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社会福祉士受験対策web夏期講習 相談援助の理論と方法編 第3回
課題中心アプローチ
*課題中心アプローチの概要

・クライエントの訴える具体的な生活問題を中心に,クライエントとともに課題を設定,遂行する。
 具体的な作業計画の策定、実行、評価を通じて、短期間内で問題の解決を図る。

・このアプローチは,援助の枠組を提供するものでもあり,ソーシャルワークの重要なアプローチとして広く認知され応用されている。

1 起源と基盤理論 
・1970年代、リードとエプスタインにより理論構築された。
 心理社会的アプローチや問題解決アプローチ、行動変容アプローチから影響を受けた、折衷的なアプローチであり、各アプローチの基盤となる理論を摂取している。
・効果測定に基づく実証主義的な手法で「課題中心アプローチ」を開発した。

<課題中心アプローチの特徴>
・クライエントとともに課題を明確にし,計画的かつ短期に援助する方法である。

・最大の特徴は、短期処遇を明確に示していることにある。短期間の計画的な実践を志向し、プラグマティズムの影響を受 けている。プラグマティズムとは、「実用主義」と訳される。

3 適用対象・適用課題
・限定された期間において、クライエント自身が認識し、解決できる可能性がある具体的な生活諸課題が対象である。分野・領域は柔軟性をもって適用が可能とされる。

<課題中心アプローチの対象問題、問題選択>
*第1の問題-対人関係の葛藤
・人と人との交わり(相互作用)のなかで生ずる摩擦であり,家族関係の問題。

*第2の問題-社会関係上の不満
 関係における孤独、他人への過度の依存、積極性の欠如等、他者との付き合いのなかでの不満。

*第3の問題-組織体との問題
・福祉サービス機関や病院,学校などとの関わりのなかで生ずる葛藤。

*第4の問題-役割の遂行に伴う困難
・自分に課せられた社会的役割を遂行することに困難を感じる場合等である。

*第5の問題-社会的過渡期の問題
・社会的状況が変化することによって生ずるものであり、適応上の困難などがある。

*第6の問題-反応性の情緒的苦悩
・特定の出来事がきっかけとなって生じる不安や抑うつ状態をいう。

*第7の問題-不十分な資源
・経済的な問題、住まい、医療など適切な資源が無いことの問題である。

4 支援焦点
・クライエント自身の段階的な問題解決行動により、問題解決と社会的機能を改善する。

5 支援展開
・課題中心アプローチの支援過程(3段階・4ステップ)
*第1ステップ-問題の明確化と選択

 クライエントの認識と解決可能な具体的問題を選択。
<補足>
 問題の内容を具体的に例をあげる。
 問題が生起する場所と,解決に役立つフォーマル・インフォーマル資源などを整理する

*第2ステップ-契約
 目標を設定し、面接の回数や頻度・期間を合意し、動機づけを高める。

*第3ステップ-課題遂行
 クライエントとの協働作業。行動療法的方法(ロールプレイ、シミュレーション等)を活用する。

・ワーカーとクライエントがこれらの点で合意に達し、課題スケジュールが明確に定まれば,ロールプレーや行動リハーサルといった方法を用いて行なわれる。
・リハーサルが成功すれば、実際の場面でクライエントによって課題が実行に移されることになる。

*第4ステップ-終結
・評価により、課題の修正や契約の更新を検討する。

・基本的に3~4か月間に、8~12回の面接を実施する。

<課題中心アプローチ 事例>
 障害児がいる家族への課題中心アプローチによる支援に関する次の事例
 T子(6歳・女児)は,高熱を出し,痙攣発作を起こした後,意識障害が生じた。入院中のT子について,担当医師から病院のソーシャルワーカーに依頼があった。
 T子は,結婚歴15年の父親(40歳),母親Mさん(38歳)と3人暮らしである。
 Mさんが病院の相談室に思い詰めたようにうつむきかげんで入室し,しばらく沈黙があり,「これまでずっと泣くのをこらえてきました」と,現在と将来の不安や看病疲れ,娘の元気なときの様子を泣きながら話し始めた。さらに続けてT子の今回の病気を機に家族問題が発生したこと,しばしばT子のことをめぐって夫と口論になっていることを話した。加えて夫の面会が減っているのは娘の状態を見るに忍びないのだと思うと夫へのいたわりを示しながらも,Mさんは家族問題をなんとか解決したいと言った。
 数回の面接を通して,Mさんは母親として,妻として努力している気持ちを整理でき,現状での取り組むべき具体的課題が明らかになった。
 その中で最も優先的に取り組む課題として「Mさんの看病疲れの軽減」を取り上げ,ソーシャルワーカーはMさんとともにこれを確認した。それに対する計画は①Mさんと週1回のサポート面接実施の取り決め,②病棟でのT子に対する看護体制の調整,③Mさんと病棟ボランティア活用についての合意形成である。
 その後も医療費の助成制度や社会資源の活用,また,T子とのかかわりや今後の療養先の計画などについて,Mさんや夫に個別面接を行い,彼らとともに取り組む課題を決定した。夫は,娘の病状を心配し,娘の顔を見るのがつらいことなどを話していたが,次第に心の整理ができたことでT子の世話をし始めた。
 在宅療養の準備のために医療担当スタッフが家族指導を行い,地域の関係機関との連携を図った。援助開始から2か月後,T子の病気は徐々に回復に向かい,それとともにMさん夫婦も精神的に安定してきた。近いうちに自宅退院となることが決まった。
(以上、社会福祉士試験問題の事例より)

2 課題中心アプローチを理解するためのキーワード
*課題

 クライエント自身によって着手される、一連の問題解決行動。

*計画的短期性
・課題を設定し、援助を計画的に実行する。

・取り組む問題を選び出す視点
①クライエントが認める問題を対象とする。
 クライエントが自ら「これが私の問題である」と認めた問題を優先的に処遇の対象とする。
②対象となる問題はクライエント自身の努力によって解決できうるもの。
 現実の場面でのクライエントの行動が重要と考える。現実の場面で,ワーカーの援助なしにクライエント自らが行動すること、自らが解決できなければならない。
③具体的な問題。

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貧困問題、生活困窮者対象のソーシャルワーク、社会福祉
 当ブログ筆者の論文
「簡易宿泊所街・横浜寿町における民間支援活動-歴史的経緯の概要-」

1.貧困・簡易宿泊所街「寿町」・「支援」
(1)はじめに-貧困のリバイバル-
 高度経済成長を経た日本社会は、「一億総中流」と言われた、多くの人々が、生活が更に豊かになっていくと実感できる状況を謳歌した。社会は、貧困を忘却し、もはや貧困は過去のものとなっていた。また、貧困の忘却の傾向は、社会福祉の領域においても、例外ではなかったと思われる。しかし、貧困は、顕在化していなかったに過ぎなかった。生活に困窮する人々は、ひっそりと、「豊かな社会」の周縁に追いやられていた。
 所謂「失われた10年」を経て、近年、貧困や格差の拡大は、社会問題化しつつある。書籍や新聞、テレビ番組等の各種メディアにおいても、様々な切り口で、関連したテーマが取り上げられている。それは甦った貧困、もしくは貧困のリバイバルとも言えるかもしれないが、誰も望まないものであろう。また、社会福祉領域においても、貧困の今日的な概念である「社会的排除」と、問題の緩和を図る「ソーシャル・インクルージョン」等が昨今、注目されている。
 しかし、現在のところ、社会的排除の緩和を目指し、ソーシャル・インクルージョンを具体化する、この領域における民間支援活動は広範なものとなっていないと思われる。貧困に対してのキャンペーンや、各種の調査等は行なわれているが、地域における新たな支援活動の拡大は、先駆的な実践が現れるに留まっている。
 貧困を巡るこれらの課題に対して、地域社会や民間支援活動は、如何に取り組むべきなのか。言うまでもなく、生活保護法による生存権・生活保障を中心とした、公的な支援施策が不可欠である。しかし、民間支援活動が果たすべき、固有の役割があると考えられる。
 戦後、貧困領域における民間支援活動は、簡易宿泊所街である、東京「山谷」 や、大阪「釜ヶ崎」 、横浜「寿町」と、「寄せ場」と呼称される日雇労働市場である名古屋「笹島」 等で行なわれてきた。
 本論文は、簡易宿泊所街・寿町における民間支援活動のあり方と、歴史的な経緯について、先行研究・文献・資料の調査から、その概要を述べる。寿町の民間支援活動は、子どもたちへの支援を発祥とし、セツルメント活動や医療支援、福祉施設開設等の経緯を経て、活動の内容と形態ともに多様化しつつ、現在に至っている。その歴史的経緯を概括し、今日の貧困領域におけるソーシャルワーク実践やボランティア活動を含めた支援への示唆を得ることを試みる。
 略
 本論文においては、寿町の民間支援活動の経緯を整理するために、時期を下記のように三期に区分する。
 第一期 民間支援活動の「開始・定着期」(1964年から1980年代前半まで)
 第二期 民間支援活動の「発展期」(1980年代後半から2000年まで)
 第三期 民間支援活動の「模索期」(2001年以降)
 略
 「寿町」地域は、横浜市中区の簡易宿泊所街である。この地域は、寿町2丁目の一部及び3丁目と4丁目、扇町3丁目の一部と4丁目、松影町3丁目と4丁目、三吉町の一部、長者町1丁目の一部を含む、簡易宿泊所の密集地域である。面積は、およそ0.06平方キロメートルである。
 「簡易宿泊所」とは、旅館業法における4種(ホテル、旅館、簡易宿所、下宿)の旅館営業許可業種のうちのひとつである。
 簡易宿泊所街は、「ドヤ街」とも言われているが、「ドヤ」は、宿の逆語であり、旅館やホテルと区別された、日雇労働者の簡易宿泊所を意味する。簡易宿泊所街は他に、東京(台東区・荒川区)の「山谷」や、大阪(西成区)「釜ヶ崎」が現存する。加えて、名古屋市(中村区)「笹島」、川崎、福岡等には日雇労働市場「寄せ場」が存在する。
 こうした地域はまた、「寄せ場」とも言う。寄せ場は、大都市内のドヤの密集地域に位置付く、日雇労働者の就労場所をいう。多くの場合、寄せ場は、周辺スラムとともに複合地域を形成する。寄せ場は、日雇労働者が集まる都市下層地域として、固有の社会と文化(生活様式)をもっているとも言われている。
 また、これらの地域においては、民間支援活動が行なわれている。何れの地域も、炊き出しと呼ばれる食の支援と、パトロール、もしくは夜回りという野宿の場への巡回による支援、医療支援という三大領域が共通している。各地域・領域の支援活動は、年末年始期の「越冬活動」等を連合して取り組み、他に日雇労働者の労働組合と連携すること等においても共通する。
 寿町も、簡易宿泊所街のひとつであり、2007年の時点では、120軒の簡易宿泊所が集中し、6301人が宿泊・居住している。このうち、3666人が60歳以上であり、4893人が生活保護の住宅扶助を受給している 。寿町に、かつての日雇労働者とその家族・子どもの街の面影は無く、現在は、高齢者等の生活保護受給者が集住する、簡易宿泊所街である。
 略
山谷とは、東京都台東区と荒川区にまたがる、簡易宿泊所街・寄せ場である。「泪橋交差点」を中心にした、簡易宿泊所が集中する地域である。
釜ヶ崎は、大阪市西成区萩之茶屋周辺の簡易宿泊所街・寄せ場である。1966年の「第五次釜ヶ崎暴動」以降は、行政や大阪府警により「あいりん地区」の呼称が用いられるようになった。
笹島とは、名古屋市中村区名駅南にある名古屋中公共職業安定所の周辺の寄せ場である。簡易宿泊所街は無く、日雇労働市場のみである。


*以上、当ブログ筆者の論文より抜粋
 「簡易宿泊所街・横浜寿町地域における民間支援活動-歴史的経緯の概要-」『研究紀要』第18巻第1号,
 学校法人敬心学園日本福祉教育専門学校福祉文化研究所,2010年,単著

<当ブログ筆者の論文 最新>
当ブログ筆者の論文 最新 「福祉施設職員のストレスケア サポーティブ研修プログラムの開発」
日本福祉教育専門学校 研究紀要第23巻1号 37頁から55頁 平成27年4月


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福祉介護職の職場ストレス、人間関係 研修 心理社会的アプローチ、心理社会療法 社会福祉士受験夏期講習

講義レジュメ 生活困窮アセスメント、貧困生活スタイル、簡易宿泊所街とは 子どもの貧困学力と学習支援

現代社会と福祉練習問題 PFI、バウチャー、市場化テストとは 家庭訪問型子育て支援、発達障害児出張相談


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(5) 「くぐり抜け体験」の共有化、意味づけによる困難の克服
 職員それぞれの、実践の困難な局面やストレスの「くぐり抜け体験」、つまり有効な対処の共有化を図る。これらを引き出し、促進する同僚とリーダーからの働きかけが必要となる。実践知の共有化とも言える。
 また、それぞれのストレングス、長所を指摘し合う。ストレングスや自己の新たな側面の発見を助ける働きである。他者は容易には変えられないのであり、相手の良さを引きだすことの方が現実的である。
 基本姿勢は、自分にしてほしいことを他人に行うということをシンプルに考え、実行することであるとも言えよう。
 フランクル(註)によれば、困難の持つ意味を捉えること、意味を見出すことによって、困難な状況を乗り越えることが出来る 。例えば、最近の困難な経験は、自らの成長のための試練であると意味を見出すか、状況のなかで自らを失い、流されるままかということである。
 そして、ある経験に意味を付与するためには、言語化する必要がある。語りを紡ぎ、困難を意味付けするためにも、職員チーム内外の語り合いの機会が必要であろう。
 実践から生じる怒りや戸惑い、怖れ等の負の感情を表現し、語れる場所と機会が、福祉施設職員には必要である。お互いに自然なかたちで、感情の表出と傾聴を含め、緩やかな繋がりを創ることが要である。
 ブトゥリムによれば、ソーシャルワークは、望ましい生き方への基本的な関心を持っている。利用者の生き方、生きる意味、生の尊厳に関わる援助者側も、自らの価値観の確立、生の拡充が求められる。それは自らの精神、内面において内省し見出すだけではなく、フェローシップとも呼ばれる集団の繋がりのなかで働く相互支援の力により支えられる。


 下記の当ブログ筆者の論文から抜粋、次回に続く。
当ブログ筆者の論文 最新 「福祉施設職員のストレスケア サポーティブ研修プログラムの開発」
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社会福祉士受験対策web夏期講習 相談援助の理論と方法編 第2回
<問題解決アプローチ>
*問題解決アプローチ(モデル)の経緯

 H.パールマン(H.H.Perlman)は,1952年の論文で、ケースワークに「ソーシャル」な特質を取り戻す努力をすべきであると強く訴えた。
 また、A.マイルズは1954年に、社会環境条件に重点をおく立場を回復すべきであり、ソーシャルワークと社会科学との連携を訴えて「リッチモンドに帰れ」と主張した。

・パールマンは1957年に「ソーシャル・ケースワークー問題解決の過程」を著し、診断派の立場に立ちつつ機能派を取り入れた「問題解決モデル(アプローチ)」を体系化した。
問題解決アプローチとは、診断主義の理論、その科学性と、機能主義のクライエント中心、その主体性の尊重という二つを折衷的に取り入れた。また、自我心理学や経験主義教育学,社会学の役割理論などの影響がみられる。

・パールマンの問題解決アプローチの特色は、利用者を、社会的に機能する主体的な存在として捉える点と、個別援助を、施設・機関の機能を担った援助者と、問題を担っている利用者の役割関係を通じて展開される問題解決の過程として捉える点にある。

<受験対策ポイント>
・問題解決アプローチは,人の自我機能としての問題解決能力を重視し,役割機能上の問題に対処できるように援助する方法である。

 問題解決モデルの特徴とは、
①人の生活は問題解決の過程であり困難は病理ではないという視点、
②問題解決の主体はクライエント、
③社会的役割葛藤を重視、
④ケースワークの構成要素である「四つのP(人・問題・場所・過程)」、
⑤支援を利用しつつ問題解決に取り組むクライエントの力を「ワーカビリティ」と呼ぶ。


1 起源と基盤理論
・パールマンは、心理社会的アプローチと機能的アプローチの折衷として、問題解決アプローチを構築した。
・自我心理学のコンピテンス、役割理論等を摂取した 略

2 問題解決アプローチを理解するためのキーワード
*「四つのP」

 パールマンが用いた、相互に関連するケースワークの四つの基本的構成要素をさす。
①人=Person(援助を必要とする問題をもち、施設・機関に解決の援助を求めてくるクライエント)、
②問題=Probrem(その人と環境との間に調整を必要とする問題)、
③場所=Place(援助者が所属し、個別援助が具体的に展開される場所である施設・機関)、
④過程=Process(個別援助者と利用者との間に築かれた相互倍額関係を媒介として展開される援助の過程)をいう。
 後に、6つのPとなる。
*6つのP
・援助を求めてくる人、問題、具体的援助が展開される場所、援助過程、専門家、制度・政策・資源(provisions)-実践の構成要素。

*「ワーカビリティ」

・クライエントの、問題解決における支援活用能力。
 ワーカビリティとは、問題解決に向かう能力と,自発的に援助を受けようというクライエントの動機づけ、問題解決の機会をさす。
能力は,身体的・知的・情緒的側面から評価する。
「動機づけ」はクライエントや家族の価値観,生育歴や周囲などによって影響を受けるため,個人を取り巻く環境にも注意を払いつつ検討する 略

*コンピテンス
・能力の活用への興味、希望などの動機づけを含み、環境からの要請にはたらきかけ、課題を遂行しようとする能力のことをいう。「潜在能力」「社会的自律性」などの訳がある。

*MCOモデル
・動機づけ、能力、機会-問題解決への要素。

3 適用対象・適用課題
・人間を潜在的問題解決者、ソーシャルワークは「好ましくない状態から好ましい状態への移行を含む」問題解決過程である。援助の活用を動機づけされた個人が対象となり、適用課題は特に設定していない。

4 支援焦点
・パールマンは、「援助の本質は、それが個人の社会的適応をもたらし、一社会人としての彼の機能を回復させ、新生面をひらき、補強することを目的とする(『ソーシャル・ケースワーク』)」
・クライエントの社会的な課題を遂行する場合、効果的な対処が可能なように援助する。

5 支援展開
<問題解決アプローチ 援助の過程>

・問題解決アプローチは、①接触、②契約、③活動の各段階で展開される。
・接触段階は、問題の明確化、短期・長期の目標の明確化、資源の検討が行なわれ、予備的な契約となる。「動機づけ」「能力」「機会」を検討する。
・契約段階は、問題のアセスメントにより、目標、サービス提供の方法、両者の役割などの計画を策定する。
・活動段階は、計画が実行に移され、達成内容の評価後、終結となる。

・パールマンは,人が生きることあるいは社会的に機能すること(social functioning)は問題解決のプロセスであると考え,自我機能としての問題解決能力を重視した。
問題解決プロセスを重視し、「専門的ヘルパー」(=援助専門職)としてのケースワーカーとクライエントとがやりとりしながら前進するプロセスであり,ワーカーとクライエントがともに行う一連の問題解決作業であるとした。
 パールマンは,こうしたプロセスにおけるケースワーカーの役割は,クライエントへの問題解決の動機づけと,問題解決するための技術を身につけるようにすること,そして,その技術を実際に使う機会を提供することであるとしている。

*折衷主義に立つアプティカーは、機能派の立場に立ちつつ、診断派の理論を積極的に取り入れ、ケースワークとカウンセリングの関係について、比較分析した。

<続く 社会福祉士国家試験受験対策web夏期講習>

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(4) 相互支援のファシリテーション
 繋がりによる支援は、福祉施設の実践における社会的心理的葛藤の心身への悪影響を緩和する。また、チームとしての仲間意識を持つことが起点となり、自身が職場に必要とされている存在であり、自らとその実践が仲間から承認されていることによって、自尊感情が強化される。
 チームとしての協同は、多様な職種であり、個性を持った人材が働く福祉・介護の領域では特に求められる。しかし、職員間の職種の違い等から、仲間として連帯することが困難な場合もある。それらの違いは、利用者支援にとって意味のあるものなのか問わなければならない。一つの見解に集約するのではなく、異なる意見に耳を傾け、多様性を認め合う対話は多職種チームの課題である。これらを引き出し、議論の深化を図るファシリテーションの働きが求められている。
 大きな視野で捉えるならば、チームの仲間として繋がり語り合い、支え合い、それぞれが何らかの弱さを持っているなかで、相互に補い合う方が、チームの全員の、何より利用者の利益となる。また、職員チームのグループ規範の見直し等も、必要に応じて、踏み切らなければならないこともあると思われる。
 語ることはストレスケアの要であり、自己を語り開示することによって、自己理解が深められる。仲間に対してどの程度、心を開いて語るのか、自己決定とプライバシーの保持、仲間との信頼関係が重要となる 。

 具体的には、援助者のストレスや痛みとなり得る体験と感情を、語り合い、分かち合う機会が必要である。孤立と自責から、周囲に語り、相互に受容することへの転換である。
 仲間へのサポートとして有効な働きかけの基本は、ストレス体験を無かったことにしないことである。そして、周囲からの受容と共感、また「あなたは悪くない」などの肯定と承認のメッセージによって、サポートが行なわれる。仲間に語り、適切に頼ることによって、心身のリラクゼーションを図ることにも繋がる。


 下記の当ブログ筆者の論文から抜粋、次回に続く。
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社会福祉士受験対策web夏期講習 相談援助の理論と方法編 第1回
<心理社会的アプローチ>
1 起源と基盤理論

・臨床ソーシャルワークとも呼称される。心理社会的アプローチは、ホリスによって提唱された。
・起源は、リッチモンドによるケースワーク理論にある。1917年『社会診断』・
その特徴は、クライエントと環境との間を意識的に調整し、その人物のパーソナリティの変容・発達を図ることにあった。
 その要は、クライエントの社会的状況とパーソナリティを捉える社会診断にある。

<受験対策ポイント>
 リッチモンド(Richmond,M.)は,人と社会環境との間を個別に意識的に調整することの重要性を指摘した。


・リッチモンドの理論はその後、診断主義ケースワークに部分的に引き継がれた-社会診断、治療という枠組み等、一部が。
・診断主義は、フロイトの精神分析理論から影響を受け、中核に位置付けられた。ハミルトンや、トールらが発展させた。その後、心理社会的アプローチとして発展、継承されている。

<受験対策ポイント>
・ハミルトン(Hamilton,G.)は,ケースワーク過程の中心を「ワーカー・クライエント関係を意識的にまた統制しつつ利用すること」とし,「変化と成長を遂げる能力があることの自覚を促すことにある」とした。
・ホリス(Hollis,F.)は『ケースワーク:心理社会療法』を刊行し,「状況の中にある人間」をケースワークの中心概念に位置づけた。ホリスはこの視点から,心理社会的アプローチを確立した。


2 心理社会的アプローチを理解するためのキーワード
*臨床ソーシャルワーク

 心理社会的状況下にある人間の行動や発達に着目し、クライエントの社会的機能の維持・向上を支援目標におく。

*精神分析理論
 19世紀末、フロイトにより創始された神経症の病因論と治療法に関する理論であり、人間の「自我」の構造を明示した理論体系である。 後述

*状況のなかの人間

 「人」と「状況」と両者の「相互作用」からなる三重の相互関連性によって成立する、重要視点である。

*暫定的目標
 すぐに取り組める具体的課題を含んだ特定される目標。

3 適用対象・適用課題
・支援を要するすべての人に適応可能なアプローチである。
 家族問題、精神医学的課題、医療的課題の解決に適応できる。
・一方、言語コミュニケーションが可能であることが前提となり、動機づけに乏しいクライエントへの適応は困難である。また、クライエントとワーカーとの関係性の重視により支援に時間がかかり、援助過程にクライエントが継続的に参加することが前提になる。

4 支援焦点
・援助関係におけるコミュニケーションを通じ、パーソナリティの変容を図り、状況側の機能を高める。人と状況相互の機能不全を改善し、課題の解決を図る。

5 支援展開

・「状況のなかの人間」を中心視点に、援助関係を確立し、両者の協働により、問題の解決を図り、人と状況相互の機能不全を減じることに目標がある。
・アセスメントは、クライエントの問題の原因、状態、また、「人」と「状況」の全体関連において、「誰が、何が問題の解決に向けて変化しやすいのか」に焦点があてられる。
・介入は、援助の初期段階から実際の介入が開始されていくことが強調される。
・アセスメント(診断)に基づく支援計画の策定が、実践の成否をにぎる。

<社会診断・区分とその手法>

・パールマンは、社会診断を次の3つに区分した。
*臨床診断
 精神分析(精神医学)や心理学など他の臨床科学によって,クライエントを精神疾患あるいは適応異常の性質によって分類し,評価すること。パーソナリティ・人格面の評価である。

*発生的(原因論的)診断
 問題発生の原因と、その後の経緯を明らかにする。

*力動的診断
 クライエントの問題状況のなかに相互的に作用している力を評価することで,クライエントの問題が,その生活状況のなかでもっている意味,その問題解決の手段を明らかにする。
あるいは,人-状況-問題 の複合した状態のなかで能動的に働いている諸要素についての診断であるということができる。
これが伝統的にいわれている心理社会的診断であり,パールマンはこの過程で,クライエントの機能する力=ワーカビリティを評価するといっている。

*介入時の技法(六つのカテゴリー)
①持続的支持

 傾聴、受容、はげまし、共感的理解など。
・上記に加えて、クライエントの不安や罪悪感への再保証
 例 略
・これらの技法の目標は、クライエントの不安を軽減し、問題解決への動機づけを促進して,専門的援助関係を樹立すること 略
ケースワーカーのコミュニケーションの技法 略

②直接的支持(指示)
 直接的働きかけとも言える。クライエントのとるべき行動に関しての、ワーカーからの意見や態度の表明など 略
 例 略
・目標は、社会生活機能の障害となっていることを除去する 略
・クライエント側の必要性にもとづいてこの手続きを用い,安易に依存を助長しないようにすることが求められる。

③浄化法
 クライエントの状況について探索し、事実を描写し、感情の解放を行なう。
 例 略
感情の言語化 略
・目標は、診断的な理解をうるとともに,感情表出による緊張の軽減をはかる 略
・自虐的な人,精神疾患など感情をかきたてたり,不安が高まる傾向のある人に対してはこの手続きの使用は一定の範囲内にとどめる 略

④人と状況の全体関連性についての反省的話し合い
 環境や他者との関係に関する思考・感情・認知への気づき。
 反省的話し合い 例 略
 略

⑤パターン力動的要因への反省的話し合い
 行動傾向、出来事への反応や行動を生み出す思考・感情のパターンを明確化。
・目標は、変化することへの動機づけを促しながら 略

⑥発達的要因への反省的話し合い

 原家族や幼少期の経験について考察する
・目標は、変化のために,幼少期の問題と現在の行動との間に因果関係のあることをクライエントに気づきを促す 略

<受験対策ポイント>
・ホリス(Hollis,F.)は,「受容」を「ワーカーがクライエントに対して積極的で理解のある態度を示し続けること」であり「行為についての意見の表明ではなくて,行為の実行者に対する変わらぬ善意(Continued good will)を示すこと」とした。

<用語、人名>
*ホリスの治療技法 略
*ハミルトンHamilton, Gordon  (1892-1967) 略
*精神分析学
*フロイトFreud, Sigmund (1856-1939)
*エディプス・コンプレックス
*自我
*イド(エス)
*超自我


<続く 社会福祉士国家試験受験対策web夏期講習>

新刊 当ブログ筆者が試験問題解説を執筆 
「2016社会福祉士国家試験過去問解説集 第25回─第27回全問完全解説」日本社会福祉士養成校協会編集 ISBN 978-4-8058-5161-6
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講座は、東京会場と岡山会場をブログ筆者が担当
10月25日(日)東京会場
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<関連資料 バックナンバー>
貧困・低所得・生活保護 : 社会福祉士受験支援講座・教員日記


講義レジュメ ストレッサーのアセスメントとは 生活困窮者アルコール依存症者支援による援助者のストレス

福祉施設職員のメンタルヘルス支援研修 講義レジュメ 看取り介護、社会起業福祉分野、社会資源開発

福祉介護職ストレスマネジメント、燃えつき 講義レジュメ 相談援助の目標設定、自尊感情の回復とは

低所得者支援と生活保護練習問題 貧困の文化、履歴効果とは ひとり親世帯就職サポート事業、障害者就職率


ブログ閲覧中の皆様、卒業生、学生、福祉施設や機関の職員の皆様にお知らせ
ソーシャルワーク実践研究会 卒業生社会福祉士の実践報告 公開
 関心をお持ちの方、どなたでもご参加ください。
 日本福祉教育専門学校社会福祉士養成学科 主催
 参加無料 参加申し込み不要、直接会場へ
 日時 2015年8月29日(土)14時半から16時半

 ソーシャルワーク実践研究会は、子ども家庭福祉、地域福祉、貧困生活困窮者支援、高齢者や障害者福祉、スクールソーシャルワーク等、毎回さまざまなテーマで、本校社会福祉士養成学科の卒業生等の社会福祉士からの実践報告、現場レポートなどを行なっています。
 また、それぞれの実践の経験からの知識を共有するディスカッションを行い、卒業生と在校生、教員、福祉施設職員、一般の参加者との交流の場ともなっています。
 社会福祉士養成学科・養成科等の本校の学生や卒業生はもちろん、現場の福祉職員の方々や社会福祉に関心をお持ちの一般の皆様の参加も歓迎です。

ご感想、ご意見など、当講座・サイトの筆者(編集・管理人)へのコメントを、このフォームから送信してください。お名前・アドレス等は記入無しも、匿名も可です。
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<福祉施設職員のストレスケア サポーティブ研修・続き 当ブログ筆者の論文から>
(6) 協同による実践と新たな働き方
 第一に、福祉施設職員のストレス、燃えつきは総合的問題である。
 福祉職員の働き方、生き方の質が問われる側面もある。ストレスの緩和のためには、各自のメンタルヘルスのみならず、総合的な対応が求められる。自省しながらの実践によって成長し、かつ自らの生の拡充を図る。
 第二に、福祉施設の職員チームの人間関係は、ストレッサーとなり得るものであり、またストレスを緩和する要ともなる重要なものである。
 第三に、ストレスを皆無にすることは出来ないが、ストレスに対処し、復元、回復する力、レジリエンスを高めることは出来る。
 第四に、ストレスからの拠り所となるのは、職場の内外の「仲間」との相互支援のネットワークと、個別の支援である。
 実践知の共有や多様性を尊重する対話、実務とメンタル両方の相互支援の促進が課題である。

 これらの方法により、ストレスに対処し、実践を持続可能なものとしていく。現状においては、常にストレスからの悪影響を緩和する資源やストレス対処スキル、自己効用感等の、主にソフト領域を中心としたストレスからの防護と、実践からのストレスやマクロ要因、労働条件等による不安等がせめぎ合っていると言えよう。
 もちろん、労働条件等のハード領域の改善も福祉職員を支えることに直結するのであり、マクロレベルにおける対応を待望したい。福祉施設職員の置かれている現実から出発する議論の活性化が、必要不可欠であると思われる。その間に、ストレス・マネジメントを更に強化するものとして、本論の提案する対処策を施設や個々の職員が導入することが、職員の職場への定着と安定に繋がると考えられる。
 スローガンや理念ばかりではなく、割り切った単なる賃労働ではなく、慢性疲労を抱えた「でもしか介護」でもない。現場と共に新たな働き方、生き方を創造していきたい。


 下記の当ブログ筆者の論文から抜粋、次回に続く。
当ブログ筆者の論文 最新 「福祉施設職員のストレスケア サポーティブ研修プログラムの開発」
日本福祉教育専門学校 研究紀要第23巻1号 37頁から55頁 平成27年4月


お知らせ 当ブログ筆者の出張講義 福祉施設職員サポーティブ研修 無料
東京都の登録講師派遣事業<研修申込受付 平成27年9月23日まで>
「福祉施設職員のストレスケア サポーティブ研修」講座番号31
内容 福祉施設職員のストレスへの対処や燃えつきの予防、心身の健康のセルフケアを支援する研修

「生活困窮者、生活保護受給者対象のグループワーク」講座番号84
内容 貧困・生保受給者対象のグループワークプログラムと留意点等を、講師(ブログ筆者)の実践や事例に基づき解説

「福祉施設職員の職業倫理と福祉マインド、ハラスメント予防」講座番号32
内容 福祉施設職員に求められるモラルや福祉マインドの基礎と、ハラスメントの予防を含めて解説。

「グループワークの基礎」講座番号33
内容 福祉施設におけるグループワークのプロセス、方法、プログラム等の基礎を解説。

 上記は当ブログ筆者が担当する研修の一部です。
この講座は、東京都福祉保健局の委託による、福祉・介護事業所対象の職場研修です。ブログ筆者等の派遣講師が出向きます。講師謝金・講師派遣 無料

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東京都社会福祉協議会登録講師派遣事業


相談援助の理論と方法Ⅰ 前期第18回講義レジュメ概要1
 当ブログ筆者(専任教員)が、社会福祉士養成科(夜間部)にて、2015年8月 に講義            
<レジュメ完全版は講義にて配布。解説の詳細は講義にて>


8章2節 契約の方法と留意点
<契約のポイント>
*概要

・原則として、ソーシャルワークと関連サービスによる支援は、契約に基づいて提供される。
・契約とは、援助者とクライエントの間で、目標や支援の具体的な方法、期間、面接等のルールなどについてなされる取り決めである。
・支援において、契約を結ぶこと自体に意味を持たせる場合もある。
 事例によっては、援助者とクライエントの双方が、契約を守るということが重要な意味を持つ場合もある。信頼された経験-信頼関係、承認の機会-認められるということ等による自尊感情の回復である。
 つまり、クライエントが、他者から裏切られ、また自分が疑われた過去を越えて人は信じられるという基本的な信頼感と、虐待や屈辱から傷ついた誇りを回復する。人として生きることの全人的な回復が、ソーシャルワークの援助過程にとって大きな課題である。
 事例によっては、支援の枠組みを設定して、双方がそれを守るということが重要な意味を持つ場合もある。
 例えば、アルコールや薬物の依存症者の事例等。


*グループワークの契約とは-シュワルツ(Schwartz,W.)による

・(グループワークにおける)契約では,グループワーカーは、グループを作る目的・意義などについて、ワーカーとメンバーが合意形成する作業を援助する。
 つまり、何のためにこのグループが会合し,どのような約束のもとに活動を展開していくのか,などについて,ワーカーとメンバーの合意をつくる。

1 アセスメント段階までの共有 テキストP167
・(テキスト)契約とは、アセスメント段階から援助計画段階の間にあり、援助の目標に関する契約である。
・契約段階を経ることにより、ソーシャルワーカーとクライエントは協働で目標設定をし、達成のために計画を立案し、その進展や結果の評価が可能となる。
・ソーシャルワーカーは、クライエントの問題、状況への理解深め、問題等の共有化を図る。
 これによって、クライエントの動機づけ、クライエントへの尊重、自己決定の尊重を具体化する。
・共通理解のうえに、双方が問題解決のために協働することの合意がもたらされる。双方の理解の共有は、全過程で行われるべきだが、特にアセスメント終盤は重要である。
*恊働のソーシャルワークへ
 つまり、契約はパートナーシップによる問題解決を具現化する。参加型のソーシャルワークとも言えよう。
 問題解決の主体はクライエントである。自助努力の促進というクライエントの課題も含まれる。


・双方の見解が異なる場合、ソーシャルワーカーは更に情報を収集し、アセスメントのやり直しの必要が生じることもある。
・クライエント自身が直面を避ける問題に、気付きを促すことが課題となる場合もある。
 クライエントの自立と、自身の進むべき方向を自ら決める力を育む。


<補足>
・アセスメントの過程によって、クライエントの問題と取り巻く状況が明らかになり,次に進むべき道すじ・方向性も見えてくる。
・ソーシャルワーカーとクライエントとが共にアセスメントで見えてきた問題の本質を踏まえ,可能性や障害・問題についても話し合われる。これらを理解し,具体的な支援・取り組みを取り決めるのが「契約」である。

*援助契約の作業と留意点
具体的には、問題の明確化,目標の設定,援助方法にかかわる複数の選択肢,援助期間や提供される場所をクライエントと合意する作業が必要 略
・「契約」段階では,サービス利用者が現に直面している問題状況の明確化を図る働き掛けが含まれている。
・契約際しては,利用者のスティグマに留意しつつ,説明責任(アカウンタビリティ)に配慮し,説明と同意(インフォームド・コンセント)を遂行 略

2 目標設定の合意 テキストP168
*エンパワメントを徹底した目標の設定へ
 問題に取り組み解決する主体は、クライエントである。
 ソーシャルワークは、問題の解決にクライエント自身が主体的に取り組むことができるように側面から援助していく。
 クライエントの個別性を捉え、問題解決能力などその主体性を強めるために、専門的知識・方法・技術などを提供する。
 ソーシャルワーカーは、クライエントのニーズをクライエント自らが明確化できるように援助し、ニーズを充足するための計画が可能になるように目標の設定を支援することが求められる。


*新たな生き方への目標
 クライエントの生き方の転換、再出発が課題となる場合もある。自らを問い直し、生きることの新たな意味を見出すとも言える。
 その基盤には、多様な文化、多様な考えの尊重がある。相互の信頼、協力、共感、調和、対等な繋がり等が挙げられる。全人的、ホリスティックな視点、人間観が必要となる。 略
 人間中心の支援であることが、目標に集約される。


<補足:目標設定>
・アセスメントにおいて収集できた情報を基礎にして、利用者に最もふさわしい援助の目標設定を利用者とともに考え,立案する過程である。
 ここでは具体的な目標の設定が必要であり,多くの場合,当面の緊急を要するものから,中長期の展望のもとに設定すべき目標までを視野に入れて行われる必要 略
・援助者と利用者はいわゆるインフォームド・コンセント(説明と同意)を周到に行う 略

・取り組むべき問題が同意 ⇒ 問題解決の目標・到達点を設定する。
・目標は、到達されるべき結果の形態で設定される。
・目標と、目標を達成する方法や手段も区別すべきである。
 例:「~の状態になる」は目標であり、その為の「~サービスを利用する」は、目標を達成するための手段である。

<目標設定の留意点>
*特定化すること

・目標は漠然、曖昧、具体的でない表現は避ける。明確に特定される必要 略
・目標の特定化は、クライエントの課題を顕在化させ、取り組むべきことを明らかにする。

*検証可能であること-目標は、検証できる形で設定されることが望ましい。
・具体的、測定可能な目標の設定により、課題達成の評価が可能 略

*現実的であること
・クライエントの意欲や能力などと、インフォーマル・フォーマルな資源の活用により、達成可能なものでなければ 略
・クライエントの価値観や文化、適性や能力、関心に沿ったものを設定すべき 略

*時間的枠組みを設けること
・行動の具体化は時間の限定によって進められる。

<関連資料 バックナンバー>
貧困・低所得・生活保護 : 社会福祉士受験支援講座・教員日記


貧困問題と相談援助:当ブログ筆者講演の音声記録の一部を公開中



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福祉現場の語り 実践力


講義レジュメ ストレッサーのアセスメントとは 生活困窮者アルコール依存症者支援による援助者のストレス

講義レジュメ 地域包括支援センター、アウトリーチとは 福祉施設職員のセルフケア研修、レジリエンス

福祉施設職員のメンタルヘルス支援研修 講義レジュメ 看取り介護、社会起業福祉分野、社会資源開発

低所得者支援と生活保護練習問題 貧困の文化、履歴効果とは ひとり親世帯就職サポート事業、障害者就職率

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「2016社会福祉士国家試験過去問解説集 第25回─第27回全問完全解説」日本社会福祉士養成校協会編集 ISBN 978-4-8058-5161-6
 中央法規出版 2015年5月10日発行

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<福祉施設職員のストレスケア サポーティブ研修・続き 当ブログ筆者の論文から>

(9) 福祉施設職員のメンタルヘルス
 燃えつきの症状の一つである不眠は、不眠そのものによって心身を消耗させ、燃えつきを促進させることもあり、放置することは悪循環に繋がる。そして、心身の健康への悪影響、体力の損耗、不眠によって注意力が損なわれることにより事故に繋がるといったリスクマネジメントの点からも、早期の対処が求められる。1週間程続いた場合には、医療機関の受診や、相談等の職場外の資源を活用した対処が必要ではないだろうか。 
 不眠の原因となっている問題の緩和も当然ながら追求すべきではあるが、主治医の診断によっては、睡眠を助ける薬を用いることも一つの方法である。同様の対処が、アルコール依存症や気分障害等の職員のメンタルヘルスの問題にも当てはまる。予防と適切な対処の必要がある。
 また身体的なセルフケアとして、下園は、看護師へ呼吸法等の心身のリラックスを図る具体的な方法を勧めている 。他にも、教師等を対象とした休息、落ち着くことを促進する方法の勧めもある 。
 援助者のメンタルヘルスを維持するために、気分転換やストレスの緩和に繋がる身体的な健康促進法も重要である。換言するならば、これはストレスや疲労の蓄積を避け、心身の健康管理を含めたストレスケアの一つなのである。

(10) 喪失と成長-看取り介護など、人間の根源的なもの
 利用者の生の終わりは、移行の支援であると、キューブラー・ロスは示している。つまり、生の過程は、喪失の連続であり、誰もが大切だと思ってきたもの、例えば若さ、体力、親しい人、地位等が自らの側から離れていくことや、失うことを経験する。これらには、永続的に独占して所有できるものなど無く、やがて時が来たら失うのである。ロスによれば、喪失という痛みを経て、人間として成長することが出来る。
 看取り介護の課題とは、最大の喪失である、いのちの終結に伴う痛みに利用者が耐えるときに、寄り添い支える存在が求められるという点にある。福祉施設職員は、加齢、疾病、死などの人間にとって最も重要なライフイベントに関わるのであるが、喪失とその痛みから学ぶという姿勢が求められる。このような視点から捉えるるならば、実践を通して援助者とその感受性は磨かれ、利用者も援助者も共に全人的に成長することが望める。

 総じて、援助者自身も実践の困難、職場のストレスに意識が縛られ、心身の慢性的疲労のなかで自尊感情が損なわれることがある。実践のストレス、燃えつきは、援助者の価値観、生き方を含めた全人的な問題とも言えよう。援助者自身の生きていることの意味、最終的に目指すものが問われる側面がある。全人的なセルフケアと自身のサポートネットワーク、サポーティブな職場によってリジリエンスを高め、情緒の摩滅からの回復、自信を持つことが必要である。


 下記の当ブログ筆者の論文から抜粋、次回に続く。
当ブログ筆者の論文 最新 「福祉施設職員のストレスケア サポーティブ研修プログラムの開発」
日本福祉教育専門学校 研究紀要第23巻1号 37頁から55頁 平成27年4月


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「福祉施設職員のストレスケア サポーティブ研修」講座番号31
内容 福祉施設職員のストレスへの対処や燃えつきの予防、心身の健康のセルフケアを支援する研修

「生活困窮者、生活保護受給者対象のグループワーク」講座番号84
内容 貧困・生保受給者対象のグループワークプログラムと留意点等を、講師(ブログ筆者)の実践や事例に基づき解説

「福祉施設職員の職業倫理と福祉マインド、ハラスメント予防」講座番号32
内容 福祉施設職員に求められるモラルや福祉マインドの基礎と、ハラスメントの予防を含めて解説。

「グループワークの基礎」講座番号33
内容 福祉施設におけるグループワークのプロセス、方法、プログラム等の基礎を解説。

 上記は当ブログ筆者が担当する研修の一部です。
この講座は、東京都福祉保健局の委託による、福祉・介護事業所対象の職場研修です。ブログ筆者等の派遣講師が出向きます。講師謝金・講師派遣 無料

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相談援助の理論と方法Ⅰ 前期第16回講義レジュメ概要2
 当ブログ筆者(専任教員)が、社会福祉士養成科(夜間部)にて、2015/7/29 に講義            
<レジュメ完全版は講義にて配布。解説の詳細は講義にて>


6章4節 予防的対応とサービス開発 続き
5 サービス開発・事業企画 テキストP152

 社会福祉領域、ソーシャルワークにおいてクライエントのニーズは多様であり、制度で対応困難なこともある。
 コミュニティの協力者等のインフォーマル・サポートの活用や、社会資源の開発なども必要である。コミュニティソーシャルワークとしても、地域住民との協働によるサポートの展開が、今日、求められている。

*社会資源の開発と事業化
 社会福祉士機関・施設として対応可能ならば、組織として事業化を図る。
 所属機関において、企画案を提示し、機関の事業として承認を得、実施する。また、関係する機関・人々に協力を要請するなど、具体的な準備、計画が必要となる。

*社会資源開発とソーシャルワーク コミュニティを基盤とした相談援助へ
 資源開発は、今後のソーシャルワーカーにとって、大きな役割となる。コミュニティを基盤に住民との協働で、自然な協力、相互扶助を活かしながら資源を創る。
 ソーシャルワーカーには、その促進プロセス、組織のコーディネートの専門職としての役割が、求められる。 また、協力を呼びかけるプレゼンテーションやスピーチ、ワークショップ等の技術が必須となる。

*福祉の社会起業、創造のソーシャルワーク
 社会福祉領域には、現行の関連制度の、フォーマル資源の課題、問題点を挙げる関係者も目立つ。
 しかし、政策提言も必要であるが、自分たちで資源を創る姿勢、社会起業の取り組みも求められる。
 この講義でも紹介しているように、各地で社会資源開発、福祉領域の社会起業が活発に展開されている。この講義が、更なる社会起業の種まき、創造力を生み出すことを願っている。


◎ソーシャルワークにおけるインターベンションでは,クライエントやその環境及びその両者への介入を行い,状況に応じて社会資源の開発などを行う。
◎(社会資源の活用・開発)社会資源充実のために当事者の意見に耳を傾ける。
*精神保健福祉領域における地域援助技術(コミュニティワーク)
◎地域社会の偏見・差別というバリアの除去や軽減が含まれる。
◎精神障害者の地域生活を支え,希望を実現していく機会や資源の開発が含まれる。


<社会資源開発-社会福祉領域における社会起業のすすめ>
・福祉ニーズを持つ人々、同様のコミュニティに対する社会資源・社会福祉援助システムが効果的に機能しなかったり,最初から資源・援助システムがなかった場合には,必要に応じて資源・援助システムを開発することが、必要になる。
・ソーシャルワーカーは、その実践において,特定の集団(例 DV被害者,精神障害者,ホームレスなど)のニーズを充足する施策が既存の制度にないこと,あるいは既存の施策ではニーズ充足が不十分なことを認識することが少なくない。
 新しい事業・プログラムの構築の必要性を認識したならば,地域の関係する組織・団体(町内会、社会福祉協議会),住民に,問題への関心をもってもらい,積極的な関与を引き出すための組織づくりを行って,その組織を中心に新しい事業(プログラム)の創設を図っていく。
 地域レベルで創設された新たな社会資源・事業を,他の地域でも実施する、展開すること
略 マクロソーシャルワークの役割といえる。 専門職団体の役割 略
・新たなニーズに対応して、組織化の課題への対応や資源開発に取り組むことが求められている。
 地域におけるソーシャルワークは、住民が持つ自立、自助、協働の理念に働きかけ、 略 開発に力点をおく 略

*コミュニティ(当事者の集まりや、関心を持つ市民の組織を含む)と共にあるソーシャルワーク
 新たな社会資源の開発において、住民、当事者の主体的な参加を引き出す為の、動機づけなど働きかけの力量、ワークショップ等のスキルが求められる。
 住民参加の促進-住民への具体的な働きかけ、協力の呼びかけは、どのように進めるか?
 アジア諸国や、ラテンアメリカでは、民衆劇等の手法を用いて、住民に働きかけていく。
 まちづくり、コミュニティ・デザインの領域では、ワークショップ等の手法が用いられている。参考にしたい。

*ファシリテーターとしてのソーシャルワーカー
 専門職のスキルとしての、ファシリテーションの必要性。
 ファシリテーターとは、「行動やある過程を容易に促進する」という意味のfacilitateから転じた言葉であり、ある課題を容易にするために議論する過程において、進行役や引出し役となる人のことを指す。
 しかし、単なる進行役でも、指導者でもなく、参加者と対等に位置しながら、参加者の主体的な参加、意欲、知識、智慧、経験等を的確に引出し、コミュニケーションを促進していく役割を担う。

*地域福祉ワークショップのあり方
 多様な領域において、参加体験型のワークショップという学びの手法の有効性が注目を集め、その場づくりを担うファシリテーターの役割が重視されている。
 ファシリテーターは、福祉問題の例を提示し、住民は、身近な課題に対して興味を持つように関心を引き出し、その問題意識に働きかけていくスキルも必要になる。

*住民協働のコミュニティソーシャルワーク
 住民、当事者のコミュニケーション、相互支援活動、ディスカッション、ワークショップなど、コミュニケーションの場を通じて自己を探究するという雰囲気も創っていく。コミュニケーションを深めるこれらのプロセスを通じて、住民は相互に交流を深め、仲間意識、一体感、協調、コミュニティへの所属と開放感を取り戻す。もし、コミュニティ内に争い、諍いが過去にあったならば、和解も考えていく。

*まちづくり型地域福祉 コミュニティの所属と責任とは
 これらの新たな地域福祉活動を経験することにより、コミュニティの一員として作業する達 成感を実感し、コミュニティの「絆」づくりを住民もソーシャルワーカーも体感する。
 このコミュニティ内の活動の集まりは当初は小さな種でも、やがて成長し、全ての人々のための活動に、多くの人々がつながる場になるであろう。
 もし、住民や専門職が、コミュニティに対して根無し草のようなあり方であるなら、何につながっているのか、どこに向かっているのかも見失い、成長することも望めない。
 コミュニティという地面に根をおろしてこそ、実を結ぶことができる。根付くとは、コミュニティや住民に対する、自然な使命感を持って生きるようになるということである。その原動力は、個々ではなく、共同体の人々の緩やかな繋がりの中でこそ生み出される。


・社会資源の開発は、現状の社会資源・援助システムでは充足されていないニーズの把握・分析から開始される。
①日常的業務からのニーズ把握
・地域社会の福祉ニーズを把握するには、社会調査も重要であるが、日常的な業務を通じてニーズを把握する 略
 個別の相談事例から地域全体のニーズや問題を把握することも重要である。

②社会調査法によるニーズ把握
・必要に応じ、社会調査によるニーズ把握を実施する。

・なお、予備的なニーズ把握として、地域社会の福祉ニーズを把握するため、行政の資料等から情報を収集する。
・また、地域の専門職や当事者、関係者から、自由面接調査やグループインタビューを行なうことも有効 略
 加えて、専門職や地域の連絡会議等における問題の明確化、共有化も有効な手法 略
 環境、まちづくりが課題であるときは現地踏査も行なう。
・各地域の社会資源の整備状況は 略
・近隣の見守り、支え合いや傾聴ボランティアなど、インフォーマル資源も必要 略
・より良い援助を提供するために、地域の社会資源の不足が障壁となる場合もある。
 不足する資源を開発する 略

*既存資源の再資源化
・既存資源の再資源化とは、既存の資源ではあるが、一部の当事者・クライエントに対してサービス対象に含めていない現状の改善を図り、対象の拡大や、サービス提供の範囲を超えた対応を求めていくことである。
・各施設・社会資源は、クライエントの要件を定める。しかし、他に適切な資源がなく、その資源がサービス提供能力をもっている場合、その資源に対して利用要件の緩和や柔軟な対応をはたらきかけ、調整する 略
 加瀬は、「容易とはいわないが再資源化しうる社会資源は存在する」-協議の重要性。

・略 利用要件の緩和は簡単には進まない。
 交渉の技術が求められる。
 協調的交渉と競合的交渉のうち、前者が必要であろう。双方の利益を示す。「言い分」と「本吉・欲求」の見極めから、最優先事項を絞り込むことや、「問題」を見直すことなど 略

*新たな社会資源の開発
①一つの機関・団体が単独でサービスを設立し、自ら運営する場合
②地域の機関や団体の共同で開発・運営を行う場合(運営は単独の場合も 略
・資源開発は従来から社会福祉協議会等が行ない、近年は多様な取り組み 略

*不足する資源の発見
・個々のクライエントのニーズと資源との調整を図る中で、資源の不足によりニーズの充足が困難になる場合もある。
①ケースアドボカシー=個々の事例に関して、資源側との交渉等により解決を図る。
②コーズアドボカシー=同様の資源不足の状況に置かれている多数の当事者に対して、資源開発 略

*社会資源開発の展開
・鈴木による、社会資源開発の展開
①自己の確立(変革)、コア(核)となる「ひと」の確立
②「組織」の確立(変革)、組織化

 組織のニーズへの対応、サービス内容や質の評価を活かし進化する仕組み 略
③「地域」での福祉サービスを確立し、実践を地域化する
 「組織化」されたものを「地域化」する。地域に合わせたアレンジ、具体化。
④実践や社会資源の改善・開発を社会化する
・社会資源開発は、地域のネットワーク、協働作業から展開 略

6 予防的対応 テキストP152
 住民の要援護・問題の深刻化に対する、早期発見・早期対応の姿勢は重要である。
 地域ケアの過程で、地域の声かけ、見守り体制構築などの予防的な活動が重視される。
 支援者の協力体制構築は、問題発生に備えるための準備体制でもある。会議等によるネットワークづくりが必要である。

<関連資料 バックナンバー>
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福祉現場の語り 実践力


講義レジュメ ストレッサーのアセスメントとは 生活困窮者アルコール依存症者支援による援助者のストレス

講義レジュメ 支援計画事例、生活保護受給者の金銭管理支援とは 生活困窮者のコミュニケーション問題

講義レジュメ 地域包括支援センター、アウトリーチとは 福祉施設職員のセルフケア研修、レジリエンス

低所得者支援と生活保護練習問題 貧困の文化、履歴効果とは ひとり親世帯就職サポート事業、障害者就職率

新刊 当ブログ筆者が試験問題解説を執筆 
「2016社会福祉士国家試験過去問解説集 第25回─第27回全問完全解説」日本社会福祉士養成校協会編集 ISBN 978-4-8058-5161-6
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(3) 実践ストレスのセルフケアのプロセス
 実践ストレスのセルフケア、特に燃えつきからの回復と再出発にはプロセスがある。要諦は、自らの燃えつき、心身の慢性的疲労の状態を自覚することから回復は始まるということである。 換言するならば、自らの実践と心身の状態を理解していないところからは、復元は望めない。
 第一段階は、燃えつき状態であることの自覚と、その問題を認めることである。
 この段階は、心身の慢性的疲労や意欲の減退が、単なる身体的な疲労のみが要因なのではなく、心理的かつ職場環境の要素が関連していることを自覚することが重要である。
 また、燃えつきの要因でもある実践に関わる「完璧主義」が、自身の痛み、疲労の自覚と、他者への表現を困難にしている。痛みを分かち合うこともできない。
  併せて職員の家族や同僚、現場リーダーによる早期発見と、本人への助言が重要である。

 第二段階は、休養によって実践から距離をとることである。
 自身と職場・実践との間に心理的かつ物理的な距離をとり、実践に関わる思いを休止することにある。職務を継続しつつ心理的な距離をとることは容易ではない。休養によって職場との間に物理的な距離をとるのが有効である。
 しかし、休養することへの 「罪の意識」 が回復を妨げてしまう。症状の悪化に繋がる前に、適切に判断し、回復に踏み出す必要がある。必要に応じて、外部の資源、とりわけ医師などにも相談する。聞き取り等からは、この段階が遅れる程、職場への復帰が困難となる傾向がみられた。

 第三段階は、健康と安定の回復を図る。
 心身ともにリラックスし、健康を取り戻すことが、 この段階の要諦である。 しかし、ストレスが高まり疲労が蓄積され、心身の緊張状態を解くことは容易なことでない。焦らず、充分な睡眠や心身の安定を取り戻していくことが必要である。

 第四段階は、価値観の再検討を図る。
 今までの自らの働き方と生活を振り返り、 自身の再発見と価値観の再検討を行う。燃えつきからの回復のために、職務に傾斜し過ぎていた自己と生活を見直す必要がある。当然ではあるが、職務の手抜きの勧めではなく、生活の中で何を大切にし、何を改めるべきかを自らに問い直す作業である。
 具体的には、完璧主義や他者に依存しない姿勢を克服する。燃えつきからの回復、職務へ復帰するために最重要な段階である。

 早期に回復のプロセスを開始出来たならば、ここまでの段階で、職場への復帰も可能であろう。しかし、復帰が極めて困難な場合は、キャリアの再出発として、次のプロセスに進む。
 第五段階は、新たな働きの場を探す。
 自らと新しい価値観により適合する職場を求める。必要に応じてリカレント教育等を受けて、新たな職場を選ぶこともある。
 第六段階は、キャリアの新生である。
 新しい環境において、生活と働き方のスタイルを再設計していく。新たなキャリアへの出発である。

(4) ストレッサーの自己分析
 ストレッサーとは、ストレスを生じさせるものである。例えば、実践上のアクシデントや、自身の病気やけが、災害、犯罪被害といった非日常的な出来事から、多くの人が経験する日常的な出来事に至るまで、多様な出来事、人物、環境がストレッサーとなりうる。しかし、何がストレッサーとなるか、どの程度のストレスを生じさせるのかは、個人差がある。
 このため、ストレスに関する自己分析が必要である。
 一、何がストレッサーなのかであり、
 二、どんな影響を自らにもたらし状態(ストレン)はどうかであり、
 三、緩和し得る資源、モデレーターを見出すことである。
 なお、援助者の家族も、モデレーターとして重要な存在である。家族によって、ストレスから護られ、回復するためには、家族内の関係性が重要なことは言うまでもない。
 職員にとってのストレッサーが、自身の日常生活上のストレス、また職場外の家庭等の人間関係の場合もある。公私を含めて、自分にとって、何が大切なのか、自己の経験による価値観、考え方への影響や、感情等の特性に向き合う作業も必要である。


 下記の当ブログ筆者の論文から抜粋、次回に続く。
当ブログ筆者の論文 最新 「福祉施設職員のストレスケア サポーティブ研修プログラムの開発」
日本福祉教育専門学校 研究紀要第23巻1号 37頁から55頁 平成27年4月



お知らせ 当ブログ筆者の出張講義 福祉施設職員サポーティブ研修 無料
東京都の登録講師派遣事業<研修申込受付 平成27年9月23日まで>
「福祉施設職員のストレスケア サポーティブ研修」講座番号31
内容 福祉施設職員のストレスへの対処や燃えつきの予防、心身の健康のセルフケアを支援する研修

「生活困窮者、生活保護受給者対象のグループワーク」講座番号84
内容 貧困・生保受給者対象のグループワークプログラムと留意点等を、講師(ブログ筆者)の実践や事例に基づき解説

「福祉施設職員の職業倫理と福祉マインド、ハラスメント予防」講座番号32
内容 福祉施設職員に求められるモラルや福祉マインドの基礎と、ハラスメントの予防を含めて解説。

「グループワークの基礎」講座番号33
内容 福祉施設におけるグループワークのプロセス、方法、プログラム等の基礎を解説。

 上記は当ブログ筆者が担当する研修の一部です。
この講座は、東京都福祉保健局の委託による、福祉・介護事業所対象の職場研修です。ブログ筆者等の派遣講師が出向きます。講師謝金・講師派遣 無料

詳しくは下記をクリック
東京都社会福祉協議会登録講師派遣事業


相談援助の理論と方法Ⅰ 前期第17回講義レジュメ概要3
 当ブログ筆者(専任教員)が、社会福祉士養成科(夜間部)にて、2015/8/5 に講義            
<レジュメ完全版は講義にて配布。解説の詳細は講義にて>

2 ソーシャルワーク援助過程における契約の意義 テキストP170
*契約の意義①=対等性、自己決定の尊重を具現化

 契約の意義は、援助過程において対等な関係性を確立し、クライエントの自己選択、自己決定権を保障・尊重することにある。
・これらの理念の前提条件として、クライエントを信頼に値し、自己決定・問題解決の力を持つ存在とする、肯定的な視点、人間観が必要となる。

・医療においても、患者の権利の尊重を背景として、従来のパターナリズムの姿勢からインフォームドコンセントへと移行している。患者の、自己決定権の尊重につながる。
・ソーシャルワークにおける契約尊重の立場は、医療のインフォームドコンセントと同様である。
・権利の保障を図るアドボカシーと、クライエントの自己決定・選択の尊重は、ソーシャルワークの要である。

*人間への信頼感を取り戻す援助 伴走型ケースワーク
・伴走型の支援は、クライエントを信じることからはじまる。
 それは、全ての人は、かけがえのない存在であり、変化すること、成長することができる、お互いに深く関わることもできると信じることである。
 この援助者からの揺るがない信頼によって、クライエントは、自他への不信を乗り越え、自分自身を信じることができるようになる。人間への信頼感を回復するプロセスがはじまる。

*緩やかに繋がり、信じ合えるコミュニティの生活へ
 それは、人間として生きることの本質を取り戻すという精神的な支援の実践でもある。相互に尊重、尊敬し合い、繋がり、協力、調和と一体感を持ったコミュニティで共に生きる。親密な関係の中でこそ、人は生きていくことができる。
 人間支援の基本は、いかなる時も共にあるという確固とした姿勢にある。


*自尊感情を回復する相談援助
・生活の困窮のなかで、人は自信、意欲をも失ってしまう。
 社会的、心理的な困難な状況、つまり目に見える現状は容易には変わらなくても、パートナーシップによる支援の場というクライエントの居場所を創ることが、生き方を含めた全人的な支援の要点の一つである。
 クライエントは、決して独りではない。支援の場や生活するコミュニティのなかの一つの部分として存在し、そこに居場所がある。人間が、主体的な生き方と自らの居場所を取り戻すこと、併せて居場所における共感と分かち合いに至ることが、支援の目指すところでもある。
 何故なら、そこには孤立や心配からの解放、緩和が待っている-助け合い、相互の承認、痛みの共有による。

*コミュニケーションの促進 誇りと居場所を取り戻すということ
 具体的には、その居場所は非階層的、つまりヒエラルキーがない対等な場でなくてはならない。誰にでも責任と役割があり、全てのメンバーが共同体の感覚を持つ。
 また、個々の意見や感情を分かち合える、安全で相互に補完的なコミュニケーションを媒介とする。
 一人ひとりの自由な創造力、意欲が活かされ、自らの誇りを回復する場が切実に求められている。


*契約の意義②=協働作業、相互作用の促進
・ソーシャルワークは、クライエントの問題解決を代行するものではなく、双方が積極的に関与していく必要がある。契約は、問題解決を目指す過程が協働作業であることを具体化する。

*脱代行のソーシャルワーク 双方向のつながりの力
 問題解決の代行主義を脱し、クライエントの主体的な生き方を総合的に支援する、エンパワメントを徹底したソーシャルワークへと変革していく。
 契約によって、ソーシャルワーカーとクライエントの相互作用を促進する。双方向の関わりの力を引き出す。


*契約の意義③=問題解決のモチベーションの向上
・契約の合意形成の作業を通して、クライエントの問題解決への意欲を高める。
・援助者のクライエントへの信頼が本人の自己評価を高め、問題解決への自信を生み出し、意欲を高める。
・契約の内容には、目標やその達成方法、ソーシャルワーカーとクライエントの役割・課題・行動も含まれる。クライエントが、決定に参加することで自らの課題・行動の意味も理解し、意欲も高まる 略

<事例 契約事項:在宅介護を受ける高齢のクライエントの場合>

①援助のゴール
・在宅における自立生活の継続
②援助の方法
・現在の生活を支えるために、必要なフォーマル・サービスと、それ以外のサービスを見つけ出し,サービスが適切に受けられるように調整を行なう。
③援助者の役割
・必要なサービスが何かについてのアセスメント
・サービスをより良く提供する事業所・人々を把握し,それらの条件をクライエントに説明する。
・クライエントの選択に基づき,サービスをクライエントが使い易いように連絡・調整する。
④クライエントの役割
・援助者が収集したサービスの情報を聞き.自らにとって適切なものを選ぶ
・インフォーマル資源について、自分が援助を頼める人やグループなどを、援助者に伝える。有償サービスの使用希望の有無の表明
⑤サービス提供の条件
・各サービスにかかる費用(有償のものか無償かを明確に示す)
・契約内容の変更こ関して(再交渉が可能、変更も可能であること)
・援助の期間
・援助の進捗状況・成果の評価、見直しについて

<補足>
・契約段階では,大きく「利用者の問題状況の明確化」と「援助を提供したり,活用するうえでの内容・方法・諸手続きに関する明確化」という二つのことがらが含まれている 略
・また契約は,利用者と援助者との間で合意に達すれば変更される 略
・契約の過程で現れてくる両者間の顕在的・潜在的な不一致を早期にみつけ,それらを解消するための相互関係上の技能習得が援助者側に必要 略

*契約の方法
・契約の取り交わし方は,抵抗を示す利用者,疑い深い利用者,危機状態にある利用者など,特定の利用者やそのおかれている状況に応じて柔軟かつ適切になされていかなければならない。
 略 拒否的なクライエントの場合には,利用者との間に契約がうまく成立しない場合も考えられる。
 契約の活用は,問題や課題に対する取り組み方を明らかにし,問題解決過程自体が有する利用者と援助者との協働作業的な特質 略

<関連資料 バックナンバー>
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ソーシャルワーク実践研究会 関心をお持ちの方、どなたでも参加可能です。
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 ソーシャルワーク実践研究会
は、子ども家庭福祉、地域福祉、貧困生活困窮者支援、高齢者や障害者福祉、スクールソーシャルワーク等、毎回さまざまなテーマで、本校社会福祉士養成学科の卒業生等の社会福祉士からの実践報告、現場レポートなどを行なっています。一般公開です。
また、それぞれの実践の経験からの知識を共有するディスカッションを行い、卒業生と在校生、教員、福祉施設職員、一般の参加者との交流の場ともなっています。卒業生と学生等の継続した学びとフォロー、交流会のオープンな集まりです。
  ソーシャルワーク実践研究会は、社会福祉士養成学科・養成科等の本校の学生や卒業生はもちろん、現場の福祉職員の方々や社会福祉に関心をお持ちの一般の皆様の参加も歓迎です。進路検討中の方もご参加ください。
 当ブログ筆者(本校専任教員)等の教員も参加予定です。
 (今回、当ブログ筆者は同日の学校説明会の担当のため、研究会後半に合流し、交流会にも参加します)

 本校等で学ぶ学生や進路検討中のの皆様、福祉施設や機関の職員の皆様、社会福祉に関心をお持ちの方も、是非ご参加ください。
 毎回、様々な人が集まる肩肘張らない研究会と交流会です。進路検討中の皆さん、福祉職員の皆様も、社会福祉の実際を率直に語り合うこの集まりに、お気軽にお立ち寄り下さい
 参加申し込みは不要です。直接、会場にお越しください。
 ブログ閲覧中の皆様の参加をお持ちしています。お気軽にお越し下さい


<今回のテーマ>
 ソーシャルワーク実践10年目を迎えて
 中堅ソーシャルワーカーの実践力をつけよう(2)


【内容】
1.ピア感覚とそれを越える事例との葛藤
2.貧困や生活困難事例に共感的理解をどう掘り起こしたか
3.社会的サポートシステムに乗れる事例への支援
4.サポートシステムから外れる事例への葛藤と自分なりの対応方式
5.ソーシャルワーカーの苦悩と割り切りと努力


◎語り手 
 宮本さん(平成17年度 社会福祉士養成学科卒業生)

◎聞き手 
 山田 明さん(三沢福祉会理事長、元天理大学教授、元日本福祉教育専門学校社会福祉士養成学科長)

<メッセージ>
 「中堅ソーシャルワーカーの実践力をつけよう」シリーズの第2回目です。
 「いい仕事をしてますねえ」と言われる、実践力を積み上げましょう。(聞き手 山田 明さんより)

日時 2015年8月29日(土)14:30から16:30(研究会の終了予定時刻)
会場:日本福祉教育専門学校 高田校舎(旧高田馬場校舎)(1階窓口近くに使用教室を掲示します)
 JR山手線・東京メトロ東西線・西武新宿線「高田馬場駅」下車徒歩7分
 東京都豊島区高田3-6-15

参加費:無料(どなたでも参加できます、参加申し込みは不要です)

<日本福祉教育専門学校 高田馬場校舎 交通アクセス>
JR山手線・東京メトロ東西線・西武新宿線「高田馬場駅」徒歩7分
 案内図です

<お問い合わせ先> 
 学校法人敬心学園 日本福祉教育専門学校
 電話:0120-166-255


日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成学科・養成科
*日本福祉教育専門学校 社会福祉士養成学科は、4年制大学卒業(見込)等の方々が対象の、1年制の社会福祉士の養成コースの昼間部です
電話:0120-166-255


日本福祉教育専門学校 公式チャンネル - YouTube

*社会福祉士とは
  「社会福祉士及び介護福祉士法」により定められた、相談援助、運営管理、グループワーク等、ソーシャルワークに携わる専門職の国家資格です。
 各種の相談機関、福祉行政機関、福祉施設・団体、医療機関などにおいて,専門的知識と技術をもって,福祉サービス利用者の相談援助や,グループワーク、施設の運営管理、地域福祉活動等を行なう社会福祉専門職です。
 社会福祉士は、子ども、コミュニティ、障害者、貧困、女性、高齢者、更生保護等、多岐にわたる領域で、相談援助、社会貢献等の実務を担っています。
社会福祉士及び介護福祉士法

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相談援助の理論と方法Ⅰ 前期第17回講義レジュメ概要2
 当ブログ筆者(専任教員)が、社会福祉士養成科(夜間部)にて、2015/8/5 に講義            
<レジュメ完全版は講義にて配布。解説の詳細は講義にて>

8章1節 契約の意義と目的 テキストP162~
<概要>

・ソーシャルワークにおける契約の定義
 「ソーシャルワークの援助やサービスの利用に関するソーシャルワーカーとクライエントの間の合意」
・社会福祉基礎構造改革により、契約という用語が頻繁に用いられるようになった。

・ソーシャルワーク過程の初期の段階で,クライエントと援助者との間に取り交わされる援助における約束,合意が、ここで言うところの「契約」である。
・援助者は,この契約に基づいて利用者が抱えている特有の問題解決のためにいろいろな援助(サービス提供)を行っていく。そのためにも,契約は可能な限り具体的かつ明確でなければならない。
・契約は,「誰」と「何」を「なぜ」「どのような方法で」「いかにしていくか」を明らかにしていく一つの段階であり,特定の状況下にいる人々に、ソーシャルワークの過程を個別化していくうえでの手段として重要である。

*契約の力 約束とは関わること
 ソーシャルワークにおける契約の段階は、単なる「契約書の作成、締結」の段階ではない
 一人一人のクライエントとの約束である。
 それは、問題の緩和、解決を目指す道程で、共に歩むことの契約である。孤立から寄り添い、協働、繋がりの創造へ。


*契約はクライエントと援助者を結ぶもの 違いを越えて
 ・契約を結ぶ作業は、クライエントとソーシャルワーカーの信頼に基づく。
 契約、約束を結ぶことによって、関わりの結びつきを更に強固なものに打ち固める。関わりを深める。
 両者の間で異なる価値観、立場を越えて、約束を、そして両者を結ぶ作業とも言えよう。


事例:ソーシャルワーク相談援助における契約とは
 アルコール依存症の生活保護受給者の事例
 断酒の「約束」に基づく、援助の契約と援助計画。
 しかし、再飲酒(スリップ)、健康の問題。
 面接:何を話かけても、「飲んでないです」


*変化への扉を開くソーシャルワーク
・クライエントには、変化への恐れもある。今の生活や生き方が変化すること、家族の関係やあり方の変化への抵抗もある。
 しかし、孤立から関わりと相互の尊重へ、希望へと変わること、目に見えない変化もソーシャルワークはもたらす可能性がある。
 自分だけの生活、孤独に引きこもり、拠り所がない生き方から、確かな自分の居場所を持つ変化でもある。新たな生活への扉を開くとも言えよう。
 人間が生きていくためには、関わりと居場所も必要である-衣食住だけではなく。


1 社会福祉援助過程における契約 テキストP163
<「契約」の必要性>
・契約は、クライエントの抱える問題を解決するために,何を達成するのかという援助のゴールを、クライエントと共有できるように話し合い,協働で作り上げたゴールを書面の上で明確にしていくことである。
・また,クライエントの権利、役割等を明らかにし,クライエントと援助者の双方が対等の立場で、それぞれの責任・役割を分担するという姿勢を示すためにも,「ゴールを共通認識する」ことは、重要な事柄である。
・加えて「ソーシャルワーカーは,私が困っている問題をすべて解決してくれると思っていたのに‥」といったような、クライエントと援助者との間のズレを避けるために、双方の確認事項、共通認識を「契約」することが必要である。

<契約段階の二つのとらえ方>
A.援助開始のための契約 インテーク⇒契約

・アセスメント・支援計画に先んじて、契約の段階が設定 略
インテークに関連させて契約段階を位置づける考え方 略
・この場合、契約は、援助を開始するにあたり、援助全般におけるソーシャルワーカーの役割、クライエントの役割、面接に関する時間的枠組み(面接時間、面接回数、期間)、費用等について、合意のうえで援助を開始する。
・面接等援助に関する基本的なルールの、クライエントとの合意と捉えられる。
それは、クライエントからの過度の依存、過大な期待を予防することにもなる。

B.援助目標達成のための契約 アセスメント⇒契約
・一方、契約段階をアセスメント段階と援助計画段階の間に位置づける考え方もある。
「アセスメント」⇒「クライエントのモチベーションを高める」⇒契約であり、援助計画段階につなぐものとして契約を位置づけている。
ヘップワースらによれば、契約は「最初でかつ最も重要な最高点であり,変化を目指す段階への導入部でもある-それは援助のプロセスの心臓とも言える」(1993)ものである。
・契約は、クライエントとソーシャルワーカーの対等性と、クライエントの問題解決過程への参加を、具現化したものである。
・目標の設定と結びついた契約に焦点 略
・援助過程における契約のとらえ方は、これら二つの立場がある。
 テキストはアセスメント段階から援助計画策定の段階の間の契約 略

*契約の内容
・契約は,問題解決の過程にある人(クライエント)を組み入れていく最初の段階である。援助を受ける手続きに関してサービス利用者の自己決定が行われる。
・クライエントは援助者と契約に際する相互の話し合いのなかで,次のようなことを確認し合っていかなければならない。
①取り組んでいくニーズや問題の明確化
②問題解決のための目標設定
③利用者と援助者によって達成される当面の具体的な課題,
④課題に対する可能な援助活動の内容
⑤提供される援助方法,手続き・費用等の明確化,
⑥援助活動の予定期間
⑦援助過程で果たさなければならない利用者,援助者双方の役割分担や責任など。
 援助者の守秘義務等の倫理責任。面接の予約の規定。

<続く>


<福祉施設職員のストレスケア サポーティブ研修・続き 当ブログ筆者の論文から>
5.職員チームによるストレスケア
(1) 燃えつきストッパー=サポートネットワーク
 援助者自身を支える職場の同僚や、専門職団体のメンバー、出身校の同窓生等の「仲間」の存在は、ストレスケアの重要な資源であり、燃えつきのストッパーである。「仲間」の繋がりと相互支援がストレスケアの力の源泉であることは、聞き取り等からも明らかになった。
 具体的には、職員チームによる予防的な取組みが不可欠であり、燃えつき状態の職員が生じたときにだけ対処するのではなく、日常の実践において過度のストレスが生じないように、チームとして改善を図る。燃えつき状態に至る前に、ストレスが高じた職員を個別にケアを行い、早期に休暇等の対応を図るなどが実行出来るサポートシステムを構築していくことが重要である。職務によって消耗し、心身が疲労している同僚に対する言葉かけを端緒として、個別ケアに踏み出すことが求められている。
 また、福祉施設のチームワークとは、利用者への配慮は当然ではあるが、同僚等への気遣いが基本にあるべきである。何故なら、お互いへの配慮のある職場は、お互いを楽にする。換言するならば、同僚等を支えるという視点、姿勢、行動が求められている。

(2) 福祉施設職員の人間関係の二つの側面
 先述のように、職場における職員間の人間関係がストレッサーとなっている現実もあるが、またストレスケアの要でもあって、まさしく諸刃の剣と言えよう。
 もちろん、良好な人間関係による、サポーティブな職場づくりが求められている。良い職員集団は、相互支援を行う。また、職員のインフォーマルグループの関係性が、職員の働きやすさ、チームアプローチ、サービスの質に直結する。職員チームの仲間意識の強弱も、関係する要素である。
 また、職員チームにおける良いリーダーシップが不可欠であるが、管理職自身も、ストレスが高じる、燃えつき状態になる可能性がある。また、管理職が現場を支えていくためにも管理職へのサポートと、職場のメンタルヘルス等の専門的知識が必要となるであろう。


 下記の当ブログ筆者の論文から抜粋、次回に続く。
当ブログ筆者の論文 最新 「福祉施設職員のストレスケア サポーティブ研修プログラムの開発」
日本福祉教育専門学校 研究紀要第23巻1号 37頁から55頁 平成27年4月


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内容 福祉施設職員のストレスへの対処や燃えつきの予防、心身の健康のセルフケアを支援する研修

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内容 貧困・生保受給者対象のグループワークプログラムと留意点等を、講師(ブログ筆者)の実践や事例に基づき解説

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内容 福祉施設職員に求められるモラルや福祉マインドの基礎と、ハラスメントの予防を含めて解説。

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相談援助の理論と方法Ⅰ 前期第17回講義レジュメ概要1
 当ブログ筆者(専任講師)が、社会福祉士養成学科にて、2015/8/5 に講義            
<レジュメ完全版は講義にて配布。解説の詳細は講義にて>

7章2節 アウトリーチの方法と留意点 テキストP155~
<ポイント>

・アウトリーチの手法とは―ケース発見、サービスへの誤解を解き、拒絶を解消することから開始する。
 アウトリーチには、包括的アセスメントが必要とされる。また、現場の援助者へのバックアップの体制も必要となる。

 事例:地域包括支援センターにおいて、生活問題を抱える高齢者やその家族に対して、アウトリーチの積極的な実施。

1 援助過程とアウトリーチの具体的方法 テキストP161
*ケース発見

・クライエントレベルでの対応
 アウトリーチは、地域に出向き対象を発見する⇒対象を援助へと引き入れていく支援の方法、あり方である。

*諦めと無力を越えて関わる-アウトリーチの力
・ケースは、自らの現状について諦めや無力感が強く、問題意識をもっていないか、解決の動機づけに乏しい場合もある。

⇒問題をありのままに認識できることから問題解決ははじまる。関わりを創ることが前提になる。
・サービス利用への抵抗感がある場合もある。
⇒過去の否定的な被援助・拒絶体験や、誤解から生じていることもある。

・ワーカーは、これらの背景を理解し、受容的な対話により誤解を解き、問題解決の動機づけを高める働きかけを行なう。
 このため、入口として、クライエントとの間に信頼関係を構築することが不可欠であるが、単に献身的にかかわれば実現するのではない


・トロッター(C.Trotter)は、「ワーカーとクライエントの役割をクライエントが理解するように支援すること(正確な役割の明確化)、社会的にみて望ましいと思われる行動をクライエントがとることを示し、賞賛や何らかの心理的報酬によって強化していくこと(向社会的価値のモデリングと強化)、クライエントが定義した問題の解決に協働で取り組むことなどが有効」。

事例:クライエントがワーカーに対し、「これまでの人とは違う」と実感することが、信頼関係を築くことを促進する。
 実践的には、何度も対象者のもとに通い、気にかけていること、全人的な共感と受容を行動で示す必要な場合もある。
 率直な言葉、訪問の繰り返しという行動で伝える。

 このような関係を継続し、クライエントが感じている問題に共感するスタンスが不可欠である。

*孤立・セルフネグレクトを脱け出すために  訪問という社会福祉の基本に帰ろう
 人間は、困難によって、怒りや絶望のなか、他者との関わりを閉ざすこともある。根底にあるのは、他者への不信である。
 他者との関わりを怖れ、隠れているのではないか。
 しかし、関わりたい、近づきたいという、人間への希求も存在し、アンビバレントな内面の状態だと言えよう。
 人間は、他者との繋がりによって、それぞれが成長するための機会が生まれる。
 自らの力と希望、現実との絆を取り戻すこと、自分の弱さを受け入れることも可能になる。

*緩やかなつながりを拠りどころへ 居場所を創るソーシャルワーク
 自分が強さを、力を持っていることに気づけない、信じられないことからも、劣等感は生まれる。
 一歩づつ誇りを回復していく途が必要だと言える。
 人の集まり、繋がりのなかでこそ、人間は成長を支え合える。その繋がりを創り、深めていくことを求めていきたい。
 やがて繋がりは、相互に支え合う拠りどころに成長していく。


・システムレベルでの対応
・イギリスのケアマネジメント 略
 関連システムの、市民に対する広報が重要 略
・住民や関係機関による、ケース発見のネットワークを構築することも重要である。ケアシステム。
 具体的には、見守り活動等の小地域福祉活動が、インボランタリー・クライエントの早期発見・早期対応を可能にする重要な課題である。


*アセスメント
 ストレングスの発見、積極的な支持
・ライフストーリーの振り返り(一人一人)と、語りの促し-個人と家族の隠された歴史を語るということ。
・家族の規範、価値観のモニター
・リフレーミング
・家族の課題の提供
・家族の行事や神話の見直し
・気付きの促し

<社会診断>
・全体的に見てどうなのか
・家族全員と会うこと 
・結びつきの強弱-家族
・食生活・食習慣
 金銭管理-収入と支出
 住居―観察:トイレ、湿気、暗い部屋、過密、給水。
・飲酒問題
 退屈なだけの仕事(苦役)と、酒と賭博
 健康的な刺激を


・情報収集と包括的なアセスメントが必要である。情報とは、心理・社会的、過去、内的世界の理解をもたらす情報などである。
・クライエントの関係者によるカンファレンスを開き、情報の共有と、共通理解を図ることも有効である。

*モニタリング
・クライエントの家庭訪問(生活場面面接)は、生活の様子、戸外の都市環境、住宅の物理的環境、近隣関係の把握に有効である。クライエントの本心も語りやすい。
・インフォーマルな協力がある場合は、訪問時に訪ね、情報収集と、負担への配慮をする。
 支援と関係の維持のために必要である。
・サービス利用を行なっている場合は、機関の担当者を訪ね、情報収集や協議を行なう。
 サービス提供の現場を訪ねることも有効である。

2 アウトリーチを行なうための留意点 テキストP164
<補足:訪問活動の理念>
・家族中心
 生活の基盤としての家族。家族のニーズ。
・コミュニティ基盤
 地域社会における相互扶助。
・協働システム
 家族や地域住民との協働。


*アウトリーチを可能にする要因 テキストP164
 座間によるアウトリーチを可能にする要因
①職員に対する要因
アウトリーチの必要性に対するワーカーの認識・力量、職員体制の課題。
②サービスに関する要因
クライエントの個別性に合わせた工夫、柔軟なサービス提供。
③組織的要因
ワーカーが資源活用に関する実質的な権限をもつ、他機関と積極的に連携をとる。
④地域の状況
ワーカー・機関と地域との関係の構築。

*事例:地域包括支援センターの地域連携・地域づくりの活動
①広報活動:市民に相談機関の存在をアピールする。
②地域ケア会議の開催:関係者のカンファレンス実施。
③民生委員・児童委員、学区社会福祉協議会、各種関係機関等との連携
④出前講座、相談会の実施
⑤社会資源調査と情報発信
⑥実態把握活動


*アウトリーチ活動を行なうワーカーのバックアップ体制
 略
・アウトリーチを正当な業務として認める管理者・機関の姿勢が必要である。
 略
<補足>
・アウトリーチを実施できる体制の整備は、機関・施設の運営管理の課題である。

<福祉施設職員のストレスケア サポーティブ研修・続き 当ブログ筆者の論文から>
4.実践ストレスに対する総合的セルフケア
(1) ストレスから復元する力であるレジリエンス
 福祉施設における実践とその職場がもたらすストレスは、援助者にとって避けられない問題であり、総合的なストレスケアが求められる。ここでは、個々の援助者としての対処を中心に考えてみたい。
 援助者が実践のストレスに向き合うための要は、ストレスからの総合的な復元、回復の力とも言えるレジリエンスである。これは、実践による燃えつき、心理的な負担からの、自身が持つ治癒力とも言えるであろう。これらは、援助者自身を支え、拠り所となる職場内外の仲間との繋がり、語り合いによって、更に強められる。

(2) 職場の総合的ストレス・マネジメント
 職場のストレス・マネジメントとは、ストレスへの積極的な対処 を実施することにより、ストレスの心身への悪影響を緩和していこうとするものである。つまり、職務上、避けられないストレスに適切に対処することによって、ストレスから働く人の心身を守ろうとする取り組みである。
 具体的には、後述するリフレーミングやサポートネットワーク等の、ストレスへの対処の方法が含まれる。
 一般的なものであるが、職場のストレスへの対応策の4つの方法について整理したい。
一、セルフケア。スタッフ各自によるセルフケアの取り組みと、スタッフ自らのストレスへの対応の向上のために、所属組織が支援を行うことである。
ニ、各部署によるケア。スタッフの相互支援である。また部署のリーダーが、人間関係を含めた職場環境の調整や、業務の阻害要因の除去、スタッフへの個別支援等を行うことである。
三、組織内の産業保健スタッフ等によるケア。組織内の産業医や衛生管理者等が、職場のメンタルヘルスケアに関する支援等を行うことである。
四、組織外資源によるケア。組織の外にある医療機関、相談機関などを利用する。必要に応じて、職場とネットワークを構築して、スタッフの支援に当たる。
 この4つのケアを、各職員とリーダーは理解し、職員はセルフケアと同僚等との相互支援を、リーダーは部署の職員のメンタルヘルスの支援を行うことが求められる。

 下記の当ブログ筆者の論文から抜粋、次回に続く。
当ブログ筆者の論文 最新 「福祉施設職員のストレスケア サポーティブ研修プログラムの開発」
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内容 福祉施設職員に求められるモラルや福祉マインドの基礎と、ハラスメントの予防を含めて解説。

「グループワークの基礎」講座番号33
内容 福祉施設におけるグループワークのプロセス、方法、プログラム等の基礎を解説。

 上記は当ブログ筆者が担当する研修の一部です。
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講義レジュメ ソーシャルワークの終結段階、移行支援、アフターケア、メイヤロフの補充関係とは 相談援助

講義レジュメ ストレッサーのアセスメントとは 生活困窮者アルコール依存症者支援による援助者のストレス

講義レジュメ 支援計画事例、生活保護受給者の金銭管理支援とは 生活困窮者のコミュニケーション問題

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相談援助の理論と方法Ⅰ 前期第15回講義レジュメ概要2
 当ブログ筆者(専任講師)が、社会福祉士養成学科にて、2015/07/22 に講義            
<レジュメ完全版は講義にて配布。解説の詳細は講義にて>


6章3節 支援の終結と効果測定、評価、アフターケア テキストP146から
<ポイント>

・「終結」とは、支援・援助プロセスを終わりにする段階である。
・終結とは、専門的援助関係=クライエントとワーカー間の相互作用による全人的な関係の終了と、契約により始まったクライエントとソーシャルワーカーの援助契約の終了を示す局面である。
・終結のなかには、学校における卒業、通過施設の退所等のように、定められた期間の終了によって、迎えるものもある。
 期限内でどのように支援するか、組織としてのアフターケアにどのように繋げるか
 例 生活保護施設の通所事業等。

1 支援の終結 テキストP146
*終結の条件

・対象問題が解決された、もしくは改善された場合に終結となる。
・利用者が提起した問題が解決され,もはやこれ以上援助を必要としないと双方で判断した場合,終結段階を迎える。
・今後の課題は残るが、利用者自身で解決可能な場合も終結となる。自己解決の見込みが援助者、利用者間で合致する必要がある。

*終結の意義
 支援の必要以上の関わりは、弊害(援助者への依存等)を生じる可能性がある。
 人間関係への依存-相互性があるか。

*人間関係への依存と、その相互性
・他者との関わりを拒否するか、生活の全てが支配されるほどに、その人間関係に依存してしまうか。関係依存は、拒絶か度を越した依存か等、これらの現れ方がある。
 援助者にも人間関係依存の傾向があるのではないか-利用者、関係者等に頼られること、自らが必要とされること、他で見出だせなかった自らの存在価値を見い出すこと。
 職業選択の理由の一端として、あるのかもしれない。人間関係への不器用さと、人と関わり繋がり、役に立ちたいという願いがある。

*ケアの「補充関係」
 援助者側のこれらの事柄を、メイヤロフの「補充関係」のように、肯定的に捉える考え方もある。
 苦境にある人の支援、その人の成長のため、ある意味、自らも、成長していく。援助者側の自己実現である。
 実践において、自らが必要とされることによって、世界のなかに居場所を獲得する


*なぜ、援助の関わりを終わらせなければならないのか。
 利用者は、本来、支援する人と、支援される人が2つに分かれたコミュニティ、関わりを求めていたのではない。
 支え合う、自らと他者が一つになるコミュニティを望んでいるはずである。

*全人的な成長、自己実現という約束の地への旅
 ソーシャルワークは、その探求の旅を支援する役割を担う。人が、孤独や無力感、諦めに支配されていた状態を脱して、それぞれの自己実現の探求にに取りくみ、内なる気づきを持てるように、全人的な成長を目指すソーシャルワークとして、支える力になる。
 利用者が、他の人にはない個性、独自性、自分の隠れた強さ、力、光、生きている意味を見いだすように支えること、全人的な支援である。終わりを迎えることによって、利用者の新しい生き方、探求への旅立ちを支える役割を完遂することになる。


・また、援助過程を経験する中で、利用者の問題対処能力が向上し、利用者の自立生活の為、意図的な終結もあり得る。クライエントとの意思の合致が必要である。
・終結と援助プロセスの中断は異なる。

<補足>
*終結のプロセス

◎モニタリングにおいては、これまで進めてきた援助過程が効果的な結果をもたらしているか否かに焦点を当て,評価・終結への判断を行う。
◎終結の際には,残された問題の確認とその解決方法についての検討を行う。
◎クライエントとともにこれまでの経過を振り返り,その結果に対する彼らの合意を得て,終結を決定する。

*移行の支援 成長の機会としての終結
・これまで継続してきた専門的援助関係を断絶させ,利用者は自らの力量で自立していかなくてはならない。
 この分離を利用者の成長・発達の経験としてどのように役立てるかが問題となる。
⇒支援とは-人間的な成長のための支援であり、援助者も支援を通じて成長する。


・ソーシャルワーカーがクライエントの力量に着目し,終結後の生活を視野にいれた援助を実施する。
・利用者の主体性を尊重し,積極的な参加や関与を促進する努力が行われたとしても,援助者に対する依存性は少なからず存在する。
 援助者は利用者との分離に際して慎重な配慮と新たな体験を有効に活用できるように準備が不可欠である。

*自立と依存のアンビバレンス
 これをどのように処理し,自立に向けての動機づけと支援の方策を十分に考慮しておく必要がある。
⇒援助の対象が児童等の場合は、更に慎重さと配慮、働きかけが必要となる。


*終結に向けての準備
・終結に向けた準備は援助展開の後半期から開始する。
 面接間隔の調整 ─ 利用者の独力での問題への対峙を図る。
・終結の告知 ─ 利用者側の準備。

*終結に伴う感情をクライエントと分かち合う。
 終結に伴う感情を表現するよう援助する。

*終結という喪失からクライエントの成長の促進へ
 クライエントの深い感情を呼び起こす。せっかく親しい関係が成立したのに、終結するということで,終わるということを拒否したり,喪失感をもつ。
 クライエントの感情の特徴-「見捨てられる」という意味づけと怒り。
 否定、回避。
 関わりの終わりの感情の大きな動きは、働きかけの効果が増す、成長のチャンスでもある
 もっと継続をしたいという強硬な態度が示される
 時間ばかりかけて何も役立つものがなかったというような「否定」をする

・過程において学んだことを回顧してみるように求める-ワーカーとの共同作業の振り返り。
 援助過程で起こった変化と、そのために行なった努力の過程を整理していくことが重要である。 
 この作業をとおしてクライエントは,援助関係を終了した後に起こる問題や課題に対処する方法を獲得し,今後の生活の安定を目指そうとする。
・最終的な別れの機会を設ける。

*終結における援助内容
1 問題解決過程の評価
・利用者の問題解決への努力を肯定的評価
2 残された問題の確認
・対処が独力で可能なことを示し、それに向けた援助
3 再利用の可能性
・再利用の受け入れが可能であることを伝達する(オープン・ドア)。

<留意点>
・援助過程において、終結・終わるということから、最も重要な感情が表出することもある。
 「ドアの"とって(ノブ)"効果(療法)」

・援助者とクライエントの互いの成果をまとめる十分な時間が必要である。
・援助は終わるものの,ここで得たものを糧として,クライエントが次の生活へと移っていく移行の時期でもある。
・次の生活にスムーズに移行していけるように援助する。
 ホームレス自立支援施設、生活保護の更生施設施設等にとって、大きな課題である。
 児童養護施設の、家庭への復帰、再統合という課題 虐待リスクが増大するという課題もある。
ここまで



<生活困窮者、アルコール依存症者支援による援助者側のストレス・続き 当ブログ筆者の論文から>
2.生活困窮者支援を継続する理由
 筆者の実践における経験や、寿町のソーシャルワークや医療の専門職の聞き取りから抽出した、実践を継続する理由は次のものである。ストレスケアの一つの道標となるであろう。
(4) 援助者の居場所としての実践-当事者との補充関係
 先述のように、援助者は自らの選択によって社会の主流から離脱したとも言えよう。寿町地域と組織、実践を居場所としている側面がある。それは、拠り所としての居場所という意味だけではなく、援助者としての役割を果たす「拡張された自己」の成長の場でもある。メイヤロフが「補充関係」として提示しているように、広義のケアの実践と当事者の存在によって、援助者自身の生の質が補われている側面がある(Mayeroff, Milton『ケアの本質―生きることの意味』ゆみる出版,1987)。つまり、援助者も自己実現と、自らの生きる真の意味とその場所を、実践のなかで見出し拡充しているのである。
 
(5) 柔軟かつ自然体の実践へ
 自らの実践を含む社会福祉や医療専門職、専門機関による支援の限界を認めた、自然体の実践が力となる。柔軟性を持ち、目に見える成果のみを急いで求めることなく、利用者や関係者とその関わりを尊重する姿勢である。援助者の人間性が問われているとも言えよう。
 総じて、当事者とのパートナーシップによる支援と、実践による援助者とその実践思想の成長、援助者と当事者の相互に補い合う関係性が特徴と言えよう。つまり、実践思想と当事者との関わりは、援助者のストレス要因でもあるが、実践や成長の力の源泉でもあるという二面性がある。

 寿町地域とは、横浜市中区の簡易宿泊所が密集した「ドヤ街」 である。現在は、高齢化した元日雇労働者や精神障害者等の生活保護受給者が単身で集住する地域である。筆者は、1999年からは寿町の「ことぶき共同診療所」における精神科デイケアにおいて、主にグループワークの実践を継続して今日に至っている。利用者は簡易宿泊所に単身で住む生活保護受給者であり、アルコール・薬物(覚醒剤等)依存症、統合失調症等の多様な疾患・障害を持つ。

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児童家庭福祉制度練習問題 貧困家庭の子供の高校進学断念、学習支援とは、高齢者の地方移住、主任児童委員

講義レジュメ 再アセスメント方法、支援見直し、実践による援助者の気付きと成長とは 相談援助の理論
 

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【社会福祉士養成校協会】全国統一模試+ポイント解説講座
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10月25日(日)東京会場
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