支援の実際

第2章 当事者運動のかたわらで──運動と私の歴史 
自立生活運動に出会う
ピープルファーストが主張したこと
・ピープルファーストがはじまる
・当事者主体であること、それを支援すること

第二部 自立すること、支援の位置取り
第3章 それぞれの自立生活への道と自立生活獲得のための支援 
・二三年前入所施設を出て一人暮らしをはじめた重度知的当事者Jさんの場合
・本人の意思ではなく親の限界から自立生活をはじめたNさんの場合
・家族という単位が成り立たなくなったMさんの場合
・親が長年自立生活を望んできたKさんの場合
・本人の意思によって自立生活をはじめたYさんの場合
・自立生活獲得プログラムという支援者プログラム

第4章 ハコに入れずに嫁に出す、ことについて──〈支援者としての親〉論
・一〇〇メートルの憂鬱
・それから六年たち、期限を区切ろう、と思う
・ハコにいれない、ならば嫁に貰って欲しい、ということ
・親に対策することについて
・支援者から区切るほうがよい
・持参金はいらない、ということも
・そして〈きょうだい〉のこと
・最後は、どのように納得し/させられるのか

第5章 意思を尊重する、とは──ある「支援」論 
・頼むことは難しい
・託される
・流れを感じる
・どっちでもないこと
・そこにいてしまう

第6章 当事者に聞いてはいけない──介護者の立ち位置について
・利用者と介護者が一緒に過ごす時間と空間
・だらけていて、かつ緊張感のある関係
・当事者に聞いてはいけない
・金銭管理と健康管理の支援
・介護者としての責任、介護の基準
・介護という仕事、組織の役割

第7章 介助で暮らし/働く、ということについて──介助労働論 
・介助で暮らし/働く、ということ
・時間で区切り/時給で働くこと
・訪問介護……〈政府=事業者〉モデル
・キャリアアッププラン?
・介助 ……〈当事者=事業体〉モデル
・〈利用者=介助者〉という「生き方」のモデル
・「介助で、暮らし/働く」という生き方のモデル
・とにかく俺は、やっていくと思うよ。

第三部 制度のありよう、これからのこと
第8章 いうまでもないことをいわねばならない「この国」の不幸──制度論
・自分の財布と相談しながら好きなように飯を食う、ということ
・「当事者」が居て/「地域」が支える、のだから、「国」は払えばよい
・聴き/支え、まず分けるということ
・予防(監視)/制御(抑制)ではなく、見守り/見護ること
・繰り返し/蒸し返す

第9章 「見守り」という介護
・「見守り」介護の三つの意味
障害者自立支援法中での「見守り」介護の位置付け
・介護保険制度での認知症高齢者問題
・触法行為や自傷他害のある人の見守りの必要性
・入所施設から地域での「見守り」介護へ

あとがき 「お決まり」から抜け出す

引用「支援のマニュアル(略)は最近とても多く刊行されています。療育の文脈では、まず「あるべき姿」や「守るべきルール」があり、そこに適合するようにどう教えたり支援したりするかということになると思います。社会の常識に乗れるようにどう教えたり支援したりするかということになると思います。
社会の常識に乗れるようにすることが、「良い支援」なのでしょうか。けれども、そもそものあるべき姿やルールとはどのようなものなのか、問い返したくなってしまいます。もちろん生きていくために一定の教育やルールを守ったりすることや、コミュニケーションを容易にしていくことはあると思うし、そのことで楽に生きられるようになるという面はあります。ただ、ぼくはルールを守ることは生きていく手段にすぎないと思うし、ルールを守ることが先に来てしまうことが、現実的には必要なこととはわかりつつも、いつも気になってしまいます。さまざまな常識的な対応の狭間で逡巡することや、どうしても「正しさ」からはずれてしまうところに、せつなくなるとともに応援したくなってしまうことがあります。 ( 6-7頁)

引用「介助の相手が気を使ってくれることがある。オフィシャルな場所での顔とプライベートの顔はちがう。介助者の間でも、介助者Aと介助者Bに対するのとでは表情や対応や会話が変わってきたりする。介助者が相手に合わせる以上に当事者が合わせてくれていることがある。「私が相手を見ている」と同時に、私を見ている」
引用「社会的な地位向上だったり、報酬を得る(を上げる)ための根拠として「専門性」が持ってこられる。支援費以降、報酬と引き換えに資格化が条件とされた。さらに報酬単価を上げる際には、それに伴って新たな研修を受けて資格を得ることとなった。
 専門性があるかないか、必要か必要でないかと問われれば、「ある」し「必要」だと答える。しかしその専門性は「資格」と同じではない。
 いろんな人がいて、いろんな経験や目の当たりにしている状況や就労形態がある。それぞれの介護者にどの程度の専門性があるかないかということの前に、そもそも安定して介助にあたれるだけの生活を支える報酬が保障されなければ、専門性は育たない」

 第2章の中心である、ピープル・ファーストの思想、理念について。
 知的障害を持つ当事者は、従来は純粋、無垢、永遠の子どもといった捉え方、「愛護」の対象とされていた。
 しかし、ピープル・ファースト、権利の主体である。
解説:ピープル・ファースト People First
 カナダを中心に各国に広がりつつある、知的障害を持つ当事者によるアドボカシーの運動である。1973年、米国におけるシンポジウムの際,知的障害者本人たちがラベリングの痛みを話し合い,知的障害者としてではなく,「まず第一に人間として」(people first)接して欲しいという願いを表明したことが源流である。当事者たちのセルフヘルプ,自分自身の権利擁護であるセルフアドボカシーを行っていくことが強調されている。


2.糸賀一雄『福祉の思想』1968年,日本放送出版協会
 日本におけるノーマライゼーションに関連した思想として、糸賀一雄の思想は不朽のものである。もちろん、思想だけではなく近江学園、びわこ学園等の施設の創設と実践に伴うものである。

解説:糸賀一雄  (1914-68)
「近江学園」、「びわこ学園」の創設。 略 当日の配布レジュメを参照。
 重度の障害児を含めて人間としての生命の展開を支えることが重要であるとの理念のもとに、「この子らに世の光を」ではなく、「この子らを世の光に」と唱え、人間の新しい価値観の創造を目指した実践を行った。

解説:この子らを世の光に
 糸賀一雄の福祉実践思想を表す。世の光を障害児たちに当てるのではなく,障害児たちこそが世の光として輝いているのであって,周囲の者たちは,その輝きに気づき,大切に育てていくとともに,障害児たちが輝けるような世の中にしていこうという実践思想である。

解説:発達保障の理論
略 当日の配布レジュメを参照。

①滋賀県立近江学園とは
 略 当日の配布レジュメを参照。

②糸賀一雄・略歴
主著「この子らを世の光に」、「愛と共感の教育」、「勉強のない国」、「精神薄弱児の職業教育」、「精薄児の実態と課題」、「福祉の思想」などがある。
略 当日の配布レジュメを参照。

<参考資料>
「この子らを世の光に」糸賀一雄著 抜粋
 すべての人間は生まれたときから社会的存在なのだから、それが生きつづけていくかぎり、力いっぱい生命を開花していくのである。
 問題は子どもたちの発達の段階をどのようにしたら豊かに充実させることが出来るかということである。教育技術が問われるのはこの一点においてである。
 教育技術を生み出すもの、それは子どもたちとの共感の世界である。
 それは子どもの本心が伝わってくる世界である。
 その世界に住んで私たち自身が育てられていくのである。
 子どもが育ちおとなも育つ世界である。
 あらゆる発達の段階において、子どもたちは、このような関係の中におかれ、あわてたりひっぱたかれたりしないで、豊かな情操をもった人格に育つ。
 それはちょうど木の実が熟して木から落ちるように次の発達の段階にはいっていくのである。
 近江学園やその他多くの施設は、社会でもてあまされた子どもたちの終着駅であってはならない。むしろ始発駅であり、健全な社会そのもののいとなみである。すべての人間生命の発達を保障するという考え方が、真に日本の社会計画のなかみを形成するようになるための、ささやかではあるがもっとも具体的な試みであり、訴えである。むしろそれは発達を保障するための社会資源のひとつである。

『福祉の思想』抜粋
 「この子らに世の光を」あててやろうというあわれみの政策を求めているのではなく、この子らが自ら輝く素材そのものであるから、いよいよみがきをかけて輝かそうというのである。「この子らを世の光に」である。

<レジュメの概要 当日配布したレジュメを参照>
1.ノーマライゼーション 発展の経緯
<概要>
 デンマークのミケルセン(Bank Mikkelsen, N. E.)
 デンマークにおいて「親の会」の主張に共鳴し,その願いをノーマライゼーションということばで明示した。 略
 1959年制定の知的障害者法において,バンク- ミケルセンは「知的障害者の生活を可能な限り通常の生活状態に近づけるようにすること」と定義した。 略

 スウェーデンのニィリエ(Nirje,B. ニルジェ、ニーリエ等とも表記)
 1967年、スウェーデンで制定された知的障害者援護法にノーマライゼーションの理念が盛り込まれた。略
 同法制定に尽力したニーリエが1969年に論文「ノーマライゼーションの原理」を著した。
 ニーリエは,ノーマライゼーションをすべての知的障害者の「日常生活の様式や条件を社会の普通の環境や生活方法にできるだけ近づけること」と定義し、「1日・1週間・1年のノーマルなリズム,ライフサイクルにおけるノーマルな経験,ノーマルな要求や自己決定の尊重,男女両性のいる暮らし,ノーマルな経済的水準,ノーマルな住環境水準」といった具体的な目標を提示した。略

 ヴォルフェンスベルガー
 1972年に「可能な限り文化的に通常である身体的な行動や特徴を維持したり,確立するために可能な限り文化的に通常となっている手段を利用すること」とノーマライゼーションを定義した。 略
 「価値のある社会的な役割の獲得」(ソーシャルロール・バロリゼーション)を中核概念として提唱した。略

ノーマライゼーションとは
 社会福祉サービスの利用者も一般市民と同様に地域社会での生活を共に送ることがノーマルである。
 隔離収容や分離処遇とも訳されるセグリゲーションに対して異議を唱える理念である。略

当事者運動とは

 続く

当ブログ筆者の 論文 リンク

関屋光泰(2010)「簡易宿泊所街・横浜寿町地域における民間支援活動-歴史的経緯の概要」『研究紀要』第18 巻第1 号 学校法人敬心学園日本福祉教育専門学校福祉文化研究所,39-48頁


ブログ筆者の新刊 社会福祉士国家試験過去問解説集 第30回社会福祉士国家試験問題解説を執筆 中央法規出版


当ブログ筆者執筆
精神保健福祉援助演習(専門)第2版
精神保健福祉士シリーズ 10
福祉臨床シリーズ編集委員会 編

ISBN978-4-335-61117-9
発行日 2016/02/22 弘文堂

第8章 地域における精神保健問題(依存症と生活困窮)


公的扶助論 講義概要6 被保護者の権利と義務、不利益変更の禁止、勤労、節約、費用返還義務とは 子ども食堂補助金、調査結果


参考資料 関連の新聞記事

 年収270万円未満の住民税非課税世帯対象 低所得家庭の学費減免 高等教育、奨学金拡充 骨太の方針

 平成30(2018)年6月6日 朝日新聞 東京朝刊

引用「5日に公表された政府の「骨太の方針」の原案には、消費増税分を使って大学など高等教育の負担を軽減する具体策が盛り込まれた。2020年度から始まる。

 主な支援対象は年収270万円未満の住民税非課税世帯。国立大に通う場合、授業料(年約54万円)を全額免除し、私立大の場合は一定額を上乗せし、70万円ほどを減額する。給付型奨学金には通学費や課外活動費、自宅外生の住宅費などが含まれ、私大に通う自宅外生なら総額年100万円規模になると想定される。

 また、年収300万円未満ならば非課税世帯の3分の2、年収300万〜380万円未満ならば3分の1の支援額を出す。

 低所得層を集中的に支援することを問題視する声もあり、自民党教育再生実行本部はより幅広い層が支援を受けられる制度として国が授業料を肩代わりし、卒業後に収入に応じて「後払い」する仕組みを提案している」引用ここまで


学校検診  大阪府の小中高生、6割が眼科未受診 背景に貧困 、ひとり親家庭、長時間労働

平成30(2018)年5月25日 毎日新聞 大阪朝刊

引用「大阪府保険医協会(大阪市)などは24日、学校の眼科検診に関する調査に回答した大阪府内の公・私立小中高校のうち、治療や受診が必要と診断された児童・生徒の6割超にあたる約2万6400人が未受診だったと発表した。

 背景にひとり親家庭や、親が長時間労働を強いられる貧困問題があるとみられる。

 調査は昨年11月〜今年1月末、府内の公・私立の1802校を対象にアンケートを実施し、270校から回答があった。

 2016年度に学校で実施された眼科検診(視力検査含む)を受け、再受診が必要と診断されたが未受診だった割合は62・9%(2万6338人)だった。養護教諭に理由を聞いたところ▽保護者の健康への理解不足▽共働きや長時間労働▽ひとり親家庭▽経済的困難−−などの回答が寄せられた。

 学校からは「眼鏡のつるが折れていてもテープで止めている」「視力低下の児童が多く座席配慮が十分にできない」「黒板が見えにくくノートをとることを諦めている」など、学習環境に支障が出ている報告も寄せられた」引用ここまで


<陸前高田・子どもの貧困>震災後 家計悪化5割 母子家庭 高い困難度

河北新報 2018年05月26日土曜日

引用「陸前高田市では、子どもがいる貧困世帯の5割で震災前より家計が悪化していることが、市の調査で分かった。非貧困世帯の家計悪化率を上回っており、被災が貧困世帯により強く影響している実態が浮き彫りになった。

 市は、震災で被災した岩手県沿岸部の市町村で初めて子どもの貧困実態調査を実施。中学生の子どもがいる世帯を対象に2017年11~12月に調査した。

 所得が平均の半分に満たない貧困世帯の中学生の割合は16.9%だった。単純比較はできないが、全国平均の子どもの貧困率13.9%(2015年)を上回っている。

 貧困世帯の52.9%が震災前より経済状況が「悪くなった」「少し悪くなった」と回答。非貧困世帯の37.7%を15.2ポイント上回った。

 貧困世帯の被災状況(複数回答)は「住まいが被災した」(52.9%)「家族が被災(死亡)した」(17.1%)「仕事がなくなった」(15.7%)など。被害程度も非貧困世帯に比べて大きい傾向にあるという。

 貧困世帯の家族構成は「両親家庭」(21.4%)と「母子家庭」(22.9%)が拮抗(きっこう)。母子家庭の割合は非貧困世帯の4.1%を大きく上回った。

 貧困世帯で過去1年間で必要なものを買えないことが「頻繁にあった」「何度かあった」のは食料で18.6%、衣料で22.9%だった」引用ここまで


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公的扶助論 低所得者に対する支援と生活保護制度 その5 ブログ筆者の担当講義
 HPより引用「児童自立支援専門員養成所とは。非行などの問題を抱える子どもや、虐待などの理由により支援が必要な子どもたちと施設での生活を共にしながら、資格取得に向けて学ぶところです。
 国立武蔵野学院は、大正8年 (1919年) 3月に開設された児童自立支援施設です」
 児童自立支援専門員とは、児童自立支援施設において,生活指導,家庭環境調整等,ソーシャルワークによって、児童の自立を支援する専門職である。国立武蔵野学院に附属児童自立支援専門員養成所が設置されている。

1.被保護者の権利及び義務
*被保護者の権利 経緯 「生活保護法の解釈と運用」より
 恤救規則からはじまり、救護法及び旧生活保護法は、これらの救貧制度の(行政側の)運営について定めた法であって、被保護者の権利について十分な規定がなかった。
 また大正14年の「普通選挙法」において、被保護者は選挙権及び被選挙権を持たないと定められた。この被保護者の参政権の制限は、昭和22年の衆議院議員選挙法の改正によって削除されるまで継続された。
 つまり、明治から旧生活保護法までの救貧制度は、被保護者の参政権の制限と並んで、救済を求める権利を認めていなかった
・また、他国の公的扶助制度と比較をしても、被保護者の権利について独立した章を設けて定めている例はない。この現行生活保護制度の被保護者の権利は先進的な形と言える。

<解説>
*恤救規則
 1874年に府県に出された通達(明治7年太政官達162号)である。日本の救貧制度の源流である。「人民相互ノ情誼」が強調され,生活困窮者に対しては血縁・地縁による隣保相扶を優先させた。扶助の対象は無告の窮民に制限され、家族の扶養を受けられない者、極貧の労働不能者等に対象を制限した。1932年の救護法施行により廃止。

*隣保相扶とは、村落共同体を中心とした相互扶助の思想である。江戸時代の五人組制度などもその一形態である。

*救護法
 第一次世界大戦後の不況を背景に,制定された法律(昭和4年法律39号,1932年7月施行)。1946年(旧)生活保護法が制定までの,一般救貧法である。生活扶助,医療扶助,助産扶助,生業扶助(及び埋葬費)。居宅保護を原則とし,(施設への)収容保護,(私人への)委託保護を容認。

*不利益変更の禁止(第56条)
「生活保護法の解釈と運用」より
・保護実施機関の裁量などによる、窓意的な変更は許されないという規定である。
・これは被保護者と保護の実施機関との間の基本的な関係を規定したものである
 保護の実施機関が被保護者に対して保護の開始等を決定したなら、この法に定めるところの変更の手続きを正規に取らない限りは、決定された内容において保護の実施を受けることが被保護者にとっての権利となり、被保護者はその実施を請求する権利を持つ。また、保護の実施機関は、決定した保護を決定通りに実施しなければならない義務を負う
・「正当な理由」:例えば、地方自治体が保護費の予算の不足などによって、保護費の減額を決定することは正当な理由ではなく、この場合の保護費の変更は違法である。

生活保護法第56条では、「被保護者は、正当な理由がなければ、既に決定された保護を、不利益に変更されることがない」不利益変更の禁止が規定されている。

*公課禁止(第57条)、差押禁止(第58条)
・生活保護法第57条と第58条では、公課禁止と差押禁止が明示されている。公課禁止は、被保護者は最低限度の生活であり、租税の余地はない、差押禁止は民事上の債務から保護金品を保障する。
第五十七条 被保護者は、保護金品を標準として租税その他の公課を課せられることがない。
第五十八条 被保護者は、既に給与を受けた保護金品又はこれを受ける権利を差し押えられることがない。

「生活保護法の解釈と運用」より
(国税、市県民税の)公課禁止の規定は、保護費のみを対象とすると解釈できる。

*譲渡禁止(第59条)
・一方、被保護者の義務としては、第59条で、「保護又は就労自立給付金の支給を受ける権利は、譲り渡すことができない」。
 保護を受ける権利は一身専属権で、第三者に譲渡できるものではないことを明示している。

*生活上の義務(第60条)
「生活保護法の解釈と運用」
 この義務に違反した場合、直接的な制裁の規定はないが、保護機関の指導指示に従わない場合は、必要な手続きを行ったうえで保護の変更、停廃止がなされる場合もある。
・生活上の義務「勤労に励む」とは、単に「惰民防止」という見地からではなく、被保護者の自立助長の考え方に基づいて、この規定も定められている。
 生活保護制度の運営について注意すべき点の一つは、被保護者が保護の受給に慣れて、能力があるにも関わらず無為徒食する惰民としてしまわず、また(この影響から)一般の人々の勤労意欲を低下させないようにすることである。
 しかしこれは困難な課題であって、イギリスの救貧法の歴史から見てもこれらの公的扶助の永遠の宿題ともいえるものである。
 ただしここでいう勤労に励むことは、働く能力のない人々に求めているものではない
・「支出の節約を図る」とは、生活保護費の計画的な支出を含む。

・第60条では、「被保護者は、常に、能力に応じて勤労に励み、自ら、健康の保持及び増進に努め、収入、支出その他生計の状況を適切に把握するとともに支出の節約を図り、その他生活の維持及び向上に努めなければならない」。

*届出の義務(第61条)
「生活保護法の解釈と運用」
 「生活の維持及び向上に努め」ていないと判断できる例
 収益を伴わない、また成功の可能性もない研究・発明に没頭するもの、また「気が向かなければ仕事をしない」という態度のものは、生計・生活の維持向上に努めていないということになるであろう。これらの行為の可否は別として。
 同じく労働争議ストライキに参加した場合も、一般的には生計・生活の維持向上に忠実に勤めているタイプとは言えないだろう。これらの行為の可否は別として。

・第61条では、「被保護者は、収入、支出その他生計の状況について変動があつたとき、又は居住地若しくは世帯の構成に異動」があった場合は速やかに保護実施機関に届け出る義務を課している。

*費用返還義務(第63条)
・第63条で費用を返還する義務を課している「被保護者が、急迫の場合等において資力があるにもかかわらず、保護を受けたときは、保護に要する費用を支弁した都道府県又は市町村に対して、すみやかに、その受けた保護金品に相当する金額の範囲内において保護の実施機関の定める額を返還しなければならない」。

*指示などに従う義務(第62条)
・第62条では、被保護者は原則として保護実施機関の指示に従う義務があり、従わない場合は被保護者に弁明の機会を与えたうえで、実施機関は保護の変更、停廃止を行うことができるとしている。
 被保護者の自由を尊重すべきことも規定されているが、保護実施機関の指導指示権限がぎりぎりのところで上回っているといえる。
62条「被保護者は、保護の実施機関が、第三十条第一項ただし書の規定により、被保護者を救護施設、更生施設若しくはその他の適当な施設に入所させ、若しくはこれらの施設に入所を委託し、若しくは私人の家庭に養護を委託して保護を行うことを決定したとき、又は第二十七条の規定により、被保護者に対し、必要な指導又は指示をしたときは、これに従わなければならない。
2 保護施設を利用する被保護者は、第四十六条の規定により定められたその保護施設の管理規程に従わなければならない。
3 保護の実施機関は、被保護者が前二項の規定による義務に違反したときは、保護の変更、停止又は廃止をすることができる。
4 保護の実施機関は、前項の規定により保護の変更、停止又は廃止の処分をする場合には、当該被保護者に対して弁明の機会を与えなければならない。この場合においては、あらかじめ、当該処分をしようとする理由、弁明をすべき日時及び場所を通知しなければならない」

<続く>

<参考資料 講義関連>
2018/5/21 11:45 日本経済新聞 電子版
 引用「地域住民らが子供に無料や低額で食事を提供する「子ども食堂」の運営を軌道に乗せようと、自治体が支援策に知恵を絞っている。食堂は全国で開設が相次ぐが、資金繰りや食材集めに窮し、閉鎖するケースもある。運営経験の豊富な民間団体に助言してもらったり、家庭で余った食材の提供を呼びかけたりして普及を後押しする。
 大阪府は2018年夏にも、福祉活動の運営実績がある団体を「コンシェルジュ」に任命し、子ども食堂の運営団体にアドバイスする制度をつくる。立ち上げなどの相談に応じたり、運営のノウハウを教えたりする。週3日以上、相談窓口を開くことなどを条件に最大450万円の補助金を出す仕組みだ。
 導入の背景には、子ども食堂の運営の難しさがある。府などによると、集まる子供の数や食材の仕入れが安定せず、短期間で閉鎖してしまうケースがある。「食堂の開設を促し、継続できる環境を整える」(府福祉部)のが狙いだ」抜粋ここまで

関連:子ども食堂補助金、地域福祉活動コーディネート、ファシリテーター、社会資源の開発、ボランティア活動

平成30(2018)年4月10日 神戸新聞 朝刊
 引用「兵庫県内でも広がりを見せる「子ども食堂」。自宅などを開放した小規模なものや、朝食を提供する形も登場し、子どもの貧困対策という意味合いを超え、見守りや学習支援、子育て中の母親のサポート、3世代交流など多様な役割を備え、子どもを核にした「つながりの場」として根付きつつある。一方、自治体の支援には地域差があり、運営費やスタッフの確保、教育・福祉との連携も課題だ。
 「気になる子どもをピンポイントで支援するのは無理。とにかく居心地のいい場所をつくりたい」抜粋ここまで

関連:子育て支援、多世代交流、小地域福祉活動、社会的孤立、ソーシャルインクルージョン、アウトリーチ

平成30(2018)年4月5日 朝日新聞 東京朝刊
引用「朝日新聞社とベネッセ教育総合研究所が共同で実施する「学校教育に対する保護者の意識調査」の結果が4日、まとまった。全国の公立小中学校の保護者7400人に聞いたところ、教育格差について「当然だ」「やむをえない」と答えた人は62・3%となり、4回の調査で初めて6割を超えた。また、子どもの通う学校への満足度は83・8%で、過去最高となった。
 調査では「所得の多い家庭の子どものほうが、よりよい教育を受けられる傾向」について「当然だ」「やむをえない」「問題だ」の3択で尋ねた。
 「当然だ」と答えた人は9・7%で、2013年の前回調査の6・3%から3ポイント以上増えた。1回目の04年、2回目の08年(ともに3・9%)からは6ポイント近い増加だった。また、「やむをえない」は52・6%で、初めて半数を超えた前回の52・8%とほぼ同じ。格差を容認する保護者は計62・3%となった」抜粋ここまで

関連:教育格差、学力格差、福祉国家、福祉社会、貧困の世代間連鎖、社会連帯、社会的排除、セツルメント

毎日新聞2018年4月6日 地方版
引用「子どもの貧困状況を把握し今後の対策に生かそうと、県が「生活実態調査」を初めて実施したところ、小中学生がいる世帯のうち1割近くが困窮状態であることが分かった。所得が低い世帯ほど子どもの教育に関する支出が少ない傾向にあることも判明し、県は市町村などと連携しながら対策を講じていきたいとしている。

関連:コミュニティワーク、住民主体、地域ニーズ

子供食堂向けアンケート調査結果 等

当ブログ筆者が執筆
精神保健福祉援助演習(専門)第2版
精神保健福祉士シリーズ 10
福祉臨床シリーズ編集委員会 編

ISBN978-4-335-61117-9
発行日 2016/02/22 弘文堂

第8章 地域における精神保健問題(依存症と生活困窮)

当ブログバックナンバー
 相談、面接、生活保護受給者訪問調査
 貧困、生活困窮の子どもと家族
 アルコール依存症と生活困窮、精神科医療との連携の必要性

キーワード 生活保護不正受給問題、適正化政策、ワークフェア、バウチャー、貧困家庭一時扶助、私的扶養、ベーシックインカムとは。




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社会福祉分野学生(大学)の就職活動とは 近年の傾向 大学の現場から
精神保健福祉士、社会福祉士 学生の就活と福祉採用活動の動向

 下記は、大学学部の精神保健福祉士、社会福祉士の教室において、当ブログ筆者の担当授業でレクチャーした内容を再構成したものである。
 講義の内容は、福祉の就職活動の進め方や留意点、精神保健福祉、障害者福祉施設、各医療機関等の採用と就職後の実践、また具体的なアドバイスと、福祉就職への意欲向上を働きかけた。個別の質問、相談も並行して実施する場合もある。
 大学の現場から見える学生の就職活動の傾向、福祉施設などの採用活動の動向も追加している。
 また、学生からの社会福祉分野の就職活動の関連、福祉の仕事についてなどの質問を踏まえている。

(担当授業におけるレクチャーから)
1.近年の学生の福祉分野就職活動の特徴、福祉施設等採用活動の傾向
 ポイント 学生の福祉就職活動
 福祉施設、団体等の採用活動(関連事業)の早期化、学生の就職活動の早期化
 保護者や学生から人気があるのは、福祉関連企業等<理由 学生や保護者に対する信頼」と「広報力」>
 社会福祉法人のなかには、一般学部学生も歓迎、門戸を拡大も。

なぜ、福祉施設の採用、職員募集に学生が集まらないのか。どこに就職しているのか
福祉施設(障害者、高齢者、児童)の職員不足の傾向と、採用活動の苦戦から、各福祉施設は、早期に人材を確保することを目指す傾向がある。
・また、有料老人ホーム等高齢者福祉関連事業を展開する企業は、早期に採用関連の活動を展開し、学生やその家族からの信頼、人気が高い傾向が続いている。
 福祉関連企業のパンフレットは見やすく、職員対象の住宅等支援の仕組み、新人職員対象の研修制度等教育も充実し、しかも分かりやすくアピールしている。一言で言えば、就活学生に対してアピール力が強く、かつ就活学生(家族)目線で洗練されてもいる。学生に支持を集めていることもある程度、納得できる。また福祉施設の採用活動改善のヒントとも言える。
 例 SOMPOケア、ベネッセスタイルケア、株式会社サンケイビルウェルケア
 つまり、早期に就職活動を開始した、就職に強い意欲を持った学生が、上記のような福祉企業に早期に就職を決めている傾向もみられる。一方で、遠方への転勤には消極的な学生も少なくない。

*福祉以外の一般学部学生歓迎の福祉施設も
 また、「マイナビ」等の就職情報サイトで求人を案内する社会福祉法人も増加している。
 「マイナビ」等の活用も推奨している。
 これらの動向から、福祉以外の学部出身の学生が、高齢福祉分野等への就職も目立つ。
 採用活動を行う社会福祉法人にも、一般学部学生歓迎の傾向もある。

(ブログオリジナル記事 ここから)
*福祉関連学生の就職活動と、福祉施設の採用活動の意義
 採用活動によって、その施設における実践に意欲のある学生が集まり人員が充足され、研修制度、継続した専門職教育、新人職員のサポートが提供されることは、福祉施設として、職員全体の実践力の源泉となり、ミクロからメゾ、マクロ領域にわたる支援の質の向上に繋がるであろう。

2.学生の就職希望の傾向
 精神保健福祉、生活困窮者支援、障害者福祉施設、精神科や総合病院、福祉行政(福祉事務所、児童相談所等)、児童福祉、高齢者福祉(企業)、スクールソーシャルワーカーなどの分野への就職を希望している学生が目立つ。生活困窮者支援は社会の動向としても、ソーシャルワーカーの重要な領域、使命として、学生の関心も高まり、就職活動にも繋がっている。
 また、福祉分野と併せて、一般企業への就職も考えている学生も少なくない。一般企業の就職活動と福祉分野就職活動の並行が、従来よりも目立ってきていると言えるだろう。

*福祉分野への就職は安定重視、専門職志向
 就職先に対する安定志向を持っている学生が多数ではあるが、それは重視しない学生も存在する。
 また、就職先の研修等の成長、職員サポートも、学生は関心を持っている。
 ソーシャルワーク専門職を志向し、就職後の継続した研修等や、プロフェッショナルとしての成長を支援する取り組みによって専門性の向上を目指している。

*一般企業対象就職活動への適応
 総じて、社会福祉領域の学生は、従来よりも、企業対象の就職活動に合わせたスタイルで、早期に就活をはじめている。
 合同就職フェア、インターンシップ、エントリーシートなど、一般的な就職活動から持ち込まれたものは多い。
フクシゴト 就職フェア、インターンシップ案内等、筆者の大学にも届いている。
 また、首都圏の児童養護施設や母子生活支援施設等、施設見学会、説明会の開催等、取り組みが行われている。参加する学生も。

*福祉分野の就職活動もリクルートスーツスタイル化
 全般的に、一般企業等の就職活動の影響を受けている(と言えるだろう)。
 リクルートスーツをしっかりと着て、病院や福祉施設の説明会等に出かけている学生が一般的となった。
 学生の「真面目さ」、行儀の良さとも言えるだろう。
 (当ブログ筆者が学部の学生であった、20数年前と比較したときの特徴である)

*学生生活の多様化
 また、学生生活も多様であり、こども食堂や学習支援等のボランティア、スポーツでの活躍、NPO等の社会活動に打ち込む学生、海外研修プログラムの参加や英語の修得など、アクティブな学生も多い。一方、アルバイトに追われる学生も少なくない。
精神保健福祉士や社会福祉士等の福祉専門職を志願する理由とは、学生自身の身近なところの理由に加えて、共生や社会貢献の社会的使命も抱いている。
 合わせて、人間と関わり、支援する実践の「やりがい」、自己効用感や存在価値、承認が得られ、自分にも他者にも意義のある仕事への希求がある。

*学生の傾向 ミクロ領域重視
 一方で今日の学生は、福祉施設の現場における利用者との信頼関係の大切にしたい等を考えているミクロ領域の直接援助の関わり、コミュニティを含めたつながりを重視していることが分かる。
 学生の声として、生活困窮者支援において、生きづらさ、社会的孤立への支援が必要である。
 困窮した人々に寄り添うような支援が求められている。
 ソーシャルインクルージョン重視の考え方は、学生に定着していると言えるだろう。
 つまり、相談援助やグループワーク等の実践において、質の高い支援を行いたいとの思いを学生は抱いている。また、マクロ領域においては、共生社会づくりも考えられている。

*ワークライフバランスの重要性、 福祉施設の根幹は人にある
 福祉分野におけるワークライフバランスは、福祉施設職員の質の高い実践の持続を支援し、より良い働き方の拡充を促進するためである。個々の職員の心身の健康は、支援の質に影響する。福祉施設全体にとっても、慢性疲労・燃えつき等によって実践が困難になり、更に休職し復職出来ない職員を生じて、職員の人員不足を招くことは、支援の質の低下や事故も招きかねない。
 社会福祉分野、とりわけ福祉施設等のにおいては、事業の根幹は人にある

*社会福祉分野の就職活動中の学生のみなさんへ
 就職活動は、具体的な行動として「何をするか」も重要であるが、どこに進むのかを考えることは更に重要と言える。
 当ブログ筆者は、これまで80ヵ所程の福祉施設に出向き、施設職員研修の講師を務めてきたが、それぞれ特徴があり、施設ごとの違いは大きい。
 現場の職員のサポートや研修に力を入れている施設、スタッフの人間関係がフレンドリーな施設、ワーカーズコレクティブ(協同労働、皆で運営して皆で働く)施設、職員住宅(家賃支援)が充実している施設、家族の会が設立した施設、他業種から参入した社会福祉法人等、個性豊かである。
 先駆的な事業を行う、生活困窮者支援、地域福祉関連のNPO法人も注目されている。
 また、障害者福祉施設の作業も、コミュニティカフェ、パンづくり、弁当、豆腐屋、陶芸、パソコンリサイクル、農業等、多様なかたちで働くことを支えている。
 ダンスやアート、緑化、音楽、スポーツ等の活動に取り組む施設もある。
 他と同じ施設は一つもなく、職員の自分らしい働きやすさも施設ごと異なる。
 学生の皆さん、目指す就職先を考えてみよう。就職活動は、学生の皆さん自身が働きたい場所を探すプロセスでもある。
 関心を持っている分野、テーマから探す方法もある。
 例えば、子どもの貧困、生活困窮者支援、精神保健福祉、スクールソーシャルワーカー、子ども家庭福祉、具体的には家族問題、虐待に関心がある人もいるだろう。
 進路を自分一人で落ち着いて考えることも大切ではあるが、情報に触れながら他者と話し合うと、進みたい方向が更に具体的になることもある。学内、学外の機会を活かしていこう。
 ブログオリジナル記事ここまで

(担当授業におけるレクチャーから)
前提 福祉分野の就職活動を巡って
1.多様な進路、自分らしい生き方、働き方を。
 福祉キャリアの計画性、ヴィジョンを持つこと。できれば一貫性が持てるものを。
 施設見学会に参加した施設、採用試験を受けた病院や企業で、働いている自分をイメージできるか?

2.就職先も学生もお互いがフィットする出会い、就職のために。
 福祉の就活(医療、施設)は、採用側が学生を選抜するプロセスでもあるが、学生がフィットする就職先を探すプロセスでもある。ある意味、視野の広さ、慎重さも必要と言えるだろう。
 就職活動で出会った施設、病院、企業の雰囲気(担当者以外の職員の雰囲気=過度の緊張感、多忙さ、切迫感を感じる組織は、あまりお勧めしない)、フィーリングは判断の材料の1つと言える。

3.人間からの情報、アドバイスも活かすこと。インターネットのみに頼らない。
 多様な視点、長期的な視点でも考えること=自分だけでは限界があり、他者の視点も活かすこと。

成長するキャリアか-求めたいもの
 法人としての研修制度、研修等への参加のサポート等が整備されているか。拡充の方向が打ち出されているか。
 病院や施設等のメンター、スーパービジョンの仕組みは。

(1)障害(精神障害等)分野
 障害者福祉、精神保健福祉は就職分野として学生が注目する分野。
 精神保健福祉、障害者福祉施設、事業は、個々の特徴がある。
 自分の希望する仕事、理念にフィットする施設を探そう理念、事業、地域等)。ワーカーズコープ運営の施設も障害福祉分野にはあり、協同労働の理念によって運営されている。
 障害福祉分野といっても、利用者のハンディキャップ、入所か通所、施設や法人の規模、事業、利用者の作業の内容も様々であるので、どのような福祉施設で、(何を)働きたいのか、自分の中で明確化し、見学も推奨する。
 例 就労継続支援B型。農業、園芸等、自然との共生を志向する作業も普及しつつある。エコな福祉施設のあり方。
 障害者福祉施設等の例 見学会 当日、口頭にて解説

(2)福祉職公務員(福祉行政) <難関突破のために>
 首都圏の採用 横浜市、川崎市、神奈川県、相模原市、横須賀市、都特別区、埼玉県等。
 募集時期の傾向
 地方自治体の社会福祉士・精神保健福祉士取得者(取得見込み)を対象とした募集
 難関と言える。対策が必要である。
 (県立病院において、患者・家族との相談業務や地域連携に関する業務に従事。配属先は、埼玉県立がんセンター又は埼玉県立小児医療センターを予定)

<福祉職公務員になるために 口頭で解説、当日、資料を配布>

 (続く 精神科医療機関、生活困窮者支援、児童福祉施設等)


当ブログ筆者の福祉施設職員対象研修 施設へ出張講義  申し込みはこちら
東京都「登録講師派遣事業 第1期・事業所向け派遣研修」  平成30年5月28日(月)17時 申込締切
 東京都福祉保健局の委託による、福祉・介護・保育事業所対象の職場研修です。
 講師謝金 無料

 福祉施設職員の困難の原因と、ストレス対処方法を事例も用い学びます。
 高齢者介護職や障害者施設の支援員、保育等の施設職員の燃えつきや離職を予防し、心身のセルフケア等により、職員と職場をサポートする研修です。
 <概要>
 福祉施設職員のための心身の慢性疲労のチェックリスト(研修にて実施)
 心身の慢性疲労、メンタルヘルス不調の気づきのポイント。燃えつきやすい性格とは。
 燃えつき症候群の原因を考えよう。
 ストレッサーの分析 自覚から始まるセルフケア
 不安・悩み・ストレスへの直面。福祉施設職員のストレスは総合的問題
 職員のストレスへの対処は、施設のリスク・マネジメント、支援の質の向上の課題でもある。
 燃えつきからの回復プロセス
 セルフケア、自己理解の必要性、福祉施設職員のレジリアンス
 心身の慢性疲労のリミッターとは。弱さの情報公開
 ストレス対処の工夫とは。
 メンタルヘルス休職の職員の復職支援(リワーク)のあり方
 復職のポイント(職場復帰、心身の体調回復)、職場復帰後のフォローアップ

福祉施設職員の人間関係、コミュニケーション 事例から学ぶ 科目番号117
 福祉施設の職員間の人間関係の難しさと改善の方法を、また利用者とのコミュニケーションの課題を、事例も用い学びます。
 障害者・高齢者福祉施設等の人間関係と職場の改善を図り、職員のストレスの緩和を図る研修です。
<概要>
 福祉施設の職員間の人間関係が良くない、コミュニケーションの難しさを、どのように改善したら良いのか分からないという声は頻繁に聴きます。
 福祉施設の職場の課題を、何も変わらないと感じていたり、改善への諦め、無力感が漂っていませんか?
 職員の皆は(自分以外は)無関心だと思っていたり、面倒なことに関わりたくないと避けることもあるでしょう。
 しかし、本当に皆は無関心なのでしょうか。
 身近なところから、皆の関心事から話し始める等、改善への手法があります。
 職員皆の共通点を見い出し、少しづつ人間関係を築き上げていくこと。職員コミュニティづくりの方法とは
 職員間のつながり、職員のサポートネットワーク、繋がりによる相互支援を図ること。
 職員間の面談の留意点。スーパービジョンのあり方。
 感情労働とは、そのサポートの必要性。

<参考>

新聞に筆者のコメントが掲載されました「ルーテル学院大の関屋光泰 助教は、東京都内を中心に約60カ所の障害者施設などで職員向けのストレスケア研修を行ってきた。「忙しい時に利用者への言葉がきつくなり、そんな自分を責めてしまう」、研修の受講者からは、そんな悩みが多く寄せられる。<略>「自分が理想とする支援ができず、自己嫌悪に陥る職員も多い。職員のケアの必要性に目を向けるべきだ」と訴える」抜粋
(やまゆり園事件が残したもの:下)地域に開く、支え合い歩む
2017年7月26日 朝日新聞朝刊 全国


(当ブログ筆者の東京都「登録講師派遣事業」続き)
障害者福祉施設等におけるグループワークの基礎 科目番号63
 グループワークのプロセスや、プログラム立案と実例、形態、考え方等、援助技術の基礎を解説。
 福祉施設や集団の人間関係を深め、生活の活性化を図るグループワークの方法を、事例も用い学びます。
<概要>
 障害者福祉、精神保健福祉におけるプログラムの例
 プログラムの計画と進め方。考え方とは
 グループワークにおけるコミュニケーション技術
 メンバー間の相互作用の理解
 利用者間のコミュニケーションの媒介
 利用者の相互支援システムの形成と活用
 援助関係の構築
 
障害者福祉施設の新人職員等基礎研修 科目番号115
 障害者支援の視点やコミュニケーションスキル、職員の倫理等の基礎を、事例も交え解説します。
 新人職員等の資質向上もテーマに、福祉援助技術の基礎、姿勢、考え方など、障害者福祉施設の職員をサポートする研修です。

初回面接(インテーク)の基礎 初対面の利用者とのコミュニケーション技術 科目番号178
 訪問等における、初対面の利用者とのコミュニケーションや電話相談にも応用可能な、インテーク面接、相談の基礎を、生活困窮の事例も交え解説。
 早期支援により、社会的孤立と危機を防ぐアウトリーチの考え方も扱います。
<概要>
 インテーク面接の技術とは。初対面の利用者の迎え方、関わり方、留意点。
 最初の声の掛け方。相談、訪問の導入部分。その後のプロセス。コミュニケーションの基本的スキル。
 アウトリーチとは、支援に結びついていない対象と出会うために、コミュニティに出向く活動である。
 訪問の技術について。調査のための訪問ではなく、利用者を理解し援助するための訪問である。
 地域における福祉ニーズの発見、掘り起こしを図る。生活の全体性、来談者への全人的、総合的な視点
 社会的孤立を緩和し、アドボカシーを行う。
 電話相談とその課題(頻回相談等)。

貧困、生活困窮者対象のグループワーク実践 科目番号217
 生活保護受給者、生活困窮者等を対象としたグループワークのプログラムと留意点などを、講師の実践や事例も用いて解説。
 アルコール依存症の回復支援等の精神保健福祉、地域生活支援、孤立予防の課題も学びます。
<概要>
 生活困窮者、生活保護受給者等を対象とした精神科グループワークの実践。精神科デイケア
 生活困窮者対象のプログラムの例。アート活動、社会参加、生活の意欲の活性化。
 就労を目指して、農業、緑化活動等のプログラム。社会参加活動。作業による承認の機会。
 自尊感情を支えるグループワーク。多様な「自立」を支援。
 若年の生活保護受給者の課題。世代間連鎖。
 食支援、会食の機会、簡易宿泊所街におけるグループワークにおける食事の重要性

貧困、生活困窮者(子ども)支援の考え方 共生社会の課題 科目番号218
 子ども食堂等の地域福祉活動の拡大をふまえ、社会的排除、貧困の捉え方や、生活困窮者・児童支援の考え方、関連する健康問題等の基礎を解説。
 共生社会、ソーシャルインクルージョン志向の活動事例や、アウトリーチ等の課題も解説。
<概要>
公的扶助領域、生活困窮者支援における相談援助
 貧困に関連した生活問題の緩和を目指す相談実践の拡充のために。
 経済的困窮とメンタルヘルス、心身の健康問題。
 アルコール・薬物等の依存症問題。依存症の専門的な治療、リハビリテーション。
・子どもと家族の生活困窮、子ども虐待。地域における見えない生活問題。
 食生活と栄養問題食生活による家族の心身の健康と生活、子どもの成長への影響食育の場としてのこども食堂。
子ども食堂等の地域福祉活動と生活問題
 福祉施設としての地域社会への貢献地域福祉活動との連携、会場の提供。
・社会的排除とエンパワメント。コミュニティへの働きかけ。
 共生社会のあり方。ソーシャルインクルージョンによる支援

面接の基礎 バイステック7原則を基盤に学ぶ援助関係の構築 科目番号179
 相談や訪問における利用者との人間関係の構築、面接技術、相談の基礎を事例を交えて学びます。
 バイステックの7原則を基盤に、利用者との良好なコミュニケーションの方法、姿勢、視点等を解説します。
<概要>
 面接・コミュニケーション技法の基礎
 相談の導入部分
 ライフステージごとの問題や課題を共有
 アンビバレンスな感情

社会福祉の歴史の基礎 福祉援助の源流から学ぶ 科目番号216
 セツルメント等の地域福祉活動、貧困問題と児童福祉、訪問・相談事業など福祉援助の源流を探り、歴史や先人から学びます。
 今日のコミュニティ福祉、共生社会、ソーシャルインクルージョンの課題解決のヒントを歴史から探究する研修です。

福祉施設職員の職業倫理、ハラスメント予防研修 科目番号155
 高齢者や障害者福祉施設等におけるハラスメントの予防を図る、事例やチェックリストを用いた職業倫理の研修です。
 介護職員や障害者施設の支援員に求められる倫理や福祉マインドの基礎を学び、資質向上を図ります。

 上記はブログ筆者 関屋光泰が担当する研修です。
 この講座は、東京都福祉保健局の委託による、福祉・介護・保育事業所対象の職場研修です。講師が施設に出向きます。講師謝金 無料
申込締切日 
平成30年5月28日(月)17:00まで
詳しくは下記をクリック
東京都社会福祉協議会登録講師派遣事業

東京都の「登録講師派遣事業 第1期・事業所向け派遣研修」 

【お問合せ先】東京都福祉人材センター研修室 電話 03-5800-3335




当ブログバックナンバー 社会福祉法人からのご依頼の研修も行います。

面接、相談、個別支援の技術 生活困窮者支援研修1 当ブログ筆者が講師を担当 社会福祉法人研修


障害者施設職員研修報告2 江東区障害者福祉センター社会福祉協議会主催 燃えつきの症状と回復プロセスの事例 当ブログ筆者の研修


国立武蔵野学院 附属児童自立支援専門員養成所にて、ブログ筆者の講義概要(第1日目)

公的扶助論 講義の概要4 生活保護と扶養義務、自動車、対象、無差別平等、第2のセーフティネットとは ブログ筆者の担当講義



職場におけるメンタルヘルス対策 厚生労働省


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キーワード 生活困窮とアルコール依存症、ギャンブル依存症の回復支援、生活保護受給者のグループワーク、福祉施設の面接、相談の担い手、脆弱性、集団生活の困難、コミュニケーションの問題、家族問題、インフォーマルサポートからの孤立

個別支援、面接、相談の技術 生活困窮者支援研修1 概要
 当ブログ筆者が講師を担当した社会福祉法人研修 後述

1 個別支援、相談、面接の技術 はじめに
 福祉施設における「相談」「面接」とは何か。誰が担うのか。
面接者とは。面接、相談、個別支援、訪問を行う人とは。
・面接の無際限性 。
 人とは基本的に捉え尽くせないもの、無限なもの、『分からない』もの、謎である。
・面接における「先入観」。
・クライエント、来談者の個性、問題、人間関係、家族等。
・専門職としての傾聴、理解、受容等。相談を受ける側に求められている役割。
・来談者の感情のなかに入っていく
・全体像をみる。
・面接者の柔軟性

*面接におけるクライエントの抵抗、関わりの拒否
・問題を自力で解決出来ないことの、恥の感情、苛立ち。
・抵抗。

*クライエントの抵抗の現れ
・自分自身の問題を直視することへの抵抗。

*専門的な援助関係とは
・専門的な援助関係は、援助契約のもと、信頼関係を一から築き、かつ専門的な距離を置く。

*援助関係はケースワークの魂であり、水路である。バイステックによる
・ケースワーク、相談援助は、さまざまな心理・社会的問題をもつ人びとを援助する一つの技法である。
 援助関係はケースワークという臨床過程そのものに流れをつくる水路である。この水路を通して、個人の能力と地域の資源は動員されるのであり、ケースワークの面接、調査、診断、治療それぞれの過程もこの水路に沿って進められるのである。
・人と人との.あいだで営まれるさまざまな関係こそ、人間に真の幸福をもたらす主要な、おそらくは唯一の源泉と考えられるからである 。
・その逆もいえる。すなわち貧しい人間関係こそ、人に不幸をもたらすもっとも重要な唯一の源泉である。  

・良好な援助関係の形成。
 バイスティックは、援助関係を、ワーカーとクライエントの間に生まれる態度と感情による力動的な相互作用と捉え,この関係の目的はクライエントの適応の過程を支援することにあるとした。

・人間関係の重要性
・人格的交流の必要性

*信頼関係とパートナーシップの構築
 望ましい援助関係のためには、援助者と利用者との間の信頼関係が必要となる。
・対クライエントのコミュニケーションは、状況、問題、ニーズ、資源の正確な把握のために必要不可欠なものである。

・クライエントにとって、専門的援助関係によって、コミュニケーション能力や社会的スキルを身につける新たな経験ともなる。

*コミュニケーション 言語・非言語
・「言語コミュニケーション」と「非言語コミュニケーション(表情、視線、態度、うなずきなど)」。
・信頼関係を専門的な援助関係へと高める為に、継続的なコミュニケーションが必要であるることに努める。

*利用者の言葉の二面性
・自分とその感情を、他者の前で表出することの恐れ、信頼感の欠如
 自信、自尊感情の問題

*非言語(ノンバーバル)コミュニケーション

*後光効果

*観察の重要性
 観察について、フロレンス・ナイチンゲールは、「看護は、観察にはじまり、観察に終わる。生命を守り健康と安楽とを増進させるためにこそ、観察をするのである」と述べている『看護覚え書 』。

・言葉にならない表現の観察

*非言語的コミュニケーション行動による援助技法の例-相互性
① 共感性:肯定的な頭のうなずき,顔の表情。
② 尊敬:クライエントと時間を共有する,全身を傾けて向き合う。
③ 思いやり:笑顔,接近 。
④ 純粋性:言葉と非言語行動の一致性(一貫性)。
⑤ 具体性:話の内容を図示したり,身体動作を用いて明確化する,明確かつ適度の音声。
⑥ 自己開示:冷静な表情で真剣に自己を語る姿勢。
⑦ 直面化:冷静な(自然な) 声の調子
⑧ 即時性:その場その瞬間に熱中する姿勢

・言語による情報提供-分かりやすさ、慎重さ

2 生活困窮者支援の課題 どのように対処したらよいのか 概要
*負の連鎖、悪循環、バンドリング
リスク要因
 経済的な困窮、社会的地位の低下

*レジリエンス
 レジリエンスは深刻な逆境の中で、肯定的な適応をもたらす力動的な過程である。自然治癒力、折れない心とも 。
 ポイント:対処能力、自己効力感、自尊心、人間的な強さ、個性(前向きな性格等)、人間関係の維持。
「精神的回復力」「抵抗力」「復元力」「耐久力」

*個別支援(相談)の確立
 多様な自立(幅の広い自立、自己実現)、多様な支援(性別、年齢、専門性、外部)
 医療との連携
 交流相談、居場所スペースの可能性。
 役割の付与
 人間関係重視、成長へ。

*自己開示
・(ある意味)経験と感情等の類似性の自己開示。
・援助者自身の経験や感情など個人的な情報をクライエントに開示すること。
 自己開示は適切に用いる。タイミングと内容、関係性、機関の特性。

*リフレーミング
 事柄の枠組み(フレーム)を再構築すること。

*面接に必要な事項
・ストレングス視点、視座。
 クライエント自身がもっている強さを強調する視点。
 クライエントとは異なる捉え方、視点の提案も行う。捉え方の転換によって、変わるもの。強み、良さを見出し、尊重する。

3 精神障害者、生活保護受給者対象のグループワーク実践 精神科デイケア、地域精神医療 簡易宿泊所街地域における
 概要
 アルコール依存症、ギャンブル依存症、薬物依存症等の回復支援。
 グループワーク、各プログラムの実施。
 コミュニティワーク、地域福祉活動、地域精神医療の展開

*精神科デイケア、グループワークの概要(地域精神医療)
・精神疾患(統合失調症、重症ケースも)
・アルコール依存症(覚醒剤 )
 ハームリダクション
 ミーティングの場
・高齢化と介護保険事業
 簡易宿泊所を含めたコミュニティの課題として。

・若年層
 繊細さ、多問題の傾向(例 いじめ被害の経験、就労先の被害)
 グループ、コミュニケーションの課題
 子ども時代からの生活問題(暴走族等)
 家族問題、インフォーマルサポートの不足、社会的孤立
 非土木・建設労働
 金銭管理、生活管理等の課題。生活の範囲
・プラスの側面
 趣味。コミュニケーションを求める傾向も。
 自己表現、積極的な参加、生活意欲

 以上は、当ブログ筆者が  講師を担当した「生活困窮者への相談援助について」法人研修(2018年2月)の概要です。

 ご依頼を頂いた有隣協会様が報告して下さっています。

 社会福祉法人有隣協会様 ブログ

  有隣協会様、ブログで研修をご紹介して下さり、ありがとうございます。御礼を申し上げます。



 当ブログ筆者は、自身の約23年間のソーシャルワーク実践(生活困窮者や精神障害者対象のグループワーク、相談援助、精神科デイケア等)の経験、事例を活かした研修を下記の東京都「登録講師事業」等で実施しています。社会福祉士や介護福祉士、精神保健福祉士等の養成に携わってきた、ソーシャルワーク教員としての知識も用いています。
 福祉施設の現場を支えるため、職員のストレスケアやグループワークの技術、障害者福祉や生活困窮者支援等の研修を80ヵ所程の福祉施設で実施してきました。

新聞に筆者のコメントが掲載されました「ルーテル学院大の関屋光泰 助教は、東京都内を中心に約60カ所の障害者施設などで職員向けのストレスケア研修を行ってきた。「忙しい時に利用者への言葉がきつくなり、そんな自分を責めてしまう」、研修の受講者からは、そんな悩みが多く寄せられる。<略>「自分が理想とする支援ができず、自己嫌悪に陥る職員も多い。職員のケアの必要性に目を向けるべきだ」と訴える」抜粋
(やまゆり園事件が残したもの:下)地域に開く、支え合い歩む
2017年7月26日 朝日新聞朝刊 全国



 福祉施設職員の困難の原因と、ストレス対処方法を事例も用い学びます。
 高齢者介護職や障害者施設の支援員、保育等の施設職員の燃えつきや離職を予防し、心身のセルフケア等により、職員と職場をサポートする研修です。

福祉施設職員の人間関係、コミュニケーション 事例から学ぶ 科目番号117
 福祉施設の職員間の人間関係の難しさと改善の方法を、また利用者とのコミュニケーションの課題を、事例も用い学びます。
 障害者・高齢者福祉施設等の人間関係と職場の改善を図り、職員のストレスの緩和を図る研修です。

障害者福祉施設等におけるグループワークの基礎 科目番号63
 グループワークのプロセスや、プログラム立案と実例、形態、考え方等、援助技術の基礎を解説。
 福祉施設や集団の人間関係を深め、生活の活性化を図るグループワークの方法を、事例も用い学びます。

障害者福祉施設の新人職員等基礎研修 科目番号115
 障害者支援の視点やコミュニケーションスキル、職員の倫理等の基礎を、事例も交え解説します。
 新人職員等の資質向上もテーマに、福祉援助技術の基礎、姿勢、考え方など、障害者福祉施設の職員をサポートする研修です。

貧困、生活困窮者対象のグループワーク実践 科目番号217
 生活保護受給者、生活困窮者等を対象としたグループワークのプログラムと留意点などを、講師の実践や事例も用いて解説。
 アルコール依存症の回復支援等の精神保健福祉、地域生活支援、孤立予防の課題も学びます。

貧困、生活困窮者(子ども)支援の考え方 共生社会の課題 科目番号218
 子ども食堂等の地域福祉活動の拡大をふまえ、社会的排除、貧困の捉え方や、生活困窮者・児童支援の考え方、関連する健康問題等の基礎を解説。
 共生社会、ソーシャルインクルージョン志向の活動事例や、アウトリーチ等の課題も解説。

初回面接(インテーク)の基礎 初対面の利用者とのコミュニケーション技術 科目番号178
 訪問等における、初対面の利用者とのコミュニケーションや電話相談にも応用可能な、インテーク面接、相談の基礎を、生活困窮の事例も交え解説。
 早期支援により、社会的孤立と危機を防ぐアウトリーチの考え方も扱います。

面接の基礎 バイステック7原則を基盤に学ぶ援助関係の構築 科目番号179
 相談や訪問における利用者との人間関係の構築、面接技術、相談の基礎を事例を交えて学びます。
 バイステックの7原則を基盤に、利用者との良好なコミュニケーションの方法、姿勢、視点等を解説します。

福祉施設職員の職業倫理、ハラスメント予防研修 科目番号155
 高齢者や障害者福祉施設等におけるハラスメントの予防を図る、事例やチェックリストを用いた職業倫理の研修です。
 介護職員や障害者施設の支援員に求められる倫理や福祉マインドの基礎を学び、資質向上を図ります。

社会福祉の歴史の基礎 福祉援助の源流から学ぶ 科目番号216
 セツルメント等の地域福祉活動、貧困問題と児童福祉、訪問・相談事業など福祉援助の源流を探り、歴史や先人から学びます。
 今日のコミュニティ福祉、共生社会、ソーシャルインクルージョンの課題解決のヒントを歴史から探究する研修です。

 上記はブログ筆者 関屋光泰が担当する研修です。
 この講座は、東京都福祉保健局の委託による、福祉・介護・保育事業所対象の職場研修です。講師が施設に出向きます。講師謝金 無料
申込締切日 
平成30年5月28日(月)17:00まで
詳しくは下記をクリック
東京都社会福祉協議会登録講師派遣事業

東京都の「登録講師派遣事業 第1期・事業所向け派遣研修」 平成30年5月28日(月)17:00 申込締切

申込方法

研修企画一覧から受講を希望する科目を選び、東社協研修受付システム「けんとくん」このリンクは別ウィンドウで開きますからお申込みください。

【お問合せ先】東京都福祉人材センター研修室 電話 03-5800-3335

当ブログ筆者執筆
精神保健福祉援助演習(専門)第2版
精神保健福祉士シリーズ 10
福祉臨床シリーズ編集委員会 編

ISBN978-4-335-61117-9
発行日 2016/02/22 弘文堂

第8章 地域における精神保健問題(依存症と生活困窮)

 内容

 アルコール依存症からの回復とレジリアンス。

 アルコール依存症、薬物依存症と貧困、生活困窮の実践事例。

 精神科グループワーク、精神科デイケア、地域精神医療による総合的な地域生活支援。

 コミュニティワークとソーシャルサポートネットワークの構築。

 多職種によるチームアプローチ、連携。

 地域の特性。スティグマ。自尊感情の課題。

 人間の根源的な痛みと人間的孤立。


当ブログバックナンバー

障害者施設職員研修報告2 江東区障害者福祉センター社会福祉協議会主催 燃えつきの症状と回復プロセスの事例 当ブログ筆者の研修


国立武蔵野学院 附属児童自立支援専門員養成所にて、ブログ筆者の講義概要(第1日目)

公的扶助論 講義の概要4 生活保護と扶養義務、自動車、対象、無差別平等、第2のセーフティネットとは ブログ筆者の担当講義



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キーワード 介護職場のストレスと背景、職場いじめ、燃えつきやすい性格、慢性疲労、セルフチェック、職業訓練、介護職のプライベート、リスクマネジメント
江東区社会福祉協議会 江東区障害者福祉センター主催
江東区障害者施設職員研修会報告 平成30年2月
支援の場面でのストレスと職場の人間関係のストレス 事例を用いた研修 当ブログ筆者が講師を担当
福祉施設の職員間の人間関係、コミュニケーションのストレス。職員のサポート。燃えつきからの回復、ストレスケア。
 概要の報告 その2
<事例2 関わりが難しい利用者>
 支援を拒む利用者、私だけが上手く関われない(施設職員30代)。
 職業訓練を経て、グループホームに就職して3年が過ぎました。日常の職務は問題なく行っています。他の福祉施設と同様に、私達の法人も離職率が高めなので、私より経験年数の多い職員は、主任など僅かです。
 一つだけ、職場の同僚や上司にも相談できずに困っていることがあります。
 私が支援しようとしても、拒む利用者がいます。職員として失格ではないかと思いながらも、その利用者に苦手意識を感じてしまっています。
 つまり、その利用者へのケアや関わりが苦手なのです。女性の利用者なのですが、同僚が関わると笑顔がみられます。しかし、私が話しかけても無表情のことが多いのです。それだけではなく、支援を行おうとしても、拒むことがあります。
 例えば、私が食事の介助を担当しても、その利用者はなかなか食事をしようとしません。同僚が介助を行うと、食事をしているとのことです。他の利用者との関係は上手く出来ているのですが、この方とだけは上手く関われません。いつまでも苦手意識を持ったままではなく克服していきたいのですが、この利用者の表情が気になり、ますますぎこちない関わりになってしまいます。 
 最近では、「もしかすると、私は福祉の仕事に向いてなかったのかな」と不安になることもあります。時間に追われ利用者と向き合うことが難しい職場でも、自分なりに利用者への声がけ、コミュニケーションを大切にしてきたのに、無力さ、不全感を感じます。どうしたら良いのでしょうか。

当ブログ筆者が  講師の「福祉施設職員ストレスケア」研修-現場からの反応 抜粋>
・現場職員のメンタルヘルス対策において、管理職、施設の看護師として具体的にするべきことは何か。
・職員を支えている主任が燃えつきないか心配だ
・職員間の接点をどのようにつくるのか、職員が集まる機会、交流の場をどのようにしたら創れるのか。
 コミュニケーション促進の機会を設けることの必要性は分かっているが。
・メンタルが不調で職場に居場所がない。

<江東区社会福祉協議会にて 研修内容 職員間のコミュニケーション、職員のストレスケア 一部抜粋>
*なぜ福祉施設の職場は、職員間の人間関係が難しいのか。
 問題の置き換え(八つ当たり)
 利用者支援の現実的な問題から、職員の人間関係の問題への置き換え
職務上の無力感、否認等の否定的な感情は、職員の人間関係のなかで噴出する。
 つまり、別の人間関係の問題、葛藤へ置き換えている 。スケープゴート
 八つ当たりのような職員同士の陰口ではなく、感情の気付きの促進、外部者が助ける必要性も 。

 つまり、職員の「誰か」への感情、摩擦は、施設の他の葛藤(介護の困難)が置き換えられている可能性がある。

*介護福祉の職場のストレス(堀之内 高久)
職場のコミュニケーションのトラブル。
 職場いじめ等、悪い方に同質化が進むことも。
・(これらの職場のトラブルから)無力感という自己防衛の殻のなかに閉じこもる職員も。
・「プライベートで困難なものを抱えている新人職員」は、職場に定着しない傾向がみられる。
・職場、職員間の人間関係の問題が及ぼすストレス。

*ストレスの起きる背景
・職員の深いトラウマ (過去と介護実践)
・連鎖的悪循環
 情緒的消耗感⇒利用者への情緒的かかわり力の低下や喪失⇒自分を責める、自己否定的評価
職員が過去の傷から解き放たれること。セルフケアの必要性
 doing から Beingへ。
 ここまで 堀之内高久『介護ストレス解消法』平成16年7月発行 中央法規出版

1.ストレスによる慢性疲労=燃えつき症候群の原因と症状 
フロイディンバーガー(Freudenberger, H. J.)が提唱した概念である。
・まじめで人一倍がんばる勤勉な人が,何らかのきっかけでまるで燃え尽きたように活力を失ってしまう,心身の慢性的疲労状態をさす。
*バーンアウトの具体的な症状として、極度の身体の疲労感や感情の摩滅した状態を経験する。
無気力,抑うつ,しらけ気分,落ち着きのなさ,体力低下,不眠などの症状が現れる。
 利用者からの逃避傾向、喫煙・飲酒量の増加、吐き気、頭痛等

*燃えつきやすい性格とは(フロイディンバーガー 等)
 長時間、かつ熱心に働く、犠牲的でのめり込む人。
 「世話を焼きたい」欲求が強い人。本人の先回り。
 過労であるのに、職場や利用者にとって自分が必要不可欠だ(この人を助けられるのは私しかいないといった思いが強い人。
 相手に対して、思い入れが強い人(この人は私が一番よく知っている)。
 低い自己評価、感情の抑圧、コミュニケーションの課題、脆弱な境界線、完璧主義
 エネルギッシュで,高い理想をもって仕事に励む性格傾向の人に発症しやすい。

*皆にとっての総合的な問題
 燃えつき症候群は、福祉、医療・保健、教育など、対人援助サービスの従事者に多く見られる
・原因は、当人のメンタル等の主体的条件だけに帰せられるのではない。
 職域で対応しなければならない問題が増加する一方で、そのための社会資源や施設外の支援体制が十分でないなど、客体的要因も大きい。
・つまり、福祉職員のストレス・燃えつきは総合的問題である。
 改善のためには、各自のメンタルヘルスのみならず、総合的な対応(心理、健康、社会等)が求められる。
 職員のストレスへの対処は、施設のリスク・マネジメント、支援の質の向上の課題でもある。

*メンタル領域のストレスケア
・セルフチェック

2.燃え尽きのプロセス
段階①「熱中」
仕事への過大な期待(人間に関わる仕事等
福祉の職業選択理由-金儲けや「組織の歯車」ではなく、「自分らしい」仕事=援助専門職
 自分が助けられた体験

段階②「失速、落ち込み」
 新人が失速して不安定となる状態。
・援助者としての希望や願望が失われる。
・なぜ初期のように仕事が出来ないのか-焦り、いらだち。

段階③「欲求不満 」
「本当の介護、援助」をしていない=自分のしたい仕事ではない。
・人を変えることの困難。
無力感-組織を変えること等
・組織からの支持が無い=利用者からの評価を頼りにする。
・他のスタッフに対する失望。
・利用者からの逃避等、精神的引きこもり

段階④「無気力」
・無感動
・経済的な理由による、しがみつき。無気力な仕事を継続する

段階⑤「絶望」
・未解決の葛藤が行き着くもの。絶望は各段階に現れる。
このような思い、危機感を持っているのは、自分だけだ=自分の考えを語らない

 ポイント 燃えつきへの対処(のスタート)-慢性疲労の自覚と、自己理解の必要性。

*燃えつきからの回復プロセス
 ポイント 燃えつきは、福祉職員の働き方、生き方が問われる側面もある 。
 生活と仕事のなかで、何が大切なのか-優先順位の整理。ペースの再検討とシフト。
 ワーク・ライフ・バランスへのシフト

*職員のサポートのための面談時に必要なこと
・面談の場所・時間
 場所:プライバシーが守られる個室が望ましいとされる
 個室が良いとは限らない(緊張感、身構えてしまう)。場所の工夫を(大部屋、屋外、職場外)。
 個別の面談が良いとは限らない。複数の職員の交流、相互作用によって、潜在的な困難を発見することもある。
 時間:本人が余裕を持って話せるよう、時間を確保する。
 無理にではなく、本人が望んだタイミングで語れるように。

*面談時に必ず聴くべきこと
 睡眠状況について (睡眠時間、熟眠感、昼間の眠気)
 食事について (量の増減、おいしさ、食欲)
・「変化」の把握
 基本は、本人の話を、しっかり聴くこと


 当ブログ筆者は、自身の約23年間のソーシャルワーク実践(生活困窮者や精神障害者対象のグループワーク、相談援助、精神科デイケア等)の経験、事例を活かした研修を下記の東京都「登録講師事業」等で実施しています。社会福祉士や介護福祉士、精神保健福祉士等の養成に携わってきた、ソーシャルワーク教員としての知識も用いています。
 福祉施設の現場を支えるため、職員のストレスケアやグループワークの技術、障害者福祉や生活困窮者支援等の研修を80ヵ所程の福祉施設で実施してきました。

新聞に筆者のコメントが掲載されました「ルーテル学院大の関屋光泰 助教は、東京都内を中心に約60カ所の障害者施設などで職員向けのストレスケア研修を行ってきた。「忙しい時に利用者への言葉がきつくなり、そんな自分を責めてしまう」、研修の受講者からは、そんな悩みが多く寄せられる。<略>「自分が理想とする支援ができず、自己嫌悪に陥る職員も多い。職員のケアの必要性に目を向けるべきだ」と訴える」抜粋
(やまゆり園事件が残したもの:下)地域に開く、支え合い歩む
2017年7月26日 朝日新聞朝刊 全国



 福祉施設職員の困難の原因と、ストレス対処方法を事例も用い学びます。
 高齢者介護職や障害者施設の支援員、保育等の施設職員の燃えつきや離職を予防し、心身のセルフケア等により、職員と職場をサポートする研修です。

福祉施設職員の人間関係、コミュニケーション 事例から学ぶ 科目番号117
 福祉施設の職員間の人間関係の難しさと改善の方法を、また利用者とのコミュニケーションの課題を、事例も用い学びます。
 障害者・高齢者福祉施設等の人間関係と職場の改善を図り、職員のストレスの緩和を図る研修です。

障害者福祉施設等におけるグループワークの基礎 科目番号63
 グループワークのプロセスや、プログラム立案と実例、形態、考え方等、援助技術の基礎を解説。
 福祉施設や集団の人間関係を深め、生活の活性化を図るグループワークの方法を、事例も用い学びます。

障害者福祉施設の新人職員等基礎研修 科目番号115
 障害者支援の視点やコミュニケーションスキル、職員の倫理等の基礎を、事例も交え解説します。
 新人職員等の資質向上もテーマに、福祉援助技術の基礎、姿勢、考え方など、障害者福祉施設の職員をサポートする研修です。

貧困、生活困窮者対象のグループワーク実践 科目番号217
 生活保護受給者、生活困窮者等を対象としたグループワークのプログラムと留意点などを、講師の実践や事例も用いて解説。
 アルコール依存症の回復支援等の精神保健福祉、地域生活支援、孤立予防の課題も学びます。

貧困、生活困窮者(子ども)支援の考え方 共生社会の課題 科目番号218
 子ども食堂等の地域福祉活動の拡大をふまえ、社会的排除、貧困の捉え方や、生活困窮者・児童支援の考え方、関連する健康問題等の基礎を解説。
 共生社会、ソーシャルインクルージョン志向の活動事例や、アウトリーチ等の課題も解説。

初回面接(インテーク)の基礎 初対面の利用者とのコミュニケーション技術 科目番号178
 訪問等における、初対面の利用者とのコミュニケーションや電話相談にも応用可能な、インテーク面接、相談の基礎を、生活困窮の事例も交え解説。
 早期支援により、社会的孤立と危機を防ぐアウトリーチの考え方も扱います。

面接の基礎 バイステック7原則を基盤に学ぶ援助関係の構築 科目番号179
 相談や訪問における利用者との人間関係の構築、面接技術、相談の基礎を事例を交えて学びます。
 バイステックの7原則を基盤に、利用者との良好なコミュニケーションの方法、姿勢、視点等を解説します。

福祉施設職員の職業倫理、ハラスメント予防研修 科目番号155
 高齢者や障害者福祉施設等におけるハラスメントの予防を図る、事例やチェックリストを用いた職業倫理の研修です。
 介護職員や障害者施設の支援員に求められる倫理や福祉マインドの基礎を学び、資質向上を図ります。

社会福祉の歴史の基礎 福祉援助の源流から学ぶ 科目番号216
 セツルメント等の地域福祉活動、貧困問題と児童福祉、訪問・相談事業など福祉援助の源流を探り、歴史や先人から学びます。
 今日のコミュニティ福祉、共生社会、ソーシャルインクルージョンの課題解決のヒントを歴史から探究する研修です。

 上記はブログ筆者 関屋光泰が担当する研修です。
 この講座は、東京都福祉保健局の委託による、福祉・介護・保育事業所対象の職場研修です。講師が施設に出向きます。講師謝金 無料
申込締切日 
平成30年5月28日(月)17:00まで
詳しくは下記をクリック
東京都社会福祉協議会登録講師派遣事業

東京都の「登録講師派遣事業 第1期・事業所向け派遣研修」 平成30年5月28日(月)17:00 申込締切

申込方法

研修企画一覧から受講を希望する科目を選び、東社協研修受付システム「けんとくん」このリンクは別ウィンドウで開きますからお申込みください。

【お問合せ先】東京都福祉人材センター研修室 電話 03-5800-3335


当ブログバックナンバー

報告1 職場の人間関係のストレスとは 障害者施設職員研修 江東区障害者福祉センター社会福祉協議会主催 当ブログ筆者の研修


自己覚知、自己理解と他者理解、自己覚知とスーパービジョン、自己理解の方法とは


国立武蔵野学院 附属児童自立支援専門員養成所にて、ブログ筆者の講義概要(第1日目)>

公的扶助論 講義の概要4 生活保護と扶養義務、自動車、対象、無差別平等、第2のセーフティネットとは


公的扶助論 講義の概要1 生活保護の相談、訪問調査、公的扶助ケースワーク、生活困窮者と子どもの危機介入



<当ブログ筆者が執筆 新刊2冊(2018年5月10日発行) 精神保健福祉士、社会福祉士国家試験解説>
 低所得者に対する支援と生活保護制度(公的扶助論)解説を担当。
一般社団法人日本ソーシャルワーク教育学校連盟=編集
ISBN 978-4-8058-5661-1
予価 4,104円(税込)
中央法規出版

一般社団法人日本ソーシャルワーク教育学校連盟=編集
ISBN 978-4-8058-5662-8
予価4,104円(税込)
中央法規出版

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江東区社会福祉協議会 江東区障害者福祉センター主催
江東区障害者施設職員研修会 平成30年2月
支援の場面でのストレスと職場の人間関係のストレス 事例を用いた研修 当ブログ筆者が  講師を担当
福祉施設の職員間の人間関係、コミュニケーションのストレス。職員のサポート。「燃えつき バーンアウト」からの回復、ストレスケア。
 概要の報告 その1
<事例1>
 理想のケア・支援と、施設の現実との間のギャップに悩み、転職も考えてしまいます(支援員、30代)
 大学(文系学部)を卒業後、5年間程、一般企業に勤務しましたが、職場の人間関係に悩んでいました。人間に関わるやりがいのある仕事、自分らしく働ける仕事を求めキャリアチェンジを目指し、社会福祉士養成(通学課程)の専門学校で学び、今の職場に就職しました。
 新設の障害者福祉施設でしたので、就職した当初は何もかもが目新しく、新たな施設を創っていこうとワクワクする日々でした。
 しかし、1年半が過ぎ、私に見えるのは、理想の支援と現実のギャップだけです。専門学校の時から抱いていた「理想の支援、ケア」とは程遠い現実が毎日、施設では繰り返されています。
 例えば、「一人ひとりの利用者の声を大切にします」という理念が掲げられているのに、利用者本位とは思えない言動で対応する同僚が何人もいます。利用者の声に「集団生活なのだから、我慢して下さい!」と強く遮ったり、「ちょっと待って、後でね」等とスルーしています。実のところ私も、周囲の同僚と同じような言動を度々するになってしまいました。こんな自分に罪悪感と自責を感じ、落ち込んでしまいます。
 利用者の自己決定の尊重、自己実現、利用者本位は、施設のどこにあるのでしょうか。社会福祉とは、こんなものなのでしょうか。
 このような問題意識を他の職員と共有することを試みましたが、他の職員は「そんなことを誰がやるの!お願いだからこれ以上仕事を増やさないで」「真面目すぎるよ、若いね。NPOでも立ち上げて自分で活動したら。頑張れ青年!」等と取り合ってくれません。利用者支援への考え方、福祉への思いを共有することが、誰とも出来ない職場は、虚しさを感じます。心身がすり減り、疲れてしまって、もう辞めようかなという気持ちもあります。
 事例ここまで

<当ブログ筆者が講師の「福祉施設職員ストレスケア」研修-現場からの反応 抜粋>
・理想のケア、理想の介護と現実とのギャップがある。これでは、本当のケア、支援ではないのではないか。
・現場の燃えつきそうな職員、疲れきった職員にどのように声を掛けるのか。
 サポートを必要とする職員に関わるきっかけを、どのように作るのか。
 管理職、組織として何をすべきなのか。
・実践に熱心ではあるが「空回り」の傾向の後輩、同僚をどのように気づかせ、支えたらよいのか。

<事例1への対処方法(一部抜粋)>
・実践の困難、慢性疲労の原因を探る。
 当ブログ筆者による「福祉施設職員のためのチェックリスト」
・理想、理念について
 本人の燃えつきバーンアウトや、職員間の人間関係の摩擦になることもある。
 しかし、福祉施設の実践において必要なものである。
・本人へのアドバイス-伝え方の工夫。

<研修内容 職員間のコミュニケーション、職員のストレスケア 一部抜粋>
・職員のメンタルヘルス不調、気分の落ち込みの気づきのポイント(周囲が気付く変化とは)
・ストレッサーの分析 <先ず本人の自覚、自己理解から>
・ストレッサーとは、ストレスを引き起こす因子となるもの。さまざまなものがストレッサーとなりうる。
 ストレッサーとなるかどうか,またどの程度のストレスを引き起こすかは,個人差がみられる。
・自己分析の必要性
 ①何がストレッサーか。
 ②どんな影響か。
 ③緩和する資源は。
 これらと、ストレスコーピング、個性、心身の健康、年齢等が相互に関連する。
・自己理解の必要性-自分自身への理解を深め、ありのままの自己を受容すること
 他者の捉え方、ストレスの感じ方(苦手な場面)について、自己の理解を深める 。
・ストレス対処の方法、リフレーミング
 認識の枠組みを変えること-リフレーミング。
・心身の疲労のリミッター。自分自身の弱さ。
・自分自身への理解、自分自身との対話する能力
・施設職員間のピアサポート
・職員である自分自身をサポートするネットワークを構築すること
<続く>

 当ブログ筆者は、自身の約23年間のソーシャルワーク実践(生活困窮者や精神障害者対象のグループワーク、相談援助等)の経験、事例を活かした研修を下記の東京都「登録講師事業」等で実施しています。社会福祉士や介護福祉士、精神保健福祉士等の養成に携わってきた、ソーシャルワーク教員としての知識も用いています。
 福祉施設の現場を支えるため、職員のストレスケアや面接・コミュニケーション、グループワークの技術、障害者福祉や生活困窮者支援等の研修を80ヵ所程の福祉施設で実施してきました。

新聞に筆者のコメントが掲載されました「ルーテル学院大の関屋光泰 助教は、東京都内を中心に約60カ所の障害者施設などで職員向けのストレスケア研修を行ってきた。「忙しい時に利用者への言葉がきつくなり、そんな自分を責めてしまう」、研修の受講者からは、そんな悩みが多く寄せられる。<略>「自分が理想とする支援ができず、自己嫌悪に陥る職員も多い。職員のケアの必要性に目を向けるべきだ」と訴える」抜粋
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 福祉施設職員の困難の原因と、ストレス対処方法を事例も用い学びます。
 高齢者介護職や障害者施設の支援員、保育等の施設職員の燃えつきや離職を予防し、心身のセルフケア等により、職員と職場をサポートする研修です。

福祉施設職員の人間関係、コミュニケーション 事例から学ぶ 科目番号117
 福祉施設の職員間の人間関係の難しさと改善の方法を、また利用者とのコミュニケーションの課題を、事例も用い学びます。
 障害者・高齢者福祉施設等の人間関係と職場の改善を図り、職員のストレスの緩和を図る研修です。

障害者福祉施設等におけるグループワークの基礎 科目番号63
 グループワークのプロセスや、プログラム立案と実例、形態、考え方等、援助技術の基礎を解説。
 福祉施設や集団の人間関係を深め、生活の活性化を図るグループワークの方法を、事例も用い学びます。

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 障害者支援の視点やコミュニケーションスキル、職員の倫理等の基礎を、事例も交え解説します。
 新人職員等の資質向上もテーマに、福祉援助技術の基礎、姿勢、考え方など、障害者福祉施設の職員をサポートする研修です。

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福祉施設職員の職業倫理、ハラスメント予防研修 科目番号155
 高齢者や障害者福祉施設等におけるハラスメントの予防を図る、事例やチェックリストを用いた職業倫理の研修です。
 介護職員や障害者施設の支援員に求められる倫理や福祉マインドの基礎を学び、資質向上を図ります。

社会福祉の歴史の基礎 福祉援助の源流から学ぶ 科目番号216
 セツルメント等の地域福祉活動、貧困問題と児童福祉、訪問・相談事業など福祉援助の源流を探り、歴史や先人から学びます。
 今日のコミュニティ福祉、共生社会、ソーシャルインクルージョンの課題解決のヒントを歴史から探究する研修です。

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平成30年5月28日(月)17:00まで
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申込方法

研修企画一覧から受講を希望する科目を選び、東社協研修受付システム「けんとくん」このリンクは別ウィンドウで開きますからお申込みください。

【お問合せ先】東京都福祉人材センター研修室 電話 03-5800-3335


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第8章 地域における精神保健問題(依存症と生活困窮)

 内容

 アルコール依存症からの回復とレジリアンス。

 アルコール依存症、薬物依存症と貧困、生活困窮の実践事例。

 精神科グループワーク、精神科デイケア、地域精神医療による総合的な地域生活支援。

 コミュニティワークとソーシャルサポートネットワークの構築。

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 地域の特性。スティグマ。自尊感情の課題。

 人間の根源的な痛みと人間的孤立。


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公的扶助論 講義の概要4 生活保護と扶養義務、自動車、対象、無差別平等、第2のセーフティネットとは


公的扶助論 講義の概要1 生活保護の相談、訪問調査、公的扶助ケースワーク、生活困窮者と子どもの危機介入


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キーワード 生活保護法の基本原理、補足性の原理、扶養の範囲、兄弟姉妹、資産の範囲と処分、就労能力の活用と判断、旧生活保護法の欠格条項、勤労、生計の維持

公的扶助論 低所得者に対する支援と生活保護制度 第1日目 その4 ブログ筆者の担当講義
5.生活保護法の「四つの基本原理」
 生活保護法の1条から4条は、生活保護の「基本原理」といわれ,生活保護法の理念を整理している。
1.国の責任において最低生活保障と自立助長の二つの目的を達すること(1条),
2.無差別平等(2条),
3.最低生活(3条),
4.保護の補足性(4条)であり,生活保護法の基本的な性格づけがなされている。
・目的及び基本となる考え方は、生活保護法の第1条から第4条までに規定されている。
 これらは、「基本原理」と呼ばれるものであり、第5条において、「この法律の解釈及び運用は、すべてこの原理に基いてされなければならない」と規定されている。この法の根幹となるものである。

①国家責任による最低生活保障の原理(国家責任の原理)
 生活に困窮する国民の最低生活保障を国がその責任において行うことを規定した原理である。また、単に最低限度の生活を保障するだけでなく、保護を受ける者がその能力に応じ、自立して社会生活を送ることができるように自立助長を図ることも併せて規定している。
 生活保護法(この法律の目的)
第一条 この法律は、日本国憲法第二十五条に規定する理念に基き、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする。

◎保護の実施機関
 生活保護は「国家責任の原理」ではあるが、保護の実施は地方公共団体の長が行なっている。これらを「保護の実施機関」と呼ぶ。

②無差別平等の原理
 生活に困窮している国民であれば、誰でも生活保護を申請することができる。
 保護の請求権は、国民の全てに無差別平等にある。

 戦前の救護法、及び旧生活保護法においては、「勤労を怠るもの、素行不良な者」などについて救護や保護は行わないこととする欠格条項が設けられていた。
 旧生活保護法 「この法律による保護は、これをなさない。
 一 能力があるにもかかはらず、勤勞の意思のない者、勤勞を怠る者その他生計の維持に努めない者
 二 素行不良な者」
 
 しかし、現在の生活保護法は第2条において、「すべて国民は、この法律の定める要件を満たす限り、この法律による保護を、無差別平等に受けることができる」と規定し、生活困窮に陥った原因による差別を否定している。生活に困窮しているかどうかという経済的困窮の状態等に着目して保護が行われる。

*生活保護法の「すべての国民」について 。
 生活保護法1条にいう「国民」とは。

③健康で文化的な最低生活保障の原理(最低生活の原理)
 生活保護法は、日本国憲法第25条の生存権保障を具現するための制度である。その保障されるは、当然、憲法上の権利として保障されている生活を可能にする生活水準でなくてはならない。
(最低生活)
第三条 この法律により保障される最低限度の生活は、健康で文化的な生活水準を維持することができるものでなければならない。

*最低生活とは、国民一般の生活水準、文化水準の変化に伴って変動する相対的なものとして考える必要がある。

④保護の補足性の原理
 第4条は、「①保護は、生活に困窮する者が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われる。②民法に定める扶養義務者の扶養及び他の法律に定める扶助は、すべてこの法律による保護に優先して行われるものとする」と規定している。

*「資産の活用」とは 自動車、家屋、田畑の保有
 生活保護制度においては、資産の概念は幅が広く、土地や家屋だけではなく、生活用品なども含まれると理解されている。
 基本的には、資産を売却などして生活の維持に努めるとされている。
 しかし、最低生活維持のために活用されている、処分するよりも保有している方が生活維持及び自立助長に実効があると認められるものは、処分しなくてよい。
 このような基準によって判断される。具体的には地域住民との均衡から見て取り扱われる。
 田畑については、当該地域の農家の平均耕作面積までの保有を認める。
 生活用品については、当該地域の普及率が70%を超えるものについては保有を認める。
 自動車の保有について。

 つまり、保護を受けるためには、資産を最低生活の維持のために活用しなければならない。しかし、保有している方が生活維持等に実劾が上がるものは処分しなくてよい場合もある。

*「能力の活用」とは 就労の能力の判断
 稼働能力の活用について、単に本人が(働く)能力を持っているか否かのみで判断されるのではなく、実際に稼働能力を活用する就労の場を得ることができるか否か、その稼働能力を活用する意思があるか否かをみて総合的に判断される。

(就労の)能力も活用することが必要とされる。しかし、就労能力があり求職活動を行なっていても就労先が無い場合には、保護を受けることが出来る。

*扶養義務
 直系血族及び兄弟姉妹
*生活扶助義務と生活保持義務
 生活保護法4条2項では「民法に定める扶養義務者」。
民法 (扶養義務者)
第八百七十七条 直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。
2 家庭裁判所は、特別の事情があるときは、前項に規定する場合のほか、三親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができる。
3 前項の規定による審判があった後事情に変更を生じたときは、家庭裁判所は、その審判を取り消すことができる。

*この原理は,生活保護の開始決定の前提として,自己の資産・能力等の活用(1項),民法上の扶養義務者の扶養や 他の社会保障制度の給付など(2項)が先行してなされる必要があり,生活保護法による援助はその不足分を補う限りにおいてなされるという趣旨である。これらに関する調査は資力調査(ミーンズ・テスト)を行なう。
 なお4条3項に但し書きとして急迫保護の規定がある。

<解説>
第一のセーフティネット

第二のセーフティネット 生活困窮者自立支援法  求職者支援制度

第三のセーフティネット

<以上、国立武蔵野学院 附属児童自立支援専門員養成所にて、ブログ筆者  が講義(第1日目) 続く>
 HPより引用「児童自立支援専門員養成所とは。非行などの問題を抱える子どもや、虐待などの理由により支援が必要な子どもたちと施設での生活を共にしながら、資格取得に向けて学ぶところです。
 国立武蔵野学院は、大正8年 (1919年) 3月に開設された児童自立支援施設です」
 児童自立支援専門員とは、児童自立支援施設において,生活指導,家庭環境調整,関係機関との連携等,ソーシャルワークによって、児童の自立を支援する専門職である。国立武蔵野学院に附属児童自立支援専門員養成所が設置されている。

当ブログ筆者の論文 リンク

関屋光泰(2010)「簡易宿泊所街・横浜寿町地域における民間支援活動-歴史的経緯の概要」『研究紀要』第18 巻第1 号 学校法人敬心学園日本福祉教育専門学校福祉文化研究所,39-48頁

(概要)

・横浜市中区の「寿町」簡易宿泊所地域の成立過程。現状。

・寿町支援の源流、無戸籍児童、義務教育未就学児の社会問題化。児童福祉の開始。

 子ども会活動、寿町セツルメント。

 保健活動、健診
 夜間銀行の設置
 隣保施設(セツルメントハウス)寿生活館(横浜市)
 ことぶき共同保育
 炊き出し、食の支援
 野宿者のパトロール、アウトリーチ活動
 医療支援
 アルコール依存症回復支援施設
 障害者福祉、就労支援
 外国人労働者支援
 ホームレス自立支援事業
 NPO等、多様な活動へ

当ブログ筆者が執筆
精神保健福祉援助演習(専門)第2版
精神保健福祉士シリーズ 10
福祉臨床シリーズ編集委員会 編

ISBN978-4-335-61117-9
発行日 2016/02/22 弘文堂

第8章 地域における精神保健問題(依存症と生活困窮)

当ブログバックナンバー
 相談、面接、生活保護受給者訪問調査
 貧困、生活困窮の子どもと家族
 アルコール依存症と生活困窮、精神科医療との連携の必要性

キーワード 生活保護不正受給問題、適正化政策、ワークフェア、バウチャー、貧困家庭一時扶助、私的扶養、ベーシックインカムとは。

キーワード 最低生活費、セーフティネットとスプリングボード、生活保護制度の在り方に関する専門委員会、垂直的再分配、水平的再分配、地域的再分配、社会連帯、ナショナルミニマム。

自己覚知、自己理解と他者理解、自己覚知とスーパービジョン、自己理解の方法とは


<当ブログ筆者が執筆 新刊2冊(2018年5月10日発行) 精神保健福祉士、社会福祉士国家試験解説>
 低所得者に対する支援と生活保護制度(公的扶助論)解説を担当。
一般社団法人日本ソーシャルワーク教育学校連盟=編集
ISBN 978-4-8058-5661-1
予価 4,104円(税込)
中央法規出版

一般社団法人日本ソーシャルワーク教育学校連盟=編集
ISBN 978-4-8058-5662-8
予価4,104円(税込)
中央法規出版


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キーワード 最低生活費、セーフティネットとスプリングボード、生活保護制度の在り方に関する専門委員会垂直的再分配、水平的再分配、地域的再分配、社会連帯、ナショナルミニマム。

公的扶助論 第1日目 その3 低所得者に対する支援と生活保護制度 ブログ筆者の担当講義
*公的扶助の意義と役割
 最低生活保障の制度化は、第2次大戦後、先進国において発展した。
1.ナショナル・ミニマム

 ナショナルミニマムとは、国民的最低限(国民最低限)と訳される。全ての人々に保障される生存、生活水準であり、国家が、その最低限の生活を保障すべきという理念である。今日では、医療保障をはじめ、教育、住宅環境などの生活関連の公共施策を含めて考えられるようになった。
 ウェッブが最初に提唱したとされている。ウェッブは,ナショナル・ミニマムは,所得保障だけではなく,最低限の教育,衛生,余暇を含むものであり,関連する領域で,国や自治体がナショナル・ミニマムを保障する必要があると主張した。
 今日、ナショナルミニマムを保障していく社会における合意形成、世論の喚起が課題である。

*最低生活費
 最低限度の生活を営むのに、必要な生活費のことである。
 最低生活水準の考え方には、絶対的水準論と相対的水準がある。

*ウェッブ夫妻 Webb, Sidney (1859-1947) / Webb, Beatrice (1858-1943 )
 イギリス、フェビアン協会のメンバーとして活動し,労働組合運動や消費組合運動の発展、社会改良をめざした。最低賃金,労働条件の改善や,住宅,医療,教育,年金などを包括するナショナル・ミニマムの保障を主張した。また,救貧法改革王立委員会の少数派報告をまとめ,第二次大戦後の英国福祉国家の誕生にも大きく貢献した。
[主著] The History of Trade Unionism, 1894 ; Industrial Democracy, 1897.

フェビアン主義とは、1884年にロンドンで結成されたフェビアン協会(Fabian Society)が推進した思想・理論をさす。民主的な方法により漸進的な社会改良を目指した。

2,セーフティネット
 様々な生活上のリスクによって,失業等、労働市場から排除された人々を最終的に支える制度である。
 「生活保護制度の在り方に関する専門委員会」が、公的扶助制度改革に伴い、セーフティネット機能に加えスプリングボード(跳躍台)機能を重視すべき方向として提示している
 つまり生活保護制度のあり方を、国民の生活困窮の実態を受け止め、その最低生活保障を行うだけではなく、生活困窮者の自立就労を支援する観点から見直すこと、被保護世帯が安定した生活を再建し、地域社会への参加や労働市場への再挑戦を可能にするためのバネとしての働きを持たせることが重要であると述べている

3.生存権保障
 生存権とは、生存、生活のために必要とされる諸条件の維持を要求する権利である。
 日本国憲法25条は,その第1項で「すべて国民は,健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と規定し,第2項で「国は,すべての生活部面について,社会福祉,社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」と規定する。この条項を一般的には「生存権」規定と呼ぶ。
 ここで保障される生存権は,「健康で文化的な最低限度の生活」であって,単に生存のみ、生命維持をさすものではない。
 プログラム規定説

・公的扶助の制度は、一夜にして形成された制度ではない。市民の権利として、その生存、生活だけではなく,自己実現,社会参加を支援する制度である。
 生存権の保障は,単なる生存の保障ではない。
 公的扶助制度を発展させるうえで,各国の市民の要望、世論、運動も、推進力の役割を果たした。

 また日本の社会福祉の全体、そのあり方を考えるうえで,日本国憲法に掲げられた生存権保障の思想は,最も基本的な拠りどころである。

4.所得再分配
 公的扶助制度は、社会保障制度の一環として、累進課税の制度と並んで所得の再分配機能を持つ。
 高所得層から低所得層へという垂直的再分配の典型である。
 国民から集めた税金を、低所得者に配分することを行い、社会としての相互扶助、社会連帯の実現を達成しようとしている。資力を持つ者と持たざる者との容認しがたい格差、不平等の是正、社会的公正を図る上で重要な役割を持つ。
 同一所得階層内の所得の移転は、水平的再分配と言われる。
 また、経済的に繁栄した地域から、経済が停滞した地域への地域的再分配もあり得る。
 本来、再分配とは、国家などが個人、もしくは集団に対し、資源を必要に応じて第二次的に分配することをさす。

 世代間再分配とは、世代間の所得の分配に不平等があるときに,国家が社会保障制度などを通じて不平等の緩和を図ることをさす。

*所得とは、ヘイグ(Haig, R.)とサイモンズ(Simons, H.)の定義によると,消費とその期における資産の純増の合計のことである。

*社会連帯 social solidarity [E] ; solidarité sociale [F]
 社会における協同、社会的責任、諸個人間の相互依存関係をさす。社会連帯思想は,19世紀末から20世紀初頭にかけて,フランスを中心に形成された。デュルケーム(Durkheim, É.),ブルジョワ(Bourgeois, L.)等が論じた。社会保障の基本理念の一つである。日本では1920年代に社会事業の中心的思想として強調された。

・社会的統合機能
・制度的再分配モデル


 過去も現在も、貧困に対する否定的な視点として、「怠惰」としての捉え方(「自業自得」等)、生活の自己責任等の視点を超えて、公的扶助、ナショナルミニマム等に関する議論を深めていくことが求められているだろう。

<以上、国立武蔵野学院 附属児童自立支援専門員養成所にてブログ筆者が講義(第1日目) 続く>
 HPより引用「児童自立支援専門員養成所とは。非行などの問題を抱える子どもや、虐待などの理由により支援が必要な子どもたちと施設での生活を共にしながら、資格取得に向けて学ぶところです。
 国立武蔵野学院は、大正8年 (1919年) 3月に開設された児童自立支援施設です」
 児童自立支援専門員とは、児童自立支援施設において,生活指導,家庭環境調整,関係機関との連携等,ソーシャルワークによって、児童の自立を支援する専門職である。国立武蔵野学院に附属児童自立支援専門員養成所が設置されている。

<当ブログ筆者が執筆 新刊2冊(4月発行予定) 精神保健福祉士、社会福祉士国家試験解説>
 低所得者に対する支援と生活保護制度(公的扶助論)解説を担当。
一般社団法人日本ソーシャルワーク教育学校連盟=編集
ISBN 978-4-8058-5661-1
予価 4,104円(税込)
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当ブログ筆者の論文 リンク

関屋光泰(2010)「簡易宿泊所街・横浜寿町地域における民間支援活動-歴史的経緯の概要」『研究紀要』第18 巻第1 号 学校法人敬心学園日本福祉教育専門学校福祉文化研究所,39-48頁


当ブログ筆者執筆
精神保健福祉援助演習(専門)第2版
精神保健福祉士シリーズ 10
福祉臨床シリーズ編集委員会 編

ISBN978-4-335-61117-9
発行日 2016/02/22 弘文堂

第8章 地域における精神保健問題(依存症と生活困窮)


当ブログ筆者が講師を担当した「生活困窮者への相談援助について」法人研修(2018年2月)を報告して下さっています。

社会福祉法人有隣協会様 ブログ

 講義の大まかな内容

 生活困窮とメンタルヘルス。関わりの技法の基礎。

 アルコール依存症の回復支援について。精神科医療機関へどのようにつなぐか。

 生活保護受給者、精神障害者対象のグループワーク実践から

*福祉施設と福祉専門職は、生活困窮者にどのように関わり、支援したらよいのか。
 生活保護受給者、生活困窮高齢者の支援の課題とは。
 生活困窮、生活保護受給者のレジリアンス。

*個別支援、相談の技術。面接と訪問。
 アウトリーチ活動の課題。
 個別支援、相談体制の構築。
 精神疾患、精神障害と貧困、生活困窮。
 コミュニケーション問題。人間的孤立。

*若年者の生活困窮、ホームレス生活、住居の喪失
(「社会的排除にいたるプロセス~若年ケース・スタディから見る排除の過程~」)
 社会的排除リスク調査チーム 内閣官房社会的包摂推進室/内閣府政策統括官(経済社会システム担当)  平成 24 年 9 月

*簡易宿泊所地域における精神障害、生活保護受給者対象のグループワーク実践から
・精神科デイケアの概要
 地域精神医療と生活保護受給者、生活困窮者、ドヤ街
・精神疾患(統合失調症、アルコール依存症・覚醒剤)
 繊細さ、脆弱性(全人的な不安定性)、多問題家族の傾向
 子ども時代からの生活問題(世代間連鎖)
 家族問題(解体)、インフォーマルサポートからの孤立。社会的孤立。

 有隣協会様、ブログで研修をご紹介して下さり、ありがとうございます。御礼を申し上げます。


当ブログバックナンバー
 相談、面接、生活保護受給者訪問調査
 貧困、生活困窮の子どもと家族
 アルコール依存症と生活困窮、精神科医療との連携の必要性

キーワード 生活保護不正受給問題、適正化政策、ワークフェア、バウチャー、貧困家庭一時扶助、私的扶養、ベーシックインカム、ミーンズテスト、各国の公的扶助制度、定義とは。


ソーシャルワーク専門職のグローバル定義 2014年7月
 「ソーシャルワークは、社会変革と社会開発、社会的結束、および人々のエンパワメントと解放を促進する、実践に基づいた専門職であり学問である。社会正義、人権、集団的責任、および多様性尊重の諸原理は、ソーシャルワークの中核をなす。ソーシャルワークの理論、社会科学、人文学、および地域・民族固有の知を基盤として、ソーシャルワークは、生活課題に取り組みウェルビーイングを高めるよう、人々やさまざまな構造に働きかける。
この定義は、各国および世界の各地域で展開してもよい」 2014年7月IFSW(国際ソーシャルワーカー連盟)


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キーワード 生活保護不正受給問題、適正化政策、ワークフェア、バウチャー、貧困家庭一時扶助、私的扶養、ベーシックインカム、ミーンズテスト、各国の公的扶助制度、定義とは。

公的扶助論 第1日目 その2 低所得者に対する支援と生活保護制度 ブログ筆者の担当講義
3.公的扶助の概念と範囲
公的扶助とは、救貧(貧困、困窮に至った後に事後的に対応する)制度であって、公的責任において実施する。つまり、国家にとっては生存権保障、公的扶助は責務であり、市民にとっては権利である 。また、公的責任とは、憲法25条などを軸に国家責任に基づいた公的扶助制度の実施のことである。それは、財政の責任を国・地方公共団体が負うこと、支援の実施責任等である。
 公的扶助とは、人々の日常生活、人間らしく生きる権利とも言える生存権を守るセーフティネットである。
 また、社会保障制度を基盤から支える役割が公的扶助にはある。
 背景には、人間の歴史のなかで、貧困の原因を個人だけの問題から社会の問題として捉える考え方の転換があった。
 
*各国の公的扶助制度に共通する特質
公的扶助の対象は、法制的に、原則として全ての市民である。しかし、実質的に、低所得者、生活困窮者、つまり貧困な生活状態にあり、自力ではそこから脱することができない、要保護状態の人々が対象となる。

②要保護状態にあることを確認するため、資力調査(ミーンズ・テスト)が、給付開始前に実施する。

*「資力調査」とは何か。公的扶助を適用する要件である要保護状態であることを確認するため、資産や収入を把握するための調査である。
*解説:ミーンズ・テスト
 公的扶助において,その要否、程度を審査するため,申請者の収入、資産、稼働能力,扶養の調査である。資力調査ともいう。収入に限定した調査は,インカム・テストと呼ばれる。
 しかし、過剰な調査は、スティグマを生じる可能性がある。

③公的扶助の給付は、社会保険のように画一的な二一ドに対し画一的な給付を行うのではなく、(公的扶助の)申請者の個別的二一ドに対する個別的な給付であり、不足する生活需要に対する補足的な給付である。

*公的扶助は、最低生活需要に対する補足的な性格を有する給付である。

公的扶助の財源は国や地方自治体の一般歳入によってまかなわれ、本人からの保険料の拠出はなく全額公費負担による。

⑤他の社会保障制度による給付が先行し、他の制度、法律等あらゆるものの活用後(他法他施策優先)、国が定める最低生活保障水準が維持できない場合の、最終的な公的生活保障制度である。

*私的扶養
 扶養は、社会的扶養と私的扶養に二分される。私的扶養は、個人に対し,支援を家族の内部で行うものである。扶養は,経済的,情緒的なもの等から構成される。現代の家族は,一般的に扶養の機能が脆弱化したと言える。一方、家族問題で顕在化もみられる。

*公的扶助の範囲
 日本の公的扶助制度の中心になっている制度は、生活保護法に基づく生活保護制度である。
 広義には、児童扶養手当等の社会手当も公的扶助制度に含める考え方もある。

*公的迭助の定義
 資力調査をその前提条件として、貧困な生活状態にあり独力で自立した生活ができない要保護状態にある者の申請に基づき、国が定めた自立した生活を送るのに不足する生活需要に対して、国や地方自治体が全額公費負担によって実施する補足的給付であり、人々の最低生活の保障を目的とする、最終的な公的生活保障制度である。

*解説:漏救
 特に公的扶助(生活保護)の給付が,受給要件を満たす者に行われていない状態である。生活保護制度の場合は,申請保護の原則,スティグマ,情報格差等が原因である。

*捕捉率とは、公的扶助(生活保護)の受給資格のある世帯(人員)のうち,実際に生活保護を受給した割合である。テイクアップ率とも言う。

*解説:濫救
 特に公的扶助(生活保護)の給付が,本来は保護の必要のない人々に行われている状態である。生活保護の不正受給問題がその代表例である。

*不正受給とは、公的扶助(生活保護)を,不正な手段や、不正な申請で受給し,もしくは他人に受給させることである。

*スクラウンジャーフォビア
 不正受給や生活保護の濫用、「怠惰」等への大衆の反発が高まること「スクラウンジャーフォビア(scroungerphobia)」と言う。

*適正化政策とは、本来は生活保護の濫救・漏救の防止を目的とする政策である。実際は、過剰な濫救対策とも言われている。

*ワークフェア
 一定の就労を義務付け、給付を労働の対価とし、就労による自立を促す考え方である。給付と働くこと、就労支援をセットとした制度であると言える。
・米国民主党のクリントンは,困窮、貧困家庭が勤労・職業訓練へ参加しなければ給付を受けることが出来ない「貧困家庭一時扶助」(TANF)を取り入れ,「要扶養児童家庭扶助」(AFDC)を廃止した。

*アメリカ合衆国の公的扶助制度の特徴とは。先述の公的扶助制度の共通する特徴から。

*公的扶助と就労を巡って
 就労は、単に収入のためだけではなく、就労の機会によって社会参加を通じて自己実現を果たすという意義もある。あくまでも就労の一側面であり、個人差があるが。公的扶助の受給者にとって、社会参加の機会としての就労の意義もあると考えられる。
 また労働市場における、本人の希望、能力(技能、体力)と雇用の機会とのマッチングの問題もある。雇用のミスマッチ、公的扶助における就労と福祉サービスとの狭間の問題である。
 就労に過剰に押し出すことは、労働問題を生じる可能性が生じる。どのような仕事、職場でも良いのではなく、ディーセント・ワーク、自立支援の視点、ハンディキャップを含めた多様性を尊重する職場、理解と配慮のある就労先が求められている。
 また、生活保護受給者の子育て、家事労働等のアンペイド・ワークの価値、意義もある。
 既に先進的な活動も取り組まれているが、オルタナティブな就労の場を創ること、またワーカーズ・コレクティブ、協同労働の形態による雇う・雇われるという関係を超えた就労の機会にも、可能性があると言えるだろう。
 
*バウチャー
 公共政策の手段としての「バウチャー」とは,金券や利用券等の証票の形をとる個人を対象に補助金を交付する方法のことであり,一定の選択権の付与,使途制限,譲渡制限という特徴をもつ。

*ベーシック・インカム構想
 すべての人に無条件で一定額の基本所得を支給するという考え方であり、ロールズの格差原理を理論的基礎として考え出されたものである。
 ベーシックインカムは、資力調査や就労の要請なしに、すべての人々に無条件で支給される所得である。

<以上、国立武蔵野学院 附属児童自立支援専門員養成所にてブログ筆者が講義(第1日目) 続く>
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 国立武蔵野学院は、大正8年 (1919年) 3月に開設された児童自立支援施設です」
 児童自立支援専門員とは、児童自立支援施設において,生活指導,家庭環境調整,関係機関との連携等,ソーシャルワークによって、児童の自立を支援する専門職である。国立武蔵野学院に附属児童自立支援専門員養成所が設置されている。


<当ブログ筆者が執筆 新刊2冊(4月発行予定) 精神保健福祉士、社会福祉士国家試験解説>
 低所得者に対する支援と生活保護制度(公的扶助論)解説を担当。
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2019精神保健福祉士国家試験過去問解説集 第18回-第20回全問完全解説
一般社団法人日本ソーシャルワーク教育学校連盟=編集
ISBN 978-4-8058-5662-8
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当ブログ筆者執筆
精神保健福祉援助演習(専門)第2版
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第8章 地域における精神保健問題(依存症と生活困窮)

 内容

 アルコール依存症からの回復とレジリアンス。

 アルコール依存症、薬物依存症と貧困、生活困窮の実践事例。

 精神科グループワーク、精神科デイケア、地域精神医療による総合的な地域生活支援。

 コミュニティワークとソーシャルサポートネットワークの構築。

 多職種によるチームアプローチ、連携。

 地域の特性。スティグマ。自尊感情の課題。

 スピリチュアルペインと人間的孤立。


当ブログ筆者の論文 リンク

関屋光泰(2010)「簡易宿泊所街・横浜寿町地域における民間支援活動-歴史的経緯の概要」『研究紀要』第18 巻第1 号 学校法人敬心学園日本福祉教育専門学校福祉文化研究所,39-48頁


当ブログバックナンバー
 相談、面接、生活保護受給者訪問調査
 貧困、生活困窮の子どもと家族
 アルコール依存症と生活困窮、精神科医療との連携の必要性

「子ども食堂」の多様な形態、開催
 学習・居場所づくりと食の支援
 子ども食堂の対象、会場、担い手
 子ども食堂の意義:子育て支援、保育園待機児童問題、多世代交流等の意義
 子ども食堂活動は、何を目指しているのか

筆者のコメントが朝日新聞(全国版)に掲載されました 福祉施設職員のストレスケア、メンタルヘルス、感情労働とは

新聞に筆者のコメントが掲載されました「ルーテル学院大の関屋光泰 助教は、東京都内を中心に約60カ所の障害者施設などで職員向けのストレスケア研修を行ってきた。「忙しい時に利用者への言葉がきつくなり、そんな自分を責めてしまう」、研修の受講者からは、そんな悩みが多く寄せられる。<略>「自分が理想とする支援ができず、自己嫌悪に陥る職員も多い。職員のケアの必要性に目を向けるべきだ」と訴える」抜粋
(やまゆり園事件が残したもの:下)地域に開く、支え合い歩む
2017年7月26日 朝日新聞朝刊 全国


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 生活保護法とケースワーカー、相談、面接、受給者訪問調査。アルコール依存症と生活保護。貧困、生活困窮の子どもと家族、生活保護受給世帯への支援。危機介入としての公的扶助ケースワーク。生存権のセーフティネットとしての生活保護制度とケースワーク。キーワード。

公的扶助論 第1日目 その1 ブログ筆者の担当講義
1.はじめに 低所得者に対する支援と生活保護制度(公的扶助)とケースワーク
・筆者の24年間程の生活困窮者支援の実践から、貧困問題の変遷
 日雇労働者・ホームレスモデルから、多様な生活困窮者(子ども、女性、若者等)モデルへ。
 かつては、土木・建築関連の日雇労働者、飯場の労働者が失業(アブレ)、高齢、病気や負傷、障害のため働けなくなり、野宿生活になったホームレスの人々が顕在化していた。
 今日、地域で暮らす子ども、家族、高齢者、シングルマザー、またネットカフェ居住者等が顕在化している。多様化である。
 ブログ筆者のこれまでの実践
 1.ホームレス、日雇労働者への医療ソーシャルワーク(名古屋市)
 2.簡易宿泊所街の生活保護受給者、精神障害者への精神科ソーシャルワーク、精神科デイケア、コミュニティワーク(横浜市)
 3.ホームレス等生活困窮者へのアウトリーチ(名古屋市、新宿区)
 4.緊急一時保護事業の相談員(東京都)
 5.ホームレス、日雇労働者、簡易宿泊所地域の調査(名古屋市、横浜市。厚生労働省「ホームレスの実態に関する全国調査(生活実態調査)」参加)
 6.求職者支援制度の職業訓練講師、シングルマザー等のヒアリング
 7.ホームレスと市民共同の演劇ワークショップ(東京都)
 これらの経験と実践知、調査活動の24年間から上記は言えることである。

・「貧困」のイメージとは。
 これまでのグループディスカッションでは、周囲の友人等で身近に感じる、実感が持てない、これまでの仕事が生活困窮者との関わりがあった、なぜ貧困になるのか、予防は出来ないのか疑問、街のホームレスの人々、非正規雇用、他国の貧困地区等が挙げられる。

◎生活保護制度と公的扶助ケースワーク
 生活保護制度の運用は、相談援助=ケースワークの面接、訪問を伴う。
 生活困窮者への支援、また生活保護受給者への自立支援等において、面接・訪問などの形態による個別支援は必要不可欠である。

*複合的な生活問題と総合的支援
 生活保護を必要とする人(要保護者)、生活保護受給者(被保護者)は、心身の健康問題・障害、家族問題、失業など様々な問題を抱えている。
 金銭給付だけではなく、個人・家族へのソーシャルワークによる総合的な支援が必要とされる。
・この科目において、可能な限り、公的扶助ケースワークなど、関連する社会福祉援助技術についても解説する。

*公的扶助ケースワークとは
 生活保護制度、公的扶助分野における、社会福祉援助活動のことである。
 生活保護は、ケースワーカーが貧困・低所得状態にある要保護者に対し、生活保護費の給付とともに、社会福祉援助を実践する。その支援は、人々の生活と問題の背景、地域の特性(雇用等)、生活ニーズを把握、具体的な生活課題の緩和・解決を図るソーシャルワークによる援助である必要がある。

*ケースワーク
 クライエント(個人や家族)が抱えている生活問題、社会生活や人間関係の困難、医療・生活・居住ニーズに対して,その問題解決やニーズの充足を支援するために,ケースワーカー(ソーシャルワーカー)によって用いられる専門的な援助技術である。ソーシャルワーク専門職の価値・倫理と専門知識に基づく。

*生活保護費の給付とソーシャルワーク実践
 生活保護費を受給者に手渡す(給付する)ことも重要な職務であるが、それだけではない。相談、訪問、医療機関や社会資源との調整等、ソーシャルワークの専門職であることが求められている。
 必要に応じて医療機関の受診、入院に同行すること、社会資源の利用を支援する(入所予定の福祉施設の見学に同行等)、金銭管理の側面的支援等の具体的な支援が、行われている。
 様々な地方自治体の福祉事務所の現状があるが、多くの場合、1人のケースワーカーは100世帯位(超える場合も)の受給者を担当している。受給者の生活、生存権を保障し、生活保護制度の実務を担う重要な職務であるが、多忙を極めている。

*生活困窮者・子ども・家族の生命、生活、生存権の守り手としての公的扶助ケースワーク
 公的扶助ケースワークは、住民の「生存権のセーフティネット」としての役割、使命がある。
 言い換えれば、ケースワーカーの一人一人が住民の生命の、人間らしい暮らしの、権利の守り手である。
 貧困は、住民、子どもと家族の生活の全般を脅かし、健康を人間関係をも破壊してしまう。公的扶助ケースワーカーは人間の尊厳を守り、ヒューマニズムなどの実践思想と共にあるべき社会福祉専門職である。
 ヒューマニズムとは、人道主義と訳され、博愛、人類愛の精神に基づいて、人間、人類全体の福祉の実現を図っていくスタンスである。

 救貧法、公的扶助制度の源流は、エリザベス救貧法 Elizabethan Poor Law 1597年法および1601年法として成立した法にある。イギリスの救貧諸立法を集大成した公的な救済制度の基本法となった。
 日本における救貧制度の源流は、恤救規則にある。1874年に府県に出された通達(明治7年太政官達162号)である。
 支援活動の源流は、スコットランドのチャルマーズChalmers, Thomas (1780-1847)。スコットランドの長老派教会牧師、教区の貧困家庭に対する隣友運動・友愛訪問活動(friendly visiting)を実施した。その後,ロンドンの慈善組織協会(COS)の活動に友愛訪問は継承された。
 ドイツのエルバーフェルト制度は、岡山県の済世顧問制度、大阪の方面委員、戦後の民生委員活動の源流である。

*危機介入としての公的扶助ケースワーク
 生活困窮という、人々の暮らしにとって待ったなしの危機、生活の破壊に対して公的扶助ケースワークは、支援の手を差し伸べる。つまり生活、時に生存の危機の中にある人々に寄り添う人間支援の専門的である
 リンデマン(Lindemann, E.)、キャプラン(Caplan, G.)による危機理論がベースにある

*住民と受給者ファーストの姿勢を
 生活困窮者、生活保護 受給者と共にある公的扶助ケースワークが求められている。それは、相談者中心、相談者ファーストの姿勢であり、倫理観に基づく対応である。過去には福祉事務所への相談に対する権利侵害の事件もあった。一人ひとりと真剣に向き合う人間的な関わりが求められている。

*アルコール依存症と生活困窮、精神科医療との連携の必要性
 また公的扶助ケースワークにとって、アルコール依存症は支援の重要な課題の一つである。 依存症からの回復を側面から支援することが求められている。
 精神科医療機関のアルコール依存症外来、専門病棟における治療に繋げること、通院と服薬等を継続すること、自助グループ(セルフヘルプグループ)への参加を支援することが具体的な支援である。アルコール依存症であることを最初から自覚する依存性者が少ないなかで、人によっては幻覚等の重い症状もあり、これらの支援は容易ではない。
 実際は、アルコール依存症からの回復は、断酒後も再度の飲酒(スリップ)等のアクシデントもありながら、回復に進んでいく。ソーシャルワークの専門性を持ち、かつ寄り添う姿勢の支援が不可欠である。
 アルコール依存症以外の精神疾患、精神障害を抱える生活保護受給者も目立つ。公的扶助ケースワークにとって精神科医療との連携が、重要な課題である。貧困、生活困窮とメンタルヘルスは密接に関連すると言えるだろう。

*生存権のセーフティネットとしての公的扶助ケースワーク
 生活困窮の背景には、不安定雇用、地方の経済と雇用の問題、雇用のミスマッチ、正規と非正規雇用の格差等の社会問題がある。
 切実な生活、福祉ニーズに対して、迅速かつ公正な支援が基本となる。
 公的扶助ケースワークは、多様な生活問題に対して、総合的なアプローチが求められていると言えるだろう。

<以上、国立武蔵野学院 附属児童自立支援専門員養成所にてブログ筆者が講義(第1日目) 続く>
 HPより引用「児童自立支援専門員養成所とは。非行などの問題を抱える子どもや、虐待などの理由により支援が必要な子どもたちと施設での生活を共にしながら、資格取得に向けて学ぶところです。国立武蔵野学院 附属児童自立支援専門員養成所」



当ブログ筆者の論文 リンク

関屋光泰(2010)「簡易宿泊所街・横浜寿町地域における民間支援活動-歴史的経緯の概要」『研究紀要』第18 巻第1 号 学校法人敬心学園日本福祉教育専門学校福祉文化研究所,39-48頁


当ブログ筆者執筆
精神保健福祉援助演習(専門)第2版
精神保健福祉士シリーズ 10
福祉臨床シリーズ編集委員会 編

ISBN978-4-335-61117-9
発行日 2016/02/22 弘文堂

第8章 地域における精神保健問題(依存症と生活困窮)

社会福祉士実習目標・実習計画記入例 モデル 相談援助実習指導 筆者の講義レジュメ

当ブログ筆者が講師を担当した「生活困窮者への相談援助について」法人研修(2018年2月)を報告して下さっています。

社会福祉法人有隣協会様 ブログ

 講義の大まかな内容

 若年者の生活困窮の特徴。若年ホームレスの生活歴と困窮の関連。調査等から。

 精神疾患、精神障害を抱えた利用者への対応方法。

 生活困窮とメンタルヘルス。関わりの技法の基礎。

 アルコール依存症の回復支援について。精神科医療機関へどのようにつなぐか。

 生活保護受給者、精神障害者対象のグループワーク実践から


 有隣協会様、ブログで研修をご紹介して下さり、ありがとうございます。御礼を申し上げます。


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